パブリック・コメント  厚生労働省ホームページ

救急救命士法施行規則の一部改正等についての御意見の募集について

 標記については、平成15年2月20日から平成15年3月19日までインターネットのホームページ等を通じて御意見を募集したところ、14通の御意見をいただき、ありがとうございました。
 お寄せいただいたご意見のうち、今回の省令改正に直接関係ない内容の御意見を除いたものに対する当省の考え方につきまして、以下のとおりご報告いたします。
 なお、取りまとめの都合上、いただいた御意見は適宜要約し、パブリックコメントの対象となる事項についての考え方を示させて頂いておりますので御了承ください。

1.今回の省令改正に賛成の御意見(計9件)

(1)今回の省令改正に直接関係のある御意見(計3件)
基本的に賛成だが、今回の省令改正が「気道挿管」「薬物投与」などの業務拡大の布石であってはならない。

 平成14年12月に取りまとめられた「救急救命士の業務のあり方等に関する検討会」報告書において、気管挿管については、「気管挿管でなければ気道確保が困難な事例も一部存在することから、医師の具体的指示に基づき救急救命士が気管挿管を実施することを限定的に認める必要がある。」とされ、さらに、「平成16年7月を目途に、必要な講習・実習を修了する等の諸条件を満たした救急救命士に、限定的に気管挿管を認めるべきである。」とされています。
 薬剤投与については、「次のような検証等を行い、これらの結果を踏まえて、本検討会において早期に結論を得るべきである。」とし、必要な検証として、「救急救命士が行うものとした場合の薬剤の有効性と安全性に関し、ドクターカー等における研究、検証を、心拍の回復に必要となる最小限の薬剤に限定して行うこと。その際、平成15年中を目途に、これらの研究、検証の結果をできるだけ早く得るようにすること。」、「各地域におけるメディカルコントロール体制の整備状況の把握及びその質の評価。」を挙げています。
 厚生労働省としては、本報告書の内容を踏まえ、必要な対応を図っていくこととしています。

基本的に賛成。除細動器の呼称については、厚生労働省として適切な用語を設定したらどうか。除細動実施後の報告の記載事項、送付先、保存方法や、無脈性心室頻拍に対する除細動の実施、消防・救急医療関係者のモラル及び諸規定遵守についての記載を盛り込むべきではないか。

 御指摘の内容については、省令改正に伴い発出する通知の内容に反映してまいりたいと考えております。

基本的に賛成だが、プロトコールの周知徹底を図るべき。また、今後については、全国のメディカルコントロールの状況を調査・検証し、公表すべき。
救急救命士の養成教育、国家試験のあり方、就業前・就業中の病院実習について、その内容を各段階毎に早急に検討整理する必要がある。

 プロトコールについては、「包括的指示下での除細動に関する研究会」において検討されたものを十分活用するとともに、必要に応じて地域メディカルコントロール協議会で見直し等を行うよう努めること、救急救命士は、プロトコールに習熟した上で、プロトコールに沿って早期除細動に努め、救命効果の向上を図ること等について、省令改正に伴い発出する通知に盛り込み、周知徹底を図ることとしています。
 また、平成15年3月3〜6日には、日本救急医療財団主催で「メディカルコントロールに係わる医師研修」を実施する等、地域において救急医療を担う医師に対してもプロトコール等の周知を図っています。
 全国のメディカルコントロールの状況については、これまでも逐次調査を行ってまいりましたが、今後についても、引き続き状況を把握し、公表してまいります。
 「救急救命士の業務のあり方等に関する検討会」報告書においては、救急救命士の処置範囲の拡大など救急救命士の業務の高度化と資質の向上を図っていくためには、現行の養成課程や国家試験のあり方等の見直しが必要であるとされています。また、平成15年1月31日に取りまとめられた「救急救命士の国家試験のあり方等に関する検討会」報告書においても、今後、包括的指示による除細動や必要な諸条件を満たした救急救命士に限定的に認められる気管挿管等、処置範囲の拡大が予定されていることから、これに合わせて、養成カリキュラムの検討、試験内容の範囲拡大等を含め、養成課程全般についての改善に向けた早急な対応が必要であるとされております。
 厚生労働省としては、これらの報告書の内容を踏まえ、必要な対応を図っていくこととしています。

(2)今回の省令改正に直接関係のない御意見等(計6件)
 今回の省令改正に直接関係がないものについては、今回は御回答を控えさせていただきます。

2.御質問(計2件)
メディカルコントロール体制の構築が確立されていない地域において従来の具体的指示のもと「無脈性心室頻拍(脈拍を触知しない心室頻拍)」に対する除細動の実施は可能か?

 可能です。

MC体制構築整備の基準はなにをもって判断すればよいか。

 救急業務の更なる高度化を図るためには、メディカルコントロール体制を構築することが必要であり、都道府県メディカルコントロール協議会及び地域メディカルコントロール協議会の適切な運用を図り、常時指示体制、事後検証体制及び再教育体制の一層の充実等に努めることが必要です。
 都道府県メディカルコントロール協議会は、都道府県消防主管部局・衛生主管部局、都道府県医師会、都道府県内の救命救急センターの代表者、都道府県内の消防機関等で構成され、地域のメディカルコントロール体制間の調整や、地域メディカルコントロール協議会からの報告に基づき指導、助言等の役割を担うこととなります。
 地域メディカルコントロール協議会は、救命救急センター等中核となる救急医療機関を中心に、常時指示体制が包括している地域を単位として設置することが望ましく、都道府県消防主管部局・衛生主管部局、消防機関、郡市区医師会、救急医療に精通した医師等で構成され、病院前救護にかかる消防機関と医療機関の連絡調整、業務のプロトコール、マニュアル等の作成、常時指示体制の整備、検証医の選定及び事後検証票の作成等を含めた事後検証体制の確保、並びに救急救命士の資質向上のための研修機会の確保に関する支援等の役割を担うこととなります。
 包括的指示下での除細動については、地域メディカルコントロール協議会が設置され、事後検証体制が確保されていることが前提であり、こうした条件の成就した地域において実施されるものです。
 なお、地域メディカルコントロール協議会が未設置の地域において、都道府県メディカルコントロール協議会が事後検証を実施する場合については、包括的指示下での除細動を行うこととして差し支えありませんが、こうした地域においてもできるだけ早期に地域メディカルコントロール協議会を設置することが必要です。

3.その他(計3件)
 今回の省令改正の内容と直接関係のないものです。

照会先:医政局指導課
内線2559


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