大臣等記者会見概要  厚生労働省ホームページ

定例事務次官記者会見概要

(H16.04.15(木)14:01〜14:18 厚生労働省記者会見場)
【広報室】
《次官会議について》

(次官)

 まず本日の次官会議のご報告でございますが、一般案件1件、政令案件3件、人事案件2件、その他質問主意書に対する答弁などがございました。質問主意書関係以外は当省関係の案件はございません。次官会議は以上でございます。
《その他》

(次官)

 ご案内の通り、昨夜、中医協委員を含みます7名が贈収賄容疑で逮捕されたわけでございますが、文字通り強い衝撃を受けております。現時点では、被疑事実あるいは容疑の全容、また詳細が不明でございますので、捜査の状況を注意深く見守る他ないわけでございますけれども、被疑事項が事実でございますれば、もとよりまことに遺憾の極みでございます。今後の捜査の状況を見ながら、私どもとしてもこれまでの中医協の運営の状況などについての確認といった作業もしなければならないかと考えておりますが、まことに衝撃を、今抑えるのに一杯という心境でございます。とりあえず以上です。
《質疑》

(記者)

 中医協の状況の確認といったことに言及されましたが、具体的に何かお考えになっていることは具体的にございますでしょうか。
(次官)
 これからでございますけれども、これまでの中医協の審議の状況の跡をトレースするという作業に、まずはなろうかと思っています。その内容は、議事録がすでに取りまとめられておりますから、それを中心に振り返ってみるというあたりが中心になろうかと思っています。
(記者)
 国会でもこの話題が問題になりまして、大臣は中医協の運営の見直しそのものについても言及されたわけですけれども、それについて次官はどういうふうにお考えでしょうか。
(次官)
 大臣が国会でご質問に答えて、もちろん前提がある、それは捜査の進展をよくみながら、ということでございました。その上で、ということでございますが、私自身はいかんせん昨日の事件でございますので、まずは捜査の進展の状況を見極めると言いましょうか、見るというところがスタートで、その上に立って様々な議論をしなくてはならないと思っております。
(記者)
 中医協については、これまでも今回の事件とは切り離して考えてみても、例えば決まったことについて国会の審議はいらないですとか、利害関係者がそのまま議論をしているですとか、そういった様々な問題といっていいのか、課題といったところが指摘されてきたところだとは思うのですけれども、それについても見直しの対象になるのかならないのか、次官のお考えはどうでしょうか。
(次官)
 今この時点で、どの範囲でということを申し上げるのはいかにも性急すぎると思いますので、そこは差し控えさせていただかなければなりませんが、中医協の基本的なあり方に関する議論はこれまでもございました。ただ、今の中医協は、それなりの考え方に基づいて、むしろある意味で当事者の意見を十分聴くという哲学なり考え方があるわけでございますから、根本に戻ればそのあり方がいいかどうかということになりますけれども、今の時点で、そこまでの議論も含めてということに踏み出すのはいささか早計だろうと思います。まずは、やはり状況、今のこの問題に関連して言えば、実態の解明という方が優先されることだと思います。
(記者)
 そうすると何かを見直す場合も問題点の洗い出しですとか、そもそも何を見直すのかという論点の洗い出しとかそういった作業をまずは状況を見極めてその後のお話ということでしょうか。
(次官)
 私はそう思います。
(記者)
 非常に慌ただしかったと思うのですが、倫理規定とか何かその内規とか関連法の関係で、今回の事案は何について反すると認識してらっしゃいますか。
(次官)
 形の上ですと、今回逮捕という事態に立ち至ったわけでございます。これは刑法に触れることになります。それ以外に、例えば国家公務員であれば国家公務員としての身分に関わる倫理法がございますが、今回の事例はあくまで公的な委員、これは公務員に準ずる身分というのが刑法上の整理でございますので、それに基づく対応ということでございまして、倫理法上の問題ではないというふうに思います。
(記者)
 下村委員は厚生労働省にとっても非常に深い関係の方で、それで皆さん「しもけんさん」とお呼びになられていたような方が、このような形で逮捕されたということについて、改めてお伺いしたのですが。
(次官)
 私自身も、下村健保連副会長とのご縁は深いわけでございまして、繰り返しになりますけれども、ある意味では人一倍の衝撃を受けているわけでございます。心情的に申し上げれば、こうした事実でなければいいなという気持ちはぬぐいきれません。しかし、冷静、客観的に今後の捜査の進展を見守らざるを得ない。祈るような気持ちは一部にございますけれども、冷静に見守りたいと私は思っております。
(記者)
 これから事実確認を行われると思うのですけれども、今の時点で何故このようなことが起きてしまったのか。起きる余地が中医協のシステムの中にあったのか、その辺り今の時点でどのようにお考えでしょうか。
(次官)
 申し訳ありませんが大変重要な根本的なご質問だと思いますけれども、私は今の時点でそれに対する適切な答えを準備するだけの時間的な余裕、あるいは頭の中の整理が出来ておりませんので、よく考えてみたいと思います。
(記者)
 どんなシステムも、システムの当事者が裏切ればシステムとして成立しなくなるわけですけれども、その点で今回の事件、もし事実通りであるとすると非常に根が深いものだと思うのですけれども、その辺のことについては。
(次官)
 今のご質問と同じであると思います。非常に本質的なご質問でありますが、事実に立脚して分析し、それから考え方を整理するにはもう少しお時間を頂戴したい。今の時点では、それだけの精神的な余裕も時間的な余裕もないというのが率直な気持ちでございます。
(記者)
 その他の国会審議への影響も取りざたされているようですけれども、それについては何かありますか。
(次官)
 国会審議への影響がないと見るのはやはり若干甘いかもしれませんが、大変重要な法案が目白押しでございますので、国会において与野党でご議論いただております重要法案の審議は審議として進むようにと、期待であり願望でありますけれども。
(記者)
 FTAの関係で、フィリピンとの実務レベルの協議が始まって多少感じること、あるいは何かご所見をお願いします。
(次官)
 率直に申し上げまして、これからの課題、これからの折衝、これからの推移だろうと思います。今の時点で、見通しなり具体的な課題を申し上げるのはやや早いかなと。恐らく今年後半にかけて精力的な折衝になろうと思いますけれども、今の時点ではまだ具体的に申し上げるような材料は、恐縮ですがございません。
(記者)
 先ほど国家公務員でないので国家公務員倫理法の規定には触れないとおっしゃいましたが、逆に公務員でないが故に一緒に食事をするとか、あるいは接待を受けるということが刑法に触れるという認識が低かったのではないかということも少し考えたりするのですが、厚生労働省のたくさん持ってらっしゃる協議会、あるいは審議会の委員に対して、こういうことは倫理上していただいては困るという倫理規定のようなものは設けているのでしょうか。
(次官)
 さてどうでございましょうか。これは中医協、厚生労働省の審議会というよりも、国全体の行政のシステムの問題にもかかる問題ですから。私は率直に言って、そういう類の問題ではないような気はいたしますけれども、これも、今直ちに整理したお答えを申し上げることは、少しご勘弁を願いたいと思います。
(記者)
 今後中医協の運営状況などを確認するのに、何か調査チームと言いますか、何か対策班みたいなものをつくったりというのは。
(次官)
 実際には担当部局、担当課がございますから、今後の進展に応じて必要があれば、そういうことも決して否定もしませんが、今のところそういう必要性といいましょうか、やはり担当部局を中心に作業を進めてもらうということの方が現実的だと思っております。
(記者)
 医療費の問題は国民の生活にも、自己負担なり保険料などで影響を与える問題だと思うのですけれども、今厚生労働行政の在り方が問われている時に、こういった問題で国民の方から不信感が出るということについて厚生労働省としてどのような見解をお持ちでしょうか。
(次官)
 おっしゃるとおりで、私どもが懸念をいたしますのは、まさに今ご指摘のあったように、国民の不信感というものが増幅される、あるいは形成されるということを非常に懸念をいたしております。したがいまして、今後のあり方という問題に関わってくるわけでありますが、すでに中医協そのものは公開の審議をお願いしているわけでございますし、開かれた議論をしようという基本的な考え方で運営をいたしているつもりであります。したがいまして、メディアも含めまして注目をしていただく、国民の視線を注いでいただくということが非常に重要だろうと思っておりますし、運営面で必要があれば、そういう方向での改善が必要があればいたしたい。それを基本にすべきではないかな、というのが今の感想であります。
(記者)
 事務局としてそういう委員を任命したという任命の責任についてはどうお考えでしょうか。
(次官)
 これも難しゅうございますけれども、今の中医協の考え方は、支払い側、診療側と言われますように、ある意味で、当事者でご議論を戦わしていただく、開かれた形でご議論を戦わしていただく、そして合意を形成するプロセスを積み上げる、という考え方で運営されています。したがって、それぞれの両当事者は、いわばそれを推薦していただく母体からご推薦をお願いしている。これはこれでそれなりの意味があるものだと思っておりますので、単純に行政側がお願いをするというよりも、推薦母体に推薦をお願いをしております。そういうシステムがいいのかどうかということになりますけれども、なかなかこれに代わるべき、より適切な方法があるかというと、にわかには思いつかないのですが、もし今後の議論の過程で、別の方法というよりもそれを適正なものに念のためにチェックするような方法があるとするならば、考え得るかもしれません。これももう少し時間をお借りしたい。
(記者)
 今、次官、母体からの推薦というお話でしたけれども、逮捕された人の中には役所の幹部のOBが、単純に健保連からの推薦というよりやはり元役所にいらっしゃった方という位置づけがあるのではないかと思うのですけれども、その辺については。
(次官)
 それは率直に言ってございません。例えば、現在はすでに下村委員は退任をしておりますし、役所の者が、保険者たる社会保険庁の代表という意味での参加をしていることはございますけれども、基本的にはございませんので、今おっしゃったような点は当たらないと思っております。
(了)


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