定例事務次官記者会見概要

(H20.06.12(木)14:00〜14:13 省内会見場)

【広報室】

《次官会議等について》

(次官)

本日の次官会議では厚生労働省案件はありませんでした。

《質疑》

(記者)

後期高齢者医療制度について、この後政府・与党協議会が予定されていますが、与党の方ではすでに見直し案というのがまとめたようですが、このことに関しての次官の評価をお願いします。

(次官)

後期高齢者医療制度は、2年間をかけて準備して4月から施行されたわけですが、制度の趣旨、移行にあたっての変化についての理解、説明の点において対応が必ずしも十分ではなかったと思っております。施行された諸状況、国民の様々な声に応えて与党が中心となっていろいろな対策を、経過措置であるとか、21年度以降の対応とか他にも検討する事項があるわけですが、まとめられました。本日、政府、与党でその方針が決まりましたら、政府、特に厚生労働省を上げて円滑な実施に努力をしたいと思っております。

(記者)

原爆症に関してなのですが、原告側も上告をしないことで判決が確定することになったのですが、原告側は上告しないことを早期解決を求めるメッセージだと言っていて、是非政治的決断をして全員救済をしてほしいと言ってますが、そのことについては。

(次官)

前回も申し上げましたが、判決はきちんと受け止めなければならないと思っております。判決の具体的な中身をよく審査委員会の方で、検討していただいて、今後の個別の審査に活かせるものは活かしながら、現行の仕組みの中で的確な対応をしていくということになると思います。来週に審査委員会が開かれますので、そこで御議論いただくというのがまず第一歩だと思います。

(記者)

後期高齢者の運用改善策ですが、新たに必要な財源が何百億掛かると思うのですが、それと政府が掲げている社会保障の抑制方針との関係についてどのように思われていますか。

(次官)

今度の措置については、制度実施の円滑な施行に向けて、講じるべき措置をまとめられたと。今年度は、21年度以降を睨みながら今年度においてやれるべきことをやっていこうということです。実施するためには数百億円経費が掛かりますが、これについては、政府内でよく詰めないといけませんが、現在の予算に不足するものについては、補正予算を検討することなどを含めて対応していくことになります。この問題は、所謂予算シーリングの問題には直接響いてこない問題であると。制度としては平成18年に法改正をして、こういう形で実施するということで予算を組んでいる話です。実施にあたっての円滑な施行に向けての配慮というものが、組み込まれるわけでありますので、これは補正予算に関わる問題という受け止めであります。

(記者)

後発品使用促進の施策に関連してお伺いしたいのですが、昨日日本の薬品メーカーの第一三共がインドのジェネリックメーカーを事実上買収しまして、日本でどういった展開をしていくかというのはまだ定かではないのですが、今後第一三共が本格的に日本の後発品マーケットに参入してくることにおいて、厚生労働省としてはどのようにご覧になっているかコメントをいただけますか。

(次官)

医薬品産業のあり方は、幅広い目でと言うのでしょうか、戦略的に考える必要があると思っております。特に世界を見ますと、アメリカの企業を中心に様々な研究、新薬の開発を行っておりますし、日本の大手のメーカーも諸外国、特にアメリカを中心に進出しております。一方、世界的に見てジェネリックの使用が追求されておりまして、我が国の場合は欧米に比べるとジェネリックの比率が低いという現実であります。ですから、もちろん先発メーカーが研究開発をして、新薬を作っていくという力を削ぐことなく、育てるというのは大事な側面ですが、一方、特許期間が過ぎた後のジェネリックについては、よく使われるようにしていくことも大事な側面です。その両方を各メーカーが、大手のメーカーも睨むようになってきたということの一つの表れかなという気がいたします。第一三共だけではなく、ジェネリック関係に関心を持っている大手メーカーが何社かあると聞いておりますし、それの具体的な形が、一つは国内のジェネリックの使用促進ということだけではなく、世界的な流れの中でのジェネリックの使用というのがあるという流れを踏まえての、行動ではないかと思います。世界戦略の一つとしての。今までは世界戦略というと、新薬を開発して承認を受けて、全世界に打ち出すという新薬の方ばかり日本のメーカーは目が向いていたわけでありますが、ジェネリックの分野についても目を向けた企業対応が取られたということではないかと思っております。

(記者)

日本のジェネリック使用促進という、日本のことに限ってお話をお伺いしたいのですが、これは日本の後発品使用促進を、進める動きの一つだとお考えですか。

(次官)

まだ、第一三共が買収することになりましたインドのメーカーは国内でも確か他メーカーと提携していたと思いますので、これをもって直ちに第一三共が国内におけるジェネリックの使用促進に繋がるかどうかは、まだ定かではありません。

(記者)

公的年金の運用改革についてですが、諮問会議がワーキンググループで、基金分割なりオルタナティブな話を打ち出したところで、厚生労働省がかなり抵抗して、盛り込むことを防いだというような、見方もあるのですが、そこの辺についてコメントをいただけますでしょうか。

(次官)

公的な年金の積立金をどう運用したらいいのかというのは、様々な立場から様々な意見があるのだと思います。小泉内閣時代だったでしょうか、株価が8,000円を割ったような時がありましたが、あの頃は、マスコミも国会も株の運用を止めるべきだということを厳しく追及していたと思います。今は株価が少し戻ってきましたから、リスクを高くとっても良いのではないかということがあるのですが、そういう様々な時代、時期時期においていろんな意見が出ますけれども、私は、公的年金の運用は長期的に安全を旨としながら、かつ、しかるべき金利も稼ぐということが大事だと、運用利回りを稼いでいくということが大事だと思っております。かつまた、この積立金は、年金の保険料という意味では、保険料を納めている、働いている人達なり事業主なりのお金でありますので、基本的にはそういう人達の意見も踏まえて考えていく話ではないかと。一方的に、一時期の現下の状況だけを見て、いわゆる、今ならアクティブに運用をすべきだとか、そういう短期的な視点で議論をする話ではなくて、長期的に見て、かつ、お金を拠出している人達の意見を踏まえて、というのが基本ではないかと思います。

(記者)

それと運用改革は必要ないとお考えでしょうか。

(次官)

運用改革は、今でも運用関係の審議会の委員を今年も入れ替えて、外国での仕組みの視点を持っている人を含めてメンバーを入れ替えています。そういう意味では、長期的な展望を持ちながら的確な運用を心がけるのが基本だと思います。ただ、波の激しい運用が、年金資金の運用に向いているかというと、そういうことではないのだと思います。そういう年金の資金の性格を踏まえながらより安全でかつ有利な運用というのは何かというのは追求していかなくてはいけないと思っております。

(記者)

先程の件の確認なのですけれども、来年度以降も330億円掛かるような話ですけれども、来年度以降も補正予算で対応していくというような意味なのでしょうか。

(次官)

来年度以降については、もちろん来年度予算をどうするかを基本的には考えないといけないと思っておりますが、それ以外にもなお検討事項がいくつか与党の中では書かれているわけでありますので、そういう全体を見ながら一体どういう対応をするのかを考えていく、ということではないかと思っております。

(記者)

明日、天引きの、後期高齢者医療制度の2回目の天引きだと思うのですが、厚生労働省として広域連合に対してどんな指示というか、トラブルを防ぐ等どういった指示をしてますか。

(次官)

第一回目の特別徴収の時に誤徴収であるとかが、あったわけでありまして、システムで天引きをしますから、誤ったことについては何をどう改善するのかということを広域連合の方から社会保険庁の方に言ってもらわないと直せないわけであります。それは、かなりは直っておりますけど、なお若干システムの開始までに間に合わなかったものがあります。そこにつきましては間に合わなかったものは分かっておりますので、あらかじめこういうことで間に合わなかったからということを広域連合から連絡してもらうと、実際は市町村になると思いますが、市町村から連絡してもらうと。この時期はこういうことになるからと、あるいは、多くをとってしまう場合には、この金額を返還しますというようなことをあらかじめ連絡してもらうようにしておりまして、そういう意味では、捕まえている情報の中では、やれることはやったかなと思っております。

(記者)

タクシー券の問題なのですが、今週18名の方が使っていたということなのですが、その感想と今後の対策をお願いします。

(次官)

夜遅くまで仕事をしてタクシーを利用して帰る人の中にタクシー運転手からビールをもらったとかいうのが18名あったわけであります。この行為への対応、例えば、公務員倫理規定等に照らしてどういう問題があるのか、そこをきちんと確認をして、正すべきは正し、また、しかるべき対応すべきものはしかるべき対応をすると思っております。その点については、関係方面と確認中でございます。

(了)


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