定例事務次官記者会見概要

(H17.05.12(木)14:00〜14:18  省内会見場)
【広報室】
《次官会議等について》

(次官)

 本日の事務次官等会議ですが、明日閣議で決まると思いますが、第58回世界保健総会の日本政府代表、第93回国際労働機関総会の日本政府代表及び労使代表の人事案件を外務省と私の方とそれぞれ説明しました。あとは特に案件はありません。以上です。



《質疑》

(記者)

 一部の今日の報道で、医政局総務課の歴代総務係長が出版社から監修料を受け取っていたという報道がなされていますが、これについてのご説明とこれだけ監修料色々言われていたのですが、我々としては全部出てたんじゃないかと、全部あからさまにするということで聞いていたんですが、その点についてお考えを教えていただけますか。



(次官)

 詳細は担当局に聞いていただければいいと思うのですが、私が承知している限りでは、今回報道されている件は監修というのではなくて、その出版物に対して原稿を提供したということだろうと思っています。担当課で把握しているいくつかの情報を加工して原稿にして出版社の方に提供したということなんだろうと思う。原稿料に関して言うと、国家公務員倫理法の運用規程、あるいは厚生労働省で定めている原稿料の取り扱いにおいて、利害関係者については「1字につき10円」ということですけれども、ちょっと確認してみないといけませんが、私が聞いている範囲では「利害関係者」になっていないと思います。補助金が出ているというなら別だと思います。とすると、原稿料なので色々な規程に対して相違するものではなかったということが1つあるんじゃないかと思います。
 それから当該職員が対価を受けているということですけれども、当該作業は業務外でやっていたということだと聞いています。もう1つは、兼業禁止規定の議論があるのかもしれませんけれども、これも継続反復して行っていたということではなくて、出版社の方から依頼があったことを受けて、1回限りの作業として行ったと聞いています。
 担当局から報告を受けている限りでは、私としては厚生労働省の諸規程、国家公務員倫理法に基づく諸規程に違反するということではないと思いますし、これまで取り組んできました監修料調査の対象に該当するというものではないんじゃないかと現段階では思っています。



(記者)

 特に繰り返しされている面があるかと聞いているんですが、特に国家公務員法にも抵触はしないということで考えていらっしゃるということでしょうか。上司にも届けていないということらしいんですが。



(次官)

 1つは作業自体が時間外だったということ、それから繰り返しといっても同じ人間が繰り返しやっていたということではなくて、出版物は2年に1回くらいずつ出していたようですけれども、そういう依頼があった時の人がやっていたということだったということでしょうから、上司に届け出る届け出ないということでもないのかなと思います。ちょっと詳細はあまり聞いてませんので。



(記者)

 合計はいくらぐらいになるんですか。



(次官)

 それも聞いていません。担当局に聞いて下さい。



(記者)

 先の日韓外相会談の時に、在外被爆者について韓国側から被爆者手帳についても申請の場合に在外公館の活用を検討して欲しいという要望が出ているということですが、これについての厚労省の方の考えを聞かせて欲しいんですが。



(次官)

 被爆者手帳については、基本的に国内居住者から出発しているということで、認定は国内でという考え方なのかなと思います。それに対してどこまでの便宜を図ることが法律制定過程での議論、法律の目的から出来るかということじゃないかと思います。いずれにしても外務省と韓国との間でいろんなお話が行われているということではないかと思いますので、外務省と私どもの方でよく相談して、ということが現段階の状況ではないかと思います。



(記者)

 特に難しいというふうに考えているわけではないんですか。



(次官)

 韓国側の要請というのがどういう範囲なのかというあたりを承知していないものですから。少なくとも、法律の目的・趣旨、法律が制定された時の国会でのいろんな審議を踏まえてどの範囲まで出来るかということを判断すべきだと思います。今の法律を改正するということであれば別ですけれども、今の法律の範囲内でどこまで出来るかというあたりになると、韓国側からはどういう趣旨のお話なのかというあたりを伺った中で、どういう対応が出来るのかを外務省とも相談するということじゃないかと思います。



(記者)

 先ほどの原稿料の件ですけれども、反復継続していたものでないということで、あくまでも個人が依頼を受けてやっていたというようなご説明だったかと思うのですが、原稿料を管理する口座というものが歴代ずっと担当の課の中で引き継がれていたというようなお話もあるようなのですが、そこは組織としてやっていたということにはならないのでしょうか。



(次官)

 これも詳細を承知していないのですが、私が担当局から聞いている範囲で申し上げると、原稿を書いていた職員限りで原稿料を受け取って、所得税の処理もしていたということが1つ。もう1つは、確かに今おっしゃったように口座自身は引き継がれているということのようですけれども、基本的には職員1人1人の時代にほぼ受け取った原稿料は使っていたということだと聞いています。便宜上口座があったということはあるかもしれないですけれども、長期間にわたってプールしているというよりも、個人限りで処理していたと報告を受けていますけれども。



(記者)

 それはプールして課全体として使っていたということではなくて、あくまでも個人限り。



(次官)

 これも私が承知している範囲では、その職員が必要な経費にその金を拠出していたという格好で自発的に処理していたということだと聞いています。詳細は担当局に聞いてもらった方がいいと思います。



(記者)

 今回原稿の元になっているデータというのは、厚生労働省の職務として集められたデータを加工してということだと思うのですが、そういう公務上得た情報をそういう民間の出版社に提供して対価を得るということ自体がどうなのかという問題もあると思うんですが、その点についてはご認識はいかがでしょうか。



(次官)

 これはおそらく程度問題になっていくと思います。一般論として、公務員が個人的に研究している領域とか趣味的に非常に詳しい領域について個人的な文書を書くということを別にすると、公務員が何らかの原稿を書くということについては、公務員の職務を通じて蓄積したいろんな知識とか情報とかいったものを元に原稿を書いているということだろうと思います。職務上知り得た情報を元に原稿を書いて、それが直ちに問題であるということにはならないのではないか。ただおっしゃるように何の工夫も労力もなく右から左へ情報を提供をして対価を得ているということになると、社会通念上理解が得られるかどうかという議論になると思うので、最後は程度問題かなという気もいたします。ただ今回承知している範囲では、1つの調査結果だけではなくていくつかの情報を組み合わせて原稿にしていると聞いていますので、そういう意味では直ちにそれが不適切なものであるということではないんじゃないかと思っています。



(記者)

 最初おっしゃった「反復継続していないので、そのまま国家公務員法に違反していない」という部分は課の方でもそういう説明だったんですけれども、次官ご自身の判断も同じ。



(次官)

 1回限りの作業としてやっていたということであれば、取り立てて国家公務員法違反ということには当たらないのではないかというふうには思っています。



(記者)

 ILO総会代表というのはまた別で公表。



(次官)

 これは例年同じで、今までの例から言うとジュネーブの特命全権大使と厚生労働省総括審議官が毎年交互に代表と副代表になったりする。去年と今年が逆になるというぐらいで、通例の人事ということです。正式には発表があると思います。



(記者)

 兵庫労働局長が亡くなられたことについてどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。



(次官)

 兵庫労働局問題については、刑事事件になったということがあります。もう1つは、現在調査に非常に時間を要しているところですけれども、私自身の理解を越えるような適正でない行為がみられている。そういった中で、本人には調査の実施、兵庫労働局職員の管理や業務の推進、いろいろなものが肩にかかってきて、そういう意味では本人も大変辛い思いをしていたわけです。我々も本人が非常に深刻に事態を受け止めて業務に取り組んでいるということは承知していたものですから、何とかいろんな形でバックアップをし、兵庫労働局だけではなくて本省も一緒に取り組もうと本人を励ましてきたわけですけれども、こういうことになって大変残念だし、ご遺族の方々の無念の思いやご遺族の方々の今後の生活等を考えると、我々としてもできるだけの支えをしていきたいと思っています。
 いずれにしても、二度とこういった不祥事が生じないように兵庫労働局の体制を立て直していくことが我々にとって一番重要なことだろうと思っていますので、我々本省と労働局幹部が一体となって、問題の究明と国民の信頼回復のための業務の立て直しに全力で取り組んで行きたいと考えています。


(了)

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