家族や友人がパニック障害になったとき

夫がパニック障害になった経験(夫44歳会社員、妻46歳主婦)

夫は2歳年下だが、そんなことを感じさせることはこれまで一度もなく、いつも私を支えてくれる存在だった。それがこの半年で人が変わったようになってしまった。

半年前に帰宅途中に倒れたとのことで病院に運ばれてからというもの、いつも胸を押さえて「心臓が…」と心配そうにしている。その後もあちこちの病院や医者に通っているが、どこでも異常はないといわれて、「そんなはずはない」といいはっている。

確かに、時々夜中に布団の上でうずくまって苦しそうにしていることもあって、私も心配ではある。だけども、医者が「心配いりません」といっているのに私まで一緒に心配したら、かえって夫の不安をあおるのではと思い、「気にしすぎないように」と励ますようにしている。

不安そうな気弱な夫を見るのもつらいが、夫もそんな自分が許せないようで最近はイライラしているのがわかる。だんだん家が暗くなってきて、私までつらくなってきた。

夫は、仕事も休みがちになっている。聞くと、電車に乗るのが怖いと言う。「会社の近くまでついてきてくれたら行けそうな気がする」といわれた時には、本当に驚いた。心配して優しく接してきたことで夫が私に依存するようになってしまったのだろうか。もっと距離を置いて接するべきなのだろうか。

パニック障害を理解する

パニック障害の発作は、つらさ・不安が理解されにくいものです。周りにいる家族や友人たちは、パニック障害がどういうものかを知ることで、患者さんの不安が理解しやすくなります。

発作の時は「大丈夫」と背中を優しくさすってあげましょう

発作では死なない、とわかっていても、パニック障害の患者さんは発作がおこると強い不安にとらわれてしまいます。そばにいる人が「大丈夫」と優しく声をかけて背中をさするなどすることで不安を少しでも軽くするように手をさしのべてあげましょう。

「どこに行くにも一緒」の役割を一人でこなそうとしないで

広場恐怖があると、一人での外出を避けるようになり、家族など周りの人が一緒に付き添わないと出かけられなくなることもあります。家族や周りの人が付き添いを一人でこなそうとすると、ご自身も疲れてしまいます。たとえ治療が始まっても、患者さんが一人で外出できるようになるまでは時間がかかることもあります。一人ですべてをこなそうとしないで、たまにはほかの家族や友人、カウンセラーなどの協力を得て、息抜きの時間を作り、ストレスをためないようにしてください。