定例事務次官記者会見概要

(H19.12.20(木)14:02〜14:10 省内会見場)

【広報室】

《次官会議等について》

(次官)

今日の次官会議では特に厚生労働省案件ございませんでした。ご質問がありましたらどうぞ。

《質疑》

(記者)

薬害肝炎訴訟で国が示した和解案について原告側が受け入れできないとして和解協議を打ち切る方針を示していますけれども、これについて受け止めをお願いします。

(次官)

大阪高裁からの期限内にということで、今日大阪高裁が示した和解骨子案を受け入れるとともに、更に和解を求めるために必要なこちら側の考え方を示したわけであります。大阪高裁の示した和解の骨子案を尊重しつつどういうことができるかという中で考えた案でありまして、大臣が会見で話されたように、実質的にはこれで皆さん方の救済に繋がるのではないかということで示したものであります。大阪高裁は、今日の段階ではありませんが、以前の段階の話として、和解についてはなお努力をしたいという表明をしておりましたので、引き続き大阪高裁のリーダーシップの下で話が更にまとまっていけばありがたいと思っております。

(記者)

大阪高裁のリーダーシップの下でということなのですが、国としてはあくまでも和解を求めるという姿勢は変わらないということなのでしょうか。もし変わらないとすれば今後どういう取り組みをすることとか。

(次官)

原告側から和解を求めるという話があって、それに応じる形で和解の協議に入ったわけであります。そういう中で大阪高裁が和解の努力をしてくれているということですので、大阪高裁の和解の努力がある限り我々もその大阪高裁のリーダーシップの下で協議を続けていきたいと思っています。

(記者)

国民から見ればなかなか問題が複雑で国はなぜ原告が求める全員一律救済を認めないのかというのが分かりにくいと思うので、なぜ認められないかということを分かりやすく教えていただけますか。

(次官)

大阪高裁の和解骨子案でも、製剤の製造方法の変化が途中にあるわけですが、それに応じて企業の責任のある部分、あるいは企業と国が共同して責任を負う部分というものを和解骨子案で示しているわけです。その国と企業の責任が負わない部分については大阪高裁の基金を積んで実質的な救済ができないかという案を示しているわけです。責任がない部分についてお金を支出するということは難しいことで、その部分にある意味で政治的決断というのでしょうか、そういうことで大幅な上乗せをして今後提訴する人にも対応できるようにするということであります。責任の議論を横にしてしまうというのでしょうか、区切られた期間ではなくて、全部変えてしまうというのは、和解の骨子案の立っている前提を壊すような話になります。私どもとしては、大阪高裁が地裁の判決を踏まえ、いろんな言い分を踏まえ、データを踏まえ、示された和解案というのを尊重しながら動くのが基本姿勢であるべきだろうということで対応しています。責任がないところについてまで責任を認めて支出するようにということですので、責任がないところに責任を認めるというところが非常に難しい話だということであります。

(記者)

今、責任がないというところまでお金を出せというのは、これは原告側がそう言っているという。

(次官)

そういう意味です。一律にというのはそういう意味だという理解です。

(記者)

そうすると、この案についても相当、今日の修正案の、大臣が明らかにしたものは、厚生労働省的に見てもかなり大幅に譲ったものというふうに。

(次官)

いわゆる責任論を超えて、そこに出していこうとしたわけですので、それは一つの決断だと私は理解しております。

(記者)

ですが、原告が直ちに大阪高裁の和解の協議ももう対応しないというようなことをすぐに発言していることについてはどういうふうに。

(次官)

意見は、今日、大阪高裁に出すというのが基本ですので、私どもは大阪高裁に出したわけであります。原告側の意見もまた大阪高裁に伝えられるのだと思います。そういう全体を踏まえて、大阪高裁はこの先をどう考えるかというのがまず第一であって、その動きを見たいということであります。

(記者)

たしか骨子案の中でも、原告が求めている全員一律救済が望ましいというような指摘があって、だけれども、国側、被告の方の特段の譲歩がない限りはというような話があったと思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。

(次官)

そこは、あれは骨子案ではなくて、骨子案というのは非公表になっているわけです。それに対して、裁判所がクラブ発表用のコメントというのを出したのだと思いますが、その紙だと思いますけれども。そこでは、同じ文脈の中で、原告側の主張は5つの地裁の判決にも反するということも併せて書いてありますし、それから、国側のこれまでの対応も当裁判所の、ちょっと正確には覚えておりませんが、予想を超える対応をしてきたというふうな評価もしていますので、総合的には国の対応は評価されているのではないかと私は思っております。

(了)


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