国の政策と方向性

精神保健医療福祉の改革ビジョン

精神疾患の現状

精神疾患患者は、2011(平成23)年は320.1万人となっており、いわゆる4大疾患(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病)よりも多い状況となっています。

治療薬の発展などにより近年の新規患者の入院期間は短縮化傾向にあり、約9割の新規入院患者が1年以内に退院しており、特に統合失調症の入院患者数が減少しています。これに伴い、精神病床の病床数は減少傾向にありますが、依然として1年以上の長期入院患者は20万人を超えています。

また、うつ病等の気分障害や認知症の患者数が増加し、薬物依存や摂食障害、発達障害への対応等の社会的要請が高まっているなど、精神科医療に対する需要は多様化しています。


精神保健医療福祉の改革ビジョン

このような状況のもとで、平成16年9月に厚生労働省精神保健福祉対策本部が提示した「精神保健医療福祉の改革ビジョン」(以下「改革ビジョン」と言います)では、「国民意識の変革」、「精神医療体系の再編」、「地域生活支援体系の再編」、「精神保健医療福祉施策の基盤強化」という柱が掲げられ、「入院医療中心から地域生活中心へ」という方策を推し進めていくことが示されました。
この改革ビジョンに基づき、現在まで、精神保健医療福祉施策の改革のための様々な施策が行われてきています。

精神保健福祉施策の改革ビジョンの枠組み【図を拡大する】
精神保健福祉施策の改革ビジョンの枠組み

 


平成22年6月閣議決定に基づく取り組みについて

精神保健医療福祉の現状と課題を踏まえ、平成22年6月閣議決定において、①「社会的入院」の解消に向けた検討、②保護者制度の見直し等も含めた精神障害者に対する強制入院等についての検討、③精神科医療現場における医師や看護師等の人員体制の充実のための具体的方策についての検討を行い、その結論を得ることとされました。

「社会的入院」の解消に向けては、病院からの退院に関する明確な目標値の指針について都道府県の定める第3期障害福祉計画で示すとともに、「できる限り入院を防止しつつ、適切な支援を行うアウトリーチ(訪問支援)の充実」、「夜間・休日の精神科救急医療体制の構築」、「医療機関の機能分化・連携を進めるため医療計画に記載すべき疾病への追加」、「退院や地域での定着をサポートする地域移行支援、地域定着支援の創設」、「地域生活に向けた宿泊型自立訓練の充実」など、地域移行・地域定着を可能とする地域の受け皿整備の取組をとりまとめ、随時実施しています。

保護者制度等の見直しについては、精神障害者の保護者になる家族に精神障害者を支える義務を負わせる仕組みから、より地域全体で支える仕組みへの転換に向け、保護者のみに課せられた責務の廃止などの見直しの方向性を平成24年6月にとりまとめました。

病床の人員体制については、急性期では一般病床と同等の人員配置とするなど、患者の状態像や特性に応じた機能分化を進めるように見直す方向性を平成24年6月にとりまとめました。


精神保健福祉法改正法の成立、施行に向けた取り組み

平成24年6月の検討会にてとりまとめた方向性を踏まえ、精神障害者の医療の提供を確保するための指針(厚生労働大臣告示)の策定、保護者に関する規定の削除、医療保護入院の見直し等を盛り込んだ精神保健福祉法改正法が2013年6月に成立し、公布されました。

同法の平成26年4月の施行を見据え、平成25年7月より「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」を開催し、この検討会のとりまとめた指針案をもとに平成26年3月に指針を公表しました。この指針は「入院医療中心の精神医療から精神障害者の地域生活を支えるための精神医療への改革」という基本理念に沿って示したもので、この実現に向け精神障害者に対する保健医療福祉に携わる全ての関係者が目指すべき方向性を定める指針として策定したものになっています。

 


資料・通知など

 

 

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