厚生労働省発表
平成18年2月1日
〈照会先〉
 厚生労働省雇用均等・児童家庭局
 母子保健課
 担当:河野,尾高
 電話:03-5253-1111(内線7934)


「妊産婦のための食生活指針」の策定について


 近年、若い女性において食事の偏りや低体重(やせ)の者の割合が増加するなど健康上の問題が指摘されており、妊娠期及び授乳期においても、母子の健康の確保のために適切な食習慣の確立を図ることが極めて重要な課題となっている。
 特に、妊娠期の適切な体重増加量については、低出生体重児の増加傾向との関連が示唆されることなどから、妊娠中の体重増加量が一律に抑制されることのないよう、肥満ややせといった妊婦個々の体格に配慮した対応が求められている。
 このため、厚生労働省では、学識経験者等に参集を求め、昨年2月より『「健やか親子21」推進検討会』(座長:裄V正義 日本子ども家庭総合研究所副所長)を開催し、その中で「食を通じた妊産婦の健康支援方策研究会」(座長:吉池信男 独立行政法人国立健康・栄養研究所研究企画・評価主幹)を立ち上げ、妊娠期及び授乳期における望ましい食生活の実現に向け、何をどれだけ食べたらよいかをわかりやすく伝えるための指針とともに、妊婦個々の体格に応じて適切な体重増加量が確保されるよう、その目安について検討を行ってきた。
 このたび、「妊産婦のための食生活指針」(「健やか親子21」推進検討会報告書)として、とりまとめられたので、その内容を公表する。



妊産婦のための食生活指針について(概要)


(1)「妊産婦のための食生活指針」作成の基本的考え方について
 ○対象は、妊産婦とするが、妊娠前からの食生活の重要性が再認識されることも視野に入れて検討に取り組む。
 ○指針については、妊産婦の方々にとって具体的でわかりやすい内容とする一方で、保健医療従事者等の指導者が活用する際の参考となるよう、科学的根拠に基づき解説を加える。
 ○指針の骨格となる健康づくりのために望ましい食事については、「日本人の食事摂取基準(2005年版)」及び「食事バランスガイド」*を基本とし、「妊産婦のための食事バランスガイド」の提示に向けて検討を行う。
健康な成人が摂取すべきエネルギーや栄養素量に基づき、食事の望ましい組合せや量をわかりやすくイラストで示したものであり、平成17年に厚生労働省及び農林水産省で決定。
 ○妊娠期における望ましい体重増加量については、各種調査研究結果から、非妊娠時の体格及び妊娠中の体重増加量と、出生児の体重及び妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)、帝王切開、分娩時大量出血などの状況との関連を分析し、検討を行うとともに、別途解説を加える。

(2)「妊産婦のための食生活指針」の内容について
 ○指針については、妊産婦が注意すべき食生活上の課題を明らかにした上で、妊産婦に必要とされる食事内容とともに、妊産婦の生活全般、からだや心の健康にも配慮し、9項目から構成。
 ○健康づくりのために望ましい食事については、なにをどれだけ食べたらよいかをわかりやすくイラストで示した「食事バランスガイド」に、妊娠期・授乳期に付加すべき(留意すべき)事項を加えた「妊産婦のための食事バランスガイド」を作成。
 ○妊娠期における望ましい体重増加量については、「妊娠期の至適体重増加チャート」として、非妊娠時の体格区分別に「妊娠全期間を通しての推奨体重増加量」及び「妊娠中期から末期における1週間あたりの推奨体重増加量」を作成。

(3)「妊産婦のための食生活指針」の普及啓発について
 ○保健医療従事者等の指導者向けに、解説を加えた報告書を作成するとともに、妊産婦の方々向けに、リーフレット(外面(PDF:1076KB) 内面(PDF:1577KB)) を作成。
 ○これらについては、地方公共団体及び関係団体に送付するとともに、厚生労働省及び「健やか親子21」等のホームページにおいて情報提供を行う。



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