三菱化学株式会社及び三菱ウェルファーマ株式会社の産業活力再生
特別措置法に基づく事業再構築計画の認定について
三菱化学株式会社及び三菱ウェルファーマ株式会社から提出された「事業再構築計画」について、平成17年9月22日付けで認定を行いました。
この計画において、三菱化学株式会社及び三菱ウェルファーマ株式会社は、株式移転により共同持株会社を設立することにより、両社の独自性を保ちつつ、事業戦略をより機動的・弾力的に実現できる体制を整え、企業価値の向上を図ることを予定しています。 |
1 |
.認定計画の概要
三菱化学株式会社及び三菱ウェルファーマ株式会社から平成17年9月7日付けで提出された「事業再構築計画」について、産業活力再生特別措置法第3条第6項の規定に基づき審査した結果、同法第2条第2項第1号に規定する事業の構造の変更及び同条第2項第2号に規定する事業革新を行う者として、同法で定める認定要件を満たすと認められたため、本年9月22日付けで事業再構築計画の認定を行いました。
同社は、今回の認定により、登録免許税の軽減措置を受けることが可能となります。
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2 |
.事業再構築の実施時期
開始時期 平成17年10月 〜 終了時期 平成19年3月
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3 |
.申請者の概要
名称 |
: |
三菱化学株式会社 |
資本金 |
: |
145,086百万円 |
代表者 |
: |
代表取締役 冨澤 龍一 |
本社所在地 |
: |
東京都港区芝五丁目33番8号
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名称 |
: |
三菱ウェルファーマ株式会社 |
資本金 |
: |
30,560百万円 |
代表者 |
: |
代表取締役 小峰 健嗣 |
本社所在地 |
: |
大阪府大阪市中央区平野町二丁目6番9号 |
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本件に関する問い合わせ先>
厚生労働省 医政局 経済課 担当:猪股、山本
電話: |
03−5253−1111(内線2530、2531) |
経済産業省 製造産業局 化学課 担当:田尻、東城
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平成17年9月22日
三菱化学(株)及び三菱ウェルファーマ(株)の事業再構築計画のポイント
三菱化学(株)及び三菱ウェルファーマ(株)は、株式移転により共同持株会社を設立することにより、両社の独自性を保ちつつ、事業戦略をより機動的・弾力的に実現できるような体制を整え、企業価値の向上を図る。
また、中核事業である機能商品事業及びヘルスケア事業において、これら事業の新商品によって収益性の向上を図る。
(1)株式移転による
共同持株会社の設立
(2) |
機能商品及びヘルスケア事業の新商品によって収益性の向上を図る。 |
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支援措置
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【生産性の向上】
【財務内容の健全化】
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有利子負債/キャッシュフロー 10倍以内 |
・ |
経常収支比率 100%以上 |
【事業革新】
・ |
機能商品事業及びヘルスケア事業における新商品の売上高を全売上高の1.5%以上とする。 |
【従業員の推移】
・ |
8,546名→8,264名(282人減)(新規採用431名) |
・ |
出向63名、転籍及び解雇の予定はない |
【計画の実施時期】
様式第三
認定事業再構築計画の内容の公表
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2. |
認定事業者名 |
三菱化学株式会社、三菱ウェルファーマ株式会社 |
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3. |
認定事業再構築の目標
(1) |
事業再構築に係る事業の目標
三菱化学株式会社(以下「三菱化学」という。)と三菱ウェルファーマ株式会社(以下「ウェルファーマ」という。)は、従来から三菱化学がウェルファーマの発行済株式の約59%(議決権の約61%)を保有する同一の企業グループを形成し、三菱化学のヘルスケアセグメントを中心とした技術情報の交換や人的交流を行いつつ、それぞれの事業を遂行してきました。
三菱化学は、平成14年4月にセグメント制を導入して、グループの中核企業として、自らの事業を遂行しつつグループ経営を行う事業持株会社制による経営を展開してきたところでありますが、一層の企業価値向上を図るためには、成長させるべき事業の選別とこれに対する重点的資源投入による事業ポートフォリオ改革を進め、各事業分野における集中と選択、アライアンス等の事業戦略をより機動的・弾力的に実現できるような体制を整えることが必要であるとの認識に基づき、グループ全体の事業ポートフォリオマネジメント機能(グループ戦略、経営資源の最適配分・最適活用等に関する意思決定を行う機能)と個別事業経営機能を分離した純粋持株会社への移行を検討してまいりました。
また、ウェルファーマは、昨今の医療費抑制策の拡大や外資系製薬企業の日本市場への攻勢などにより、わが国の製薬業界をとりまく環境がより一層厳しさを増してきており、これに対する対抗手段として同業の各社が合従連衡に活路を見出す方策を次々に実行しているとの現状認識のもと、ウェルファーマが目標として掲げた「国際創薬企業」への成長を早期に実現するためには、研究開発投資・海外事業基盤整備投資を拡充し、アライアンスを加速させることが必須と考え、そのための新たな枠組み作りを検討してきました。
このような状況のもと、両社は、三菱化学グループが保有する経営資源の有効活用とその最適配分を行い、三菱化学における成長戦略を遂行すると同時に、ウェルファーマの「国際創薬企業」としての成長・飛躍を促進するべく、アライアンスを早期に実現させるための機動性を確保することがグループの企業価値を向上させることに繋がると判断し、両社の完全親会社となる株式会社三菱ケミカルホールディングス(以下「持株会社」という。)を平成17年10月3日に設立することといたしました。
かかる体制のもと、三菱化学にあっては、事業ポートフォリオマネジメント機能の強化により各事業分野における選択と集中等の諸施策を積極的に推し進め、全体としての持続的な収益力の向上を目指してまいります。また、ウェルファーマにおいては、同社の経営陣が持株会社のボードメンバーに直接参画するなど、グループの中核事業としての医薬事業の位置づけを内外に対して明確化するとともに、グループトータルの財務基盤をもとに、従来のウェルファーマの枠を超えるアライアンスの選択肢の多様化と規模の拡大、さらには海外における事業基盤獲得のための新たな投資の可能性を追求することが可能となります。
このように、三菱ケミカルホールディングスグループは、その保有するあらゆる経営資源を有効に活用し、グループ全体の企業価値の向上を図ることを目標としております。
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(2) |
生産性の向上を示す数値目標
生産性の向上としては、平成18年度には平成16年度に比べて有形固定資産回転率を11.0%向上させることを目標といたします。 |
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4. |
認定事業再構築の内容
(1) |
事業再構築に係る事業の内容 |
(1) |
中核的事業
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(2) |
選定理由
三菱化学は、昨年末に策定した中期経営戦略において、石油化学事業、機能商品事業及びヘルスケア事業の3分野を柱として成長戦略を展開してゆくことといたしております。この中で、機能商品分野は、照明分野、液晶モニター、次世代記憶メディア、複写機・プリンター関連産業等を中心としたIT・情報電子産業が、今後とも急速に成長が見込まれる市場であり、このなかで常に優位な地位を確保するための技術開発力と新商品化率の向上を可能とする事業分野であります。また、ヘルスケア事業にあって、ウェルファーマの医薬事業は、売上高、収益、研究開発・販売投資など最大の事業であることから、この2事業分野を今回の事業再構築における中核事業として選定しました。
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(3) |
事業再構築に係る事業の内容
三菱化学及びウェルファーマは、共同株式移転の方法により両社の完全親会社となる株式会社三菱ケミカルホールディングスを平成17年10月3日(株式移転をなすべき時期は、同10月1日)に設立し、その傘下の完全子会社となります。
持株会社である株式会社三菱ケミカルホールディングスは、グループの全体戦略(ヘルスケア事業企画機能を含む)、資源配分、全体予算、トップ人事、子会社の事業執行の監督及び上場会社固有の業務執行(株式関係・インベスターリレーションズ・広報等)並びに監査等の内部統制機能を保有します。この機能のもと、両社は、機動的な経営及び相互の連携をこれまで以上に強化し、全体の企業価値の向上を図ってまいります。
(事業構造の変更:株式移転による持株会社の設立)
<株式移転により設立される会社>
名称: |
株式会社三菱ケミカルホールディングス |
住所: |
東京都港区芝5丁目33番8号 |
代表者: |
代表取締役 冨澤 龍一 |
資本金: |
500億円 |
設立日: |
平成17年10月3日(予定)
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<株式移転を行う会社> |
名称: |
三菱化学株式会社 |
住所: |
東京都港区芝5丁目33番8号 |
代表者: |
代表取締役 冨澤 龍一 |
資本金: |
145,086百万円
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名称: |
三菱ウェルファーマ株式会社 |
住所: |
大阪府大阪市中央区平野町2丁目6番9号 |
代表者: |
代表取締役 小峰 健嗣 |
資本金: |
30,560百万円
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株式移転比率 |
三菱化学(株) 1 : 3.13 三菱ウェルファーマ(株) |
(事業革新)
三菱化学及びウェルファーマの両社は、持株会社における経営戦略室及びヘルスケア戦略室が策定する集中・育成事業及び重点的研究開発等の戦略に沿って、事業ポートフォリオマネジメント機能強化により各事業分野における選択と集中を図ってまいります。
機能商品分野では、青色LEDから発光した青色光を赤色光に変換する蛍光体と緑色光に変換する蛍光体の開発に成功し、自然光に近い白色光を実現する高輝度白色LED用蛍光体の開発や、分子レベルでの設計・制御技術及び界面技術を駆使し、均質で耐久性のある色素の開発など、これまでの研究成果を基に光源、プリンタ用色素等のIT・情報電子産業に対する新規商品の市場展開を図ってまいります。
ヘルスケア事業分野においては、選択と集中をコンセプトとする営業戦略のもと、製品力を高めるための新薬の開発、効能追加・剤型追加を加速させるなど、製品価値の創出を図ってまいります。
上記により、三菱化学とウェルファーマにおける当該新商品売上高の合計は、平成18年度の両社合算の総売上高に対して1.5%以上とすることを目標といたします。
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(2) |
事業再構築を行う場所
株式会社三菱ケミカルホールディングス
本社 東京都港区芝5丁目33番8号
三菱化学株式会社
本社 東京都港区芝5丁目33番8号
三菱ウェルファーマ株式会社
本社 大阪府大阪市中央区平野町2丁目6番9号
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(3) |
関係事業者
該当なし
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(4) |
事業再構築を実施するための措置の内容
別表のとおり
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(5) |
事業再構築の実施時期
事業再構築の開始時期及び終了時期
開始時期: |
平成17年10月 |
終了時期: |
平成19年 3月 |
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(6) |
事業再構築に伴う労務に関する事項
(1) |
事業再構築の開始時期の従業員数 |
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三菱化学株式会社: |
4,874名 |
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三菱ウェルファーマ株式会社: |
3,672名 |
(2) |
事業再構築の終了時期の従業員数 |
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株式会社三菱ケミカルホールディングス: |
63名 |
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三菱化学株式会社: |
4,672名 |
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三菱ウェルファーマ株式会社: |
3,529名 |
(3) |
事業再構築に充てる予定の従業員数 |
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株式会社三菱ケミカルホールディングス: |
63名 |
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三菱化学株式会社: |
4,672名 |
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三菱ウェルファーマ株式会社: |
3,529名 |
(4) |
(3)中、新規に採用される従業員数 |
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株式会社三菱ケミカルホールディングス: |
なし |
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三菱化学株式会社: |
343名 |
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三菱ウェルファーマ株式会社: |
88名 |
(5) |
事業再構築に伴い出向または解雇される従業員数 |
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出向予定人員数: |
63名 |
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転籍予定人数: |
なし |
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解雇予定人員数: |
なし |
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(7) |
その他
該当なし |
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別表
事業再構築の措置の内容
措置事項 |
実施する措置の内容及びその実施する時期 |
期待する支援措置 |
事業の構造の変更 |
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株式移転による中核的事業の開始、拡大又は能率の向上 |
株式移転による持株会社の設立
〈株式移転により設立される会社〉
名称:(株)三菱ケミカルホールディングス
住所:東京都港区芝5丁目33番8号
代表者:代表取締役 冨澤 龍一
資本金:50,000百万円
<株式移転を行う会社>
名称:三菱化学(株)
住所:東京都港区芝5丁目33番8号
代表者:代表取締役 冨澤 龍一
資本金:145,086百万円
名称:三菱ウェルファーマ(株)
住所:大阪府大阪市中央区平野町2丁目6番9号
代表者:代表取締役 小峰 健嗣
資本金:30,560百万円
株式移転比率:
三菱化学(株)1:3.13 三菱ウェルファーマ(株) |
租税特別措置法第80条の2(認定事業再構築計画等に基づき行う登記の税率の軽減) |
事業革新 |
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第2条第2項第2号イ |
三菱化学及びウェルファーマの両社は、持株会社における経営戦略室及びヘルスケア戦略室が策定する集中・育成事業及び重点的研究開発等の戦略に沿って、事業ポートフォリオマネジメント機能強化により各事業分野における選択と集中を図ってまいります。
機能商品分野では、青色LEDから発光した青色光を赤色光に変換する蛍光体と緑色光に変換する蛍光体の開発に成功し、自然光に近い白色光を実現する高輝度白色LED用蛍光体の開発や、分子レベルでの設計・制御技術及び界面技術を駆使し、均質で耐久性のある色素の開発など、これまでの研究成果を基に光源、プリンタ用色素等のIT・情報電子産業に対する新規商品の市場展開を図ってまいります。
ヘルスケア事業分野においては、選択と集中をコンセプトとする営業戦略のもと、製品力を高めるための新薬の開発、効能追加・剤型追加を加速させるなど、製品価値の創出を図ってまいります。
上記により、三菱化学とウェルファーマにおける当該新商品売上高の合計は、平成18年度の両社合算の総売上高に対して1.5%以上とすることを目標といたします。 |
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