大臣等記者会見概要  厚生労働省ホームページ

定例事務次官記者会見概要

(H16.01.08(木)14:00〜14:13 厚生労働省記者会見場)
【広報室】

《次官会議について》

(次官)

 本日の次官会議でございますが、今日は少なくて人事案件1件でございました。当省関係は特にございません。
《その他》

(次官)

 年が改まりましたけれども、本年も従来に引き続きまして大変多くの課題を抱えております。一つ一つ誠実に取り組みまして、着実に成果を上げたい、前進をさせたいと、こういうふうに考えております。当面、間もなく通常国会が開会されますが、この通常国会には当省から14本の法律案の提出を予定いたしております。うち、5本が予算関連でございます。その中で、なんと申しましても年金制度改革関連の法案、これも3本ほど関連法案がございますが、制度改革を中心にした法案の提出、成立に全力をあげなければならないわけでございます。年金改革につきましては、昨年末までの政府与党における協議によりましてその骨格が固まりましたけれども、年を明けて法案提出までに結論を得るという事項も少なからずございます。新年早々ではありますけれども、政府与党を通じて精力的な作業をお願いしたいと考えているところでございます。また、提出法案の中には、次世代育成支援対策関連と申しましょうか、児童手当法でありますとか児童福祉法あるいは育児休業法など関連法案がございます。これにつきましても早期の成立、そして次の段階へ、というふうに進みたいと考えております。その他にもたくさんの法案がございまして、通常国会、長いようで限られた期間でございますので、私どもも全力をあげて法案を提出し、さらには成立に向けて最大限の努力をいたしたいと思っております。
 同時に、今年度から来るべき新年度以降にかけまして、またいくつもの大きな課題を抱えているわけでございます。来年度やはり特記すべきは、介護保険制度の見直しの作業を進めなければならないと考えておりまして、本日この後、第一回の介護制度改革本部をスタートさせる予定でございます。広がりのある制度でございますし、スタートしてから比較的順調に推移をしているというふうに全体としては申し上げてよいと思いますけれども、見直すべき課題もたくさんございます。今後の議論ではございますが、次の通常国会に向けてやはり最大の課題でございます。その他、生活保護制度の見直しでありますとか、児童福祉関係ではいわゆる総合施設の検討とかいくつかございますし、言ってみればここ2、3年、少し幅を広げてここ数年の間というのは、来るべき次の時代に繋がる社会保障制度の枠組みを作る時期、こういうふうに考えておりまして、関係部局あるいは省あげての取り組みが必要でございます。大変な時期ではございますけれどども、一致協力してこの難しい課題に取り組んでまいりたいと思っております。
 さらには、BSEでありますとかSARSでありますとか、総括して言えば健康危機管理対策というものの充実、あるいは適時適切な対応という、常時頭から無くしてはいけない重要課題でございますので、常在戦場というとオーバーでしょうか、常に緊張感を持った対応をしていかなければならないと考えております。等々、挙げればきりがないことになってしまいますけれども、大変多くの課題を新年、あるいは新年度に控えておりますので、引き続き我々も努力をいたしますが、どうぞ宜しくお願いを申し上げます。私からは以上でございます。

《質疑》

(記者)

 先程出ました介護制度改革本部なのですが、次官が本部長を務められるということですが、今後どのように介護保険制度の見直しを進められていくのか、具体的に教えていただけますか。
(次官)
 具体的にはこれからですけれども、ちょうど私、介護保険制度がスタートいたしました時担当局長をしておりました。そういう意味でも、個人的にも関心を持っている分野でございますが、先程も申し上げましたけれども、総括的には順調にスタートいたしました。逆に申しますと、想像以上に利用の状況も高いということでございますから、現実的な問題に振り返りますと、この制度の長期的、安定的な運営ということが、大きな制度であれば必ずつきまとう宿命でございますけれども、やはり最大の課題でございます。その一方で、社会のニーズと言いましょうか、利用者のニーズに的確に応えていかなければならないサービスのシステムも、今の段階では4年弱ということになりますが、4、5年の実施状況を見ながら、必要なところは大胆に見直していくということになろうかと思います。やや各論で言いますと、なかなか難しい問題で結論めいたことを今言うのはあまりにも早すぎますけれども、対象者、被保険者の範囲、もう少し端的に言いますと障害者対策との接点というものをどう考えるかという問題もございます。これも大きな課題でございます。トータルいたしまして、非常に評価をいただいております介護保険制度について、長期的に安定していくようなシステムづくりをするというのが、集約した最大の課題だというふうに考えております。
(記者)
 あともう一問。新型肺炎が新年早々中国で、男性の感染が確認されて、また今日も20歳の女性が感染した疑いがあると診断されましたが、次官はどのようにこの事を受け止めておられて、また国内の今後の対策をどのように進めていかれますかを教えてください。
(次官)
 SARSにつきましては、幸い昨年は我が国における発症はみられなかったということで、結果的には大きな混乱もなく、その一方で、一種の準備といいましょうか、危機管理の対応の一つの枠組みが出来たと考えております。したがいまして、それを機動的に動かすというのが最大の眼目だろうと思います。中国における発症などの情報を得まして、直ちに渡航者あるいは中国関係地域からの日本への入国者に対する情報提供、あるいはサーモグラフィを使ったチェックといったこともスタートしております。きちんとした枠組みをきちんと実施していくということで被害を防げるというふうに考えておりますけれども、相手がいわば微生物であるわけでありますから、どんなことが起こるか分かりませんので、様々な情報の収拾や事態に機動的に対応する、そういう心づもりを、緊張感を持って対応していきたいと考えております。今のところ、ご安心をさせすぎてもいけないのですけれども、当面大きな心配はないという考えであります。
(記者)
 先ほど介護制度改革本部のところで、給付と需要の伸びが表裏一体ですれども、ここが予想以上の伸びだというふうにおっしゃったのですけれども、これだけ今回かなり抜本的な改革を視野に入れていらっしゃるようなのですけれども、これがこの5年というこの時期に当たったということについて、次官としては早いとお考えなのでしょうか。その辺がもうちょっと先のかなり10年先くらい、10年15年先だったのが、この5年という節目、最初の見直しの時期にこれだけ抜本的な見直しをやるということを早いとお考えなのか、その辺りはどのようにお考えでしょうか。
(次官)
 これは人それぞれの意見があるところだと思いますが、私は、介護保険がスタートした時期も様々な議論があって、その上で一つの集約をした形でスタートいたしましたから、ある意味で、エラーと言ってはいけないのでしょうけれども、試行錯誤の部分が残るというのはむしろ当然のことだと思っておりました。したがいまして、この5年というのは短いようでもそれなりの期間でございますから、5年を節目に、必要があれば大きな見直しをするというのは、決して不自然とか違和感を持つ感じはいたしません。もう一つ付け加えるならば、制度なりが揺れているというふうに見られるとまずいのですけれども、比較的弾力的に見直すという姿勢は、私はむしろ重要だろうと思っております。最近は特にそうですけれども、社会経済の変化が非常に早いわけですから、あまりこまごまと制度が動くということは一面では不安感を生じるというご批判もあるのですけれども、基本的には弾力的な姿勢で臨むというのは、むしろ今の時代には大いに必要なことだろうと、個人的ではありますけれどもそんな感じを常々思っております。

(了)


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