家族や友人が強迫性障害になったとき

息子が強迫性障害になった母親の経験 (息子19歳・大学生 母48歳)

息子は第一志望の大学に入学でき、元気な毎日を送っているように見えたが、体調をくずしたのか、毎日のトイレ、そして洗面所を使う時間が異常に長い。

「おなかこわしたの?薬あるよ」と聞いても「大丈夫」と答えるだけ。

ある日、トイレから出てくる息子を見たら、ドアノブにティッシュペーパーをかけて開けている。洗面所では30分も手を洗っている様子。

「何をそんなに洗っているの」と聞くと、まず石けんを洗い、蛇口を洗い、手を洗う。全部終わって蛇口をひねったときに、そこが水でぬれていたら、また石けんを洗うところからやり直し。「汚れが落ちた気がしない」のだと言う。

また、家具の汚れ、とくにカビが気になるようで、ソファーやクッションカバーの小さなシミを見つけては「カビだよね?」としつこく聞いてくる。

「食べ物のシミ。この間、お父さんが落としたでしょ」と言うと「そうだったね」と納得するのだが、何日かたつとやはり「カビ?」と同じことのくりかえし。

息子は「汚いもの」が怖いのだ。大学にも行かなくなり、自室に閉じこもるようになってしまった。

でも、私にはなぜそんなに怖いのかわからない。掃除や洗濯はこまめにしているし、多少の汚れで、人は病気になったり、死んだりしないのに。私も掃除やシミ抜きばかりするようになってしまって、とても疲れる。

家族も病院にいっしょに行き、病気について知ろう

強迫性障害は家族も巻き込まれやすい病気です。家族もいっしょに病院に行き、病気や治療についての知識をつけ、どのように本人を援助すればよいかを学んでおくと、患者さんも家族も気持ちがラクになります。

治療の目標は具体的なものに

復学や就職、アルバイトができるようにするなど、社会的な行動に関する具体的な目標を立てると、「治そう」という動機づけがはっきりし、治療が進みやすいといわれています。

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