定例事務次官記者会見概要

(H17.06.02(木)14:01〜14:15  省内会見場)
【広報室】
《次官会議等について》

(次官)

 本日の事務次官等会議ですが、厚生労働省関係は、これは事後報告でありますけれども、4月の有効求人倍率が0.94倍ということで3月よりも0.03ポイント改善されたという報告を致しました。これは平成4年11月の0.96倍、12月の0.93倍以来ということで12年5ヶ月ぶりという水準です。ちなみに総務省発表の完全失業率は4.4%で平成10年12月以来6年4ヶ月ぶりの水準ということで、指標から見る限り雇用情勢は厳しさが残っていますけれども改善しているということだろうと思います。また、特に申し上げることでもないんですが、昨日から軽装励行ということで次官等会議の各省次官はノーネクタイ・ノー上着でありました。



《質疑》

(記者)

 先日、社会保険庁の改革について有識者会議が結論をまとめまして、党の方でも意見集約されて、これを受けて大臣の下で今後具体的なことをということで検討会を設置する。併せて閣議決定され宿題になっている労働保険・社会保険の徴収事務の一元化について省内次官をトップにした機関を設定されるということですが、それぞれについての今後の取組について改めて伺いたいのですが。



(次官)

 31日に「社会保険庁改革の在り方に関する有識者会議」の最終取りまとめをいただいたわけであります。これは昨年の8月以来10回会議を開いていただき、委員の方々には大変精力的に取り組んでいただいてまとめていただいたわけであります。それから同じ日に、自民党社会保障制度調査会、ワーキンググループ、行政改革推進本部、厚生労働部会の合同会議で「社会保険庁の解体的出直しと新組織設立について」という意見が取りまとめられた。昨年来社会保険庁の行っている年金業務の運営について、国民の方々はじめ各方面から非常に厳しい批判が寄せられ、年金制度に対する国民の方々の不信感が非常に高まっていたわけでありまして、我々としてはこの2つの提言、ご意見をいただいたわけでありますから、これを尊重し、踏まえてその実現を図っていきたいということが基本的な考え方であります。
 これを受けまして、その具体化に向けた取組のための検討の場として「ポスト有識者会議」を早期に設けて、そこで最も適切に具体化するにはどうすればいいのかという立場から検討をお願いしたいと思っているところであります。来年の通常国会に関連法案を提出するということの絡みで、必要な事項については年内に結論を出さないといけないわけで、それから「その他の事項」も18年夏までには検討を終えんといかんということなので、その辺りのスケジュールを念頭に置いていただきながら「ポスト有識者会議」での検討をお願いすることになると思います。早急にメンバーを固めて出来るだけ早く最初の会合を開くようにしたいと考えております。
 それからもう1つは、社会保険と労働保険の徴収事務の一元化であります。これは言うまでもなく、2001年1月に厚生省と労働省が統合されて厚生労働省が発足するに当たっての課題の1つとして両保険の徴収事務の一元化というものが掲げられていたわけです。これまでも徴収事務一元化の実績として、1つは徴収事務センターを設けて諸々の届け出を一括して受け付けるとか、滞納整理を一元的に行うとか、あるいはインターネットによる社会保険と労働保険の届け出の一括受付に取り組んできているところです。ご案内の通り、昨年12月24日の閣議決定で「更に効率化できる事務処理方法や一元化可能な事務について検討し、可能なものから逐次実現を図る」「法律改正が必要な事項についても速やかに検討を進め、平成17年度までに結論を得て、可能なものから所要の措置を実施する」とうたわれているわけです。
 徴収事務の一元化については、今申し上げたような政府としての方針と併せて、今般の有識者会議のとりまとめにおいても「着実に道筋をつけることが必要」とうたわれております。これを受けて、社会保険と労働保険の徴収事務の一元化にさらに前進するようにということで、今回私事務次官をトップに省をあげて取り組む体制を整備して、今申し上げたような課題にきちんと対応していこうと考えております。概算要求に間に合うものについては概算要求までにとりまとめたいと思いますし、法律改正事項については今年度中に何らかの結論を出したいと思っているところであります。



(記者)

 医療費の伸び率管理の件ですけれども、昨日の諮問会議で年末までに具体的な仕組みを厚生労働省は考えるというふうなとりまとめになって、ミクロだけではなくマクロもという仕切りになったようなんですけれども、一応「経済に直接連動する」というわけでないにしても「身の丈にあった」という話が一応議員間で一致した展開になっていましたが、これから具体的に検討するに当たってどんなイメージのマクロ指標というものを考えていかれるのか改めてお願いします。



(次官)

 昨日の諮問会議で厚生労働大臣の方からは「名目GDPの伸びを基本とした医療給付費の伸びの抑制ということは、高齢化あるいは技術進歩による医療費の自然増ということが避けられない中、必要な医療の確保に支障が生じかねないということで、その影響について十分検討が必要だ」ということを申し上げたところであります。これはかねてから私も申し上げているし、厚生労働省の大臣・幹部みんなが申し上げているところでありますけれども、やはりマクロの総額の指標を設定するのかどうかという辺りについては、やはりいろんな意見があるんじゃないかということではないかと思います。4月27日の経済財政諮問会議で総理から「何らかの指標が必要だ」というご発言があり、これを受けて厚生労働省として検討をしているところでありますけれども、いずれにしても今医療保険制度改正の検討を行っているわけで、この中で検討して年末までに結論を得るということで進めようと思っています。ただおそらく経済財政諮問会議の方も「骨太」のとりまとめに向けてさらに議論が深められていくだろうと思います。昨日の議論がどういうふうにまとまったのかということについては、それぞれ受け止め方にややニュアンスの違いがあるのかも知れないと思いもいたしますけれども、いずれにしても、1つは「骨太」でどこまで議論が詰まっていくのか、もう1つは、より具体的には医療保険制度改正の検討の中で年末までに結論を出すというようなスケジュールになる。二段階のスケジュールになるのかなと思っているところです。今の段階でそれ以上申し上げるような状況にはないと思っています。


(了)

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