定例事務次官記者会見概要

(H17.04.27(水)14:20〜14:33  省内会見場)
【広報室】
《次官会議等について》

(次官)

 本日は、連休前で明日閣議ということで繰り上げの事務次官等会議となりました。厚生労働省関係は事後報告になりますけれども、3月の有効求人倍率が季節調整値で0.91倍と前月と同水準との報告を致しました。あと、本日郵政民営化法案の与党手続きがまとまれば閣議、その前に事務次官会議を行うという話がありました。臨時ということで、これはまだ状況次第ということかなと思います。以上です。



《質疑》

(記者)

 今日衆議院の厚生労働委員会で介護保険改正法案が採決される見通しですけれども、介護予防のあり方等についてはかなり野党から批判もあって、与党と民主党の間で修正の協議が行われたようですが、その現状について次官がどのように見ていらっしゃるか教えていただきたいのですけれども。



(次官)

 介護保険法の一部改正法案は、本日を含めて7回の質疑と地方公聴会、さらに参考人質疑も行われ、非常に慎重な審議が重ねられてきたということだろうと思います。今お話のように、介護予防の問題を巡って熱心に質疑が行われてきたわけですけれども、本日の理事会で修正案が示され、附帯決議の案が理事会で話し合われたと伺ってます。衆議院では、本日厚生労働委員会で可決、成立というふうになった後、今度は参議院での質疑を控えているわけです。衆議院に関して言えば、これまでの質疑や、本日理事会で示されこれから処理されると思う修正案、附帯決議を十分踏まえて、法案が成立した暁には適切に対応していく。また、参議院の方もいろんな質疑が行われることになると思いますので、当然参議院の質疑も十分踏まえ、法案を成立させていただければ改正法案が円滑・効果的に運用されるように努力をしていきたいということであります。



(記者)

 今日の経済財政諮問会議でまた社会保障のご議論があるようで、民間議員の方から以前にもご提案あったことですけれども、医療費の抑制ということについてまた新しいご提案があるようですが。基本的に数値目標というかキャップをかぶせるという考え方は、2月のご提案の時と変わっていないのかなと思うのですが、この医療費の抑制についての考え方に対する厚労省としての見解、繰り返しになるのですが改めて伺えますでしょうか。



(次官)

 我々も新聞報道での範囲しか承知してません。繰り返し申し上げておりますけれども、社会保障給付費が伸びているというのは高齢化が進んでおり、医療も高度化している中で避けて通れない問題で、我々としても合理的・効率的な社会保障制度に再編成していかなくてはいけないということでは、思いは同じわけです。ただ、GDPを基本として機械的に伸び率を管理するという手法は、実際に医療を必要とするお年寄りの方々を目の前にして血の通った行政になるのか、ということではないかと思っています。本日の諮問会議には大臣もご出席ということであります。そこでまた具体的な提案もあるんだろうと思いますので、我々としてはその内容を踏まえて検討していきたいと思っています。
 我々も給付と負担のバランスを国民の方々の納得が得られるものにしていくということでは、昨年の年金法改正でも給付の上限についての枠組を導入したり、マクロ経済スライドを導入したりいろいろ取り組んでいるわけで、今後の医療保険制度改革の中でも合理的・効率的な制度を目指していろいろ知恵を出して取り組んでいこうと思っています。



(記者)

 今次官がおっしゃったように昨年の年金改正でマクロ・スライドが導入されて、どうもやはり民間議員に強くあるのが、年金だってちゃんと経済の成長と連動しているのだから医療・介護だって連動すべきじゃないかというところが根本的な考えのところにあるのかなと思うのですが、そこらへんは年金と医療・介護という実際にいろいろ需要が発生するものとの制度的な違いというところで厚労省としては統一には論じられないということなんでしょうか。



(次官)

 年金の場合は誰もが1年経てば1歳年をとっていくという意味で、かなり統計数理的に一定の確率の範囲内で物事の予測が可能なんだろうと思います。そういった中で、合理的な枠組と経済・人口の動きといったものを勘案してルール作りを図るということについて、ある意味では共通の土俵での議論はやりやすいし、共通の言語で意見が違うにしても議論がしあえるという性格なんだろうと思います。医療あるいは介護の場合、正直言っていつどのような重篤な病気になるのか要介護状態になるのかというのは、医学の進歩の状況や日々の生活の送り方、健康づくりだとか本人のこれまでの生活なり健康状態の影響が今後どうなっていくのかとかいろんな要素がある。そういう意味で議論をするときに共通の土俵での議論がなかなか難しい。経済財政諮問会議からいろんなご提案があるという部分は、これも当然といえば当然なので、いろんな立場でいろんなご議論いただく中で、国民の皆さんあるいは負担の一方を担っていただいている事業主の方々のできるだけコンセンサスが得られるような仕組みというのを考えていかなくてはいけないということだろうと思います。いろんな提案をいただいて、我々の方もいろんな提案をして議論をしながらみんなが納得できる、あるいは完全に納得できないまでもある程度理解いただけるようなものにしていくことが必要なのかなと思っています。ただ、今回の介護保険法改正案でもそうなんですけれど、ホテルコストとか食費といった制度間の重複みたいなものは正すべきものだという議論はこれまでも行われ、今回の法案に盛り込むに至ったということです。1つの方法だけではなく、健康づくりも介護予防もやり制度間の重複も不合理なものは改めると、いろんなことをやっていくということかなと思いますが、いずれにしても今後の医療制度改革に向けていろんな議論が行われていますので、そういった中で解決を図っていくということではないかと思います。


(了)

トップへ