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定例事務次官記者会見

(H13.12.06 (木)14:01〜14:14 厚生労働省記者会見場)

【広報室】

《事務次官会議について》

(次官)

 今日の事務次官会議では私から特別に申し上げたのはございません。

《医療保険制度改革について》

(次官)

 この一週間で医療制度の関係の動きがございました。皆さん方ご承知のとおりのことばかりでございますけれども、11月29日に医療制度の改革大綱が政府・与党社会保障改革協議会の方で決定されたと、それから予算編成の基本方針が4日に閣議決定されたと、こういうことでございまして、その中で医療制度改革につきましては、私どもが出しました試案から大きく変わっているものということで、主なものが3点あろうかと思うわけでございます。ひとつは70歳から74歳の患者負担が2割から1割になったと、それから被用者保険の3割負担が、14年の10月から15年度以降になったと、それから伸び率管理の関係が指針と、こういう形になったということであるわけでございまして、政府・与党との間で大綱についての受け取り方が完全合意には達していない状況にあるわけでございますので、また全部が決まったわけではなくて、細部にまだ残っているものもたくさんあるわけでございます。また具体化するにあたりましては、まだまだ決めていかなければいけないと思っているものが残っているわけでございますので、14年度予算に欠かせないものにつきましては、当然の事ながら、それに間に合うようにしなければいけませんし、法案に盛り込むものも早いほうが良いに決まっているわけでございますけれども、法案に必要なものは法案作成に間に合うように、恐らく来年の2月の中頃くらいが締め切りになろうかと思っておりますけれども、それより前にいろいろな手続きがあるわけでございますので、それに間に合うようにしなければいけないと、私どもの内部での作業というのは、当然その後においても続いておりますし、関係方面とのご相談というのもたくさんあるわけでございますので、鋭意これに取り組んでまいりたいと、こういうふうに考えております。私の方から申し上げるのは以上でございます。何かございますれば。

《質疑》

(記者)

 14年度予算でですね、影響で、当初の役所の試案では1千億程度の節減効果というお話だったのですが、今おっしゃられたような変動が大綱でありまして、その辺で試算の数値というのは変わってくると思うのですけれども、これはまだ出てないのでしょうか。
(次官)
 まだですね、はっきり言えば細目が決まっておりませんので、それとの絡みというのが出てきますので、今の段階でいくらいくらだということは、まだ申し上げることは出来ません。それも含めて予算編成に間に合うように詰めてまいりたいというふうに考えております。
(記者)
 冒頭のお話にあった3点の異なる点をご覧になって率直なご感想はどうですか。なかなかおっしゃりにくいと思いますけれども。
(次官)
 私どもが出しましたのは叩き台ですから、変わったこと自体は別に、とやかく触れる筋合いのものはございませんけれども、医療保険制度、どの保険制度も大変困難な状況に陥っておりますし、今のまま放置すれば、もっとひどい状態になるだろうということでございますので、それがなんとか立ちいくようにですね、運営面においても制度面においても考えなければいけない立場でございますので、私どもが提案したものも、制度を維持するにはかなりギリギリの線であったわけでございますので、保険料水準をどうするかどうかも含めて、更にこれから検討しなければいけませんし、やはり制度管理という面で、老人医療の制度管理と言いますか、伸び率管理と言いますか、これが指針というふうに変わりましたので、私どもとしてヘルス事業を含めて医療費の適正化というものについて、さらに一層努力する必要があると、こういうふうに今考えております。特に老人医療の伸びをどう適正化していくのかということについて、かなりこれから運営面においても検討していく必要があると、こんなように思っております。
(記者)
 大綱の中で、例えば医療制度の一本化ですとか、高齢者医療制度の創設とかですね、そういった将来の課題が明記されているわけですが、とすると今度の制度改正の先に、近い将来また大規模な制度改正、制度改革というものがあるという、そういう見通しになるのでしょうか。
(次官)
 今のような形のままで医療制度が保つかどうか、特に医療保険制度ですね、これについては、かなり疑問視されているわけです。私どももそういう気持ちを持っております。したがいまして、医療保険制度がキチッとした形で必要な医療が提供でき続けるというためには、更なる改革というのは当然必要だというふうに思っております。恐らくこれからも更に高齢化が進むと、と同時に医療費も増えると、それを支える経済というのがどうなるかによって変わってくるんですが、今のような状態が続けばかなり厳しいということがございますので、そういった経済情勢、それから医療費の伸びといったものを、医療制度そのものもやはり今のままでいいのかということが、また私どもも考えるところがございますので、そういった医療提供体制と医療保険制度、両輪でございますから、両方の見直しが必ず必要になるというふうに思います。
(記者)
 最初におっしゃった3点の変更があって、次官御自身としては今回政府与党からの大綱というのは、その3点の変更はあったけれども、制度は維持できるギリギリの改正だというお考えでしょうか。
(次官)
 このままでは赤字が出る保険者も多くなるだろうと思っておりますから、先程申し上げましたように保険料の議論に直結するだろうというふうに思ってます。
(記者)
 次の制度改正なんですが、それはやろうとすると何時なんでしょうか。
(次官)
 これはちょっと、医療問題というのは皆さん方ご承知のように社会問題でもあり、政治問題でもあるわけですから、そういった状況も踏まえて考えなきゃいかんので、何時とかいうことはなかなか言いにくいと思いますけれども、不断の見直しというのは当然必要でございますので、今回だけに当然とどまるわけではないということですから、次は何時やるかと言うことについて、今から申し上げるというのは難しいと思います。
(記者)
 先程保険料の議論についておっしゃられたのは、3点の変更があって、厚生労働省試案で想定されていた保険料引き上げより大きな引き上げが必要になるという、こういうご趣旨でしょうか。
(次官)
 結局給付と保険料、それに税金が入ってくれば変わってくるんですが、税金がないという前提であれば、給付と保険料というのはまさに相関関係でございますので、給付の方でたくさん給付するということになれば、当然のことながら保険料というのも考えざるを得ないと、こういうことに立ち至ると思います。
(記者)
 今の言葉尻を捉える訳じゃ無いですが、一方では公費を入れるという形の支援というのも、保険料のさらなる引き上げを回避するには、ある程度公費を投入することが可能であれば、押さえることが出来るわけですが、その選択肢は今とりえないということですか。
(次官)
 まさに内閣の方針で増税しないという中でのことですから、そういう意味での公費を期待するというのはなかなか難しいかなと、こんな感じを持っています。

(了)


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