厚 生 労 働 省 発 表
平成19年2月14日




厚生労働省労働基準局安全衛生部
   化学物質対策課長      平野  良雄
   化学物質情報管理官   和田     訓
       電話 03−5253−1111  内線5515
       夜間直通 03−3502−6756


鉄鋼業・非鉄金属製造業の設備で使用されるジョイントシートガスケット等の非アスベスト化について



  アスベスト含有製品については、労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(平成18年政令第257号。平成18年9月1日施行)により全面禁止されたところですが、国民の安全上の観点等から非アスベスト化には実証試験が必要である鉄鋼業、非鉄金属製造業等の施設で使用される特殊な用途のジョイントシートガスケット等については、製造等の禁止が猶予され、改正政令にポジティブリストとして掲げられています。
  これらのポジティブリストに掲げられた製品についても早期の非アスベスト化を図るため、その代替化を指導してきたところです。
  その結果、今般、関係業界団体から下記の製品について実証試験等により代替化が可能となった旨報告を受けたところであります。厚生労働省ではこの報告を踏まえ、これらの製品について製造等を禁止するため、規格・基準の制定又は改正に係るアクションプログラムの手続を開始したところであり、今後所定の手続を行うこととしています。
  なお、今回の見直し後もポジティブリストに残る製品についても、引き続き、各関係業界団体等で実証試験等を行い代替化に向けての検討が行われており、厚生労働省においては、今後とも早期に代替化が行われるよう指導していくこととしています。
代替化が可能となり、ポジティブリストから除外する製品
.国内の既存の鉄鋼業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるジョイントシートガスケットで、250℃以上の高炉ガス、コークス炉ガスを取り扱う部分に使用されるもの
.国内の既存の非鉄金属製造業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるジョイントシートガスケットで、450℃以上の亜硫酸ガスを取り扱う部分に使用されるもの
.国内の既存の鉄鋼業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるグランドパッキンで500℃以上の転炉、コークス炉ガスを取り扱う部分に使用されるもの

別添
ポジティブリストの見直しについて


  現在、製造等禁止が猶予されている製品のうち、下記ポジティブリストの1のハ、1のニの一部及び4のロについて削除する。(下線部分)
  製品名 用途・条件
ジョイントシートガスケット
  国内の既存の化学工業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので100℃以上の温度の流体又は3MPa以上の圧力の流体を取り扱う部分に使用されるもの
  国内の既存の化学工業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので径1500 mm以上の大きさのもの
  国内の既存の鉄鋼業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので、250℃以上の高炉ガス、コークス炉ガスを取り扱う部分に使用されるもの
  国内の既存の鉄鋼業の用に供する施設又は非鉄金属製造業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので、450℃以上の硫酸ガス、亜硫酸ガスを取り扱う部分に使用されるもの
  国内において製造される潜水艦に使用されるもの
うず巻き形ガスケット   国内の既存の化学工業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので400℃以上の温度の流体又は300℃以上の温度の腐食性の高い流体(pH2.0以下又はpH11.5以上のもの、溶融金属ナトリウム、黄りん又は赤りん)、浸透性の高い流体(塩素ガス、塩化水素ガス、フッ素ガス、フッ化水素ガス又はヨウ素ガス)、酸化性の流体(硝酸、亜硝酸、硫酸、クロム酸又はそれぞれの塩)を取り扱う部分に使用されるもの
メタルジャケット形ガスケット   国内の既存の鉄鋼業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので1000℃以上の高炉送風用熱風を取り扱う部分に使用されるもの
グランドパッキン
  国内の既存の化学工業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので400℃以上の温度の流体又は300℃以上の温度の酸化性の流体(硝酸、亜硝酸、硫酸、クロム酸又はそれぞれの塩)を取り扱う部分に使用されるもの
  国内の既存の鉄鋼業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので500℃以上の転炉、コークス炉ガスを取り扱う部分に使用されるもの
  国内において製造される潜水艦に使用されるもの
断熱材   国内において製造されるミサイルに使用されるもの
原材料   1〜5の製品の原料又は材料として使用されるもの
労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(平成18年政令第257号)附則第3条

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