定例事務次官記者会見概要

(H18.03.30(木)14:00〜14:20 省内会見場)
【広報室】

《次官会議等について》

(次官)
 本日の事務次官等会議ですが、厚生労働省からお諮りする案件はなかったんですけれども、内閣府から来月の4月6日から4月15日まで「春の全国交通安全運動期間」ですという話がありました。交通事故の死者数を5,000人以下にするということを目指して、子ども、それからお年寄りを中心に交通事故の防止を図っていくのだという話がありました。この全国交通安全運動については、内閣府とともに厚生労働省も主催者になっていまして、重点は、陸上貨物運送事業等を中心とする交通労働災害の防止対策を推進しようということで、災害防止協会等の関係団体を中心にいろいろな活動をしようということになっています。私の方からは以上ですが、何かご質問があれば。


《質疑》

(記者)
 国家公務員の純減問題なんですが、政府の有識者会議の方が、厚生労働省などの取組みが不十分ということで、さらにやってくれというような協力を求めているのですが、今後厚生労働省としては、どのようなスタンスで臨まれますか。

(次官)
 公務員の純減目標について、重点分野としてハローワークと社会保険事務所、それから労働保険が、当省では挙がっているわけです。ハローワーク関係については、ILO条約があり、これは国の機関が自ら行う、しかも公務員が行うと書いてあるということで、ILO条約に抵触するような形は困難であるということですが、そういった中でどこまで出来るのかということで、ハローワークの業務については、かねてから民間委託を拡大してきました。長期失業者の就職支援の民間委託を行ってきましたし、それから市場化テストにも協力しようということで、キャリア交流プラザ、全国5カ所くらいですけれども、それと求人開拓の事業等について、市場化テストの俎上にも乗せてきました。さらに、来年の4月からは、人材銀行についても、市場化テスト法に基づく市場化テストを行おうということで、いろんな形で民間のノウハウ、あるいは民間の活力といったものを活用して、効率的・効果的なハローワーク業務を進めようということで取り組んできたのですが、今回さらに、公務員の純減ということで一層の取組を求められたということですので、我々としては、民間に委託出来る業務をぎりぎり検討して、ぎりぎりのものを出したというふうに思っています。それから、労働保険については、ご案内の通り、雇用保険の3事業と労災保険の労働福祉事業を特別会計の見直しの中で見直すということになっていて、これは実は方向が出ていないものですから、見直す中でどれだけの公務員の減が出来るのかということについては、現段階では具体的な数字が出せないということを申し上げていて、やりませんということを申し上げているわけではないということであります。それから、社会保険庁については、政府・与党の中で、非常に中身の濃い議論が行われた結果、組織を解体して2つに分割することになり、その中で、常勤の公務員、それから非常勤の賃金職員併せての人員削減計画ということも出てきたということで、これ以上、削るというのはなかなか難しいというのが正直なところでありまして、重点分野というのは十数分野ありますけれども、そういった中で、我々としては、相当誠意を持って検討してお示ししたということだと思っております。そういった意味で、これからその辺りをさらに理解いただく、あるいは、相手方から具体的にこういった分野はどうだというご提案があれば、それはそれで真摯に受け止めてまた検討すると、こういうことを暫く繰り返すということになるかなと思います。ただ、我々としては、誠意を持って検討し、ぎりぎりのものを出したというふうに今思っているということです。

(記者)
 今の点なのですが、さらに追加をするということは考えていない。

(次官)
 現段階でぎりぎりのものを出したというふうに思っていまして、ですから、あと具体的にこういう分野はどうだというお話があって、我々もそれは可能であると判断をすれば、それは出す可能性はあるだろうとは思います。ですから、一切出さないということではないんですけれども、我々としては考え得る限りのものをお出ししたということなので、我々の方に民間委託、民間開放が可能な分野、しかも、我々の職員を削減することの出来る分野というものが具体的に示されて、我々が検討してそれが可能であるということになれば、それは当然検討するだろうと思いますけれども、現段階ではなかなかそういう分野にはなっていないのではないかというふうに思っています。

(記者)
 富山の市民病院の方で、患者さんが人工呼吸器を外されて亡くなったという案件ですが、これに関連して大臣の方から、延命治療の中止というものについて患者さん、ご本人の同意なんかがある場合のあり方ということについては検討を急いだ方がいいのではないかというお話もあって、これは厚生労働省の方で研究班も設けられているんですが、それをもうちょっと検討を急げというようなご指示だと思うんですが、それを受けて何か具体的対応としてお考えになっていることはありますか。

(次官)
 終末期の望ましい医療というものがどういうものかということについての研究も行ってもらっています。これは、平成16年度の厚生科学費の特別研究事業として、「終末期における望ましい医療の内容に関するガイドラインの策定に関する研究」というのがありまして、これが1つです。それから、平成17年度から、もう1つ厚生科学研究事業で「終末期医療の質の向上に関する研究」というものを行っていただいているわけで、これらは一定の計画期間を設定して計画的に研究に取り組んでいただいているというのが実情でありますけれども、終末期医療に関しては、一人一人の生命観、あるいは生きる哲学、そういったことに関わり、国民の皆さんの間にも意見がいろいろ分かれており、非常に難しい問題ではあるんですけれども、国民の関心が高い、問題も起きているということで、大臣から、そういうお話しもありましたので、我々としては、研究の中で今回の事案、医療現場の実態、そういったものを見て、回復の見込みのない末期状態の患者の方に対する治療行為の在り方といったことなどについて、対象分野を限って検討を早めてもらおうというふうに思っています。研究に取り組んでいただいている学者の方々にお願いして、出来るだけ早く重点的にその分野の研究を進めてもらって、結論を早く出していただければということでお願いをしているという状況であります。出来るだけ早くやるように、我々も出来るだけのサポートはしたいというふうに思っています。

(記者)
 4月1日かららい予防法の廃止から10年迎えます。この問題についての所見、それが1点。それからこの問題に関しては、ハンセン病問題を起こした教訓というのが、今後の行政、施策に生かしていくという観点なんでしょうけれども、昨日ハンセン病問題に関する検証会議の提言に基づく再発防止検討会というのが開催されておりますけれども、検討の中身についてどのようなことを期待されておりますのか、この2点についてお聞かせ下さい。

(次官)
 ハンセン病問題については、治療技術あるいは治療薬の発達・開発の状況、それから先進諸国での状況、そのあたりを如何に的確に把握して、患者の方々の治療を適切に行い、あるいは、人権がきちんと守られるようにしていくということが重要だろうと思っております。技術的な問題、それから社会的な条件、いろんなことを総合的に考えて対応を過去に行ってきたんでしょうけど、もう少し視野を広くして、それからやはり機動的に対策を執っていくということが、今後2度とハンセン病で起きたような問題を起こさないためにも重要なんだろうと思っております。そういった意味で、厚生労働行政はもとよりですけれども、関係の医療機関、あるいは関係の方々挙げて、2度とそういったことを起こさないように取り組んでいくということで、気持ちをさらに新たにしていくことが重要なんだろうと思っております。

(記者)
 米国産牛肉なですけれども、昨日まで日米間の間で専門会合があって、一応それなりの前進が見られたというようなブリーフだったと思うんですが、厚生労働省としての受け止めを改めてお聞かせ下さい。

(次官)
 米国産牛肉の輸入問題ですが、今月28日・29日の2日間に渡って、アメリカ側からランバート農務省マーケティング・規制担当次官代行を始めとする人達と、外務省、農林水産省、厚生労働省の担当者の間で、専門家会合を開いたということであります。アメリカ側から、これは2月17日だったと思いますけれども、報告書をいただいて、それに対して3月6日にアメリカ政府に照会をし、18日にその回答を得たということですが、アメリカ側の報告書と照会に対する回答の矛盾点があったわけです。矛盾点の一部については納得出来る回答があったということだろうと思っております。これらについて2日間に渡って、随分いろんなやりとりをして、今回の事案がアメリカの2つの施設でどうして起きたのか、それから対日輸出の認定について改善すべき点があったこと、こういったことについては、一定の共通認識が得られたということではないかと思っております。2日間の協議の結果、日本側としては昨日までの経緯、これについて、リスクコミュニケーションが重要だということをかねてから申し上げておりますけれども、消費者への説明会等を実施しますということ、それからアメリカ側は、2施設以外の対日輸出施設に対する調査、あるいは改善策の具体化を行うということにして、これらの結果を踏まえてこれからの対応を検討しようということです。具体的にこれから先、どういった日程でどういった内容でさらに取り組んでいくのかということについては、まだ決まっていないという状況だと思っております。


(了)

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