厚生労働省発表
平成17年7月29日(金)
労働基準局労災補償部
 労災管理課長  及川  桂
 補償課長  明治 俊平
  電話 5253−1111 (内線)5569
  夜間直通 3502−6750

石綿ばく露作業に係る労災認定事業場一覧表の公表について


 厚生労働省においては、労災保険の運営を通じて事業場毎の労災認定に関する情報を把握しているところであるが、今回、石綿による健康障害について国民の不安が高まっている状況に鑑み、本日の「アスベスト問題に関する関係閣僚による会合」における当面の対応策のとりまとめを受けて、石綿ばく露作業による肺がん又は中皮腫の労災認定を受けた労働者が所属していた事業場の名称等の情報を、別添(PDF:139KB)のとおり公表する。
 なお、今回公表するのは、平成11年度から16年度までの間に行われた労災認定に関するものであり、平成10年度以前に労災認定が行われたものに関しても、現在追加調査を行っており、調査結果がまとまり次第公表を予定している。
 公表の趣旨及び労災認定事業場一覧表の概要は以下のとおりである。

 公表の趣旨
 今回公表するものは、平成11年度から16年度までの間に、全国の労働基準監督署において石綿による肺がん又は中皮腫の労災認定を受けた労働者が所属していた事業場に関する一覧表である。
 今回公表することとしたのは、石綿による健康障害について国民の不安が高まっている現状を踏まえるならば、現時点において
(1) 公表対象事業場でこれまで業務に従事したことがある方に対し、石綿ばく露作業に従事した可能性があることを注意喚起する
(2) 周辺住民の不安等の社会的関心が高まる中で「周辺住民」となるか否かの確認に役立ててもらう
(3) 関係省庁及び地方公共団体等における石綿被害対策の取組みに役立ててもらう
といったことができる有益な情報を広く国民に提供することが重要であり、本件一覧表は、そのための情報として欠くことができないものであると判断したためである。

 公表対象事業場数   383 事業場 (労災認定件数:531件)





公表事業場 234事業場
事業場不明 34事業場
特別加入者 20
調査中 95事業場





 なお、調査中の95件の事業場は、現段階において調査が完了できなかったものの総数であり、今後行う平成10年度以前の事業場の追加調査結果の公表とあわせて公表する予定である。

 公表する事業場情報
(1) 事業場を所轄する労働局及び労働基準監督署の名称
(2) 事業場の名称
(3) 石綿ばく露作業状況
(4) 労災認定件数(肺がん、中皮種別)
(5) 事業場における石綿取扱い期間
(6) 現在の石綿取扱い状況
(7) 特記事項

 公表対象事業場に関する留意事項
(1) 公表対象となった事業場のうち、製造業の事業場は、通常その事業場は石綿作業場所と同一である。ただし、その事業場が、窯業又は土石製品製造業、船舶製造業等の構内下請け事業場である場合は、通常その事業場の所在地(事務所)と実際に石綿作業を行った場所(元方の事業場)とが異なり、公表対象となった事業場においては石綿作業が行われてないことに留意する必要がある。
(2) 建設業の事業場の場合には、通常、その事業場の所在地(事務所)と異なる場所(現場)で石綿作業が行われており、公表対象となった事業場の所在地は、石綿の飛散のおそれのない場所であることに留意する必要がある。
(3) 建設労働者の多くは、事業場を転々としながら多数の建設現場で就労する中で石綿作業に従事しており、とりわけ石綿作業においては、30年〜40年もの潜伏期間の後に疾病が発症することから、最後に石綿作業に従事した現場を持つ事業場において労災認定を行うよう処理している。そのため、建設業の事業場については、実際の現場での石綿ばく露はごくわずかであったにもかかわらず、その現場を持つ事業場として公表対象となった事業場があることに留意する必要がある。

 一覧表の構成
 事業場一覧表(第1表(PDF:224KB) 第2表(PDF:180KB) 船員(PDF:50KB))は、製造業、倉庫内作業、その他の各種事業のように石綿作業が特定の場所において継続的に行われていたと認められる事業場の一覧表(第1表)と、石綿作業が行われていたと認められる現場を持つ建設業の事業場一覧表(第2表)から構成されている。
 したがって、第1表は、主として(1)公表対象となった事業場でこれまで業務に従事していたことがある方に対し、石綿ばく露作業に従事した可能性があることを注意喚起するとともに、(2)周辺住民の不安等の社会的関心が高まる中で、「周辺住民」となるか否かの確認に役立ててもらうという観点から、また、第2表は、主として公表対象となった事業場にこれまで従事したことがある方に対し、石綿ばく露作業に従事した可能性があることを注意喚起するという観点から公表するものであることに留意する必要がある。

 集計結果
 事業場一覧表(第1表及び第2表)の業種別事業場数及び労災認定件数は、別紙「石綿ばく露による肺がん、中皮腫労災認定業種別件数(平成11年度〜16年度)」(PDF:60KB)のとおりである。
 業種別に労災認定された事業場数をみると、製造業48.6%、建設業43.9%であり、両業種で全体の92.5%を占めている。
 さらに、製造業の中では、船舶製造業(修理業を含む)、窯業又は土石製品製造業の順で労災認定された事業場数が多く、両業種で製造業全体の48.9%となっている。

 相談窓口の活用等 (PDF:192KB)
 今回の公表された情報に関する各種問い合わせや労災保険等に関する相談については、都道府県労働局、労働基準監督署の相談窓口(PDF:167KB)で受け付ける。
 また、石綿に係る健康相談については、保健所、労災病院、産業保健推進センター等の相談窓口で受け付けている。
 なお、厚生労働省では「過去に在籍していた事業場で石綿作業に従事していた方」及び「現在在籍している事業場で石綿を取り扱う作業等に従事していた、又は従事している方」に対して、健康診断の受診勧奨及び健康管理手帳制度、労災補償制度の周知を図るための情報を厚生労働省ホームページ上で公表しているところである。




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