大臣等記者会見概要  厚生労働省ホームページ

定例事務次官記者会見概要

(H16.06.10(木)14:08〜14:28 厚生労働省記者会見場)
【広報室】
《次官会議等について》

(次官)

 本日の次官会議でございますが、一般案件が6件ほどございましたが、その中には当省関係は特にございません。いわゆる件名外案件というものが16件ほどございました。うち7件、すべて質問主意書に対する答弁書でございますが、当省関係案件がございました。
 次官会議は以上でございますが、前回の1週間前の当会見以降、様々な事がございました。一つには、すでに時間が経過しておりますけれども、年金改革関連法案が成立をいたしましたことは、ご案内の通りでございます。法案として成立をいたしましたけれども、その施行、あるいは審議の過程で様々な議論が行われ、いってみれば宿題として我々が取り組まなければならないものも数多くございますから、引き続きそうした課題に向けて省を上げて、全精力を尽くして取り組んで参りたいという心境でございます。それから2点目でございますけれども、これもご案内の通りでありますが、いわゆる選択エージェンシーに関連する事件で、当省職員、しかも本省に在職する職員が過日逮捕されるという大変衝撃的な事件がございました。まことに遺憾の極みでございますし、同事件関連で既に逮捕されている職員もございますので、こうした不祥事が生じましたことについて心からお詫びをしなければなりませんし、少しでも早く信頼回復のための作業に取りかからなければいけません。その実を上げまして、1日も早く厚生労働行政全般に関する信頼を回復するということを、極めて重いかつ重要なテーマとして取り組んで参りたいと考えております。
《質疑》

(記者)

 社会保険庁の長官、民間人というお話の件ですけれども、今のところの進捗状況と、もし民間人を登用される場合には、どういう基準でどういう作業で人選を進められているのか、このあたりをお答えいただきたいと思うんですけれども。
(次官)
 やや建前でまことに恐縮でございますけれども、まさに人事に関する問題でございます。それから、社会保険庁長官という我が省で言えばトップの人事でございますから、今具体的なことを申し上げるのは、恐縮でございますがご勘弁をいただきたい。ただ、大臣のご指示を受けまして懸命に関連する作業を続けているということだけ申し上げさせていただきたいと思います。
(記者)
 社会保険庁の改革関係といいますか、大臣が今国会中に出されるということをおっしゃってますが、終わりも近いんですけれども、いつ頃明らかに出来そうですか。
(次官)
 作業継続中でございます。それから、与党における議論もございます。そうした議論も踏まえて、今国会中とのご指示でございますから、ぎりぎりになるのはご勘弁いただきたいと思いますけれども、今国会中に整理をしたいと思っております。整理の考え方でございますけれども、わずか残された期間で精力的に議論いたしますが、当面直ちに取り組むべきもの、あるいは取り組まなければならないものという性格のものと、やはり少しじっくり議論をさせていただく、大きな方向を見据えつつ具体的な内容についてはじっくり議論をさせていただくというものもございますから、その辺の整理をせざるを得ないと思いますが、そうした観点で、限られた時間でありますが精力的に作業を進めたいと思います。
(記者)
 選択の関係なんですけれども、不祥事が続いている背景といいますか、どうしてこういうことが続いてしまったかということについての認識と、再発防止のために、重要かつ重いテーマというお話だったのですが、どういうことをやろうと具体的に考えてらっしゃるかについて。
(次官)
 何ゆえにこうした事件が生じたかということの分析が一番大事なんだと思います。従って、今クリアにこれとこれとこれというような整理はしにくいのですが、過去私共の省でも不祥事がございました。そうした反省で、当時お互いに二度とこういう不祥事を起こさないようにという、いわば誓い合いをしたはずであります。まことに残念なのは、時間が経ちまして、それが緩んでいるという気がしてなりません。非常に基礎的なことでありますけれども、もう一度我々の置かれた国家公務員という立場、あるいは国民の日々の生活に直結する仕事ばかり担っている厚生労働省職員としての立場、その役割と責務の重さの再認識というのが基本にあるべきだろうと思っております。お互いそれを認識しあう活動といいましょうか、改革といいましょうか運動といいましょうか、そのあたりから始めなければならないかもしれません。もう少し具体的にいろいろと考えたいと思いますが、そうした考えをベースに取組を進めたいと思います。
(記者)
 選択エージェンシーについてですが、これまでも内部調査を進めていらしたということですが、今回の方の件についても把握してらっしゃったのでしょうかということと、国会でも取り上げられましたが、その時の対応は。
(次官)
 やや踏み込んだ言い方をしますと、省内調査の中でも選択エージェンシーとの接点があった者という意味の認識といいましょうか、そういう受け止め方はいたしておりましたが、刑事事件として立件をされる行為をしておったということまでは、残念ながら把握を出来ませんでした。なかなか一般行政の中で、そこまでの事実をつかむというのは、正直言いまして難しいことではありますけれども、これも問題が起こった後の対応というよりも、日々の地道な活動に戻るということを基本に考えるべきかなと、今そんな印象を持っているところでございます。
(記者)
 出生率なのですけれども、低下傾向に歯止めがかからないようですけれども、これが今回の改正年金法に対する影響という意味は何かというのと。それからもう一つ、こういう発表自体は間もなくだと思うのですけれども、今回の改正法の根幹でもあったので、法案が成立する前に、やはり公表すべきではなかったかという声が野党から出ていますけれども、これについてこの時期になってしまったこと、成立以降になってしまったことについてはどのように。
(次官)
 出生率の調査、分析というのは、毎年基本的にはルーティン的に作業をしているわけですから、担当部局としては今回も従来の作業のルールに従って進めてきたというのが事実でございます。出来るだけ急ぐようにという大臣のご指示もありましたから、その趣旨は担当部局にも伝わっていたのでございますが、結果的には今日に至ったわけでございます。ちょうどそろそろ最終的な取りまとめをし、近々公式にご報告出来るというようなところだったようでございました。具体的に申し上げれば、もう私に報告が上がる寸前という時点だったようでございます。そういう事実関係をご理解賜りたいと思います。それから、いずれきちんと時間を取りまして、もちろんそう遠くない時期でありますけれども、発表をし、ご報告をいたしますけれども、私は合計特殊出生率という数字を使って、様々な推計をし、行政施策の一つのベースとして使ってはおりますが、出生率の見方というのは、いろいろな角度からの見方がございます。是非時間をとってご報告をいたしますので、その辺の見方もご理解を賜れればと思うのですが、一言で申し上げれば合計特殊出生率というのはあくまで単年度の、その時点での数字の結果でございます。したがいまして、その数字を見てどう判断するかという一番大事なのは、それが何か構造的な要因、ないしは方向性をもっているかどうかというところの判断だろうと思います。これはそうそう簡単に、右から左に、単純に結論が出るわけではございません。確かに当初想定されておりました出生率より低めにでるようでございますが、その評価、分析というのはいろいろな角度からのものが必要だし、行われ得るわけであります。それはある意味では、少し今後の経過を見なければなりませんし、分析をしなければならない。そういう性格のものとして受け止めていただきたいと、こう思っております。いずれ時間を頂戴して、きちんと報告をさせます。
(記者)
 法案の前提となる試算という意味で、分析というものが非常に重要だと思うのですが、そこで使われるのはやはり数字だと思われるのです。これは根幹をなす部分の重要な数字がこういう形で出てしまって、かつ今も大臣は大変国会でお怒りになられていたのですが、ああいう状況で、法案提出の官庁として、やはり説明が足りないという批判は免れないと思うのですが、その辺はいかがでしょうか
(次官)
 ご批判はある意味では甘んじて受けますけれども、今後ご説明を付け加える、あるいはきちんとする機会は十分あると思いますし、例えば出生率の見方も非常にいろいろな見方もありますよ、ということはこれまでも繰り返し申し上げてきている、機会を捉えて申し上げてきたということもございます。いわゆる合計特殊出生率は一つの指標でございますから、総合的な見方が必要ではありませんか、ということも何度か機会を捉えて申し上げておりますので、そういう前提に立ったご議論を是非お願いをしたいという気がいたしますが、いずれにいたしましても、説明が不十分であったとすれば、甘んじてご批判として受け止め、今後の前向きの結果につなげるための努力をしたいと思います。
(記者)
 出生率のデータの取り方について問題があるというのは承知しているのですが、今回その年金改正では一番最悪のシナリオを想定して議論をすべきであるという問題提起が何度もなされてきたわけですよね。そこで中位推計を使って、それでさらにそれを下回っているということで、年金に対して、いわゆる年金不信を与えるのではないかということが問題がなってきている思うのですが、この点については次官はどういうご見解でいらっしゃいますか。
(次官)
 これもいろいろな見方が有り得ると思いますけれども、従来から私どもも一つだけの答えでお示しをするというのは、何年か前からでありますけれども避けよう、幅のある議論をしていただこうということで、今回の人口推計ももちろん幅がある話ですし、政策の選択肢という意味でも幅を持って選択肢という形でのプランをお示しし、ご議論をしてきていただいたつもりでございます。今回も、数字だけから見ますと、これまでの推計を若干下回っておりますけれども、この評価というのは、さっき言いましたように、私は少しじっくりと評価をすべきだと思っておりますけれども、それはクールな理論的な議論を積み重ねればいいかと思います。しかし一方で、慎重なものの見方ということは当然必要でありますから、そうした視点も忘れずに議論をしていきたいと思っております。
(記者)
 下回っているというのは1.29という。
(次官)
 数字はいずれきちんと公表いたしますけれども、今回の推計の前提とした時点での推計よりは下回るという意味であります。
(記者)
 去年の発表は6月5日だったのですけれども、今年はもうルーティンといえども、6月5日を越えているのですが。
(次官)
 むしろこれまでは6月の中下旬というのが、何年か遡れば、むしろ普通だったわけで、確かに少しでも情報の開示を早くという努力をして改善をしてきたという経過だと思います。したがって早いに越したことはありません。そういう意味では努力を重ねますけれども、まあお許しをいただける範囲というのが私の認識でございます。
(記者)
 そうするとものの見方によっては、今回の推計値が違ったとしても、年金制度に対する不信感が増幅されるという影響はお考えになっていないと言うことなのでしょうか。
(次官)
 私の言いたいのは、この出生率一つが1.32を仮に下回るといたしまして、それが具体的にどういうふうに影響をするかというのは、様々な見方と言いましょうか、推計も有り得るし、分析も有り得るということで、一個の数字を持って全てを語るのはいかがかと、こういうことです。
(記者)
 繰り返し少子化というのは甘い見通しであると、そういうふうに政府に対する批判が寄せられていたわけで、今回それを乗り越えようとしたのかと思うのですけれども、結局同じ結果になってしまっていると、そういう制度に対する不信という意味でどうかということをお答えいただきたいのですが。
(次官)
 あまりこういう場でのやりとりにそぐわないかもしれませんけれども、先ほど冒頭申し上げましたように、合計特殊出生率というのはどういうものなのか、それをどう見るべきなのか、それだけで評価すべきなのか、別の見方はどうなのかということと併せてご議論をいただきたいというお願いをしたわけです。我々もします。我々もしますが、この合計特殊出生率の一つの数字が出て、これで全てこれまでの前提が変わってしまうというようなものではないのではないかというふうに、私は今の時点では考えておりますということを繰り返し申し上げたわけです。
(記者)
 5割維持というのが前提だったと思うのですけれども、それが下回るという可能性が見えてきたという認識でよろしいのですか。
(次官)
 それは、そこに直結するようなものではないと思っております。
(記者)
 あくまで1.29という数字は、今の段階ではおっしゃられないのですか。
(次官)
 むしろきちんとしたご報告をした方がベターだと思いますので、それだけいってもあまり意味がないという意味で、申し上げないことにこだわるわけではありませんが、いずれ時間をきちんと取りますので、その時に、そう遠い時間でもありませんので、お聞き止めをいただければという趣旨です。
(記者)
 近々というのはいつという。
(次官)
 後ほどご相談をさせたいと思います。
(了)


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