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定例事務次官記者会見

(H13.10.04 (木)14:02〜14:23 厚生労働省記者会見場)
【広報室】

《事務次官会議について》

(次官)

 今日は次官会議は行われておりません。ご承知のとおりテロ対策の特別措置法の関係が、与党内の手続きが終わってからということで、夕方5時から次官会議が開かれることになっているわけで、次官会議の関係は省略というか、お伝えすることができないわけでございますが、いずれにしましてもテロ対策の特別法がでますと私ども関係機関ということになるようでございますので、医療とか医薬品の供給といった面で、そういった事態になれば対応するということになろうかと思います。そういうことにならないように希望いたしております。そういうことになれば関係機関として協力するということになろうと思います。以上でございまして、ご質問がありますればお答えいたしたいと。

《質疑》

(記者)

 医療制度改革で財務省が独自の考え方で、財政当局が個別の政策について案をとりまとめること自体に対する見解とですね、自己負担に年齢というファクターを取り除いて所得と受診頻度で括ろうというような内容になっているみたいなのですけれども、その内容に対する評価、その2点いかがでしょうか。
(次官)
 私もまだ詳しく見ていないのでなんとも言えませんが、今回の医療制度の改革におきましては、今までの手法ですと審議会で2年なり1年なり関係団体の委員を入れた審議会で議論したうえで、おおよそのコンセンサスを得て、政府案を作っていると、こういうやり方であったのでございますけれども、今回のやり方は役所としてと言いますか、厚生労働省として叩き台の案を作って、これについて各方面あるいは与党からご意見をいただいたうえで、年末に政府の成案をということになるだろうということで、厚生労働省の案を出すに当たりまして、財務省にも一応こういうことを考えているというのは当然説明しておりますけれども、必ずしも財務省の意見を採り入れているというわけではございません。一部はもちろん試案の中で入れているところもあるだろうと思いますけれども、財務省の主張を全面的に入れているわけではございませんので、厚生労働省案に対しまして査定官庁である財務省が意見を述べるというのは、これはあっても然るべきかなと思いますけれども、こういう形で出ればなかなか調整というのが難しくなるのかなという感じもいたしておりまして、私ども必ずしも歓迎しているわけではございませんけれども、意見は意見として述べていただいて、いろいろこれからの議論の素材として政府与党間でこれからまとめていくと、こういうことになると思います。詳しく中身を知りませんので中身について論議するのは難しいことでございますけれども、かなり高齢者についても負担を高くするということと、それから診療報酬ですか、そういう面での切り込みというのが私どもの案に加えたものじゃないかと思っております。高齢者について負担を若い人と一緒にすべきであるという意見は、これまでもいろいろな所からもあるわけでございます。諸外国でも大体そういう形で高齢者と若い人の負担というのは分けてないわけでございますが、日本の場合には昭和48年でございますか、老人医療の無料化というふうな長い経緯がございまして、若い人と高齢者との負担のバランスを取るべきであるとこういう議論がだんだん強くなって、高齢者が増えると共に負担が大きくなる、こういう時代背景と共に高齢者と若い人との負担のバランスを取るべきであるとこういう意見がだんだん強くなって、少しずつではございますけれども、その幅を縮めてきているという時代的な背景があるわけでございます。
 これを一気にやるべしであるというのが財務省の強いご意向があると拝察するわけでございますけれども、これまでの経緯から考えれば、やはり負担能力という点を考えれば、これを若い人といっしょにするというのは少し無理があるのかなと、こんな感じがいたしておりまして、私どもはある程度は若い人と高齢者とが、特に今回は75歳以上ということで、まさに後期高齢者ということで所得水準もさらに下がっていると、こういう方を対象としたら、やはり差があって然るべきかなと、こんなような感じを持っております。
(記者)
 診療報酬引き下げについても言及しているようですけれども、これについて引き下げというのはいかがでしょうか。
(次官)
 これはこれから年末までの間にですね、中医協それから与党とよく相談の上、もちろんのことながら財政当局ともご相談の上決めないといけないのですが、この2年間の物価とか賃金、こういったものを参考にしますから、物価ははっきり言って下がっておりますから、賃金はどういうふうに評価できるのかちょっと分からない面がまだあって、プラスなのかマイナスなのかよくわからないような状況でございますので、そのへんも見ながら決めていくと、こういうことになろうかと思います。
(記者)
 財務省案の中には高齢者医療の医療費の抑制がですね、医療費の抑制が高齢者医療費分だけじゃなくて、全体の抑制だというような内容が含まれているようで、この部分についてはいかがでしょうか。
(次官)
 考え方としてはよく分かるし、諸外国はそういうふうな形になっていて、諸外国は高齢者と若い人を分けていないものですから、まさに同じような扱いでされてますから分けてないと、我が国の場合には2つが分かれているという点と、このところの若い人の医療費の伸びを見ますとほとんど伸びておりません。ほとんど同額で推移しているとこういうふうなことですから、私どもやはり問題にすべきというのは高齢者の医療費が伸びとして非常に高いと、高齢者人口の伸びに加えてさらに3%から4%の上積みされた伸びというのが、若干今年はちょっと落ち込んでいるようでございますけれども、7%も8%も伸びるような状況というのはこれはとても耐えられないと、高齢者人口が伸びることによる負担というのはこれはもう止むを得ないと考えておりますが、財政当局はそれも含めて高齢化のものを含めて、GDPの伸びと同じようにしたいと、GDPそのものが名目ではマイナスとなっているものですから、それは現実問題として難しいのではないかと、こういうふうなことで高齢者の伸び分はこれは負担を甘受せざるを得ないのではないか。それ以上にプラスアルファというのをなんとかマイルドにしたいと。こんなような感じをもっております。
(記者)
 先程財務省の考え方が、こういう形で出ると調整が難しくなるということでしたが、もう少しご説明いただけますか。表に出ると、裏であれば調整出来るけれども表に出たら調整出来ないということなんでしょうか。
(次官)
 表とか裏とかいうことではないわけですが、はっきり言って言い出してしまえばなかなか降りられないような、両方ともですね、というふうな形にもなるわけでございまして、政府間で調整した上で与党へという形になれば、その時間もないわけですから、かなり波乱要素が増えたということではないか。
(記者)
 加工食品についての通知というのはどの様になっているのか。
(次官)
 薬について一応審議会で結論が出たと、食品につきましては非常に広い範囲の食品があって、はっきり言ってどのあたりまで伸びているかわからんということもございまして、それをどの様に整理するのかということが1つあるわけです。それから薬の場合には法的な措置でございまして、しかも単品単品をこちらの方で一応チェック出来る体制は制度上なっているわけでございますが、食品の場合には、これはもう自由に作っていただいて、安全性に疑問があればチェックすると、こんなような法的な仕組みが違うわけでございますので、はっきり言って今回の場合には自粛要望という形になるわけでございますから、あまり広く広げるのはどうかという意見と、それからいやもうちょっと、どうせ自粛要望であるからもう少し広げたらどうかという意見もあるわけでございまして、いずれにしても今整理をいたしておりまして、できれば今週と申しますか明日中くらいには出したいなということで今調整を鋭意進めている、こういう段階でございます。
(記者)
 狂牛病の関係で農林水産省との連携に問題はなかったというお考えで。
(次官)
 農林水産省との関係というよりは、この問題の発端が県のレベルで始まっておりまして、私どもの関係にある屠畜場と食肉衛生検査所、それと家畜保健衛生所でございますか、これとの連携が悪かったかどうかというよりは連携はあったんです、あったんですが、両者ともはっきり申し上げてBSEは我が国には基本的にはいないだろうと、こういう前提で、はっきり言えば危機意識が乏しかったと言えば乏しかったものでございますが、千葉県内の両衛生検査所の関係ではBSEはいないという前提のもとでの検査態勢といいますか、サーベイランスで、おそらくいないだろうけれども念のため確認するというよう体制で臨んでいたということが、屠畜場の立場から言いますと敗血症という診断を出しておりますので、BSEではないということでありましたらそのまま解体の方に回したと、それで念のため検査をするということで、家畜保健衛生所の方で検査されるということで、首を持って行かれたと、こんなような状況でございまして、連携が悪かったという以前に危機意識の問題であったのかなというふうに私は考えております。その後においての連携というのは、私どもと農林水産省の関係、中央段階での関係、それから地方段階でのBSEがいると、まだいるかもわからないという前提のもとでのこれからの連携というのは、十分図ってまいりたいと思いますし、現にそういうことで動いていただいております。
(記者)
 8月24日頃に脳に空胞が見つかった時点で農林水産省側から厚生労働省サイドに対して、なんの連絡もなかった。そのために肉骨粉への対応が遅れたという可能性みたいなものはないのですか。
(次官)
 それが今のまさに危機意識だと思っております。そこがBSEがいないという前提のもとでの対応であったということで連絡がなかった。
(記者)
 ただ空胞が見つかればかなり強くBSEが疑われる状況にあったと思うのですが、その時点では何も連絡はなかったと。
(次官)
 少なくとも私どもの系統の方には連絡はございませんでした。
(記者)
 そのへんはやはり農林水産省側の対応というか、認識が非常に問題になっている。
(次官)
 こういうのは結果が悪ければ足の引っ張り合いみたいなのがあるわけですから、そういうのを反省した上で、これから共同して対応策を考えなければいかんということで、私どもの方からそれについてコメントすることは差し控えたいと思っております。
(記者)
 1件目が発見されてから非常に対策を厳密にとってらっしゃるのですが、事前の策は十分だったというふうにお考えなんでしょうか。
(次官)
 事前の策が十分かというのは、はっきり言ってBSEがいないという前提のもとでのサーベイランスというのは始めていたんです。まさに念のために、いないだろうけれどもいたら困るから調査するということで、この5月から私どもは24ヶ月以上の神経症のものについては、もうサーベイランスは開始しておりまして、あの時点までに正確な数字は忘れましたけれども、140何頭については検査に回していたという段階でございました。来年度においても今度のケースとは大分差がありますけれども、1万頭程度をサーベイランスすると、これはアメリカと同じようなBSEが発生していないという段階におけるサーベイランスをしたいということで概算要求を出していたところでございました。今回の事件でいるというのがはっきりしたわけですから、いるという前提のもとでのEUと同じレベル、今では世界では最高水準というレベルまで引き上げて対策を急遽講じるというふうに理解をいたしております。
(記者)
 錠剤のような健康食品を医薬品のように規制を厳しくしようといった大臣の発言について、どのようにお考えですか。
(次官)
 健康食品一般をどうするかという問題は別途あろうかと思っております。今の法規制のもとで、今法規制としては全く差はありませんので、そこの問題意識は別にいたしまして、今の法体系のもとで別々の対応ができるかというと、おそらく区分けができないものですから、行政的に要望しても対応する方は恐らく対応しきれないのではないかという感じを持っております。

(了)


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