大臣等記者会見概要  厚生労働省ホームページ

定例事務次官記者会見

(H15.10.09(木)14:02〜14:15 厚生労働省記者会見場)
【広報室】

《次官会議について》

(次官)

 今日の次官会議でございますけれども、一般案件4件、政令案件1件、この政令案件1件が当省の関連でございまして、労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案でございます。石綿を取り扱う労働者の健康障害防止のために製造等を禁止する有害物、この範囲を拡大するという内容、石綿対策です。そういう内容の政令が1件。件名外8件ございますが、うち1件、質問主意書に対する答弁書の提出でございまして、原子力発電所における作業従事者の労災認定に関する質問主意書が出ております。それに対する答弁書を提出をする準備のために次官会議に提出しました。次官会議は以上でございます。格別その他ご報告する案件はございません。

《質疑》

(記者)

 先日、BSEが久方ぶりに出たわけですけれども、全頭検査の成果というのがある一方で、不安を覚える方もいらっしゃると思うのですが、省としての対応といいますか、何か新しい体制をとるようなことがあるのかどうか、そこらへんのところを。
(次官)
 新しい体制をとるということはございません。今おっしゃいましたように全頭検査を含めて、BSEにいわば汚染されたような肉が消費者の手に渡らないという意味では二重、三重といいましょうか、チェックがかかっております。そういう点での心配は無いので、消費者の方にはご安心をいただきたい。しかしながら、新しい可能性を秘めた動きといいましょうか、事件でございますので、ここは本当に専門的なお立場で十分にご議論をいただきたく、逆に時間を急ぐ必要はないのだろうと。じっくりと言っても時間をかけるという意味ではありませんが、慎重に冷静に科学的知見からのご判断をお待ちするということが大事だろうと思います。繰り返しですが、一方におきまして消費者の方にご心配をかけるということが無い仕組みが出来ておりますので、この体制はきちんと維持しているわけで、その前提をもとにしっかりとした科学的知見の判断を期待したいと思っております。
(記者)
 毎回重ねてお尋ねするのですが、年金改革の厚生労働省案としては、もう明日解散は間違いないところかと思うのですけれども、投開票日の後ということでしょうか。
(次官)
 先般、経済財政諮問会議でも年金をテーマに大臣がご出席をして論議をいただきました。その場でも幅広く関係閣僚も入った議論がございましたので、論議がこれから進んでいくと思っておりますが、今おっしゃったように政治的な日程が入りますので、事務方としてはその間出来る限りの作業をしていく。具体的に案でご相談をする、あるいは政治の場でのご議論をいただくとしても事実上解散の後というのは避けられないと思いますね。たしかに時間は限られておりますけれども、議論に入るための材料をきちんと揃えるというのが、これからしばらくの間、我々の一番大事な作業かなと考えています。
(記者)
 年金の関係なのですが、先程お話が出ました経済財政諮問会議では、厚生労働省主導の進み方について抵抗を、抵抗感を示された委員の方がいらっしゃったように見受けられますが、その点については。
(次官)
 主導になっておればありがたいですけれども、極めて多様な議論、ご意見があることは事実ですね。一つの例をとりますと、非常にパターン化して申し上げれば、私どもはやはり年金制度は、特に高齢者の生活を支えるという意味のある年金制度、もちろん安定的なという条件が付くわけですけれども、そういう年金制度にしたいというのが基本的なスタンスでございますし、それには当然国庫負担が絡んでくる。財務省は国家財政を含めた全体の経済運営というスタンドポイントからの強いご意見がありますし、経済産業省、もしくは経済界につきましては、特に企業負担という意味での保険料負担について今日の経済状況を考えた場合にこれはまた強いご主張がある。こういう非常に複雑といいましょうか、それぞれの立場があるものですから、私どもは私どもの観点に立った主張を強くしていかなければならないと思っています。これまでも大臣試案を含めて、あるいは年金改革の「視点」も含めて、これまである意味でのメッセージを出してきております。決して主導とか主導でないとかいうことは無いと思いますけれども、私どもの気持ちとしては、いろいろなご意見を十分に戦わせていきたい、それで国民の合意を作っていきたいということが全てでありますので、引き続き我が省としての、あるいは年金制度を担当する省としての主張は強く申し上げていきたいと思っております。
(記者)
 選挙での争点の一つにもなっていますけれども、それについて。
(次官)
 非常に一般的にと申しましょうか、端的に申し上げれば、国民生活直接の大きな課題でございますから、当然選挙での論議の対象になるでしょうし、それはそれで今後まとめていくためには有益なプロセスだと私の立場では思っております。ただ一点、なかなか年金制度というのは、複雑でございますし、どんな案をとりましても、ぱっと一見して分かるというという問題ではないものですから、そういう意味で、争点になるにはかなり技術的な要素が加わるという面もございます。けれども、基本的な考え方につきまして、国民を巻き込んだと言いましょうか、国民を含めた議論ということは、私どもとしては大いにいいことだというふうに思っております。
(記者)
 山梨県で日雇い労働者と思われる方が、監禁に近い状態があって、その上で殺害されたというような事件があったのですけれども、その建設労働者の職業紹介のあり方、あるいはまた労働基準監督署が指導に入るとか、そういった点での今回の事件を見てのご感想などをいただければ。
(次官)
 もちろん全貌が明らかになったという段階での話ではございませんので、率直に申しまして、私もメディアを通じての情報というのが基本でありますが、労働基準監督署が、これまでも当該事業所については繰り返しいろいろな指導をしてきて、実はその都度指導があるとそれなりに対応してきたという経過があるようでございます。最終段階ではいわば経営者が所在不明という形になりましたので、一種の賃金立替払までして、そういう制度を活かして、賃金保障をしたということも聞いておりますが、率直な感想ということになれば、やはりこういう問題は、残念ながら行政の枠を超えた、全くあってはならないと言いましょうか犯罪そのものですから、通常の行政との接点というのは、もしその過程で知り得た情報があれば、という気はしないではありませんけれども、それは現実に難しいことだと思っております。労働基準行政、その他の労働行政につきましても、きちんと法令に基づいた指導、指示をしていかなければなりませんし、それは今後も変わりませんけれども、今回の事件に関連していいますと、労働行政との接点を本質的な問題として捉えるのはいささか無理があるのではないかという気がしております。いずれにしましても、全容が明らかになった上で、私どもが関心を持って見るべきところが出てくるかもしれません。今の時点ではそんなふうに受け止めております。
(記者)
 もちろん全容が明らかになってからのことでもあるとは思うのですけれども、ただ今の段階でも、細かい話ですが朝日建設という建設会社が、西成、山谷というところで、特別に届け出もなく求人をやっていたという状況は把握出来ていると思うのですよね。だからやっぱり労働行政と全く接点が無いということではないと思うのですが。
(次官)
 接点がないという言い方はおかしいですけれども、この事件の本質は、やはり極端な犯罪ですので、労働行政、あるいは労働行政の運用の中で、例えばこれが防止し得たかということになりますと、これは私は残念ながら別個の問題だと。ただその過程の中で、先ほど申し上げました全容が明らかになればという意味は、詳細な事実が分かった段階で、我々がこれはもう少し考えるべき点があったなという点が出てくれば、それは大いに関心を持って見たいと思いますけれども、今の時点ではそこまで情報もありませんし、軽率な判断は出来ないと思っております。

(了)


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