定例事務次官記者会見概要

(H19.03.22(木)14:35〜15:45  省内会見場)

【広報室】

《次官会議等について》

(次官)

今日の次官会議は、がん対策推進協議会令、それから、薬事法施行令の一部を改正する政令案が当省関係ではかかりました。それ以外、特段の案件はございませんでした。質問があればお答えします。

《質疑》

(記者)

タミフルの問題なんですが、10代に原則使用不可ということでありますが、まず、受け止めと、それから、今後の対処方針、感想も含めて。

(次官)

3月20日の時点で、新しい事実が判明したということを、本当に私ども自身も大変重く受け止めまして、かねてから申しておりますように、この問題極めて重大な問題であって、できる限りの調査をしなければならないということで、私どもおりましたところ、こういうことが判明したということで、その段階で、できる限りの措置をとらねばならないということで、対応させていただいたということでございます。しかしながら、これまでの把握された事実で、さらに詳細を明らかにしなければならないところがあると、特に、異常行動ということで整理されていて、回復というような形で報告されていたものの中に、転落していたものがあるということがわかってきたわけでございます。これらのことを徹底的に詳細調査をして、そして、できる限り早く関係審議会にご報告をして、審議をあおがなければならないと、こういうことで、引き続き徹底調査を行ってまいりたいと思います。

(記者)

原則10代ということでありますが、20歳以上の大人の方にもこういう異常行動が見受けられるということで、20代以上なり、10歳未満の方ですね、使用制限をするという可能性はいかがでしょうか。

(次官)

私どもの現時点でとった判断は、まず、死亡事例を見ますと、平成18年で、インフルエンザによる死亡者というのは1818件あるわけですけれども、0歳から9歳で34例ということで相当な件数になっており、例えば10歳から19歳は10例といったように下がっていると、その一方において、高齢期になると死亡者数は増えてきております。一方において、今回大変私ども心配しております転落事故というのは、0歳から9歳まではありません。そして、10歳から19歳で14件と集中している。そして、20歳以降は、例えば30歳代で1人、40歳代で1人、50歳代で1人、70歳代で1人といったように散見されると、こういうことを考えますと、タミフルというのは大変、ご案内のとおり、私ども身近でも感じておりますけれども、発熱に対して非常に切れ味のある、明確に発熱等に対して効果を及ぼすという薬で、小さなお子さん、こういう死亡事例の多い年齢帯、あるいは高齢者、やはり高齢期に向かって死亡事例が増えていくと、こういうところについては、こういうきちんと効果を現すタミフル、このことは発熱による消耗を防ぐ、あるいは増悪防止につながる、あるいは治療期間が短縮されるという効果があると考えられるものでありますので、このような効果と、現れるリスクとのバランスというものを十分考えなければならないと、このように考えますと、やはり10代で死亡事例が減っているということは、逆に言えば、抵抗性が強いということですから、そのところについては原則というものをひっくり返して対応をするということにするけれども、10歳未満あるいは20歳以上については、今言ったようなリスクの高い年齢であることから、むしろやはりタミフルの使用という原則を変えてしまえば、むしろ逆に、逆のリスクが生じる、こういうことで、今回このような措置をとらせていただいております。しかしながら、今回の対応におきましても、全年齢におきまして、本剤の必要性を慎重に検討するという注意事項がすでになされており、今回改めてそのことをいの一番に警告文書に入れることにしております。そういうことから、10歳未満の方も、それから、20歳以上の方も、これまでにも増して、必要性について慎重な判断をしていただくという趣旨で、全体の対応をしておりますので、そのような意味で、決して、10歳代だけ、それ以外の年齢については従来どおりでよいという意味ではありませんので、なにとぞこの点についてご理解を賜りたいと思います。

(記者)

このタミフルの問題をめぐっては、厚生労働省の研究班が今シーズン調査をしているかと思うんですが、この調査の結果の前倒し等については検討されるお考えはいかがですか。

(次官)

私ども、今認識していることを申しますと、調査票を発送して、今シーズンのものを評価するということになりますので、もう発送いたしておりますので、その発送したものをいわばまとめるというのは本当に急がなくてはならないと思います。しかしながら、おのずから、今発送したものが、今シーズンといいましょうか、一定の評価を得るのに回収をしてまとめるのには若干の時間がかかると思いますが、とりまとめを急ぐように最大限努力をしていただくようにしたいと思います。

(記者)

原爆症の訴訟なんですけれども、今日判決が出て、21人について原爆症認定について認められたということで、この受け止めと、今後控訴するかどうかを含めて、今後の対応方針についてお話しいただければと思います。

(次官)

9人の方について勝訴、21人の方について敗訴というように認識しておりますが、事は因果関係の問題でございます。そういうことで、いわば科学的な因果関係の問題でもあるということですので、十分に中身を精査させていただいて、今後関係省庁とご相談をして、対応を考えさせていただきたいと思います。

(記者)

先程の原爆症訴訟についてですけれども、原告は、いわゆる基準自体の見直しというのを求めております。その基準を見直す可能性についてのご見解をお聞かせ願えれば。

(次官)

そのこと自身については、現段階ではまず、判決結果を十分精査させていただくということで、現段階ではコメントを差し控えさせていただきたいと思いますが、因果関係についての問題でございますので、政策的判断とかするものではなくて、やはりあくまでも因果関係の問題としてどう議論するのかという意味で、検討するものであると思いますが、現時点ではコメントを差し控えさせていただきたいと思います。

(記者)

しかし、これまで5つの地裁で、司法判断としてはそういう連続して国が大半敗訴するという状況にあります。その中で、基準というものが、司法判断では、今現在持っている基準が厳しすぎるという判断が下っていると、その点についていかがでしょうか。

(次官)

今回、9件と21件と分かれているわけですけれども、私ども、中身をよく精査した上での判断をする、要するに、あくまでも科学的な因果関係の問題ですので、私どもが今準拠しているもの自身の評価がどうかということがあって、それから、その判断に至るべきものですので、その点現段階で私がコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

(記者)

タミフルなんですけれども、10代を原則使用中止にしたという措置の後に、それでも異常行動が出るのか出ないのかということを見ることは、因果関係を見るに当たって、その後の経過を見ることは重要だと思うんですけれども、そういうような経過観察ですね、これからの、異常行動が出た場合、引き続き報告が上がるようにするとかというようなことは、対処を何か考えていらっしゃるかどうか、教えてください。

(次官)

私ども、この現在の仕組みというのは、薬事法上と申しましょうか、法的には、医療関係者から、いわゆる製造元ですね、製薬企業に対して一つは報告をしてもらうという協力義務があり、そういう中で、そういうものをまとめていくというシステムになっているわけですね。そういう観点から考えますと、本当に私ども、重大な問題だと、本当に心配しております。そういう観点からしますと、なにとぞ医療機関のご協力をお願いしたいと思います。そして、正確な情報がより精度高く報告されるようにお願いしたいと、そして、基本的には報告があったものについて、私どもの方に報告するのは、これは法的義務でございますので、そういう厳かな薬事法上の義務を果たして、私どもの方に情報を集中していただきたいというふうに思っております。

(記者)

そうしたら、10代のタミフルの使用は原則中止になるわけだけれども、中止した後で、引き続きインフルエンザの治療中にですね、タミフルを飲んでいなくても異常行動が出た場合には、報告を是非医療機関から上げていただきたいということですか。

(次官)

ちょっとその細かい技術的な問題まで、現時点で私承知しておりませんが、当然そういう情報も是非ほしいと思います。

(記者)

研究班の1万人の調査とは別に、厚生労働省独自に、また違う研究班を立ち上げるですとか、そういう異常行動についての情報を収集するような、何かシステムというようなものを新たに設置するお考えはありませんでしょうか。

(次官)

私ども、今までの報告そのものを十分分析しまして、関係審議会にできる限り早くそれを報告して、もちろん公開の下で、国民の皆さんのもとに見えるところでこの問題のあり方をご議論いただくべきだと思っております。そのような観点から、そのような問題もどのようにしていったらいいのか、この問題というのは関係者の協力も必要な問題でございますので、そのあたりを含めて、これも検討していくようにしてまいりたいと思います。

(記者)

今後同様の事案が発生した場合は、どのように発表されていくんですか、公表されていくんですか。

(次官)

私どもは、国民の皆さんにとって心配なことは、その都度どんどん公表するべきものだと思います。私どもに20日に報告を受けたところによりますと、自殺企図という整理になっていた、そして回復となっていたものが、実はそうではなかったと、その何といいましょうか、異常行動としての転落であったということが報告がありまして、私ども、このことに驚いたわけですね。そして、併せて医療機関から直接の情報が入ったということで、直ちに公表するとともに、対応をするという行動をとったところでございます。私の認識する限り、極めて短時間の、原局でのアクションでした。そのように、私どもはこの問題、本当に心配な問題だと思っておりますので、今後とも情報公開ということを通じて、最大限の努力をいたしたいと思います。

(記者)

今回の製薬会社に対する緊急安全性情報等の指示と、2月末の通知についても、いずれも医療関係者、あるいは製薬会社に対しての通知であって、一般の国民ですね、一般の方々にしてみれば、厚生労働省から直接メッセージがないというところで、不安だとか不満というところもあるかと思うんですけれども、一般の方々に、この一連の問題について何を呼びかけたいと思いますか。

(次官)

基本的には、このタミフルというのは、私どもも、身近な人から聞いておりますけれども、大変高熱を発した時に、これを投与すると効くということ、そしてまた、特に小さなお子さんとかお年寄り、高熱というのは大変こわいものでございますけれども、そういうものに大変効く薬であるということで、医療機関もこれを用いていらっしゃるという中で、一方において、今まで明らかになったような様々な事象があると、このいわば二つのバランスというものが問題になっているわけですね。その意味で、そこは十分に医師と相談をし、そして、決めていくということが一番大切なことだと思います。元々、タミフルというものについて、そういうようなことをお医者さんの方にはこうして連絡しておりますので、お医者さんも、私はこれからタミフルを投与する時には、説明をされると思います。その時に、十分お話し合いになると、このことが大切だと私は思います。

(記者)

先程の情報公開の部分なんですけれども、今までは服用後に死亡した場合については基本的に公開していただいていたと思うんですけれども、昨日は合わせて22件新たに、未公開だった部分も公開していただいたわけですけれども、これからは死亡に至っていなくても、タミフルの副作用だと思われる報告例については、全て明らかにしていくということですか。

(次官)

担当の方から伺いますと、膨大なる副作用情報が入ってくると、その中で、どうしても死亡事例というものからチェックしていくというのが今までのやり方であったわけですけれども、タミフルについては、転落という問題は、これは幸いに回復したかどうかというより、もっと転落ということ自身が問題事例ですので、タミフルに関してこの転落といったことにつながるような行動については、これから徹底チェックするように、そういう方向で検討いたしたいと思います。

(記者)

そして公開していくということ。

(次官)

公開は当然だと思います。

(記者)

そういう意味でいうとですね、昨日公開された10代の転落事例15件、大部分がもっと早い時点で公開すべきだったんではないかという批判もあるんですが、その点についてはどのように。

(次官)

今申しましたように、異常行動という行動に一括りにされていたということで、異常行動の中に転落というものが整理されているという認識がなかったということですが、その後、特に今回の新しい、自殺企図ということから回復になっていたけれども、実は転落があったということで、転落ということであれば、これはもういっぺん全部調べなければいけないということで、こういう事態に至ったわけで、私ども、その点については、これからはきちんとそこの点を整理していかなくてはいけないと、決して、内部の聞き取りをいたしましたが、隠していたと、そういったことはありません。

(記者)

確認なんですけれども、少なくとも、2月28日に最初の注意喚起をした後ですね、20日までの間に、先に2件、10代の転落の報告というのがあったというふうに聞いております。その時点では、特に公表も、対応も取らないで、20日の時点で3件目と4件目が、3月に入ってからの報告ではですね、あった時点で対応を取ったというふうに聞いているんですけれども、最初の3月に入ってからのちょっと日にちは不確かですけれども、その時点で対応、少なくとも取れたんじゃないかというふうに思うんですけれども。

(次官)

ちょっとそこの点の判断の、おそらく私どもは、こんな重大な問題ですから、これを隠すというような動機というのは私どもにあり得ないわけで、ちょっとその点の経過についてよく聞いておりませんが、私ども、今回とらせていただいたように、国民の皆さんにまず事実をお伝えするというのが第一番であると認識しておりますので、そのように対応してまいりたいと思います。

(記者)

よくわからないのは、転落という整理ができなかったから、なかなか公表に至らなかったということですか。

(次官)

いや、そうではなくて、それに、私はそのこと自身に、後から死亡となっていない、回復となったものについても、内訳を調べなくてはわからないということに後から気がついたと報告を受けております。

(記者)

それはちょっとおかしいんじゃないですかね。転落の事例というのは、大体毎シーズン3件とか4件とか起きていますし、あと、いろいろな薬害で被害があったと訴えている方々にいろいろなところで訴えているわけですよね。それは当然厚生労働省の方で耳に入っているわけで、その転落という括りで整理をすることに気付かなかったから出さなかったということは、なかなか理解しがたいんですけどね。

(次官)

そこは気付かなかったというか、異常行動の中にそのものが入っているということを、詳細の状況をとっていなかったと。私は詳細なことまで、そこまで、20日以来、こうして必死に対応をしているわけですけれども、そこのところは膨大な副作用案件が出てくる中での処理の流れの中で、起こっていることで、さらにその点どうであったかということを私自身も聞きますけれども、積極的に隠すというような意図を我々持つ必要性もないことであって、そのようなことはなかったと思います。

(記者)

その調べるというのは、もうちょっと情報の出し方の経緯も調べて・・・

(次官)

できる限り。と言いますのは、これから、詳細調査をして、今問題になっている案件については審議会に報告いたしますので、そしてまた、これまでの事実を明らかにすることによって、将来に向けて国民に対する安全義務を果たすということが、私どもの仕事ですので、それは、これから、今までのこのものについて、徹底調査したものをご報告するということにいたしたいと思います。

(記者)

極めて心配していると、極めて心配な薬であるけれども、国家的な政策として、多くのものを備蓄してますけれども、それについてちょっとコメントをもらえますか。

(次官)

私ども何度も申しますように、タミフルがインフルエンザに対して、大変、今現在、世界で、効き目のある特効薬であるということには変わりないということですので、備蓄そのものに対して、スタンスに影響が出るかどうかということについてまでは、今考えておりません。いずれにしても、審議会で十分なご議論をいただくと、私ども自身、専門家のご議論というものを、透明な中でご議論いただくことが大事ですので、そういうことも、もし必要であれば、そこでご議論いただければと思います。

(記者)

もちろんそれはわかるんですが、緊急安全性情報ってそんな滅多に出ないものですよね、何年かに一回。何年かに一回これは危険だと厚生労働省が言う薬です。それをたくさん備蓄しているわけですよね、それで緊急の時に使うと。一般の国民は今の次官の説明で、ちょっとなかなか不安が払拭されないと思うんですね。

(次官)

ちょっとすいません。タミフルの、いわゆる新型インフルエンザに対する備蓄の問題ですか。

(記者)

備蓄でね、何年かに一回、厚生労働省が危険だと発出するレベルの薬を備蓄して、それで新型インフルエンザの時に使うわけですよね。それをわかりやすく、筋を通す形で、ちょっと説明してほしいんですけれども。

(次官)

何年かに一回発するそのようなものを出したということと、新型インフルエンザの備蓄というものについての取扱いを変える必要があるかということについては、そもそも何年かに一回出したと言われるこの話の中身がどうかということだと思います。それは基本的には、タミフルが、大変ある時には劇的に発熱を抑えるというような効果のある唯一のインフルエンザに対する特効薬であるという役割は変わっていないと、そういう中で、例えば、私ちょっと今調べてまいりましたけれども、平成18年のインフルエンザの罹患者が大体976万人と推定されている、1千万人近い方がいらっしゃる、そういう方々が高熱も発し、そして、1800人あまりの方が亡くなるという状況なわけですね。それに対して、発熱を抑え、あるいはその重症化を防止するという機能のあるこの薬を、では使わなければいいのかという問題でもあるわけです。その問題行動が年齢帯で有意に多いのは10歳代なんですね。むしろ、10歳未満の方、そういう異常行動、転落というもの、事例が今までの報告ではなく、一方において、死亡者数が多い年齢帯なんですね。そういうようなことを考えたときに、これはタミフルの有用性を認めるということと、その使い方についてどういう配慮をするのかということを、きちんと整理をして議論をしなければ、1千万人のインフルエンザ患者に対して、この薬をもし用いないということであれば、それはそれで、1800人の方が亡くなるというような状況の下における、この治療に対してどのようにしたらいいのかという問題も出るわけでございます。その点でのバランスというものについて、これはもし私どもが言うだけではなくて、国民の皆さんにもお考えいただき、そして、医療機関と患者さんとの間でも十分お話しをいただいき、そして、問題のないようにするということが一番大切なことだと、私どもは思っております。

(記者)

先程国民が関心をもたれるような、不安と思うようなデータというのはこれからきちんと公開をされていくと、その件でちょっと伺いたいんですが、昨日出していただいたのは、中外製薬から報告があったもののうち、キーワードでしぼって、転落とか自殺とか飛び降りとかのキーワードでしぼって、ひっかかってきたものを出していただいたんだと思います。ただし、そのキーワードに引っかからないから、トラックに飛び込んだ男の子の例は別枠扱いなんですね。そうすると、キーワードのかけ方次第では、問題のある異常行動はまだ他にもあるんではないかと、あるいは、その未遂のもの、飛び降りかけたけれども親御さんが止められたと、最初に安全性情報に出されたような例ですね、あれも含まれていませんよね。そうなると、全体像は一体どうなっているのだろうかと、そういうものをきちんとこれから整理をされて、公表をされるお考えというのはありますでしょうか。

(次官)

何度も申しますように、私ども、これほど重大な問題について、心配しなければならない点を意図的に外して見るというようなことはやってはいけないことで、飛び降りるのと飛び出して交通事故に遭うのとは類似のことだと思います。したがって、私ども、今得られた情報を、一つの括りで出さなければなかなか評価ができないので、こういうふうにしておりますけれども、より本当に心配なことについては、調べて公表するということをやっていきたいと思います。

(記者)

いわば全体像がですね、きちんと見せていただけるのはいつごろになりますでしょうか。

(次官)

そこは今まで出た情報の分析というのと、現在調査中のものとですね。そこは、少し整理が必要だと思います。

(記者)

時間が何日かかかるんじゃないかと。

(次官)

少なくとも今まで把握したものについては、ともかく突貫工事で中身を調べるというような作業をしております。

(記者)

突貫工事で調べるようにと。

(次官)

今まで情報のあるものですね。

(記者)

去年アメリカのFDAが百何人分か、その異常行動の分析をされていて、その中の90数人は日本人なんですね。そういうふうに書いてあるんですが、それについては、例えば、発症から異常行動までの時間の分析であるとか、年齢の分析であるとか、そういうことが全部きちんと入っているんですね。日本で今までそのようなデータを出されてはこなかったと思うんです。同様の分析をきちんとして、その因果関係なりを考えておられるとありがたいのですが、そういうご予定というのはあります。

(次官)

ちょっと私もアメリカの調査の中身というのは聞いたことありませんけれども・・・

(記者)

つまりアメリカは95人まで日本人ですから、100分のね、事実上ほとんどみんな日本人で、日本人の分析をアメリカのFDAがやってくださったことになってるんですね。それについて、厚生労働省に従来問い合わせをしても、よくわからんという答えしか返ってこないで、アメリカのデータを見ながら、参考にしながら、記事を書くというはめになっていたんです。そういうことじゃなくて、日本で報告したものをきちんとまとめて、向こうと同等の分析結果になるのか、あるいは、もっと別の結果が出るのか、わかりませんけれども、それは例えば90幾個ぐらいあるわけですよ、22じゃなくて、そして、それを見て、FDAは注意を改定されているんですが、そういう全体像がわかるもの、それから、さらに言えば、因果関係を考える上で参考になる分析というようなことを、これからきちんとなさるんだろうか、公表されるんだろうかということなんですけれども。

(次官)

一言で言えば、できる限りの調査をしたいと思います。

(記者)

改めてちょっとお聞きしたいんですが、国民への直接のメッセージだと思って答えていただきたいんですが、タミフルと、転落を含む異常行動の因果関係というのをもう一度聞かせてください。

(次官)

これまで否定的という判断をとっておりましたが、今回新たな事実が出ているという中で、その点についてこれから、何と言いましょうか、一つの思い入れと言いましょうか、勝手な考えは持たないで、虚心に因果関係について、これからデータでもって、専門の審議会でご検討をいただいて決めていただくべき問題だと思います。

(記者)

否定的という見解はいったんペンディングになるということですか。

(次官)

これは、ありのままで受け止めていただきたいと思います。否定的であるという見解を言葉を変えるのか変えないのかという意味ではなくて、むしろありのままのことを皆様ご覧いただきたいと思います。今まで否定的とする理由というのは、例えば、2800症例について、様々なデータが出て、そのデータの分析というものが否定的であるというふうに理解されたと、そういうものの中で19年において新たな事実が出てきた。そして、それまでの事実の中にも実はその「転落」といったものが明確に明らかに自覚しない状態のものがあるということが分かったと、そういう新しい事実が出た中で、虚心に因果関係というものをあるのか、ないのかということをこれから検討していただきたいという意味であって、それ以上の意味でも以下の意味でもないと、そういう客観的な事実状況の認識を共有いたしたいと思います。

(記者)

否定的というのは、白紙に戻すということでしょうか。

(次官)

そういう私は言葉の問題ではなくて、今ある事実関係の中で虚心に因果関係があるのかどうかということをこれから検討していただきたいと思います。

(記者)

つまり、否定的と言っていた状況からは、変わるんですね。

(次官)

やはり、そのときと今言いましたように新たな事実関係が生じておりますので。

(記者)

変わってますね。

(次官)

新たな事実関係に基づいて、その点は議論しなければならないと思っています。

(記者)

つまり、否定的という結論を出した状況と今の状況は変わっているわけですから。

(次官)

その通りです。

(記者)

否定的という言葉はいったん白紙に戻したというのが、これが論理的な。

(次官)

そのときの否定的だという言葉と違う関係は生じたということですね。

(記者)

現状では、否定的とはおっしゃらないということですか。この間、先日夜に発表された文書では、因果関係不明という言葉を使っていらっしゃいますね。

(次官)

ですから、今言いましたように、虚心に検討していただくということで、そういう判断が変わりうるという可能性があるということは・・・

(記者)

現状は不明ということでいいんですか。否定的ではなくて。

(次官)

ちょっと言葉の問題ではなくて。

(記者)

それでも大事なことですので。新聞で言えば、見出しになるところなので。非常にここは重要なことですね。

(次官)

これまでのところは、否定的であるという今言ったような事実経過がございますが、今後はこれから、検討する中で、その判断は変わりうる可能性があると考えています。

(記者)

否定的という判断は今後変わりうる可能性があると。

(次官)

はい。

(記者)

変わったんじゃなくて、変わりうると。

(次官)

これからご審議をいただくわけですから。今出た資料を徹底分析してそれを出して、あくまでも判断というのは、そういう透明な専門家の下での判断を仰ぐべきだと思いますので、そこで判断が変わる可能性はあると考えているという意味でございます。

(記者)

全調査を対象というのは、昨日までに言ったものについて。

(次官)

ものについて、中身を詳細調査をして・・・

(記者)

例えば10代以上の方が、今までのものについては急いで調べたんで、直近のデータしかないということだったんですか。

(次官)

本当にデータそのものに、制約があるのは事実だと思うんですね。その1万人というのも、今発送している1万人返ってくるような大規模なものをやっていると私は聞いておりますけれども、それはまた一定の時間がかかりますので。

(記者)

現段階でいいのですか。

(次官)

今までのデータで判断を、今のデータでまず審議をしていただくということを、まず急がなくてはいけない、というのが今の。

(記者)

昨日まで出たものでまず調べて。

(記者)

結局ですね、否定的とおっしゃってきたけれども、まだもう1回、今あるデータを分析し直さないというけない状態だということですか。分析し直すと、否定的という判断が変わるかもしれないと。分析不十分で言ってきたんだと、こういうことですか。

(次官)

少なくとも今まで、我々の認識しない情報が新たに出てきているわけですね。

(記者)

というか、でも認識しない情報とおっしゃるけれども、中外製薬から報告が上がってきているわけですよね。それを皆さんがどう分析するかということなわけで、その中外が未報告で隠していたというならこれは話が別ですが、中外製薬はちゃんと出してきた、厚生労働省に。それについて認識不足の部分があって、その否定的というものが変わりうるということであれば、これは皆さんの分析不足でしょ。

(次官)

その今回のきっかけは、自殺企図、そして回復というデーターがそうではなかったということが、今回私ども大変正直言って驚いた。

(記者)

だけど、転落にしても、転落というキーワードで整理をしてこなかったとおっしゃっていますね、そういうことをしないでおいて、否定的だと言っていたと、で今度してみたら、ひょっとしたら、判断が変わるかもしれないと思い出したと。これは、分析不足なんじゃないですか。

(次官)

その点は、それをどう見るかということは、ご判断にお任せしたいと思います。私どもは・・・

(記者)

それをやってみた結果判断が変わりうる可能性が生じたと。現段階で否定的という言葉をちゃんと維持出来るんですか。それともやっぱり撤回をされますか。

(次官)

今までのところ、否定的という判断がなされてきたけれども、今後検討を進める中で判断が変わりうる可能性があるということですね。

(記者)

だから、新たな分析をして整理をしてみたら、変わりうる可能性が出てくるような現状になったと。過去、否定的と言ったけれども、今は分からない。

(次官)

新しい事実関係が生じてきたというわけですね。

(記者)

おっしゃっている全体の話ですかね。例えば、今までの死亡例で審議会にかけて因果関係は否定的というふうに結論というか、一定評価をしたものついて、それについても、もう一回再審議するという意味ではなくて、全体像としての因果関係的な議論。

(次官)

いずれにしろ、タミフルと様々な症状についての因果関係について、もう一度十分審議していただくということですね。

(記者)

さっき公表されたものについて調査するとおっしゃいましたけれども、一度否定的というふうになっているものについても、もう一度洗い出すというか、もう1回調査するということはありますか。

(次官)

いずれにしろ、その異常行動関係のところは、十分に今までのデータを洗う必要があると思います。今までの異常行動関係のところですね。異常行動ということで整理されているはずなんですね。今一番心配されているところについて。

(記者)

一度審議会に諮ったものについて。

(次官)

おそらく諮ったというか、異常行動で出ていたんじゃないかと思います。そのデータは。 転落という数字ではなくてですね。今までの死因では。

(記者)

次官がおっしゃっている、その新しい事実関係が出てきたから状況が変わったというんですが、新しい事実関係というのは何をおっしゃっているんですか。

(次官)

これまで、20日に公表した新しい事実です。20日および21日に公表した新しい事実ですね。

(記者)

転落が加わったとありますね、20日に公表で。その他に「転落」というキーワードで整理したことも入るんですか。

(次官)

転落という言葉でキーワードで示したものも入っている。

(記者)

整理しちゃって。そうすると、それは、新事実ではなくて、新しい認識ですよね、皆さんのね。だって、事実は中外製薬がちゃんと言っているわけですから。

(次官)

新しく認識された事実ですね。

(記者)

そういうことですね。皆さんが認識したということですね。

(記者)

新しく認識されたのは、その事実の問題を下にどういうふうに認識し直したんですか。

(次官)

基本的に、その死亡例以外のところに転落といった問題行動があったということが新たに認識されたということです。

(記者)

転落という問題行動があることを新たに認識したんですか。

(記者)

それ今まで知らなかったということですか。

(次官)

私は、その点、転落というか、今までのデータの中に転落して死亡者がいるわけですから、タミフルによって、その問題行動が生じて転落すると、そして死という痛ましいことが起こっているということは十分に認識しておりましたが、今までの異常行動という整理の中にそういう転落した者があったということについて、私どもの認識が新たにされたというふうに思っております。

(記者)

異常行動の中に転落というのがあるとは思わなかったということですか。

(次官)

その点について、認識をしていなかったということだと思います。私、今データを見ましたけれども、異常行動、回復という整理になっているんですね。報告事項が。

(記者)

要するに異常行動の具体的な中身には全然見ていなかったということですか。

(記者)

調べてなかったということですか。

(次官)

ちょっとそこは。

(記者)

何を持って、異常行動だと思われていたんですか。

(次官)

異常行動ということになっておったけれども、その経過については確認は出来ていなかったと。

(記者)

もう一度お願いで出来ますか。

(次官)

今事実関係聞きますと、異常行動ということでカテゴライズされたものについて、まず死亡というところで着目して調査をしておったので、その中に書いてあることについて、十分の分析が出来ていなかったということですね。

(記者)

その中にというのは、死亡以外ですね。

(次官)

ええ。

(記者)

死亡以外については、きちんと内容をチェックしていなかったと。

(次官)

異常行動について、十分内容を分析していなかったということですね。

(記者)

異常行動の中に転落事案があるということは全く把握していなかったということで、よろしいでしょうか。

(次官)

認識していなかったということですね。それについての、認識は出来ていなかったと。

(記者)

死なない分ということですよね。亡くなられていない部分について。

(次官)

ええ。その部分の中身の詳細を分析していなかったんですね。ということだと、担当から聞いております。

(記者)

昨日、報道された事例は14年以降にということなんですが、販売開始の01年以降3年間は、一切報告例が上がっていたのか、上がっていないのかというところも含めて。公にされていないんですが、この部分まで全て遡って調査されるつもりはありますでしょうか。

(次官)

タミフル販売開始以降、精神症状ということを含めて、幅広くもう一遍その原表を当たり直すという作業をするということです。

(記者)

次官、確認なんですけれども、平成16年の6月に重大な副作用ということで異常行動というものを安全性情報の中に入れ直したんですけれども、その時にどうして異常行動が入ったかというと、今言ったように飛び降りたりとかですね、そういうような事例があったんで、重大な副作用として入れたという経緯がまずあると思うんですね。その段階では、少なくとも厚生労働省はそれを、中外製薬からの報告があったから、16年の6月の段階で重大な副作用という所にまず入れたはずなんですよ。

(次官)

ちょっとその辺りはよく調べてですね、正直言って私そこまで細かい事実関係は、申し訳ありませんが、現時点で私は把握をしておりませんので、よく調べてまたご説明したいと思います。

(記者)

では、細かい事実関係は調べてということはいいんですけれども、少なくとも因果関係はこれから因果関係の判断が変わるかもしれないと、次官が発言されたので、その判断が変わるかもしれないと言った根拠、どういうふうに今新しい状況が出てきたことをどういうふうに捉えて、どうして判断を変えるという発言をされたのかというところ。

(次官)

それは20日に公表した、私どもにとって新しく認識された事実が明らかになったからです。

(記者)

もう一度確認しますが、皆さんは、今まで異常行動の中の死亡例以外に、転落というものがあることを把握していなかった。ということはつまり、異常行動の内容を分析すらしないで否定的だと言ってきたと、こういうことですか。そういうことでしょ。内容を把握していない状態で因果関係は否定的だと言ってきたわけでしょ。そういうことですよね、今まで把握していなかったということは。

(次官)

ちょっと私も、議事録とかそのとき出した資料をよく見させていただきたいと思います。私は、責任ある立場ですので、その事実関係については、よく調査をした上で、その経過については説明させていただきたいと。

(記者)

だけど、ちょっと大事なことなんですね。ずっと否定的と皆さん言い続けて、否定はしないけれども否定的だということをずっと言い続けてきたわけですよ。それで、転落があることが分かっていなかった、つまり、異常行動のちゃんと内容を把握していませんでしたと今言われたんですけれども、それはちょっと否定的という根拠はいったい何だったのかと。死亡例だけについて分析をして、否定的だと言ってきたと、こういうことですか。

(次官)

死亡例に基づいて判断してきたと。

(記者)

といういうことですね。その場合、数はぐっと少ないわけですよ。

(次官)

ですから、私どもは、そういう新しいデーターが生じたので、明らかに新しい措置を取り、これから徹底して調査して、判断も変わりうるという認識を明らかにしたということですね。

(記者)

伺っていると、否定的というのは現時点で白紙と考えてよろしいですか。そういうふうに聞こえますけれども。

(次官)

ありのままに受け止めていただきたいと思います。

(記者)

いや、そこはしっかりご発言を。

(次官)

白紙というのは、言葉尻の上であれなんですけれども、白紙というのは、全面否定ということにつながるのであれば。

(記者)

いやいや全面否定ということではなくて、不明ということにするのかということです。

(記者)

ペンディングにするのか。

(記者)

新たに判断をし直すということでいいんですか。

(次官)

新たに判断をし直すと、それが適切な言葉だと思います。

(記者)

死亡という枠組みを外してみたら、転落という事例が多くて、多いという事実が出てきたから、そういう事実関係の下に判断をし直すということなんですよね。死亡事例だけで見ていたら、すごく少なかったんだけれども、転落という事象が、だけれども、それを死亡事例以外にも昨日明らかになっただけでも、15件プラス27件。

(次官)

私は、率直にそう思います。

(記者)

そうなんですね。

(次官)

死亡事例以外にそのような行動が、同様の行動ですよね、それは。死亡に至るかどうかは別として。それがあったということは、新たに、新たな重大な事実が判明したという認識するべきだと思います。

(記者)

でもそれは05年2月に、実際マンションから飛び降りて転落死した人がいるわけですよね、今年の2月にも2件、転落死をしたことがもう既に報道されているわけなんですけれども、そうやって転落死したことが既に最低3例はあるにもかかわらず、1か月間死んでいない転落をあらっていなかったということなんでしょうか。

(次官)

その点については、ちょっといきさつをずっと調べさせていただいていると思うんですが。

(記者)

2月に立て続いて起こったその死亡例の調査すら、ちょっと今のお話ですと疑問がつくんですよね。こんなに短期間で否定的であるというふうに、これから全部洗い直すというふうにおっしゃるんであれば、こんなに短期間で否定的というふうに死亡事例についても、言ってしまったことについてはどうか。

(次官)

基本的には、私どもの理解は、何度も申しますように、1,000万近いインフルエンザ患者が、これは18年の数字としてもあって、800数十万人分というタミフルが供給されていると、その中で生じる事象というものを、いわば因果関係があるものとして見るかどうかという大変デリケートな判断を今求められているんだと思います。そういう状況の下で、その死亡事例の件数というものだけで、今まで整理されていたものが類似の行動パターンが出てきたということが明らかになって、したがって、この点については、もう一度きちんと議論をしなくてはいけないということだと思うんですね。

(記者)

個別の事例に関しても、もう一度詰めると因果関係があるかどうかというのを調査されていかれるんですね。

(次官)

というか、因果関係をタミフルを飲んだということと一定の行動が起きたということの間に因果関係があるかどうかは、統計的な処理で見なければ分からないと、そこが今問題になっているわけです。

(記者)

個別個別を見たとしてもわからないですね。

(次官)

個別個別では判断がつかいないですね。それが、元々の出発点で、大変この問題は大きな問題になっているわけですね。ですから、インフルエンザにかかっているということによって、こういうことが生じているという見方もあるという中で、因果関係を決めるということは大変大きな厳かな判断ですので、十分のデーターによって行うべきだという議論だと思っています。

(記者)

そうすると、4件、死亡というあの悲劇的な結果になったとはいえ、その4件という数字、この非常に少ない数字を見た場合に、統計学的に見れば、因果関係はないと言っている、そう考えていいんですよね、今の話の中で。

(医薬担当審議官)

申し上げます。インフルエンザと今回タミフルの関連が問題になっております、その異常言動とか、異常行動とかですね、あるいは、飛び込み事例というようなことにつきましては、元々の病気でも起こる可能性が指摘されているわけでありまして、そういった中で、その例えば、Aさんの経過だけを見て、その因果関係のあるなしということを判断するのは、通常極めて、難しいと。そういった極めて少ないもの、あるいは、様々な要因が重なっているものについて因果関係を判定するのは、いわゆる群としてたくさんの送ったその出来事を調査して集めて参りまして、そのタミフルを服用されていた方と、タミフルを服用されていなかった方を比べて、そういった精神的な異常の起こり方の具合が、統計的に見てめったに起きないくらい、こう偏ってどっちかに多いと、こういうことでおおよそ因果関係はあるであろうと、あるいは否定できないであろうと、こういうような形になってくるわけであります。そういう意味では17年度に行っていただきました2800例の調査がございまして、そこで、タミフルを投与されなかった方というのは10分の1というような、いわゆる、試験の仕組みの上での制約はありましても、さまざまな切り口で見て、その投与した人、投与しない人の間でハザード比で見て有意なデータは出ていなかった。そういうことで、これまで私ども全般的に見て安全性の大きい懸念はないというようなお話で申し上げたわけであります。それから、個別の死亡事例については、これはしっかりと調査をして、審議をしていただいております。これまで申し上げました通り、その精神神経症状によると思われる、その死亡とそれからタミフルの使用の間の関係については否定的であるというようなことで、これは2月28日の私どもの、医師会とか、それから都道府県を通じた医療関係者に対するお願い、「2日間は、ちゃんと見ていてくださいね。」、「これは、タミフルを投与する、しないにかかわらず見ていて下さいね。」この中にも書いてある通りでありますし、これまでの報告して来た通りであります。

(記者)

そしたら、2月の死亡についての調査というのは、実は、終わっているわけですか。

(医薬担当審議官)

2月16日、それから2月27日の2つの事例については、現在進行中でございます。

(記者)

進行中なんですね。

(医薬担当審議官)

はい。

(記者)

2点確認したいんですが、1点は、去年の研究班の調査として確かに有意差が出なかった。しかし、報告書に書いてあるのは、今後の検討が必要だということが書いてあるんですね。この間横田先生もここに見えて、これはまだ分からないよというのが結論だとここではっきりおっしゃっています。だから、探し方が悪かったのかもしれないから、どっちか分からんという簡単に言うとそういうお話だったんですね。だから、少なくとも、これで大丈夫だという根拠に我々はないのではないかということが1点。それからもう1つ、個別の例について、否定的とおっしゃっていたというけれども、今まさにおっしゃったように集団で見なければ比較は難しいというお話でしたよね、その時に因果関係は不明はもちろんそうでしょうけれども、否定的と言える根拠はどこまであるのか、その2点ちょっとお答え下さい。

(医薬担当審議官)

まず、昨年の調査についての解釈でございますけれども、これは、タミフルを服用した方と服用しなかった方における異常言動の発言のパーセンテージにこれのハザード比で有意な差はなかったという結論をいただいております。その解釈は、例えば、横田先生のご表現を借りますと、白に近い灰色だと、こんなような話で、さらに精密なその疫学的な調査研究は必要だということも、おそらくここで述べられているのではないかと、私思います。

(記者)

でもね、それを把握されて、今問題になっている10代人のほとんどが対象になっていませんし、それから何しろ、あそこで調べているのが飛び降りではありませんよね。

(医薬担当審議官)

はい、異常言動ですね。

(記者)

異常言動、うわ言みたいなのはみんな入っていると、そういうことも全部含めた上で分からないということを横田先生はおっしゃるわけですよ。皆さんは、異常言動の話で捉えるられるならとにかくとして、飛び降りについて、否定的ということをあの調査からいったい言えるのかということが問題なんですね。

(医薬担当審議官)

もちろん、私どもその否定的であるということについては、例えば、申し上げた個別について、個別症例について、これは詳細に。

(記者)

個別でなくて、あの調査の結論を、つまりあれで大丈夫という根拠に使えるのかということなんですよ。飛び降りについて、因果関係はあまりないでしょう。心配はありませんという根拠にあの調査は使っていいものだろうか。あれは、そういうことにならないんじゃないですかと。まだ分からないから、もっと調べますと研究班が言っているものを、これで大丈夫ですという根拠に使えるんですかということを聞いている。

(医薬担当審議官)

それについては、当該調査は、少なくともインフルエンザの随伴症状ということで、どういうことが起こるのか、それを異常言動というようなことで調べているわけであります。他の薬もいろいろ投与される中で、かくかくしかじかということで出てきているわけであります。それはそれで結果としてお知りいただいて、次にこれまで死亡症例について中心に吟味をしてきたわけでありますけれども、そもそもなかなか難しい問題だということは申し上げました。にもかかわらず、例えば、1例でももう明らかにその因果関係がそこから分かるものが、死亡についてですけれども、あるかもしれません。それについて見れば、1例1例の吟味の結果、なかったわけですね。

(記者)

それは、否定的でなくて、明らかに因果関係が分かるものはなかったということで。

(医薬担当審議官)

因果関係はないというように判断されております。

(記者)

だから、それは個別の例についてご判断したんですか。そう書いていいのですか。

(医薬担当審議官)

要するに、その個別の例から見れば、その個別の、例えば、黒川がそのある日薬を飲んでどこからか落ちたと、いうことが、例えば、黒川A、B、C、Dで4人あったとして、それを評価したところ、そこからタミフルが直接私を倒したというような証拠が読み取れなかったと。

(記者)

さっき次官の会見で、次官の発言に関してなんですけれども、黒川さんが20日の会見で、因果関係のスタンスは変えていないとおっしゃっていたんですよ。

(医薬担当審議官)

はい、そうです。はい。

(記者)

否定的というスタンスは変えませんと。

(医薬担当審議官)

はい、全体で。

(記者)

でも今次官は、新しく判断し直すとおっしゃったんですね、そこの整合性について伺いたいんです。要するに、次官は、20日の会見で出てきた事実を基に事実関係を捉え直して判断をし直すと今おっしゃったんです。でも、黒川さんは会見の時に変えていないと言ったんです。そこの整合性をちょっと。

(医薬担当審議官)

それは、その当時はそういうことで申し上げました。それで、繰り返しになりますが、まだ仙台とそれから蒲郡のあれについても調査中でありますし、それから今回の20日の例についてもまだデータが出てきていないわけです。それは、今度、例えば、薬事食品衛生審議会の適切な枠組みの中でまたきっちり評価することによりまして、その時点で因果関係の濃淡が変わるとか、あるいは私の表現ぶり、否定的であるというポジションですけれども、そこはそこで変えていくということになると思います。

(記者)

審議会の結果次第では。

(医薬担当審議官)

そうです。

(記者)

やっぱりその新しく判断し直すということでよろしいんですね。あの2人のお話は、同じという理解でよろしいんですね。

(次官)

だから、判断は変わりうる可能性があるということなんです。そこは、はっきり認めているということでね、否定はしていないんですね。

(記者)

では、黒川さん、いったん、否定的というのを白紙に戻すということですね。黒川さん。

(医薬担当審議官)

申し上げます。そういった否定的であるかどうかということは、いつも変わる可能性があるわけですね。今の瞬間でも、報告がどんどん来れば。だから、それは白紙だろうと言われれば、今だって白紙ですし、それから、情報に応じて、常に対応を取って参ると、こういうポジションは変わっておりません。

(記者)

今は、白紙でいいんですね。今、白紙とおっしゃいましたが。今は白紙でいいんですね。

(次官)

大変大切なことなんですね。要するに、新しい事実によって、これからも否定的であるということは言っておりません。これからも、否定的であるとは言っていないと。今まで否定的であったけれども、検討を進める中で判断が、否定的であろうという判断は変わりうる可能性があるということを明確に今回認めたということなんです。そこは、これまでとは違うと思います。

(記者)

今現時点では、今までとは違ってきているということですね。

(次官)

ですから、私が申し上げたいことは、こういう重大な判断というのはデータと専門家のきちんとした議論を経て決められることであって、この段階でその判断について白黒つける時期では今はないという前提でお話しているので、決して私どもはそのことから逃げているわけではないわけです。徹底してデータを出す。公開の下でご議論いただくと、この方針を明確にしているわけですから。

(記者)

最初、次官がその中で死亡例を不都合が出てしまったんで、死亡例については、ちゃんと調べてもう少し判断したい。だけど、その前の他の異常行動の中に転落があることは認識していなかったみたいなふうに、そういう言葉だったんですけれども、認識をしていなかったのか、それともちゃんと分析をしてなかったということかどっちなんですかね。

(記者)

死亡事例以外の転落事例。

(記者)

死亡例以外の、そこはちょっと齟齬がある。齟齬というか、この前の全然違う説明をしている。

(医薬担当審議官)

それはですね、私ども、先生からいただいた報告というのは、千差万別でありまして、いろいろなジャンルで分けていくわけですね。かなりの部分が、例えば異常行動なら、異常行動というジャンルに入るわけであります。もちろん、死亡症例とそれ以外のものでは濃淡をつけて、それは検討するわけでありますが、そうやってきたわけです。手続き的には、それを安全対策部会の都度、表にして、それで先生方のご評価をいただくというような形で処理して参りました。こういうことでございます。だから、先生方が、例えば、その中でこのものについては多いとか、あるいは最近増えているとかですね、いろいろなことでご指摘があれば、またそこでお話が出ますし、タミフルですから、インフルエンザに使われているということがありますから、元々インフルエンザでその異常行動があることが分かっていれば、それはそのままご評価としては、もう少し様子を見るとかですね、そういう形で、特に指摘なく通ることはあります。

(記者)

実は、厚生労働省しては、してこなかったということですね。

(医薬担当審議官)

いや、それはしてこなかったというわけではなくて、一応、その部会の目で見ていただいた我々の。

(記者)

次官が、転落という死亡例、タミフルを飲んで死亡した例についてはよく検証していたんだけれども、転落ということについてカテゴライズしてこなかったから、カテゴライズしてみたら、死亡以外にもいろいろな件数が報告されていることが分かったから、そういう事実をとらないで判断し直すとおっしゃったんです。

(医薬担当審議官)

それはその通りです、はい。

(記者)

だから、そういうことなんですかと、検証してきてないんですか。

(医薬担当審議官)

それは、そうなんです。だから、その異常行動の中にそれを支える要素として、転落もあれば異常な発言もあるでしょうし、奇妙な行動もあるでしょう。そういうようなシソーラスと言いますけれども、階層構造を持った副作用用語で見ておりまして、それで、評価はそういう上位の階層で見ていただいているので、申し上げたようなことになる。ですから、次官のおっしゃったこともその通りだと思います。

(記者)

会議ではなくて、厚生労働省として、異常行動の中に転落というものがあったということを知らなかったということなんですか。それよりも、分析してこなかったということなんですか。今まで。

(記者)

転落が何件くらいあるかとか、どういう症状になっているかということ、詳しい中身は分析してこなかったということですか。

(記者)

薬事法上は、副作用情報という数がありますよね。確かに、2万とか3万も膨大にあるんですけれども、このタミフルに関してですね、異常行動ということと重大な副作用として上げているわけですから、この重大な副作用となっている異常行動について、では、どういう行動があるのかということについて、転落であるとか飛び出しであるとか、飛び出しでなくても、例えば、転落ということについて亡くなっている人以外の分については、今回初めて分析をし直したということで見解を変えたということだったんですけど。

(医薬担当審議官)

それは、そうです。はい、異常行動ということで例えば、部会にもかけておりますし、その中で先生方の頭には一言でさっと広がる概念が。

(記者)

先生ではなくて。現場の分析をしている皆さんで、厚生労働省の立場の方々のことを聞いているんです。

(記者)

死亡例以外の異常行動について、分析してるのか、していないのかということです。

(記者)

「た」なのか、過去形ですね。

(記者)

今は知っているんですけれども、前知っていたのかどうかについて。

(記者)

要するに、詳細な情報があがってきて、その中での死亡症例については、専門家にも意見を聞いて分析をしているというお話で、先ほどの次官のお話の中で、死亡以外の事案情報の中で異常行動がそこの中にあると、さらにその中に転落等があると、そのまず他の異常行動なりの副作用、死亡以外の情報の中に転落等の事例があるということを初めて知ったという、初めて認識したというご説明があったんですけれども、それは間違いないんですね。

(医薬担当審議官)

はい。

(記者)

それは、20日のことですね。20日に15件で出してきた数がありますよね。だから、20日に初めてにこのように検証してみたということでいいんでしょうか。転落ということで。

(記者)

今まで転落に着目していなかったんですね。

(医薬担当審議官)

異常行動ということで把握しておりました。だから、異常行動の中の各因子については、異常行動という用語からシソーラス的に下位のもので何があるかということの中での判定になってきておりますので、例えば、転落だけを取り出してどうのこうのということではないです。これは、次官がおっしゃるとおりと思います。

(記者)

テクニカルな部分はいいんですけれども、これだけ、マスコミ報道なり、学会発表もあり、まして被害者の会の方々、こういうふうに訴えられていて、そういう社会状況を見られていてですね、どうしてそう調べるという発想が出てこなかったのか、そこを教えて下さい。なぜ調べて来なかったんですか。

(医薬担当審議官)

この異常行動については、非常に範囲が広いということもありますし、それから、死亡症例に重点を置いて、その1例1例ごとの因果関係と、それから疫学的なその調査結果をこう横に置いて、これまで安全性について検討してきたということになると思います。

(記者)

20日のこの前の深夜の会見の時はもう、初めて死んでいない、亡くなっていないケースのことについて、まとめて分析して発表したということでいいですか。それまでやっていかった。

(記者)

要するに、20日のあの日に、さっきの次官のお話だと、次官自身が死んでいないけれども、転落したという事例をそれまで聞いたことがなかったというようなお話だったんですよ。だから、これは大変だということになって、ああいう対応を取ったと。それよりも、医薬食品局も20日まで死んでいないで転落した事例があるというのを把握というか、認識していなかったんですか。その異常行動という中に埋もれてしまっていて、分かっていなかったんですか、20日まで。

(医薬担当審議官)

異常行動ということについては、認識しておりました。その繰り返しになりますが、部会等そういうところにかけてご議論をいただいておりました。それで特にそれ以上の指摘がないということは、異常行動で捉えて、それで特に改めて、この安全性について現在の注意レベルで結構であろうということで、2月28日まできていたと、そういうことになりますね。

(記者)

その異常行動の中に転落の事案もあると、死んでいないけれども。ということは、20日以前の段階で承知してたわけですよね。

(医薬担当審議官)

すみません、ちょっと概念的にはややこしい話になりますけれども、異常行動というのはいろいろなものが入っていることは申し上げましたですね。ですから、その集団の概念として、異常行動というものが、例えば、3か月に一度くらい集計されて出てくるわけです。それで、増えているとか増えていないとか、いうような形で捉えるということはやって参りました。しかし、例えば、その一つ一つの症例について、詳細に見て行うというようなこと、その詳細については見れば、異常行動だけれども、その異常行動がどういうような構成で捉えられているかという所までは見ていないというのが。

(記者)

いやいや、もっとシンプルに。死んではいないけれども転落という事例があるという認識が20日よりも前の時点からあったのか、なかったのかを伺いたいんですけれども。20日に初めて死なないけれども、転落の事例というのを聞いて大変だというふうになったんですか。

(医薬担当審議官)

その点については、もちろん私は私の立場で確認したのは20日になりますけれども、現場の話ということですので、ちょっと確認させていただきたいと思います。

(了)


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