厚生労働省発表
平成20年4月3日



厚生労働省労働基準局安全衛生部

安全課長      平野 良雄

主任安全専門官 高橋 祐輔

技術審査官    和田 訓

電話 03-5253-1111(内線5488)



新たな交通労働災害防止対策の推進について

―交通労働災害防止のためのガイドラインの改正について―

交通労働災害防止対策については、「交通労働災害防止のためのガイドライン」(平成6年2月18日付け基発第83号)を示し、推進してきたところである。この間、交通労働災害による死亡災害は平成6年の約半分の水準まで低下しているところであるが、近年、休業4日以上の死傷災害が増加の傾向にあり、特に重大災害(一度に3人以上の労働者が被災した災害)は平成6年と比較して平成18年は約50%の増加となっている状況である。

このため、厚生労働省では、運転状況、事業場の管理状況、交通労働災害発生状況等に関する調査を実施するとともに、平成19年10月から「交通労働災害防止専門家検討会」(座長:根本敏則 一橋大学大学院商学研究科教授)を開催し、新たな交通労働災害防止対策の検討を行ったところ、平成20年3月に自動車運転者の睡眠時間を確保することに配慮した労働時間等の管理及び走行管理の充実、荷役作業を行わせる際の措置の実施、交通労働災害防止のための教育内容の充実、荷主及び元請による配慮、組織的な安全衛生管理の強化等について報告(注)がとりまとめられたところである。

厚生労働省は、今般、この報告を踏まえ、交通労働災害防止のためのガイドラインを別添(PDF:165KB)のとおり改正し、本日、都道府県労働局長あて通知するとともに、関係業界団体に対して会員企業への周知を要請したところであり、今後、本ガイドラインの普及を図るとともに、関係機関とも連携を図りつつ交通労働災害防止対策を推進することとしている。

改正ガイドラインの主要な項目

1 睡眠時間の確保に配慮した適正な労働時間等の管理及び走行管理等の実施

(1) 適正な労働時間等の管理及び走行管理の強化

ア 十分な睡眠時間等の確保に配慮した労働時間等の管理及び走行管理を実施。

イ 走行開始・終了地点と自宅との間の移動に要する時間等の状況を考慮し、十分な睡眠時間を確保するために必要のある場合、より短い拘束時間の設定、宿泊施設の確保等の必要な措置を実施。

(2) 走行計画の記載内容の充実

[1]運転者の拘束時間、運転時間及び休憩時間、[2]運行に際して注意を要する箇所の位置、[3]荷役作業の有無と所要時間等を記載。

(3) 睡眠時間に配慮した点呼等の強化

ア 点呼等により、疾病、疲労、飲酒その他の理由により安全な運転をすることができないことのおそれの有無について報告を求め、その結果を記録。

イ 運転前日の拘束時間が13時間を超える場合、労働者の睡眠時間の状況を確認。

(4) 点呼等の結果に基づく措置の強化

ア 睡眠不足が著しい、体調が不調である等正常な運転が困難な状態と認められる者に対しては、運転業務に就かせないことを含め、必要な措置を実施。

イ 1週間連続して拘束時間が13時間を超える等睡眠不足の累積が認められる者に対しては、必要な休憩時間の確保等の措置を実施。

(5) 早朝時間帯の事故の防止

走行計画の作成にあたり、早朝時間帯の走行を可能な限り避けるとともに、走行する場合、十分な休憩時間、仮眠時間の確保等交通労働災害防止のため必要な措置の実施に努めること。

(6) 荷役作業を行わせる場合の措置の実施

ア 事前に荷役作業の有無、運搬物の重量等を確認し、運転者の疲労に配慮した十分な休憩時間を確保。

イ 荷役作業の身体負荷を減少させるための適切な荷役用具・設備の備付け等の実施。

2 交通労働災害防止のための教育内容の充実

(1) 労働災害防止のための基礎知識の教育(改善基準告示等の遵守、睡眠時間確保の必要性、飲酒による運転への影響、睡眠時無呼吸症候群の治療、体調の維持等に関する事項)

(2) 個別運転記録等を活用した教育(デジタルタコグラフ、ドライブレコーダー記録等から判明した運転手ごとに安全走行に必要とされる事項)

3 荷主・元請事業者による配慮等の新設

荷主及び運送業の元請による交通労働災害防止を考慮した適切かつ安全な運行の確保のため必要な事項について、運送業者と協働して取り組む。

(1) 荷主側の都合による急な貨物の増量による過積載運行の防止のため、運送業者に協力。

(2) 到着時間の遅延が見込まれる場合の到着時間再設定等の実施、不当な不利益な取扱を行わないようにすること。

(3) 改善基準告示に違反し安全運行が確保できない可能性が高い発注を行わないようにすること。

(4) 積込・荷卸し作業の遅延により予定時間に出発できない場合の到着時間の再設定等。

4 安全衛生管理体制の充実

(1) 組織的・継続的な労働安全衛生管理の実施のため、交通労働災害防止の観点を含めた安全衛生方針の表明、安全衛生目標の設定、安全衛生計画の作成、実施、評価及び改善を実施。

(2) 長時間にわたる時間外・休日労働を行った運転者に対する面接指導に関する規定を追加。

(注)「交通労働災害防止専門家検討会報告書」

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/s0301-1.html

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