<照会先>
厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課
担当:齋藤、阿部、佐々木
電話:03−5253−1111
(内7933、内7939、内7938)

『「子どもの心の診療医」の養成に関する検討会』報告書(概要)

厚生労働省雇用均等・児童家庭局が開催した『「子どもの心の診療医」の養成に関する検討会』では、有識者が集まり、「子どもの心の診療医」を定義、類型化し、平成17年3月から平成19年3月までの12回の検討を通して、「子どもの心の診療」を行うことのできる小児科医や精神科医を養成・確保するための方策について提言を取りまとめたので報告する。
本報告書を参考として、関係者は「子どもの心の診療医」の確保・養成に向けた積極的な取り組みを進めることが期待される。

1.「子どもの心の診療医」の養成のための提言

『「子どもの心の診療医」の養成に関する検討会』では、以下の図1のように「子どもの心の診療医」を三類型に分類した。

《子どもの心の診療医》
1    一般の小児科医・精神科医
卒後臨床研修修了後、小児科や精神科の一般的な研修を修了し、一般的な診療に携わる医師
2    子どもの心の診療を定期的に行っている小児科医・精神科医
1を経て、さらに子どもの心の診療に関する一定の研修を受け、子どもの心の診療に定期的に携わる医師
3    子どもの心の診療に専門的に携わる医師
1又は2を経て、子どもの心の診療に関する専門的研修を受け、専ら子どもの心の診療に携わる医師
図1
イメージ図

「子どもの心の診療医」の養成に当たっては、

(1)  現に「子どもの心の診療」に携わっている一般小児科や一般精神科の医師の知識と能力を早急に向上させること、とりわけ、小児科・精神科の専門医としての研修を修了し、第一線で診療に当たる一般の医師に対して、子どもの心の診療に関する一定の専門的研修を提供することで専門性の向上を図ること。

(2)  子どもの心の診療に携わる医師の層を厚くしていくためにも、より高度で専門的な診療や教育・研修を担うことのできる医師の確保を図ること。

が重要であり、こうした一連の取り組みを通じて子どもの心の診療現場全体の質を高めることが必要と考えられた。そのため、上記3つの類型の医師の養成を行うための具体的な提言を取りまとめた。

2.「子どもの心の診療医」の到達目標について

『「子どもの心の診療医」の養成に関する検討会』では、現行の医学教育・研修や医師の生涯教育の中における「子どもの心の診療医」を養成するための教育・研修の現状を踏まえ、それぞれの段階の「子どもの心の診療医」が取得すべきと考えられる一定水準の知識と技能について、求められる包括的な知識や技能を「一般到達目標」、修得すべき具体的な知識や技能を「個別到達目標」として取りまとめた。

3.「子どもの心の診療医」のテキストについて

(1)1の類型の「一般小児科医・精神科医」に対応する研修テキストを作成した。
本テキストは、専門研修中の小児科医・精神科医及び専門医としての研修を修了し、第一線で診療に当たる一般の医師に対して、子どもの心の診療に関する一定の専門的知識を提供することで、専門性の向上を図ることを目的としたものである。

(2)2の類型の「子どもの心の診療を定期的に行っている小児科医・精神科医」に対応するより高度なレベルの共通テキストを作成した。
これらテキストについては、平成19年度において、小児科医・精神科医に対して幅広く配布を行う予定であるが、関係者が子どもの心の診療に関する様々な研修等を行う際に、活用することが期待される。

なお、参考として、本報告書の巻末には「子どもの心の診療医」の養成に係る周辺課題についての検討会委員の意見集及び「子どもの心の診療医」の養成のための関係者の現在の取組と活動状況を掲載した。


「子どもの心の診療医」の養成に関する検討会
報告書

目次

I.はじめに(PDF:118KB)
表1「子どもの心の問題」に関する受診理由
表2どのような「心の問題」があるのか

II.「子どもの心の診療医」の養成について(PDF:434KB)

1.「子どもの心の診療医」について
図1「子どもの心の診療医」イメージ図

2.「子どもの心の診療医」の到達目標について

3.「子どもの心の診療医」のテキストについて

III.「子どもの心の診療医」の養成方法について
(1〜6ページ(PDF:322KB)、 7ページ(PDF:551KB) 全体版(PDF:872KB))

1.子どもの心の診療に専門的に携わる医師の養成のために行うべきこと

2.子どもの心の診療を定期的に行っている小児科医・精神科医の養成のために
行うべきこと

3.一般の小児科医・精神科医の養成のために行うべきこと
(1)小児科及び精神科の専門研修(卒後臨床研修修了後の研修)と生涯教育
(2)卒前教育(医学部教育)
(3)卒後研修

図2 「子どもの心の診療医」の養成研修モデル

参考1「子どもの心の診療医」の養成の現状(PDF:139KB)
1.子どもの心の診療に専門的に携わる
医師のための研修(専門レジデント研修等)の現状
2.子どもの心の診療を定期的に行っている
小児科医・精神科医のための研修・生涯教育の現状
3.一般の小児科医・精神科医のための研修の現状
(1)小児科・精神科の一般専門教育の現状
(2)生涯教育の現状
(3)卒前教育(医学部教育)の現状
(4)卒後研修の現状

参考2  子どもの心の診療のための教育・研修の到達目標について
(1ページ(PDF:532KB)、 2ページ(PDF:445KB)、 3ページ(PDF:493KB)、 4ページ(PDF:44KB)、 5ページ(PDF:486KB)、 6ページ(PDF:48KB)、 7ページ(PDF:524KB)、 8ページ(PDF:40KB)、 全体版(PDF:2,605KB))

図3子どもの心の診療医のための教育・研修の到達目標(イメージ)

0.卒前教育(医学部教育)と卒後研修(卒後臨床研修)
【卒前教育(医学部教育)】
0−A)一般到達目標
0−B)個別到達目標
【卒後研修(卒後臨床研修)】

1.一般の小児科医・精神科医
【小児科】
1−A)一般到達目標
1−B)個別到達目標
【精神科】
1−C)一般到達目標
1−D)個別到達目標

2.子どもの心の診療を定期的に行っている小児科医・精神科医
2−A)一般到達目標
2−B)個別到達目標

3.子どもの心の診療に専門的に携わる医師
3−A)一般到達目標
3−B)個別到達目標

資料1  委員からの意見:
「子どもの心の診療医」の養成に係る周辺課題について(PDF:129KB)

資料2  アンケート調査結果:
「子どもの心の診療医」の養成に関する関係者の取組について(PDF:23KB)
(社)日本小児科学会(PDF:51KB)
(社)日本精神神経学会(PDF:86KB)
(社)日本医師会(PDF:36KB)
(社)日本小児科医会(PDF:70KB)
(社)日本精神科病院協会(PDF:42KB)
日本小児神経学会(PDF:105KB)
日本小児精神神経学会(PDF:53KB)
日本小児心身医学会(PDF:60KB)
日本児童青年精神医学会(PDF:41KB)
全国児童青年精神科医療施設協議会会員施設(PDF:102KB)
日本小児総合医療施設協議会(PDF:12KB)
国立成育医療センター  こころの診療部(PDF:50KB)
国立精神・神経センター(PDF:90KB)
全国医学部長病院長会議(PDF:54KB)

資料3  「子どもの心」の診療に専門的に携わる医師のための研修
(専門レジデント研修等)の例
国立精神・神経センター国府台病院(PDF:171KB)
国立成育医療センター(PDF:115KB)

資料4  「子どもの心の診療医」の養成に関する検討会委員名簿(PDF:29KB)

資料5  「子どもの心の診療医」の養成に関する検討会開催経緯(PDF:24KB)

別添1一般小児科医のためのテキスト目次
「一般小児科医に望まれる子どもの心の診療(仮題)」(PDF:90KB)

別添2  一般精神科医のためのテキスト目次
「子どもの心の診療医の養成に関する一般精神科医向けの研修テキスト(仮題)」(PDF:76KB)

別添3  定期的に専門的診療を行う医師のためのテキスト目次
「子どもの心の診療医の専門研修用テキスト」(仮題)」(PDF:130KB)

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