平成17年9月21日
厚生労働省医薬食品局食品安全部
 北島 新開発食品保健対策室長
 担当:調所、犬尾(内線2479)

高濃度にジアシルグリセロールを含む食品の安全性に関する
食品安全委員会への食品健康影響評価の依頼について


1.  今般、高濃度にジアシルグリセロールを含む食品の安全性に関する食品安全委員会への食品健康影響評価について、食品安全委員会に意見を求めましたのでお知らせします。

2.  ジアシルグリセロール(DAG)とは、グリセリンに2本の脂肪酸がエステル結合したもので、ほとんどの一般食用油にも数%程度は含まれている成分ですが、DAGには体に脂肪がつきにくい働きが認められており、高濃度のDAGを関与成分とする特定保健用食品が許可され、販売されています。
 高濃度にDAGを含む食品については、平成15年に薬事・食品衛生審議会において安全性、有効性が確認され、特定保健用食品として認められたところですが、「念のために、より感度の高いラット等を用いた二段階試験を追加的に行うこと」とされました。さらに、食品安全委員会からも薬事・食品衛生審議会による安全性審査は妥当とした上で、二段階試験の結果を食品安全委員会にも報告するよう求められました。
 これを受けて、平成15年度から実施した厚生労働科学特別研究「ジアシルグリセロールの発がんプロモーション作用に関する研究」において、がんになりやすいように遺伝子を組換えた特殊なラットを用いて調査した結果、雄の舌に発がんプロモーション作用が示唆されました。ただし、雌の遺伝子組換えラットと普通のラット(雄、雌とも)にはそのような作用は認められておらず、「健康危険情報については結論しえない。追加実験が望まれる」とされました。
 この中間的な研究結果については、その要旨を本年8月4日に食品安全委員会に報告しているところですが、その後、厚生労働省において、追加試験を計画する過程で、DAGに関する内外の新たな知見を入手しました。また、一部の消費者からは、中間的な研究結果に対する関心が寄せられております。このような状況から、今般、現時点における高濃度にDAGを含む食品の食品健康影響評価を依頼しました。

3.  今後は、食品安全委員会の食品健康影響評価を受けて、国民に十分な情報提供を行うほか、適切なリスク管理措置を講じていくこととしています。

〔参考〕
高濃度にジアシルグリセロール(DAG)を含む食品の食品健康影響評価依頼に係るQ&A
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/050921-1.html


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