私がうつ病になったとき

私の経験 48歳主婦

子供が自立して半年ぐらいたったあと、だんだん家事がうまくできなくなってきた。昼過ぎまで頭がぼーっとしているので、掃除も洗濯も後回しになってしまう。結果的に、すべてが中途半端で、家はどんどん散らかっていき、夫が帰ってきたときにはまだ食事の準備が終わっていないような日が続くようになった。

自分がこんなに怠け者になってしまったとは情けない。家事もできなくなった専業主婦は、もう家にいる価値などないと思う。夫にも申し訳ない。家にもどこにも、私がいる意味などないのだ。私などいないほうがきっと夫にも子供にもいいだろう。明け方目が覚めたまま、ずっと涙がでて止まらない。なぜこんなことになってしまったのだろうか。

夫は私がうつになったのではないかといっている。そうなのだろうか。病院にいこうといわれたが、いったところでこんな自分がどうにかなるとは思えないが、迷惑をかけるばかりで申し訳ないので、言うことを聞こうかと思う。

うつ病かな?と思ったらどうすればいい?

もし、うつ病かな?と思い当たるサインや症状があったら、まずは専門家の判断をあおぎます。専門家というのは、精神科や心療内科の専門医です。施設としては、総合病院の精神科や心療内科の他に、精神科のクリニックなどがあります。精神科を受診することに抵抗があるのなら、地元の保健所や精神保健福祉センターの相談窓口で相談することもできます。

身近にも相談相手を持ちましょう

説明できないような不安の中に一人でいることはとても苦しいことです。一人で悩まずに、相談できる人や場所を持ちましょう。家族や友人のほかにも、患者グループ、電話相談なども利用できます。

信頼できる主治医を持ちましょう

不安や疑問を相談できて信頼できる主治医をもつようにしましょう。
精神科の医師の中でもうつ病を得意とする人もいればそうでない人もいます。相性もあります。もし、相談してもはっきりした説明が聞けない、質問したらかえって怒られた、というようなことが続くようなら、ほかの施設の専門医の意見(セカンドオピニオン)を求めて、主治医を変えた方がいいか考えるヒントにするのもひとつの手段です。誰も信じられずに勝手に医師を転々と変えるのはいいこととはいえませんが、セカンドオピニオンで客観的なアドバイスをうけながらいい関係を持てる主治医をさがすことは時には重要です。

自殺はしないでください

うつ病で苦しむ人は、自殺したいと思うことが時々あります。しかし、どんなタイプのうつ病でも時間がかかっても気分がいい方向に向かう日は必ずあります。そのときには自殺したいと思っていた気持ちは消えているはずです。決して自殺はしないでください。
自殺を考えたら、誰かに話してください。家族でも、主治医でもいいですし、いのちの電話なども使えます。一人で悩み、一人で決めることはしないでください。