トップへ戻る コンテンツを読み飛ばす

日本の公的年金は「社会的扶養」

疑問「社会的扶養ってなに?」ガイド「公的年金制度を通じて、社会全体でお年寄りを支える仕組みです」

こちらからお読みください
前へ
次へ

私的扶養、いまの日本では難しい?

私的扶養の場合、扶養する相手(親など)と同居したり、近くに住んで生活を支えたりすることが必要になります。

ですが、戦後の日本では、地方から都会に出てサラリーマンになる若い人が増え(都市化)、都市部に人口が集中していきました。また、その人たちが都市部で家庭を持ち、親と離れて夫婦と子どもだけ(核家族)で暮らすことが一般的になったため、親と同居もしくは近居して扶養することが難しくなっていったのです。

同時に、高齢者だけの世帯が増えたことで、送迎や宅配などさまざまなサービスが発展し、高齢者だけでも生活がしやすくなりました。

また、昔と比べて、医療の技術が発達し、衛生状態が改善するなど、高齢者が健康に生活できるようになりました。そのため、平均寿命が延び、親を扶養する期間が長くなってきました。

長女私たちが田舎に住むのも難しいし、おばあちゃんが都会にくるのも大変。近くで面倒を見るのってハードルが高いよね

だから、公的年金は社会的扶養なんです

上記のような都市化・核家族化によって、同居や近居での私的扶養が難しくなると同時に、平均寿命が延びたため親を養う期間も次第に長くなり、子世代にかかる負担が大きくなってきました。こういった変化のなかで、社会全体で高齢者を支える仕組みが公的年金制度として整ったのです。

現役世代は、年金保険料を納めることで親の生活を心配することなく生活ができ、高齢者は、公的年金によって、自分の子どもに過度な負担をかけず、経済的に自立した生活が送れます。親と遠く離れて暮らすことの多い現代の日本では、社会的扶養が、扶養する側にもされる側にも安心できる制度なのです。また、このように社会全体で支えていく仕組みの方が、個人や家族だけで支えるよりも確実で効率的であるといえます。

参考:家族をめぐる代表的な変化
  昔(1960年) 現代(2010年)
三世代同居世帯数 411万 244万
高齢者単身世帯数 13万 479万
家族の人数 4.47人 2.42人
平均寿命 男性 65.32歳
女性 70.19歳
男性 79.55歳
女性 86.30歳
平均余命(65歳時) 男性 11.62年
女性 14.10年
男性 18.74年
女性 23.80年
サラリーマンの割合 53.4% 87.3%

出典:「国勢調査」(総務省)、「完全生命表」(厚生労働省)、「労働力調査」(総務省)

まとめ

  • ライフスタイルや家族構成の変化によって、私的扶養が次第に難しくなってきた
  • 公的年金は社会的扶養の考え方をベースにしている
  • 公的年金が社会的扶養であることで、扶養する側もされる側も安心して自分の生活を送ることができる
財政検証の詳しい結果はこちら