定例事務次官記者会見概要

(H19.03.08(木)14:01〜14:11  省内会見場)
【広報室】

《次官会議等について》

(次官)
   本日の次官会議、当省関係特段の案件はありませんでした。ご質問があればお受けします。


《質疑》

(記者)
   熊本の赤ちゃんポストですが、皆さんの見解を文書で出すのか出さないのか、それはどちらですか。

(次官)
   この点については、前回の記者会見でも申し上げさせていただきましたが、医療法上の設備構造基準に係る変更許可申請だということで、これはいわゆる法規裁量ということで法律的には私ども、認めないという合理的理由はないという見解は今までと変わっておりません。しかしながら、再三再四言わせていただいていますように、お子さんを捨てるというようなことは本当にあってはならないことであって、そういう大前提でそのようなことを申し上げているわけですね。したがって、いずれにしても、本当に保護者が子どもを置き去りにするということがないように、相談体制を強化するとか、それから、若い世代の赤ちゃんとのふれあいといったことを進めて、命を大切にするということを本当に理解する機会を増やすとか、こういうような取り組みを本当にこれからも進めていく必要があると、そういうような中で、私どもそういう認識を示したわけですけれども、熊本市の方におきましても、その認識はもう示しておりますので、十分な議論を行って、その上で判断していただきたいというのが私どもの考えでございます。

(記者)
   くどくてすみません、文書はもう出さないということでいいですかね。

(次官)
   これについては、一昨日、大臣が、なかなか考えづらいのではないかというお答えをしておられますが、そのとおりで私ども認識しております。

(記者)
   出さない。

(次官)
   なかなか考えづらいということで、大臣がお答えになっているとおりです。

(記者)
   考えづらいでは出す可能性もあるということを言われる方がいらっしゃるので、それをちょっともう一回ご確認なんですけれども。

(次官)
   私どもは、今言いましたことをはっきりと、ここでもまた申し上げましたけれども、見解は表明しておりますので、大臣のおっしゃるとおり、そういうことは考えづらいと思います。

(記者)
   それは、一昨日、その前から官邸サイドの、いわゆる首相が、昨日もですが、内閣記者会とのインタビューで、そういうご発言というか、をされていますが、そういうところの影響ということなんでしょうか。それとも、他の理由があって。一旦は、熊本市に文書で回答するというふうにはお答えされておりますんで、それを変えられた理由というのは何なんでしょうか。

(次官)
  その細かいニュアンスまでは、担当局から聞いておりませんが、私どもが記者会見で明確に今のような意思表示をしたのは、そのようないきさつの後なのではないでしょうか。そういうことで、率直に言って、本当に津々浦々知れ渡るぐらい、私どもはそういう認識をもう明らかにしておりますので、その上で、熊本市がどう判断されるかということであるというふうに理解しております。

(記者)
  熊本の市長は、またこちらの省の方にまた会いに来たら協議したいというふうに述べていますが、これについてはいかがでしょうか。

(次官)
  私が今申したことを何度でも繰り返させていただきたいと思います。私どもの法律的な解釈というものは変わりありません。

(記者)
  法律的な解釈さえも文書で回答するのは避けたいということ。

(次官)
  正直言いまして、私どもは本当に大変悩ましい問題であって、お子さんというものを捨てるようなことは本当にあってはならないことで、そのようなことを助長してはならないということも十分認識して、これまで行動してきたわけです。そういう状況の中で、あえてそういう文書を出すかどうかという議論ということで、私どもはこうしてはっきりと問題認識を示した上で、そして、熊本市が判断をするべきだというふうにしておりますので、その点の私どもの認識というものをお察しいただきたいと思います。

(記者)
  熊本市というか、熊本市長もちょっとおっしゃっているんですが、いずれ全国にこういう動きが広がる可能性は当然否定は出来ないと思うんですけれども、そこでただ単に、今回は熊本市の判断ということで済む話なのか、やはり国としてある程度の指針なり、そういうことを考えるようなことは出来ないんでしょうか。

(次官)
  率直に言って、このようなことについて一般化するような指針を作るとかですね、そういう考えは全くないんですね。本来あってはならないことですから。そういう中で、ぎりぎりの法解釈を示して、十分議論をしていただきたいと、そして、本当にこういうことはあってはならない、そしてまた、何かあれば相談できるいろいろな窓口を設けて相談に応じて差し上げなくてはいけない、そういうような議論を十分するというような中で、こういうことの問題というものを考えていくということが大切なことであってですね、文書でどうかというよりも、私どもとしては、そういう今言いました大変悩ましい状況の下で、解釈を示し、その中で皆で十分議論をしてこの問題に取り組むことこそ大切じゃないかと、一刀両断に、ましてや、一般化するというようなことは、これは本当に元々考えていなかったことだというところを察していただきたいと思います。

(記者)
  文書で書くことが別に一般化することにはつながらないと思うんですけれども、熊本市のこのケースに限っては、法的にこういう解釈が出来るということを文書で回答していく・・・

(次官)
  これは、もうこの席でも申しているとおりで、何度も医療法上の法規裁量の基準として、これを認めないという合理的理由がないと、これが今申したとおりで、私は、この責任ある意見表明というものも有効であると考えますが。

(記者)
  しつこくて申し訳ないんですけれども、その再三そういうご説明を口頭では出来るけれども文書には出来ないというところに何か特段の支障なり、その理由というのはあるんですか。

(次官)
  逆に言えば、なぜそのように文書におこだわりになるのかということの意味も、よくお考えいただきたいと思います。

(記者)
  2月22日に熊本市長がお見えになったんですけれども、その時も文書で出して欲しいというふうに皆さんにお願いしたんですが、その時皆さんのご返事としては、時間がかかりますと、文書を出すかどうかを検討しますというご返事だとお伺いしているんですが、それでよろしいんですか。文書は出すとか、出さないかとかは明確には・・・

(次官)
  こういうことを言った言わないというのは必ずしも好ましい議論ではないので、ご質問があったのでお答えしますけれども、原局の方からは、出すという約束をしたとは認識していないというふうに聞いておりますが、ただ、その後、まず大臣が、そして私も、いわば、公人として見解を表明しておりますので、その点をご理解いただきたいと思います。

(記者)
  まさに、言った言わないということになってはいかんので、文書が欲しいというような。

(次官)
  ですから、今こうして申し上げているわけですね。これは、私は、明確な役所の解釈を言わせていただいていると理解しておりますので。

(記者)
  今次官は、文書を求めるところの意味も考えていただきたいということなんですけれども、それはまさに昨日安倍総理がおっしゃった、国がお墨付きを与えるわけにはいかないと、そこに尽きるわけですね。

(次官)
  それは、総理がおっしゃる、おっしゃらないというような次元の話ではなくて、元より私どもはそういう認識で、こうして、公式の場で意思表明をするという形でお答えしているわけですから、総理がおっしゃる前から、一貫して同じスタンスで、大臣もなかなか考えづらいんじゃないかとおっしゃっておりますし、そのようにご理解いただきたいと思います。

(記者)
  そうすると、熊本以外でもですね、これから、いくつかの市なり、県なりがやはり作りたいんだと、うちの所も作りたいんだというふうに言って来る度に、やはり同じように、同じように対応するんですか。

(次官)
  ええ。同じように対応いたしたいと思います。その仮定の問題にまずお答えするべきではないと思いますけれども、何度も申しますように、このことはあってはならないことであって、本当にこのようなことがないように、相談窓口をもっと設けるとか、今言いましたように、その命を大切にするという取り組みを深めるとか、そのような議論をしながら、こういう問題というのは考えるべきものであって、一刀両断で文書で、そして、これからのものを一般的に認めるのかというような次元の議論として、このことは行うべきではないと、私どもは強い気持ちを持っているわけです。これは本当に、総理のおっしゃるとおりで、そういう意味で、一般化してこの問題を考えてはならないと、その趣旨でこういう対応を今しているということについてご理解を何とぞいただきたいと思います。


(了)

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