大臣等記者会見概要  厚生労働省ホームページ

定例事務次官記者会見概要

(H16.07.29(木)15:31〜15:46 厚生労働省記者会見場)
【広報室】
《次官会議等について》

(次官)

 今日は1時半から事務次官等会議がありました。一般案件1件、これは外務省の関係の案件で、当省関係は今回はなかったとこういうことで。特に私の方から申し上げることはありませんが、何かあれば。
《質疑》

(記者)

 予算のシーリングなんですけれども、社会保障費の自然増2200億円圧縮するということで落ち着きまして、大きな制度改正がない中、昨年並みというのはなかなか厳しい結果かと思いますが、どう受け止めて。
(次官)
 財務省からは、2200億円よりもだいぶ高い額でなんとかならんかと、こういう話がずいぶんあり、いろいろと折衝して最後は昨日大臣折衝までいったわけですけれども、ぎりぎり昨年並みの削減幅とこういうことで、今日の午前中というか朝、厚生労働部会でもご説明してご了承いただいたということであります。これを年末の予算編成の向けてどうこなしていくかということでありますけれども、おそらく概算要求段階で具体的な項目について、それを処理していくというのは非常に難しいのではないかと。まず無理だろうということで、概算要求段階では2200億分、総額として中身は袋詰めみたいな形で対応して年末に向けてどういった方策があるのか、あるいは個々の事項というか項目についてどういった節約ができるのか、そのあたりをいろいろと検討していくとこういうことにならざるを得ないだろうと。正直言って、昨年は従来から年金の特例法で物価スライドせずにきた分が850億あって、それを含んだ上での2200億だったわけですけれども、今回はその分は将来の物価上昇時に解消するという年金改正法の内容に従って処理することになります。今回その分がないという意味で、去年よりもさらにいろいろと知恵を絞っていくということだろうと思います。特に大きな制度改正で処理というやり方は過去にはずいぶんやってきたわけですけれども、来年度についてはそういったものもなかなか困難なわけですから、いろいろ知恵を絞って対応したい。
(記者)
 今のことに関連して、介護保険の見直しを少し前倒しをしたらどうかというような話が出てるかと思うんですが、これについては。
(次官)
 介護保険の見直しというのは、これから具体的な中身をつめる、それから今お話の実施時期を詰めるということなんだろう。そういうことで今のところは介護保険を前倒しするということを前提に2200億を処理しようという方針というのはありません。むしろこれからどういった予算上の工夫なり、あるいは予算の精査による節約なり、そういったものでどこまで対応できるかということを第一に取り組んでいくということかなと思います。
(記者)
 昨年なんですけれども、三位一体の絡みでは厚生労働省の生活保護の国庫負担の割合を引き下げるというご提案をなさっていたのですが、それは自治体の方からの相当な反発というものがあって、その案は公立の保育園の方に切り替わったと思います。その案というのはやはり大きな制度改正のない中で、厚生労働省としては国庫負担の割合の引き下げというのはやはり考えていかなくてはいけないテーマになっているかと思うんですが、知事会をはじめ、自治体とか総務省との関係でそのあたりはどのように次官はお考えでしょうか。
(次官)
 生活保護の問題、三位一体の地方財政改革の中での生活保護のあり方というのは、17年度に何らかの結論を出すということになってるわけでありますから、知事会が来月の下旬くらいには何らかの意見を取りまとめるという動きもあるわけですけれども、知事会なり総務省なりとよく相談して対応するということだろうと思います。ただ、シーリングをこなすという意味では、やはり三位一体というものもかなり有力な選択肢の一つなのかなと。そこらへんもあらかじめこれと決めずに年末の予算編成に向けて、どういったことで対応するのかと、財務省なりあるいは与党とよく相談しながらとこういうことだろうというふうに思います。
(記者)
 明日から官邸で社会保障の在り方を考える懇談会が始まりますけれども、どんな議論を期待されているかですとか、見通しですとかお話しいただけますでしょうか。
(次官)
 明日第1回ということで具体的にどういうふうに進めるかというのは、おそらく委員の先生の間でご議論していただくということなんだろうと思います。我々としては、やはり少子高齢化がどんどん進んでいるわけですから、トータルな観点からの社会保障の在り方全体についてご議論いただく、トータルの観点からのご議論をいただくということではないかというふうに思っています。例えば年金とか医療とか介護とか生活保護とか、個々の制度に着目するというよりも、トータルな観点からのご議論をいただければと思っているところであります。少子高齢化の進展に伴って増大するコスト、これを限られた財源でどういうふうに賄うのか、財源の保険料と税と自己負担と、これをどう組み合わせていくのか、こういったことのご議論を期待したいなということだと思います。
(記者)
 昨日、国民年金の保険料の収納率が出ましたけれども、多少は上がったというくらいの、それについて19年度に80%まで収納率を上げるという目標への見通しと、十分なのかとみんな思っているところで、今後どういうふうに進められていくのか。新長官を支える体制の見通しも含めてちょっとお話を伺いたいのですけれども。
(次官)
 正直言って数字は上がってますけれども、恐らく今まで下がってきた動きが下げ止まったというのが正直なところかなというふうに思います。社会保険庁から話を聞いていても、やはりいろいろ徴収の努力はしている、個別に未納者の家に訪ねていったりというようなことで、どうも門構えが立派なのでお金があるのではないかとか、外車が置いてあるのでお金があるのではないかと行ってみたら、実は全然保険料を取れるような収入がなかったとか、こういうのも多いということで、いろいろ取り組み始めて、まだ試行錯誤でいろいろ取り組んでいるのかなという印象も話を聞いていて受けたわけであります。一つはやはり今回の年金改正法で、自治体から税の情報をもらったりということもあるので、その辺りももう少し効率的にやれるということもあろうかなと思いますし、それからこの1年いろいろ取組んできて、やはり重点の社会保険事務所を100ヵ所選んでやったりしてきたようですけれども、そういうところで成果の上がったところもある訳なので、どういうやり方をやってうまくいったのかという辺りを、成功例のノウハウを各社会保険事務所に共有化するとか、いろいろなやり方があるのかなと思います。たぶん社会保険庁の方から、今年度こうやって取組みますという説明もあったと思いますけれども、いずれにしても目標80%というのがあるので、これに向けてやはり効果のある対策に取組まないといけないのだろうというふうには思います。実は内示を受けたものですから、私はハローワークとか監督署というのは、何度も何度も出張に行くたびに寄ったりしているのですけれども、ちょっと現場を見たことがないので、社会保険庁に頼んで見学に行ったりして所長さんの話を聞いたりしたのですけれども、社会保険事務所自身も私が訪ねたところでは、やはりそれなりの問題意識というのは持ち始めているのではないかというふうな気も致しますので、是非新長官の下で民間の観点からより効果的、効率的な手法というか、そういったものも含めて職員の意識改革、それからそういったもので80%の目標に向けてより効果的な対応というものを、やはりもっと大胆に考えていく必要があるのではないかと思っております。ただ、いずれにしても社会保険庁の幹部の体制もだいぶ変わったわけですし、そういった問題に正面から取り組んでいいただいて、より効果的な対応を一つでも二つでも多くやっていくしかないと。恐らくこれという決め手というのはなかなかないので、いろいろな対策を積み重ねて工夫していくしかないのだろうなと思うので、そういった意味ではやはり社会保険事務所の職員一人一人までそういった目的意識をどうやって徹底して、それぞれの社会保険事務所ごとの地域の実情にあった対策を、省を挙げて取りあ組む体制をどう作っていくのかということが重要ではないか、というふうに思います。
(記者)
 それに関連してですけれども、特に16年を見ると先の国会の中で出てきた閣僚の未納問題のような逆風が一方であるのと同時に、景気回復が追い風ではないかというような指摘もあったりするのですが、その辺をそういう努力とは別の環境をどういうふうに織り込んでご覧になっているかという考えがありましたら。
(次官)
 未納の状況を見ると、やはり若い人の未納率が高いのは事実なので、若い人のをどう高めていくのかということもキーとなります。それからもう一つは、地域ごとの、県ごとの数字というのをちょっと昨日見たのですけれども、やはり県によってかなりばらつきもあるということもあると思うので、そういう中でおっしゃるように経済が上向いてくるということは確かに追い風になると思います。追い風をどういうふうに活かすか、それからもう一つ、若い人については、即効性のある対策ではないのかもしれないのですけれども、やはり社会に出る前に、あるいは大学に入る前に、年金の社会保障制度としての意義といったものを若い人一人一人にきちんと理解してもらうような努力というのはさらにやっていくということも重要かなと思います。いろいろ聞いていると、やはり個々の職員が収納に行っても、いろいろ嫌みを言われたり、特に大都会なんかはなかなか昼間行っても人がいない、夜にならないと誰もいない、共働きということもあってということもあるようですが、職員はそれなりに苦労しているというのはよくわかるのですけれども、やはり社会状況もよく見ながら、いろいろな効果的な対策をそれぞれの所毎にやっていくというのは重要だろうなと思います。
(了)


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