平成19年6月14日

照 会 先
厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課
山口 電話:03-5253-1111 (内線)2781
直通:03-3595-2436

「国連薬物乱用根絶宣言」支援事業
「ダメ。ゼッタイ。」普及運動の実施について

1.名称:「ダメ。ゼッタイ。」普及運動

2.趣旨

麻薬や覚せい剤等の薬物乱用問題は全世界的な広がりを見せ、人間の生命はもとより、社会や国の安全や安定を脅かすなど、人類が抱える最も深刻な社会問題の一つとなっています。

我が国における薬物情勢は、依然として覚せい剤事犯が薬物事犯の大半を占めています。また、近年、若年層を中心に、大麻やMDMA等合成麻薬の乱用が高水準で推移していることに加えて、違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)の乱用も拡大するなど、乱用される薬物も多様となっており、憂慮すべき状況にあります。

本運動は、「国連薬物乱用根絶宣言」(注1)の支援事業の一環として、官民一体となり、国民の薬物乱用問題に対する認識を高め、併せて「国際麻薬乱用撲滅デー」(注2)の周知を図り、内外における薬物乱用防止に資するために行うものです。

(注1)   平成10年(1998年)の国連麻薬特別総会においては、「薬物乱用防止のための指導指針に関する宣言」(国連薬物乱用根絶宣言)が決議された。

(注2)   昭和62年(1987年)に開催された「国連麻薬閣僚会議」の終了日の6月26日を「国際麻薬乱用撲滅デー」とし、各国がこの宣言の趣旨を普及する日とされた。

3.運動の概要

(1)主        催厚生労働省、都道府県、財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センター
(2)実 施 期 間平成19年6月20日から7月19日まで(1か月間)
(3)主な実施事項「6・26ヤング街頭キャンペーン」「地域団体キャンペーン」

4.国連支援募金について

財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターが主催し、国連及び関係団体の協賛、関係省庁の後援により行われます。

この募金運動により、地球的規模での薬物乱用防止に関する理解と認識を高めるとともに、寄せられた善意の浄財は、開発途上国で薬物乱用防止活動に従事する民間団体(NGO)の活動資金として国連に寄付されるほか、国内の啓発事業にも役立てられます。

(参考)

(1)麻薬・覚せい剤事犯の推移(全国)
(2)平成19年度「ダメ。ゼッタイ。」普及運動実施要綱
(3)ポスター


麻薬・覚せい剤事犯の推移(全国)

1.法令別検挙人員(人)
  平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年
麻薬及び向精神薬取締法 254 271 327 530 635 606
うちヘロイン 48 36 43 75 16 23
うちコカイン 63 58 55 66 82 44
うち向精神薬 35 42 37 26 52 35
うちMDMA等合成麻薬 83 113 138 272 450 472
あへん法 67 49 55 55 68 13
大麻取締法 1,224 1,525 1,873 2,173 2,312 2,063
覚せい剤取締法 19,156 18,110 16,964 14,797 12,397 13,549
合        計 20,701 19,955 19,219 17,555 15,412 16,231

注1)厚生労働省・警察庁・海上保安庁の統計資料による。

2.主な薬物の押収量(kg) 但し、MDMA等錠剤型合成麻薬は(錠)
  平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年
ヘロイン 7.0 4.5 20.9 5.1 0.04 0.1
コカイン 15.6 23.7 16.9 2.5 85.5 2.9
あへん 9.0 11.4 5.8 6.5 2.0 1.0
乾燥大麻
(大麻たばこを含む)
310.3 844.0 256.5 558.2 642.6 652.4
大麻樹脂 185.4 73.5 275.3 323.9 327.5 233.9
覚せい剤 1,030.5 419.2 442.1 493.5 411.3 122.8
MDMA等錠剤型合成麻薬 78,006 112,568 190,280 393,757 469,483 576,748

注1)厚生労働省・警察庁・財務省・海上保安庁の統計資料による。

3.覚せい剤事犯における未成年検挙者の推移(人)
  平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年
覚せい剤事犯検挙者総数 19,156 18,110 16,964 14,797 12,397 13,549
うち未成年者 1,148 954 749 528 395 435
うち中学生 54 45 44 16 7 23
うち高校生 105 83 66 36 41 55

注1)厚生労働省・警察庁・海上保安庁の統計資料による。

4.大麻事犯における未成年検挙者の推移(人)
  平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年
検挙者総数 1,224 1,525 1,873 2,173 2,312 2,063
うち未成年者 105 180 192 191 223 182
うち中学生 6 4 4 3 6 5
うち高校生 22 44 34 38 38 43

注1)厚生労働省・警察庁・海上保安庁の統計資料による。

5.MDMA等錠剤型麻薬事犯における未成年検挙者及び20歳代検挙者の推移(人)
  平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年
検挙者総数 83 113 138 272 450 472
うち未成年者 7 29 67 66
うち20歳代 137 249 240

注1)厚生労働省・警察庁・海上保安庁の統計資料による。
注2)※の部分は、年齢についてMDMA単独で統計を取っていなかったため、不明


平成19年度「ダメ。ゼッタイ。」普及運動実施要綱

第1 名  称

「ダメ。ゼッタイ。」普及運動

第2 実施内容

1 6・26ヤング街頭キャンペーン
2 地域団体キャンペーン

第3 目  的

薬物乱用問題は全世界的な広がりを見せ、人間の生命はもとより、社会や国の安全や安定を脅かすなど、人類が抱える最も深刻な社会問題の一つとなっている。

このため、国連は平成10年(1998年)6月に国連麻薬特別総会を開催し、21世紀において、国際社会が一丸となって地球規模で拡大する薬物乱用問題の解決に取り組むための指針となる政治宣言及び行動計画を採択した。このうち、「薬物乱用防止のための指導指針に関する宣言」(国連薬物乱用根絶宣言)は平成20年(2008年)を目標年として、薬物乱用を根絶することを目指している。

「ダメ。ゼッタイ。」普及運動は、国連薬物乱用根絶宣言(1998〜2008年)の支援事業の一環として、官民一体となり、国民一人一人の薬物乱用問題に対する認識を高め、併せて、国連決議による「6.26国際麻薬乱用撲滅デー」の周知を図り、内外における薬物乱用防止に資するために行う。

第4 実施期間

平成19年6月20日から同年7月19日までの間とする。

ただし、「6・26ヤング街頭キャンペーン」は、原則6月23日(土)又は24日(日)とする。

第5 実施機関等

主 催 厚生労働省、都道府県、財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センター
協 賛 国際連合(国連薬物犯罪事務所)、薬物乱用対策推進本部、警察庁、総務省、法務省、最高検察庁、外務省、財務省、文部科学省、経済産業省、国土交通省、海上保安庁
後 援 海上保安協会、カ゛ールスカウト日本連盟、航空貨物運送協会、国際ロータリー第1〜4(A)ソ゛ーン(日本)ロータリークラフ゛、社会安全研究財団、青少年育成国民会議、 全国高等学校PTA連合会、全国子ども会連合会、全国社会福祉協議会、全国少年補導員協会、全国人権擁護委員連合会、全国生活衛生同業組合中央会、全国配置家庭薬協会、全国防犯協会連合会、全国保護司連盟、全日本薬種商協会、中央青少年団体連絡協議会、日本医師会、日本医薬品卸業連合会、日本医療機器産業連合会、日本インターナショナルフレイトフォワータ゛ース゛協会、日本学校歯科医会、日本学校保健会、日本学校薬剤師会、日本カラオケスタシ゛オ協会、日本勤労青少年団体協議会、日本化粧品工業連合会、日本更生保護女性連盟、日本歯科医師会、日本自動車整備振興会連合会、日本新聞協会、日本相撲協会、日本青年会議所、日本青年団協議会、日本製薬団体連合会、日本塗料商業組合、日本PTA全国協議会、日本BBS連盟、日本フ°ロサッカーリーク゛、NHK、日本民営鉄道協会、日本民間放送連盟、日本野球機構、日本薬剤師会、日本YMCA同盟、ホ゛ーイスカウト日本連盟、ライオンス゛クラフ゛国際協会MD330〜337カ゛ハ゛ナー協議会

第6 実施事項

1 政府における実施事項
(1) 広報機関等による啓発宣伝

政府広報等を活用するとともに、報道機関の協力を求め、本運動の趣旨の普及徹底を図る。

(2) 啓発資材の作成配布

本運動に必要なポスター、リーフレット等の啓発資材を作成配布する。

(3) 官民一体となった事業展開の呼び掛け

官民一体となった事業の展開を積極的に推進するため、関係機関・団体等に対し本運動の趣旨の理解と協力を呼び掛ける。

2 都道府県における実施事項
(1) 実行委員会の設置

[1]  各都道府県は、本運動の円滑な実施を期すため、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動実行委員会又はこれと同等の組織(以下「実行委員会」という。)を設置する。

実行委員会は、薬物乱用防止指導員(以下「指導員」という。)、関係団体、薬務主管課及び保健所の代表者等をもって構成する。 

なお、実行委員会は必要に応じ、保健所単位等で支部を置くことができる。

[2]  実行委員会は、指導員等ボランティアが本運動の中心として活動できるように支援することを目的とするものであり、本運動の企画、実施方法、諸手続、取りまとめ等を担当する。

[3]  実行委員会は、実施計画を作成し、指導員等ボランティアを核としたキャンペーンを実施する。

[4]  実行委員会は、実施地域ごとに地域責任者を置く。

[5]  地域責任者は、道路交通法に基づく届出等地域の活動において必要な手続を行うほか、キャンペーンの全体の取りまとめを担当し、実行委員会に結果報告を行う。

(2) キャンペーンの実施
[1] 6・26ヤング街頭キャンペーンの実施

原則、保健所単位等で実施することとし、実行委員会がヤングボランティアの協力を得て、啓発資材の配布等を行う。キャンペーンは、原則6月23日(土)又は24日(日)の午後2時間程度とする。

[2] 地域団体キャンペーンの実施

原則、保健所単位等で実施することとし、地域団体の協力を得て、ポスターの掲示、一声運動等を行う。

(3) 広報機関等による啓発宣伝

自己の広報機関を全面的に活用して、それぞれの実情に即した広報活動を行うとともに、積極的に報道機関の協力を求め、本運動の趣旨の普及徹底を図る。

(4) 官民一体となった事業展開の呼び掛け

官民一体となった事業の展開を積極的に推進するため、市区町村を始めとする関係機関・団体等に対し、本運動の趣旨の理解と協力を呼び掛ける。

(5) 教育関係機関への協力の呼び掛け

教育委員会の協力を得て、児童・生徒に対し、薬物乱用防止の指導と本運動への参加を呼び掛ける。

3 財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターにおける実施事項

官民一体となった本運動を展開するため、運動の趣旨に則した民間団体としての薬物乱用防止活動を積極的に展開する。

4 国連支援募金への協力の呼びかけ

「ダメ。ゼッタイ。」国連支援募金運動は、青少年の健全育成とボランティア活動への積極的参加意欲の増進を促し、地球的規模での薬物乱用防止に関する理解と認識を高めるとともに、開発途上国等で薬物乱用防止活動に従事している民間団体(NGO)の活動資金として国連を通じて援助することにより、薬物乱用のない21世紀の地球環境づくりに資することを目的として、財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターが主体となって実施する。

このため、街頭募金活動を支援するとともに、同募金活動への協力を官公庁をはじめ、あらゆる職域組織等に呼びかける。


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