定例事務次官記者会見概要

(H17.07.28(木)14:02〜14:14 省内会見場)
【広報室】
《次官会議等について》

(次官)

 本日の事務次官等会議ですけれども、厚生労働省関係の案件としては、社会福祉施設職員等退職手当共済法施行令の一部を改正する政令案の1件であります。あとは特にありません。



《質疑》

(記者)

 三位一体改革に絡みまして、政令市の市長会の方が昨日、生活保護に関する世帯数等のデータを報告するのをやめるというようなアピールを出しておりますが、厚労省としてのこれに対するご見解をお願い致します。



(次官)

 今お話のように指定都市市長会から「生活保護制度の抜本改革に向けての提案」等に基づく要望が行われたわけであります。今のご質問の生活保護の受給世帯数等の報告、これは地方自治法の245条の4の第1項の規定に基づくもので、他の社会福祉に関する統計と併せて自治体からご報告をいただいているということであります。これらの報告につきましては、厚生労働省におきます生活保護行政の企画運営に当たって自治体の生活保護事務の執行状況を把握するために利用しているものですし、各自治体におかれてもそれぞれの管内の保護動向を全国の動向と比較するといったことで、生活保護事務の適正な執行のために活用頂いただいている基礎的な資料であると考えています。そういうことなので、この報告が提出されないということになりますと、生活保護事務の執行に影響が出る可能性は否定できないわけで、そういった意味で是非もう一度お考え直しいただければというのが私どもの考え、立場です。



(記者)

 今の生活保護のデータ提供の件ですが、政令市長会の方にちゃんと提出してもらうために厚労省側から何かアクションを起こす、あるいは厚労省からとれる措置というのは何かあるんでしょうか。



(次官)

 生活保護費については、関係省庁、自治体との間で協議会を設けてこれまで協議を進め、7月6日からは保護率なり保護費の上昇についての原因分析ですとか、地域間格差についての原因分析ですとかについて共同作業を行おうということで進めてきているところです。ここには全国市長会の代表の方にも全国知事会の代表の方にも、それから個々の市の担当の方にもご参加いただいて作業を進めている。この関係者協議会については、この秋出来れば具体的に10月目途に取りまとめということで一緒に議論を進めてきているわけですから、社会・援護局の方から指定都市の市長会の方に我々の考え方、それからこれからもこれまでどおり一緒に作業を進めていきたいということについて申し上げて理解を得る努力をしたいと思っています。



(記者)

 話が変わるんですけれども、今日から参議院の厚生労働委員会の方で障害者自立支援法案の実質的な審議が始まったんですが、会期末で残り時間も限られている中で非常に日程が厳しいと思うんですけれども、この法案、予算関連法案ということでもあり万が一この国会で継続ということになるといろいろ影響もあるかと思うんですが、現時点でどういうご認識で見ていらっしゃいますか。



(次官)

 障害者自立支援法案については、衆議院でも慎重かつ熱心なご審議をいただき、その上で可決いただいて参議院に来て、参議院でも審議を始めていただいたという状況であります。予算関連法案ということでお分かりのように、本年度中に実施する事項が含まれているわけで、施行に向けての準備等を考えますと是非今国会で成立をお願いしたいというのが我々の気持ちであります。
 国会の残された日程はかなり厳しい日程になってきていますし、国会情勢も郵政民営化法案を巡ってこれからさらに緊迫化していくということが予想されるところでありますけれども、我々としては是非与野党の先生方のご理解を得て、何とか厳しい日程の中で審議をしていただいて採決までいただければと考えています。与党の国対・理事の先生方をはじめ、与野党の関係の先生方に理解をさらに強く求めて、我々としては今国会で是非成立させて頂きたいと思っております。



(記者)

 アスベストの関係なんですけれども、アスベストを扱っていた企業名の公表を検討をしているという話が一部にありますけれども、その目的と公表するのであればいつ頃どのような形での公表を考えておられているのかというのをお聞かせ下さい。



(次官)

 厚生労働省でアスベストを扱っていた事業場について把握しているのは、これまでにアスベストに起因する中皮腫あるいは肺がんといった疾病で労災保険の給付を受けられた方、それからその方が働いていた事業場は我々として把握しているわけであります。それぞれについて見てみますと、例えば建設業の事業場の場合は、建設現場が多岐にわたっていたという方もおられて、どこでアスベストに曝露されたのかという辺りがなかなか分からないといったような問題があるわけです。それからアスベスト製品の製造・加工をしている事業場以外の事業場でも、例えばボイラー室といったところで働いていてアスベストに曝露されたといった方の属している事業場とか、かなりいろんなタイプの事業場があるわけで、その辺りをきちんと確認をしてどういう形で公表するのか・しないのかという辺りの検討が必要で、いろいろ検討をしているところであります。
 事務次官としてどう考えるとかいうことであれば、アスベストを扱っていた、あるいはアスベストを扱っていたのではないかと考えられている労働者あるいは労働者であった方々の不安に対して、厚生労働省としてはきちんと対応していく必要があると基本的に思っています。そういった意味で、事業場名を公表するということで、1つは今言ったように過去に事業場に働いていた人達、あるいは今でも働いている方もおられるかもわかりませんが、そういった人達に過去にどういう事業場でアスベストによる労災疾病が出ていたかということをお知らせすることは意義のあることと思っています。それから場合によると、周辺で生活しておられた住民の方々に対してもかなり重要参考資料になるのではないかと思っています。
 ただ、今申し上げたようにいろいろ検討すべき事項もあるので、基本的には明日の関係閣僚会合などのいろいろな場で幅広い観点からご議論いただいた上で、公表するのかどうか、公表する場合にはどういった公表をするのかを決定するということになるんじゃないか。現段階では結論はまだ出ていないということであります。なるべく早く結論を出して、国民の方々の理解を得るようにしたいと思っています。


(了)

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