厚生労働省発表 |
担 当 |
厚生労働省労働基準局安全衛生部 |
平成19年度化学物質による労働者の健康障害防止に係る
リスク評価検討会報告書及びそれに基づく行政措置について
化学物質による労働者の健康障害の防止について、国は、平成18年度より、有害化学物質についてリスク評価を行い、健康障害発生のリスクが高い作業等については、リスクの程度等に応じて、特別規則による規制等を行うこととしています。 平成19年度は、2,3−エポキシ−1−プロパノール、塩化ベンゾイル、オルト−トルイジン、クレオソート油、1,2,3−トリクロロプロパン、ニッケル化合物(ニッケルカルボニルを除く。)、 今般、本年度の検討会報告書が取りまとめられたので、別添1(1〜21ページ(PDF:499KB)、 22〜46ページ(PDF:499KB)、 47〜54ページ(PDF:459KB)、 55〜64ページ(PDF:440KB)、 65〜85ページ(PDF:434KB)、 86〜98ページ(PDF:483KB)、 全体版(PDF:2,860KB))のとおり公表します。 厚生労働省においては、本報告書を踏まえ、関係政省令の整備を予定しており、既に外国関係者から意見聴取を行うためのアクションプログラム手続きを開始したところです。 また、リスク評価を行った10物質について、速やかに本報告書を踏まえた対策を行うことを、別添2(PDF:388KB)のとおり関係事業主団体等に対し要請しました。 |
−報告書の概要−
〔リスク評価の手法〕
リスク評価に当たっては、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第95条の6に基づく有害物ばく露作業報告をもとに抽出した一定の作業場について、作業従事者に対する個人ばく露量の測定等を行い、これらの測定 の結果を、日本産業衛生学会又はACGIH(米国産業衛生専門家会議)が勧告した許容濃度等(大多数の労働者がその濃度に毎日繰り返しばく露されながら働いても、その勤労生涯を通じて健康に悪影響を受けることがないと考えられる条件)を踏まえて設定した評価値と比較することにより行った。
〔リスク評価の結果と対策の方向性〕
1 粉状のニッケル化合物(ニッケルカルボニルを除く。)
粉状のニッケル化合物(ニッケルカルボニルを除く。以下同じ。)について、評価値を超える個人ばく露量が測定された。このため、粉状のニッケル化合物の製造・取扱い作業については、局所排気装置等の設置、作業主任者の選任、作業環境測定の実施・評価、特殊健康診断の実施等による適切な管理が必要と考える。国は、そのため、次の関係法令の整備を検討すべきである。
・ 労働安全衛生法施行令別表第3の第2類物質とすること
・ 労働安全衛生法施行令第18条の名称等を表示すべき有害物とすること
・ 特定化学物質障害予防規則第2条第1項第5号の管理第2類物質とすること。
・ 特定化学物質障害予防規則第38条の3の特別管理物質とすること
なお、局所排気装置の性能要件、作業環境測定に係る測定分析手法及び管理濃度、特殊健康診断の項目については、今後、専門技術的な検討を行うべきである。
2
砒 素及びその化合物(三酸化砒 素、アルシン及びガリウム砒 素を除く。)
・ 労働安全衛生法施行令別表第3の第2類物質とすること
・ 労働安全衛生法施行令第18条の名称等を表示すべき有害物とすること
・ 特定化学物質障害予防規則第2条第1項第5号の管理第2類物質とすること。
・ 特定化学物質障害予防規則第38条の3の特別管理物質とすること
なお、局所排気装置の性能要件、作業環境測定に係る測定分析手法及び管理濃度、特殊健康診断の項目については、今後、専門技術的な検討を行うべきである。
3 2,3−エポキシ−1−プロパノール、塩化ベンゾイル、オルト−トルイジン、クレオソート油、1,2,3−トリクロロプロパン、フェニルオキシラン、弗 化ビニル及びブロモエチレン並びに粉状以外のニッケル化合物、アルシン及びガリウム砒 素
今回のばく露実態調査に基づくリスク評価ではリスクは低いものの、有害性の高い物質であることから、国は、既存の法令に基づく対応を図るとともに、事業者においてリスク評価を実施して、引き続き適切な管理を行うべきであると考える。
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