平成17年12月15日
厚生労働省医薬食品局安全対策課
 課長 中垣 俊郎(内線2747)
 課長補佐 渡邊 伸一(内線2748)


タミフル服用後の死亡例について


 タミフル服用後の小児の死亡例については、いずれの事例もタミフルとの因果関係は否定的である旨、本年11月30日に「新型インフルエンザに関するQ&A」として公表したところですが、今般、小児の死亡例に加え、成人の死亡例とタミフルとの因果関係等についても同Q&Aに掲載することとしましたので、お知らせします。


(別添)
  新型インフルエンザに関するQ&A(12月15日改訂)より該当部分を抜粋



(別添)
新型インフルエンザに関するQ&A(抜粋)


平成17年11月15日
(同年11月30日改訂)
(同年12月15日改訂)


(新)IV-7 タミフルを服用した後の成人の死亡例も報告されているようですが、厚生労働省としては、タミフルの安全性についてどのように考えているのですか。

Answer
 タミフルを服用した成人(17歳以上)の死亡が報告されていますが、専門家の意見も聞いたところ、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)※1及び腎不全※2による死亡2例については因果関係を否定できないものの、それ以外の24例についてはタミフルと死亡との因果関係は否定的であるとされています※3
 タミフルの服用に伴い中毒性表皮壊死症及び腎不全がごくまれにあらわれることについては、添付文書の使用上の注意にそれぞれ平成14年10月及び平成15年7月に記載し、注意を喚起しているところです。
 したがって、厚生労働省としては、現段階でタミフルの安全性に重大な懸念があるとは考えていません。
 医師の指示に従って適切に服用するとともに、副作用の症状があらわれたときは、医師、薬剤師に相談して下さい。
  ※1 中毒性表皮壊死症は、一般用医薬品を含めた多くの医薬品においてごくまれにあらわれる副作用として報告されています。医薬品・医療機器等安全性情報No.218(https://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/10/h1027-1.html)の「2.医薬品による重篤な皮膚障害について」を御参照下さい。
  ※2 タミフルと腎不全との因果関係が否定できない事例が、これまでに10例(死亡例は本例のみ)報告されています。
  ※3 タミフル発売(平成13年2月)後に厚生労働省に報告された事例については上記のとおりですが、これとは別に、タミフルの製造販売業者は、そもそもタミフルとの因果関係がないものとして死亡8例を把握していると聞いています。


(参考:タミフルの有用性について)

  (1)医薬品は、人体にとって本来異物であり、何らかの副作用が生ずることは避け難いものです。このため、治療上の効能・効果と副作用の両者を考慮した上で、医薬品の有用性が評価されるものです。
  (2)タミフルについては、
 WHOや欧米においても、インフルエンザに有効な医薬品は実質的にタミフルしかなく、新型インフルエンザ対策の重要な柱として位置付けられており、
 タミフルとの因果関係を否定できない死亡例が上記のとおり報告されていますが、ごく限られたものです。
 (注)昨年冬のインフルエンザ・シーズンにおけるタミフルの国内供給量は約860万人分。
  (3)したがって、タミフルは医薬品として高い有用性が認められるものであり、通常のインフルエンザ及び新型インフルエンザ対策の上で、必須の医薬品と考えられています。

トップへ