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定例事務次官記者会見

(H13.11.15 (木)14:00〜14:18 厚生労働省記者会見場)

【広報室】

《事務次官会議について》

(次官)

 先週はカナダで開かれましたOECDのヘルスセキュリティーに関する閣僚級の会合ということで出席いたしましたので、記者会見も中断させていただいたわけでございますけれども、今日は久しぶりに次官会議に出たのでございますが、私から申し上げましたのは薬事法の施行令の一部改正ということで、癌等については広告制限がございますので、その広告方法を制限する医薬品ということで、今回は慢性骨髄性白血病の治療薬でございますイマチニブという薬につきまして、広告制限がある医薬品として指定するということでご説明を申し上げ、明日の閣議の方にかかるということになっております。

《保健担当閣僚級会合について》

(次官)

 先程申し上げましたカナダの関係のことを若干申し上げたいと存じますが、元々OECDの会合が5日から7日にかけまして、医療制度についてのパフォーマンスに関する会議ということで開かれることになっておりまして、ちょうど7日の午後が空くということでたまたまアメリカのトンプソン厚生長官と、あるいはメキシコの大臣、その他の大臣若干出られる予定であったようでございまして、出る予定でない国もその席に呼んでヘルスセキュリティー、はっきり言えばバイオテロの関係についていろいろ議論をしたいということで、急遽カナダの保健大臣の方から坂口厚生労働大臣に出席して欲しいという要請が先月末にございまして、坂口大臣、法案の関係で出席できませんので私が代わって出席したということでございます。
 会議の中でやはり議題になりましたのは炭疽菌の話、炭疽菌の話は主としてアメリカの話が中心であるわけでございまして、アメリカでは17症例、炭疽菌による症例があったようでございますが、そういう患者さんが出たということで、その中で4名の方が亡くなられたということでございまして、トンプソンさんの言葉を借りれば比較的低い被害であったと、こういう評価のようでございまして、かなりの広範に炭疽菌がばらまかれたという形跡があったわけでございますが、潜伏期間も過ぎているということで、もうこれ以上患者さんは出ないだろうと、新しい菌がばらまかれればまた別でございますけれども、そうでなければもうこれ以上出ないと、対応策というのもかなり出来ていると、こういうふうなお話でございましたし、それから郵便局の郵便物についてもガンマ線とか言っていましたが、放射線で非常に高い機械のようでございますけれども、それで殺菌するということで、今のところでは良い成果が上がってきていると、ただこの機械が高くてなかなか手にも入らないと、このようなお話がございました。
 やはり一番今懸念しているのは天然痘ワクチンということでございましてアメリカは3億人分のワクチンを備蓄するということで、結果がそろそろ出た頃かと思いますけれども3社ぐらいと最終的な交渉をしていると、価格についても交渉していると、場合によっては他の国との関係も斡旋してもいいと、こんなようなお話がございました。私の方からは我が国では補正予算で今準備中で約250万人分を作っておるということは申し上げましたが、アメリカは不安感を一掃するということもあって、3億人分、これは人口を超えているような規模ですので、恐らくよその国の分も想定されている、カナダとかメキシコとかそういったものもひょっとしたら想定されているかわかりませんが、いずれにしても国民の不安感を一掃するためにということで、非常に危機感があったというふうな印象でございます。
 そのために新しいワクチンを開発するとかいろいろな面で協力しないといけないということで、科学者とかあるいは研究機関それと行政機関といったもののコンタクトリストと言いますか、連絡先、あるいは高級事務レベルの人間を指名してそういう会議も開きたいと、それから閣僚級のものも近いうち、恐らく2、3か月うちだと思いますけれども、今度はロンドンというかイギリスで開きたいということで、イギリス代表もそういうことを受け入れております。コーディネーター役ということでカナダ政府がそういう連絡先のリストを作ったり、次期開催の音頭をとるということで更に対象国も増やしてはどうかというふうな話がございました。今回集まりましたのは、いわゆるG7にEUと、それからメキシコ、オブザーバーみたいな形でWHO、こういったところが参加されておりました。
 いずれにいたしましてもこのバイオテロの関係は一国では対応できないような状態というのも想定できるわけでございまして、私共も十分情報交換、あるいは共同研究みたいなものもやって、世界レベルにおいてこのバイオテロ対策に備えていかなければいけないと、こんなような認識をもって帰って参ったわけでございます。以上でございます。

《質疑》

(記者)

 狂牛病の検査が1か月もうそろそろで経つんですけれども、結果として陽性は出てないんですけれども、こういった結果に対する評価も含めてご感想をいただきたいんですけれども。
(次官)
 最初のうちに、皆さんが多分ご承知のように、いくつか第1次検査で疑陽性が出たというので大分我々も緊張したんですけれども、比較的年齢が低い牛が多いと、ただ中にはもう100か月くらい経った牛も入ってきているようでございますけれども、大部分が比較的若い牛がと畜場に搬入されているということで、そういう牛であればこういう陽性ということは実際問題ないだろという想定をしていたわけでございますので、そういう意味では想定通りだったのかなというふうに思っております。まだまだ油断が出来るような状況ではございませんのでこれからも十分注意をして対策を立てる必要があるんじゃないかなと、こんなような感じを持っております。
(記者)
 大部分が若い牛というのは、その理由はなんと考えているでしょうか。
(次官)
 元々普通のケースですと30か月くらいでと畜されるというのが普通のようでございまして、この間見つかったようなケースは乳牛ということで、はっきり言って牛乳が出なくなってからと畜場にいくということで、結構年齢が高くなるようなんですね、この間見つかったのも5歳ということで、60か月を越える牛でございまして、比較的今までも肉牛という形でと畜場に来るものは元々比較的若い牛だということで現在もそういうものが中心であるということだと私は理解しています。統計的にも取っていて、先に申し上げましたけれども、何でかわかりませんけれども、ホルスタインではなくて100か月というのも例があったようでございますけれども、他は比較的若い牛が多いというふうに聞いております。
(記者)
 農家の方が少し高齢の牛を出し渋っているというか、そういうことは。
(次官)
 それはわかりませんが、元々そういうのは肉牛としては少ないんじゃないかと思います。ただ何故そこまで肉牛として養ったのかなという感じがしますけれども、肉牛としては大体の場合はそれほど長く飼っているという例は少ないと理解しております。
(記者)
 ヤコブ病なんですが、昨日裁判所の見解が出されましたけれども、大臣は十分尊重して結論を出したいとおっしゃってましたが、今後の対応はどのように。
(次官)
 昨日医薬局長から申し上げたとおりでございまして、十分所見を読ませていただきまして、関係省庁もございますし、全面解決ということになれば他の被告の方もいらっしゃいますので、そういったものも考えながら、東京地裁の方からは27日くらいまでに考え方を伝えて欲しいというふうに聞いておりますので、それまでの期間我が省としても対応について十分検討した上で対応してまいりたいということで、まだまだ結論がでる段階ではございません。
(記者)
 大津地裁の方は22日までというふうな。
(次官)
 22日というのは前から設定されていた予定のようでして、そこでどうなるかというのは我々はちょっと聞いておりません。恐らく裁判所からお考えのご説明があるんじゃないかと思いますが。
(記者)
 ハンセン病の方なんですが、明日4回目の協議会があって具体的な進展があるのかどうなのかということが注目されているんですが、厚生労働省としてこれまでの話し合いを踏まえて、恒久対策の決着という見通しはいかがですか。
(次官)
 いくつかあるようでございますので、全面決着かどうかわかりませんが進展は少しずつでもあるだろうと思っておりますし、我々もそういうふうに努める必要があるというふうに思っております。ただ明日で全部決着ということには難しいのかなと、こんな感じをいたしております。

(了)


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