パブリック・コメント  厚生労働省ホームページ

医療法等の一部改正に伴う政令・省令の改正等に寄せられた意見について

平成13年1月25日
厚生労働省医政局
総務課


 医療法等の一部改正に伴う政令・省令の改正等について、平成12年12月27日から平成13年1月15日までインターネットのホームページ等を通じて御意見を募集したところ、167通の御意見をいただきました。
 お寄せいただいた御意見とそれらに対する当省の考え方につきまして以下のとおり御報告いたします。とりまとめの都合上、いただいた御意見は、適宜集約しております。
 いただいた御意見については平成13年2月末まで厚生労働省行政相談室(中央合同庁舎第5号館2F)で閲覧することができます。
 なお、パブリックコメントの対象ではない事項に関する御意見も寄せられましたが、パブリックコメントの対象となる事項に限って考え方を示させて頂いております。


頂いた御意見と当省の考え方

1)看護職員の人員配置について

<御意見>

 今回の医療法改正で定められる看護職員の配置基準(「一般病床」3:1、「療養病床」看護婦・准看護婦及び看護補助者がそれぞれ6:1)よりも、もっと高い基準にすべきである。

<回答>

 今回新たに設定した医療法上の基準は、最低基準として設定したものであり、病院に実際に配置される看護職員の数については病院の管理者が、入院患者の病態や看護職員の業務量等に基づき、適正に判断していくのが望ましいと考えており、そのために必要な診療報酬上の対応を行っているところです。

2)薬剤師の人員配置について

<御意見>

 今回の改正では病院の薬剤師の人員配置基準について改正を行っていないが、病院における薬剤師の配置はもっと多くすべきである。

<回答>

 病院における薬剤師の人員配置については、今回の医療法改正とは別途、平成13年12月を目処に見直しを行うこととされております。薬剤師の実態及び薬剤師の需給の状況等を踏まえて、検討を進めることとしております。

3)施設基準の緩和について

<御意見>

 臨床検査施設を必置施設としなくなったのは何故か。臨床検査施設を必置としなくなることで、臨床検査施設を廃止する病院が出てくるのではないか。

<回答>

 行政改革委員会最終意見(平成9年12月12日)において、「委託業務に係る施設設備の設置の義務付けについては、廃止も含めた見直しを検討すべきである」との指摘を受け、病院が有しなければならない施設の見直しを行いました。
 病院の臨床検査施設のうち、検体検査については、医療法の規定によって外部委託が認められているので、夜間・休日における医療の提供に支障がない範囲で、当該検査に関する施設を必ずしも置かなくて良いものとしました。しかし生理学的検査に係る施設については外部委託が認められておりませんので、臨床検査の設置は引き続き法律上義務づけられており、臨床検査施設を廃止することは出来ません。

※参考 行政改革委員会最終意見(抜粋)
 また、病院の一部の業務を外部委託することにより、当該業務に係る施設・構造設備については、院内の施設設備を利用する場合を除いて、全く使用されていないか、有効な使用が図られていない実態も見られる。非常時における対応等の特別なケースを想定した設置の義務づけをするのではなく、業者との業務委託契約においてリスク管理が図られるべきである。したがって、基本的には、委託業務に係る施設設備の設置の義務付けについては、廃止も含めた見直しが必要である。

4)医療計画について

<御意見>

 平均在院日数推移率は、全国一律にかけるのではなく、地域における実態を考慮するべきではないか。また、療養病床、一般病床の区別なく一律に推移率を乗ずるのはいかがなものか。

<回答>

 平均在院日数については地域により差はあるものの、全国的に短縮化傾向であることを踏まえ、算定式に入れることとしました。なお、今回の算定式は新たな病床区分が定着するまでのものです。

<御意見>

 他都道府県からの流入入院患者数が流出入院患者数を上回る都道府県について、実態を反映したものにすべきではないか。

<回答>

 医療計画制度は地域における医療の適正な配置を達成するための制度ですが、流入入院患者が上回る実態を考慮した場合、今以上に医療資源の地域間格差が拡大する恐れがあることから反映しないこととしました。

5)感染症病床について

<御意見>

 医療計画における感染症病床の基準病床について、感染症法に規定する第二種感染症指定医療機関における感染症病床については、二次医療圏ごとに知事の指定を受けている第二種感染症指定医療機関における感染症病床であることを明記すべきである。

<回答>

 「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(以下「感染症法」という)に規定する第二種感染症指定医療機関については、原則として二次医療圏ごとに1か所、人口に応じて病床数を算定することとしています。しかし、第二種感染症指定医療機関については、各都道府県の地域の実情等により、必ずしも二次医療圏ごとに指定されているわけではないということもあり、医療計画においては都道府県全体として基準病床数を定めるべきものと考えています。

<御意見>

 感染症病床の構造設備基準についての経過措置として、既存の感染症病床については改築時等の適当な時期までに新たな感染症病床の構造設備基準に適合させるよう努めること、とすべきである。

<回答>

 感染症病床の構造設備基準については、現在においても、感染症法に基づく基準のほかに医療法施行規則に規定された基準が適用されています。既存の感染症病床の構造設備基準については、現在でも医療法施行規則上規定されている現行の基準を規則改正後も引き続き適用し、改築時には改正後の新たな基準を適用することとして、御意見は反映されています。

6)精神病床について

<御意見>

精神病床の人員配置基準を一般病床と同等にすべきではないか。

<回答>

 今回の精神病床の人員配置基準の改正については、公衆衛生審議会から「精神病床以外の病床とできるだけ格差のないものとすべき」との意見をいただいており、この趣旨を踏まえ精神病の患者の様々な病態に応じた、できるだけ一般病床と差がない精神病床にふさわしい基準としたところです。
 具体的には、いわゆる総合病院や大学病院の精神病床については、合併症に対応する役割も果たすところから、一般病床と同等の水準に引き上げています。また、その他の精神病床については、看護婦の基準を患者4人に対し1人とし、医師の基準は療養病床と同様、患者48人に対し1人としています。

<御意見>

 「精神病患者を精神病室でない病室に収容しないこと」という規定は、精神障害者の医療選択の機会を奪い、差別を助長するものなので廃止すべきではないか

<回答>

 「精神障害者を精神病室以外の病室に入院させないこと」という規定は、精神障害者についてはその医療と保護を適切に図る観点から、一定の行動制限を受けることがあるため設けられているものです。
 なお、合併症を有する患者など、合理的な理由がある場合には、一般病室に入院することを認めているところです。


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