平成18年12月20日
《照会先》
・厚生労働省健康局生活衛生課
 山田、佐野 (代表03-5253-1111)
 (内線2433・2439)(直通3595-2301)


産業活力再生特別措置法に基づく「事業再構築計画」の認定について


 厚生労働省は、産業活力再生特別措置法に基づき、株式会社上越観光開発から提出された「事業再構築計画」を認定した。

 認定制度の概要
 産業活力再生特別措置法は、我が国に存する経営資源の効率的な活用を通じて生産性の向上を実現するため、事業者が実施する事業再構築を円滑化するための措置等及び新事業の開拓を支援するための措置を講じ、我が国産業の再生を速やかに実現することを目的としている。
 同法に基づき、事業者が事業計画(当該事例においては、「事業再構築計画」)を作成し、主務大臣(その事業を所管する大臣として厚生労働大臣)の認定を受けた場合に、登録免許税の軽減などの税制の特例、会社法の特例(手続の簡素化)等の利用が可能となる制度である。

 認定企業の概要
(1)企業名等
 株式会社上越観光開発
 (新潟県南魚沼市樺野沢112番地1 代表取締役 峠 重幸)
(2)事業計画の種類及び概要
 事業計画の種類:「事業再構築計画」
 事業計画の概要
 株式会社上越観光開発は、株主であるJoetsu Investments Limitedより債権放棄及びデット・エクイティ・スワップ(債権の現物出資)を受けることで、過剰な有利子負債を削減し、財務体質を強化する。
 経営基盤を強化する方策としては、地元の豊かな自然資源と食材を有効活用し、安全と安心、癒し及びヘルシーをコンセプトとした新商品を提供するための設備投資を実施する。また、運営を委託されているホテルグリーンプラザ上越については、ホテル運営支援会社より運営ノウハウの提供を受け、マーケティング強化を図ることやホテル管理システム(イールド・マネジメント)の導入等により、収益力の向上を図ることとしている。

○株式会社上越観光開発の概要
   所在地新潟県南魚沼市樺野沢112番地1
   代表者代表取締役社長 峠 重幸
   設立日昭和52年7月
   資本金7,000万円
   事業内容リゾート施設の運営等



認定事業再構築計画の内容の公表


1 認定した年月日 平成18年12月20日

2 認定事業者名 株式会社上越観光開発

 認定事業再構築計画の目標
 (1) 事業再構築に係る事業の目標
 株式会社上越観光開発(以下「当該社」という。)は、冬場に上越国際スキー場、夏場にプールなどの上越国際プレイランドとホテルグリーンプラザ上越を運営している。当該社は、過去に本業以外への投資等に失敗し、多額の負債を負いながらも事業を続けてきたが、平成16年10月に発生した中越地震及び平成16年、平成17年と2年続きの豪雪の影響により、資金繰りに支障を来すこととなり、新たな設備投資ができない状況となった。
 当該社は、主力銀行であるUFJ銀行(現三菱東京UFJ銀行)管理下のもと再建を進めてきたが、債権及び株式は、Joetsu Investments Limitedに譲渡され、新たな株主のもとで、再建に着手することとなった。
 この度、当該社は、Joetsu Investments Limitedより債権放棄及びデット・エクイティ・スワップ(債権の現物出資)(約40億円)を受けることで財務の健全化を図り、ちびっ子プールや遊歩道の新設などの設備投資を行うとともに、地元の食材を活かしたメニューを開発し、安全と安心、癒し及びヘルシーをコンセプトとした四季折々の新商品を提供していくこととしている。
 さらに、ホテル運営面においても、株式会社パノラマ・ホスピタリティより運営ノウハウの提供を受け、マーケティングの強化、イールドマネジメント(ホテル管理システム)を導入することで企業価値を高め経営基盤の強化を図ることとしている。

 (2) 生産性及び財務内容の健全性の向上を示す数値目標
(1) 生産性向上基準について
 本事業再生計画の実施により、3年経過後の決算期である平成21年12月期には経常利益率を47.29%ポイント向上させることを目標とする。
(2) 財務健全性向上基準について
 本事業再生計画の実施により、3年経過後の決算期である平成21年12月期には有利子負債をキャッシュフローの5.9倍とすることとしており、平成21年度における経常収入は経常支出を上回る(経常収支比率は116.2%)予定である。

 事業再構築の内容
 (1) 事業再構築に係る事業の内容
(1) 中核的事業
 リゾ−ト施設の運営(春夏秋のプレイランド、冬のスキー場、温泉とレストランの経営等)

(2) 選定理由
 当該社は、冬場のスキー客に知名度の高い「上越国際スキー場」や夏場に数万人の利用客が見込めるプレイランド等の施設資源、地元の魚沼産コシヒカリをはじめとする豊かな食材と敷地内に掘削した温泉及びスキー場に隣接する自然資源、そして地元の誠実で真面目な人的資源などを有している。
 これらの恵まれた資源をさらに有効活用する仕組みを作り、株式会社パノラマ・ホスピタリティの運営支援のもと、安全と安心、癒し及びヘルシーをキーワードに新メニューなど、そのコンセプトに合致した新たな商品をもてなしの心を持って提供することにより、さらに収益力の高い通年型リゾート施設の運営が可能と考え、これを中核的事業と位置づけることとした。

(3) 事業再構築に係る事業の内容
 事業の構造の変更
 当該社は、Joetsu Investments Limitedによる1億円の債権放棄及び約40億円のデット・エクイティ・スワップ(債権の現物出資)による金融支援を受ける。

 事業革新
 通年型リゾートとして安全と安心、癒し及びヘルシーをキーワードに、そのコンセプトに合致した新たな商品と役務を提供する。具体的には、子供、特に未就学幼児とその家族に安全と新たな喜びを提供できるプール施設として、安全面に配慮した安心して楽しめる「ちびっこプール」を新設する。
 また、ホテル敷地内の、積雪の冬季を除いて花と草木を愛でつつ、ゆったり、ゆっくりと散歩が楽しめる遊歩道を作り、食前食後、入浴前後など、終日、散歩を安心して楽しむ空間を提供する。
 経営管理面においては、ホテル運営について、株式会社パノラマ・ホスピタリティより運営ノウハウの提供を受け、マーケティング等の改善を図る。さらに、イールドマネジメントシステムを新たに導入し、収益向上を図る。
 これらの「事業革新」施策により増加する売上高は、平成21年12月期には、全売上の4.45%とすることを目標とする。

 (2) 事業再構築を行う場所の住所
新潟県南魚沼市樺野沢112番地1
株式会社上越観光開発

 (3) 事業再構築を実施するための措置の内容
別表のとおり

 (4) 事業再構築の実施時期
事業再構築の開始時期及び終了時期
 開始時期:平成19年1月
 終了時期:平成21年12月

 事業再構築に伴う労務に関する事項
 (1) 事業再構築の開始時期の従業員数(平成18年12月末時点)
65名

 (2) 事業再構築の終了時期の従業員数(平成21年12月末)
77名

 (3) 事業再構築に充てる予定の従業員数
77名

 (4) (3)中、新規に採用される従業員数
31名

 (5) 事業再構築に伴い出向または解雇される従業員数
 出向予定人員数 なし
 転籍予定人員数 なし
 希望退職の募集予定人員数 なし
 解雇予定人員数 なし



別表


事業再構築の措置の内容
措置事項 実施する措置の内容及びその実施する時期 期待する支援措置
事業の構造の変更    
  資本の相当程度の増加による中核的事業の開始、拡大又は能率の向上
(1)増加前資本金:0.7億円
(2)増加する資本金:6億4千5百万円(余剰金:33億5千5百万円)
(3)資本の減少:6億1千5百万円
(4)増資の方法:Joetsu Investments Limitedのデット・エクイティ・スワップによる債権の現物出資(40億1百万円)

(5)増資の時期:平成18年12月31日

租税特別措置法第80条1項1号(認定事業再構築計画等に基づき行う登記の税率の軽減)
事業革新    
  第2条第2項第2号ロ  事業革新として、安全と安心、癒し及びヘルシーをキーワードに、そのコンセプトに合致した新たな商品と役務を提供。

ちびっ子プールと足湯を新設し一家で楽しめるサービスを提供・遊歩道を新設し、トレッキングと温泉、ヘルシーメニューとの相乗効果のある商品を提供
ホテル運営支援会社の活用
イールドマネジメントなど経営管理システムの高度化による顧客管理

これらの施策により増加する売上高は平成21年度の売上高の4.45%とすることを目標とする
 

トップへ