平成18年4月28日
厚生労働省医薬食品局
審査管理課化学物質安全対策室
室長  佐々木(内線2421)
担当  野村(内線2910)田中(内線2424)
電話  03−3595−2298(直通)


金属製アクセサリー類等に含有する鉛量に関する試買調査(概要)


 経緯
 米国・消費者製品安全委員会(Consumer Product Safety Commission, CPSC)より、2005年2月3日付けで「鉛を含有する子供用装身具に対する暫定指針」が発表された。また、カナダ保健省及び米国CPSCより、それぞれ鉛を含有する子供用アクセサリーについて製品の自主回収に関する発表が行われた。
 そのため、日本における鉛を含有する金属製アクセサリー類等の市販状況を把握するために、国立医薬品食品衛生研究所において試買調査を実施することとした。

 国立医薬品食品衛生研究所における調査結果の概要
(1)  調査対象
   東京都内の百円ショップ、ディスカウントショップ、スーパーマーケット、DIY用品専門店、玩具専門店、デパート等の店舗において、北米で自主回収の対象となった製品を参照しながら、金属製アクセサリー類(ペンダント、ピアス等)・アクセサリー部品、ストラップ、キーホルダー、ミニカー等で、価格が百円〜千円のものを試買した。
 製品の製造国について、表示によると韓国、中国、日本の順で多いが、不明のものが31.6%あった。

(2)  蛍光X線分析法(XRF)による鉛含有量の調査
   当調査では、X線を物質に照射するときに放出される蛍光X線を測定することにより、製品表面の鉛の含有量を分析する蛍光X線分析法(XRF)により調査を行った。

製品数 検体数 製品表面の鉛含有量
50%以上 0.06%超50%未満 0.06%以下
140 171 3 87 81
注) 複数の金属部品からなる製品については部品ごとに測定を実施したため、製品数よりも検体数が多くなっている。
0.06%はCPSCによる暫定指針中の基準値

(3)  製品表示の状況
   調査を実施した140点のいずれの製品においても、鉛含有に関する表示は記載されていなかった。
一方、子供の誤飲等に関する注意表示については、140点中52点(37.1%)に記載されていた。

(4) 溶出試験
   140製品(171検体)のうち、(1)鉛含有量が0.06%超であるもの、(2)切断等の損傷が目視で確認できなかったもの、(3)日本玩具協会による基準に規定する楕円通過ゲージ(短径35mm、長径50mm)及び円通過ゲージ(内径42.7mm)を通過できるものという3つの条件を満たしたもの、71検体を溶出試験検体とし、米国CPSCの暫定指針に定める方法に準じ、溶出試験を行った。

製品数 検体数 鉛溶出量
  175μg 175μg以下
66 71   39 32
注) 175μgはCPSCによる暫定指針中の基準値

トップへ