こころの病気と向きあう

第3回:重さは分けると軽くなる

社団法人日本精神保健福祉士協会 常務理事 大塚 淳子

長寿社会となり、多くの国民がなんらかの疾病や障害を抱えながら暮らす時代を迎えています。多くの人は、できるかぎり健康でありたいと願い、疾病や障害の予防に努めていることと思います。あらためて、健康について考えることも多くあるのではないでしょうか。
1984年のWHO保健憲章の定義によれば、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」とされています。 疾病や障害を抱えても、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を目指して、自分らしく生きられることを望む人が増えています。

そうは言っても、人生の途上では、さまざまな出来事に遭遇します。特に予期しないことや、準備が整わないままに受け入れ難い事態に直面すると、どうしていいかわからなくなるのは自然です。悩んだり、落ち込んだり、喪失感に浸ったり、心配事を多く抱えて眠れなくなったり、食べられなくなったり、笑えなくなったり……心も身体もさまざまな反応を示す場合もあります。心の病気(精神的疾患)も、最初は身体の反応から症状化していくことが多いのです。

自分ひとりでなんとかしたい、自分でなんとかしなきゃ、人に話すようなことではないだろう、きっと時間が解決するはず……など、頑張って耐えてしまう傾向が日本人には少なくないと言います。

人に話してみることで、相談をすることで、ほんの少しでも気持ちが落ち着くことや、考えが整理できること、行動の選択肢が増えることなどが意外とあるものです。できれば、守秘義務を持ち、さまざまな保健医療福祉制度などにも明るい相談専門職が、保健所や市役所、医療機関(心療内科や精神科)などにいますので、気軽にお尋ねください。たいてい、重さは分けると軽くなります。

 

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