定例事務次官記者会見概要

(H18.04.27(木)15:30〜15:40  省内会見場)
【広報室】

《次官会議等について》

(次官)
 本日の事務次官等会議ですが、厚生労働省関係の案件としては、被用者年金制度の一元化等に関する基本方針ということで、これは、今後の年金制度の成熟化、少子高齢化の一層の進展に備えて、年金財政の範囲を拡大することなどによって制度の安定性と公平性を確保し、公的年金全体に対する国民の信頼を高めるために策定するということで、内容は、ご案内のとおりです。被用者年金の一元化については、平成16年の年金制度の改正法の附則で、公的年金制度の一元化を展望して、体系のあり方について検討を行うものとするということが規定され、それを踏まえて政府、与党内で議論されてきており、さらに、昨年の秋に、総理から、まず、被用者年金の一元化について、処理方針をできるだけ早く取りまとめるようにという指示があり、これを受けて、関係省庁の連絡会議を設け、今年の1月からは、政府・与党の協議会を設けて、政府、与党一体となって検討してきたものであります。今回、保険料率の統一、あるいは、積立金の仕分け、さらには、追加費用の問題も含め、被用者年金一元化の骨格が取りまとめられたということは、非常に大きな前進であると受け止めておりまして、関係の方々のご協力に感謝申し上げたいというふうに思っている次第であります。ただ、基本方針は、明日、閣議決定という運びになるわけですけれども、さらに最後の詰めの作業を行う必要があるわけですから、厚生労働省としては、関係各省とも連携しながら、しっかり取り組んでいきたいと考えております。


《海外で注意すべき感染症について》

(次官)
 事務次官等会議は以上でございますが、今週末の4月29日から、いわゆるゴールデンウィークになるということで、今回はカレンダーの巡りに恵まれたということもあって、労働基準局の調査でも、連続休暇の平均日数が、昨年よりも0.8日伸びて、5.9日ということになっております。そういった中で、海外に渡航される方もかなり多いのではないかということが予想されるわけで、厚生労働省として、毎年この時期に海外に旅行に行かれる方々に、是非注意していただきたい感染症について、情報提供をしているわけですが、今年は特に、鳥インフルエンザの発生が、今年に入って、昨年よりもだいぶ増えてきている。昨年、2005年一年間で発症したのが、95件ですけれども、2006年に入って、4月21日現在で、60件ということですから、十分注意すべきことであろうというふうに思っておりまして、鳥インフルエンザが発生している地域に渡航する方については、生きた鳥が売られている市場や養鶏場に、むやみに近寄らないように要請をしているということです。もう1つ心配なのは、蚊を媒介にする疾患、特にデング熱が近年増加していますので、これも長袖や長ズボン、あるいは虫除けスプレーといった予防策を行ってほしいというふうに思っているところであります。現在、空港あるいは港の検疫所にポスターを掲示する等によって、発生状況についての情報提供をしていますし、健康相談にも応じているところです。厚生労働省、検疫所のホームページ等での情報提供もしていますので、国民の皆さんには是非この辺りも留意した上でゴールデンウィークを有意義に過ごしていただければと思っている次第であります。これは、健康局が25日に新聞発表をしたところでありますけれども、重ねて申し上げておきたいというふうに思います。以上です。何かご質問があれば。


《質疑》

(記者)
 歳出・歳入の一体改革というのが、今、与党の方でも議論が進んでいるんですけれども、この中で、やはり歳出の中で大きなウエイトを占めている社会保障費というのがまた議論の対象になってくると思うのですが、一方で、ここ最近、毎年のように年金、医療や介護等大きな制度改革、給付もかなり削減してきているところなのですが、それに対して、厚生労働省としては、今後どのように臨んでいこうとお考えでしょうか。

(次官)
 これは、自民党の政調会長を中心にいろんな検討が現在なされているということで、厚生労働省関係についても、政策ユニットの中で議論が始まっているということであります。厚生労働省に関して言えば、今年は医療制度改革を行っていますし、昨年は介護保険の見直しをした。その前は、年金の見直しをし、その前は雇用保険の見直しをしたということで、4年間立て続けに社会保障関係の制度の見直しをして、少子高齢化の中で給付がかさむ、一方、支える側の人たちもだんだん減っていくということを考え、それから、今や政府の一般歳出の44%を社会保障費が占めるという状況の中で、財政再建というのは、なお大きな課題になっている。その辺りを考えて、厚生労働省として、国民の理解が得られるということを前提に思い切った改革に取り組んできたというふうに思っていまして、今お話のように、さらに社会保障関係の歳出を見直せないのかと、こういうふうなことになるわけですけれども、社会保障の大きな部分を占めている、今申し上げたこれまでに見直しに取り組んできたものについては、さらに出せと言うのは、正直言って、非常に厳しいものがあるんじゃないかと思っています。この辺りをよく与党の先生方にまず理解していただいて、その上で、さらにどういったことをしていくのかということになるのかなというふうに思っています。何といっても、まだ衆議院で健康保険法等の改正法案が審議中という状況を考えると、今の段階でこういった方向性ということではまだないのではないか、健康保険法が目処がついた状況になった時でも、正直言って、これまで取り組んできた以上の大きな歳出の減というのは非常に難しいものがあるんじゃないかというのが現段階での正直な気持ちです。


(了)

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