私がパニック障害になったとき

私の経験 34歳、女性 現在は両親と妹との4人暮らし

2年前の夏。夜中に突然目が覚めた。気がつくと胸が焼けるように熱く、息苦しくて「ああ、心筋梗塞だ」と思った。救急車を呼ばなくちゃと思うのだけど、体がうごかない。そのときは一人暮らしだったので、このまま死んだら、いつ誰が私の死体を発見するのだろうと思って気が遠くなるほど怖かった。

どうにかそのときは痛みが治まったが、4日後に、こんどは昼間、会社でランチ中に苦しくなった。すぐに救急車を呼んでもらい、大騒ぎになったけれど、検査しても異常は見つからなかった。

その後も、胸がどきどきして、いたたまれないような焦った気分に襲われることが毎日のように続いた。強い発作も数回あって、それが怖くて夜など一人ではいられなくて、実家に戻ることにした。

その後も発作が起きるたびに救急車を呼んだりするので、家族にも迷惑をかけている。妹などは、発作のたびに「またか」というような顔をする。「お姉ちゃんは大げさだから」といわれたこともある。結婚前の娘がふたりもいる家で救急車を何度も呼ぶのは世間体が悪い、と両親も思っているようだ。

これまで、心臓などを調べてもらったけれど、異常は見つかっていない。めまいもするので耳鼻科にも行ったけれど、原因はわからない。仕事は続けたいけれど、実家から会社は遠くて、1時間ずっと快速電車に乗っていなくてはならないのはつらい。その間にまたあの発作が起きたらと思うと、怖くて仕事は休みがちになっている。迷惑をかけるので、今とりかかっていたプロジェクトからははずしてもらった。

周りに迷惑をかけるばかりで一人では何もできない自分が情けなくて、自分などいなくなったほうがいいと思っている。

内科的な検査でどこにも異常が見つからない発作

パニック発作は、心筋梗塞などの症状によく似ています。そのため、はじめは循環器科など内科で受診することがほとんどです。 でも、パニック障害の場合は、どんなに検査しても、内科的な異常は見つからないのです。

発作では死にません

パニック障害の発作は、どんなに苦しくても死ぬことはありません。パニック発作が起きたら、「命の危険はないのだ、これは不安のためだ、時間がたてば自然に治る」と自分にいい聞かせてあげましょう。

周りから理解されにくい

内科や循環器科でどんなに検査しても異常が見つからないと、あなたが発作の時に経験しているつらさは周りの人からは理解されにくいものです。理解されにくい発作のつらさと不安。もしパニック障害と診断がつけば、それをキーワードとして、周りの理解も得られやすくなります。まずは専門医(精神科や心療内科)で相談してみましょう。道がひらけるかもしれません。

うつ状態になることもある

一人では外出もできないような状態になると、そんな自分がなさけなくて自己評価がどんどん低くなり、うつ状態になることがしばしばあります。
そういうつらい状況から抜け出すには、できるだけ早く、適切な治療をうけることが第一歩です。