定例事務次官記者会見概要

(H19.05.17(木)14:01〜14:13 省内会見場)

【広報室】

《次官会議等について》

(次官)

今日の次官会議は、当省関係特段ありませんでした。それから、18歳という年齢に着目した各省の年齢関係の法律の見直しについての検討会が、今日設置されました。これから本格的に検討していこうということがありました。以上でございます。

《質疑》

(記者)

昨日ですね、社保庁の技官が収賄で逮捕されるという事件がありましたけれども、これについての見解をお聞かせ下さい。

(次官)

結論から言うと、本当に遺憾であります。ましてや、報道されているようなことが事実であるとすれば、情けないの一語に尽きるというのが私どもの気持ちでございます。いずれにしろ、捜査に全面協力をいたしまして、その上で、厳正なる処分を行いたいと思います。それから、この監査というものは大変重要な仕事であるにもかかわらず、このようなことが起こりまして、早速即日に全都道府県の事務局長に個別に医療課の方から電話をいたしまして、この業務に携わる職員一人一人に徹底した綱紀の遵守、そして厳正な職務遂行という指示をするよう指示いたしました。以上でございます。

(記者)

次ですが、外国人の研修実習制度についてなんですけれども、先週から厚生労働省そして経済産業省の研究会からですね、報告案が出たわけですが、先日、法務大臣の方から短期の就労制度の創設というものを検討してはどうかという提言がありまして、これは実体的に単純労働者の受け入れ、短期間とはいえ、その方向に政策を転換するというような提言であったわけですが、これについての見解を聞かせて下さい。

(次官)

基本的に、現在検討を進めているわけでございますが、私どもサイドのこの問題そのものについての基本認識と申しますのは、研究会が厚労省の方で設けられておりますけれども、研究会の中間報告にもありますように、厚生労働省としては現行技能実習制度について、今後とも技能移転を通じた国際協力という目的の枠組みを維持していくべきであるというのが、基本的な認識でございます。そういう中で、いずれにいたしましても、法務大臣の発言については、法務大臣ご自身がおっしゃっていると認識しておりますが、法務省内部の検討をこれから始める趣旨ということでのものであるときいておりますので、今後の検討状況を慎重に見守って参りたいと思います。

(記者)

そうすると、現行制度の存続というんですかね、現行制度の枠組み内での改革というものを進めるべきだという認識なんでしょうか。

(次官)

これまでの研究会の中間報告にある方針というもので、現在私どもは検討しているわけでございますけれども、そのような認識の下で一方においては、このようなご認識が示され、法務省の方でも検討が始められているという中で、いずれにしろこれは平成21年通常国会までに関係法案提出するいう基本的な枠組みで、関係省庁で協議して決めていくべきことでありますので、私ども今そういう認識の下で、そういう大きな日程感の下で法務省の検討状況というものを慎重に見守っていくと、こういう趣旨でございます。

(記者)

昨日の発表で、過労死、過労自殺が増えたということを公表されましたけれども、それについての見解を一言お願いします。

(次官)

精神的な事情と言いましょうか、そして、そういうものによる自殺といったものが大変大きな伸びを示しているという関係のデータが公表されたと認識しておりますが、やはり現在の認定というもの自身の動きもございますけれども、基本的に現在の職務環境がかねてより申しておりますように大変厳しいものであるということを物語っているというふうに理解いたしております。この点については、メンタルの面を含めて、厳しい業務環境の中でいかに働く方々の健康というものを確保するのかということについて、様々な、例えば、長時間の残業というものがより適正化されるべきであり、また医師にきちんと相談できる体制を作るといったことをやっているわけで、これをますます丁寧にしっかりと遂行していかなければいけないと、そういう中で、今国会にいわゆる割増し賃金支払い制度と言いましょうか、長時間の残業というものについて適正化するという方向の内容を含めた改正法案も出させていただいておりますので、この法案をできる限り早く成立させていただくことを含めて、今後この問題について真剣に向き合っていく必要があると考えております。

(記者)

研修制度の話ですけれども、長勢さんの私案というのは、単純労働者を短期で受け入れるというところに特徴があると思うんですけれども、現時点で厚生労働省として、単純労働者受け入れについての見解というのをもう一度確認したいんですけれども、それについていかがでしょうか。

(次官)

基本的に単純労働者の受け入れというものにつきましては、かねてから、若者や女性等の雇用機会を妨げ、労働市場に二層化等の悪影響が生じる、あるいは、低賃金分野の温存等、生産性の向上や産業構造の高度化が阻害される、あるいは、欧州の例に見られるように、滞在の長期化や定住化につながり社会的問題の発生を防止するとの前提が担保できないといったような懸念も示されているところでございます。そういう中で、いずれにいたしましても、これは法務省内部の検討をこれから始めるという趣旨と理解しておりますので、こういった問題点がかねてから指摘されているということを含めまして、慎重な検討が必要ではなかろうかと思っております。

(記者)

それは、今後関係省庁で平成21年を目指して議論されていく時には、厚生労働省としてはそういった見解があると協議の中で伝えていくということだと理解してよろしいんでしょうか。つまり、関係省庁と今後の枠組みを作っていく時には、単純労働者の受け入れについてはそういう。

(次官)

いずれにしろ今言ったような懸念というのは、これはもうかねてより各方面からも、私どもも示しているということの中で、法務省がこれから検討されるということで、そういう中で、こういう懸念を含めて慎重に検討をしていっていただければということでございます。

(記者)

実態と名目の乖離と言いますか、そうしたものに対して、今回の法務大臣の案というのは、そういうものを踏まえて出された提言であるというふうに評価する声もまた一方であるわけですが、そのへんの乖離状況についてはどのようにお考えなんでしょうか。

(次官)

私どもの考え方というのは、特に最初の一年目の扱いですね、一年目の扱いというものが雇用関係がないと、研修という扱いのところですね、この点について様々な問題が生じているというところに着目して、研究会の報告が、いわば見直しの方向を提案しているわけですけれども、そのような意味において、私どもはそういった実態との乖離というものを見直すということをやっているわけで、いろいろな形で実態との乖離というものをきちんと整理をしていかなければいけないというアプローチの仕方だと思うんです。いずれにしろ、本当に長勢大臣はこの点についてのエキスパートでもあられて、大変深い深いお考えをお持ちの方だと思いますので、法務省での十分な検討というものをまず私どもは待つべきであると思っております。

(記者)

今の研修と実習の実態の乖離という問題も一つあると思うんですけれども、技術移転ということを、制度の枠組みの一つである技術移転ということを考えた場合、受け入れる研修項目の見直しですね、例えば農業とかそういうところはどうなるのか、そこらへんの見直しの方はどうなんでしょうか。

(次官)

いずれにしろ、今回は技術移転というものをよりきちんとした形で明らかにしていくということで、確か今回の考え方では延長する場合も、いわゆる個別企業型と言うのでしょうか、現地に企業を持ったような個別企業型のもので行うといった方向で、そういう技術移転というものの考え方をよりクリアにしたものにしていくと、基本的にはそういう認識だと考えております。

(了)


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