大臣等記者会見概要  厚生労働省ホームページ

定例事務次官記者会見概要

(H16.06.03(木)14:01〜14:18 厚生労働省記者会見場)
【広報室】
《次官会議について》

(次官)

 本日の次官会議でございますけれども、政令が4件ございまして、うち2件が当省の関係でございます。いずれも技術的なと申しますか、実質的な中身を改正するというようなものではございませんが、1つは市町村の合併の特例等に関する法律の施行に伴う国民健康保険の保険料の賦課に関する経過措置に関する政令案。要は、市町村の合併の特例に関する法律が施行されまして、合併した場合に同一市町村内での国民健康保険料の不均一賦課税といいますか、不均一な料金にすることを経過的に認めるという手当てです。これはすでにあるんですけれども、法律の施行に伴う条文上の整備に属する改正でございます。もう1件は、健康増進法の一部の施行期日を平成16年8月1日と定める政令でございまして、まだ未施行部分がございました健康増進法の一部につきまして、施行日を決める政令。この2件が当省提出でございます。その他件名外案件15件ございまして、うち3件、質問主意書に関する当省関連の答弁書がございます。
 次官会議は以上でございまして、それ以外に特段ご報告することはございませんけれども、ご案内の通り今現在、参議院の厚生労働委員会で、小泉総理ご出席の下で年金改革法案の審議が行われているわけでございます。私共としては、粛々と、かつ順調に審議が進みますように期待をしておりますし、今現在進行中の審議を固唾を呑んで見守りたいと、こう思っているところでございます。以上でございます。
《質疑》

(記者)

 来週中医協がまたありますけれども、中身ですがどういう内容になるのか、それから辞任の方が相次ぎましたけれども、その後任をいかに補充するのか、あるいは改革の論議をどういうふうに進めていくのか、このあたりをすいませんが。
(次官)
 詳細をご報告するだけのことを私もまだ聞いておりませんが、中医協自身には一種の定例案件といいましょうか、定例的に処理をすべき案件もございますので、いつまでも開かないというわけにはまいりません。一つはそういう事情がございます。もう一つは、今回の事件に関連いたしまして、中医協の委員が相当数、相当数とは言い過ぎですか、欠員を生じているという状況もありますけれども、今後の運営につきまして、いわばその再スタートをするための議論も始める。こういう事情で各委員のご了解を得て、近々中医協を開くということになっていると思います。定例案件その他の処理はおそらく順調に出来ると思うのですが、やはり問題は、中医協が舞台となりました今回の一連の事件について、中医協の立場でどうこれを受け止めるかという議論がおそらく避けられない。どういう形でその議論なり、意見交換を行うのか、詳細はまだ聞いておりませんけれども、そうした問題が、議題といいましょうか、議論の一つになるということは当然考えられる。それらの議論もふまえて、今後の中医協改革についての方向というのも併せて検討していくということになろうかと思っております。
(記者)
 委員の補充については、改革の論議の中でということになるのでしょうか。
(次官)
 委員が定足数に足りないとこれは困るんですけれども、定足数を満たしうる条件の下では、あえて補充するということに力点を置かずに、拙速をしないで、今はどうにか対応したいという気持ちでございます。要は、そうした委員の選任に関する考え方、扱いということに関連をするわけで、その辺の議論も場合によっては出てくるかもしれませんので、そうしたご意見、ご議論も考えて、次のステップを考える、こういうつもりでございます。ただ、いつまでも不正常な状態を続けるのは適当とは思いませんので、いずれきちんと委員が補充をされるということもそうは遠くない時期に来るとは思いますけれども、補充を優先するということは今の時点では避けたいと思います。
(記者)
 経済財政諮問会議で、骨太方針第4弾がそろそろまとまる雲行きだと思うんですけれども、特に社会保障関係のところについて、例えば先月の末に出た原案から若干表現が修正されて決まりそうだというような報道があったり情報も得てるんですけれども、それについて必ずしも条文の修正ということではなくて、最終案についてどのような受け止め方を厚生労働省としてしているのかとか、その辺をお聞かせください。
(次官)
 今日の諮問会議でその最終案を示し、いずれ遠くない時期の閣議で閣議決定される、こんな運びだと聞いておりました。今日示される案が、若干の修正があるかどうかわかりませんが、事実上最終案に近いものというふうに受け止めております。これまでの過程で、おっしゃいますように多少議論がございました。私共の一つ一つの主張をここでご紹介するということは適当でないかもしれませんので端折りますけれども、きちんとした議論が出来て、事務的な議論も出来、与党におけるご議論を経て、妥当な内容として処理をされているのではないかと、こんなふうに思ってます。
(記者)
 始めから想定されたこととは思うのですけれども、給付も含めた関係費の膨張にどのように歯止めをかけるかというところが一番の主眼になっているかと思われるのですけれども、それについて改めて認識を新たにするような部分があるのではないかということについてはいかがでしょうか。
(次官)
 認識を新たにというのは必ずしもご趣旨が判りませんけれども、逆に私どもの問題意識を逆に申し上げれば、全体として様々な給付が今後確実に増えていきますから、それを合理的なものに、あるいは効率的なものにしていくという姿勢といいましょうか、問題設定というのは重要なことだと思っております。ただ、具体的な社会保障のあり方とか、一つ一つの制度の方向付けとか、そういう議論を抜きに、我々の立場から言えば必ずしも論理的だとは思いにくい数字が先に決まるというのはどうなのだろうか、というのが全体を通じての私どもの問題意識でございますが、社会保障の将来像とか、社会保障給付の効率化とかいう課題には我々も当然積極的に取組むという前提での主張と受け止めていただけるとありがたいのですが。
(記者)
 何回か伺っていることですが、日歯の関係の厚生労働省内の調査は、見通しはどうでしょうか。
(次官)
 先々週の末から調査の方に入っておりますが、この前もちょっとご報告したかもしれませんけれども、一言でいえば、対象の範囲もかなり広く取り、慎重な調査をしようというのが基本的な姿勢でありまして、そういう意味で相当程度の時間を必要とするという報告を受けておりました。その基本的な対応方針でよろしいのではないかと私も思っております。したがってまだ調査の途中の段階でございますし、その都度報告が入ってきているわけでありませんけれども、まだしばらく時間はかかるというふうな感じでございます。
(記者)
 相当程度の時間ということになりますと、この問題も風化する恐れもありますので、中間報告という形でも、やはり早い対応というのが求められるかと思うのですが、その辺もお願いしたいのですが。
(次官)
 風化するほどの時間をかけるつもりもないのですけれど、ただ私は、ことはかなり、場合によっては特定の個人のプライバシーをある意味では越える、もっと重大な結果につながらないとも限らない、そういう可能性を秘めた調査ですから、一方では相当慎重にやらざるを得ないということは、私は理解をしているつもりでございます。もちろんことさら時間をかけるつもりはありませんし、風化させるような時間、そう長時間をかけるつもりもありません。粛々と調査を進めたいと思っております。
(記者)
 年金法案が最重要の法案というのは間違いないと思うのですけれども、この審議があったために他の法案、例えば少子化対策の法案が先行きが見えなかったり、事実上もう今国会では見送りというふうにも出てきているのですが、年金のために他はその後ペンペン草も生えないという状況というのは、厚生労働省としてもそうですが、政府として今後どういうふうに。
(次官)
 難しいご質問ですね。当省におきましては、ほぼ毎国会、いわゆる重要法案というのが一つもしくは複数あることが少なからずございます。したがいまして、国会運営という意味では大変難しい取組みになるわけですが、基本的には与党の了解を得て国会での円滑な審議をしていただくと言うしかないのですけれども、あえて私どもの希望を申し上げれば、今回も途中で相当時間を空費をしたような時間もございまして、法案を多く抱えている立場としましてはハラハラしたわけでございます。今日に至りますと、提出した法案が全て成立するというのは非常に難しい状況になってきておりますが、いずれ遠くない時期にこれをリカバリーするチャンスも与えて欲しいと思いますし、これからも当省にとっては宿命的な国会運営になるものですから、そういう立場も是非わかっていただけるとありがたいと思っているのです。
(記者)
 実際に政策を運営をする上で、例えば来年は介護があるから、今年は年金があるからという時に、この法改正はやらなければいけないのだけれども、出しても多分国会はまた通らないし意味ないだろうという政策的な遅れが出るような気もするのですけれども、そういうのは厚生労働省では所管の法律が多くなって、かえって政策が進みにくいとか、そういった面というのはどうなのでしょうか。
(次官)
 率直に言って、ないとは申し上げられないと思います。従来ですと二つの委員会でこなしていたわけですから──従来というのは、省庁再編までは二つの委員会で、同じ数の定例日で審議をしていたわけですから、いわば審議日数が半分に減ったと言ってもいいわけで、物理的にそういう意味での難しさが増したということは否定出来ないと思ってます。そこで我々としても、全体の国会運営の中で、ぎりぎり効率的に運営をしていくお願いをすると同時に、主として通常国会ですけれども、通常国会に向けての法案の作成作業という時に、やはり優先順位というのを考慮せざるを得ない。どうしてもこなさなければならない案件というのは、これまた基本的にはご理解をいただけるわけですから、本当ににっちもさっちもというような局面には、幸いにして今日至っているとは思いませんけれども、難しさが常につきまとうということはおっしゃる通りだと思います。
(了)


トップへ
大臣等記者会見概要  厚生労働省ホームページ