報道発表資料   トピックス   厚生労働省ホームページ
医薬品・医療機器等安全性情報
Pharmaceuticals and Medical Devices
Safety Information No.215
目   次
  1. 重要な副作用等に関する情報
    1. エチオナミド
    2. エトドラク
    3. 塩酸ゲムシタビン
    4. オメプラゾール,オメプラゾールナトリウム
  2. 使用上の注意の改訂について(その167)
    チアプロフェン酸他(17件)
  3. 市販直後調査の対象品目一覧
この医薬品・医療機器等安全性情報は,厚生労働省において収集された副作用情報をもとに,医薬品・医療機器等のより安全な使用に役立てていただくために,医療関係者に対して情報提供されるものです。
平成17年(2005年)7月
厚生労働省医薬食品局

1.重要な副作用等に関する情報

 前号(医薬品・医療機器等安全性情報 No.214)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について,改訂内容,参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。

【1】 エチオナミド

販売名(会社名) ツベルミン錠(明治製菓)
薬効分類等 抗結核剤
効能効果 <適応菌種>
 本剤に感性の結核菌
<適応症>
 肺結核及びその他の結核症

使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
劇症肝炎,急性肝炎等の重篤な肝障害があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
販売開始後(約40年間)の関連副作用報告数
(「因果関係が否定できるもの」以外のもので,「因果関係が不明なもの」も含む。)
・劇症肝炎等:8例(うち死亡4例)
関係企業が推計したおおよその年間使用者数:約750人(平成16年度)

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
60代
肺結核
(なし)
200mg
24日間
劇症肝炎
既往歴 虫垂炎
投与23年前 肺結核と診断され,内服剤にて治療(詳細不明)。
投与3ヵ月前 るいそうを指摘される。
投与2ヵ月前 労作時息切れ,黄色粘調痰,血痰が出現。
投与33日前 A院受診し,喀痰で抗酸菌ガフキー1号と判明。
投与29日前 B院を紹介され肺結核症と診断,入院となる。イソニアジド,リファンピシン,塩酸エタンブトールにて治療開始。
投与開始日 薬剤耐性が判明し,本剤,リファンピシン,硫酸ストレプトマイシン,レボフロキサシンに治療薬を変更。
投与14日目 臨床検査値に異常なし。
投与24日目
(投与中止日)
全身倦怠感,食欲不振,発熱を訴える。
臨床検査にてAST(GOT)1460IU/L,ALT(GPT)1640IU/L,LDH3740IU/L,プロトロンビン時間42%,好酸球12%であり,肝性脳症を疑う。また,症状の急激な悪化などにより劇症肝炎と診断。
本剤,硫酸ストレプトマイシン,レボフロキサシンの投与中止。
以後,血漿交換,血液濾過を5回実施。
中止36日後 総ビリルビン0.5mg/dL,AST(GOT)32IU/L,ALT(GPT)27IU/L,LDH335IU/L,プロトロンビン時間110%,好酸球3%となり,回復。
スパルフロキサシン0.2g/日,硫酸ストレプトマイシン0.5g×3/週にて結核の治療を再開。
中止44日後 スパルフロキサシン,硫酸ストレプトマイシンにリファンピシンを加え,投与開始。
企業報告
臨床検査値
  
投与29日前
投与開始日
投与14日目
投与24日目
(投与中止日)
中止36日後
中止44日後
総ビリルビン(mg/dL)
0.3
0.4
0.5
0.5
AST(GOT)(IU/L)
26
64
17
1460
32
33
ALT(GPT)(IU/L)
17
97
17
1640
27
27
Al-P(IU/L)
215
292
278
278
γ-GTP(IU/L)
31
LDH(IU/L)
310
285
3740
335
257
プロトロンビン時間(%)
107
42
110
併用薬:リファンピシン,硫酸ストレプトマイシン,レボフロキサシン,イソニアジド,塩酸エタンブトール

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
80代
肺結核
(なし)
300mg
43日間
劇症肝炎,肝障害
投与7ヵ月前 肺結核発症。以降,呼吸器科にて治療。
投与6ヵ月前 リファンピシン,塩酸エタンブトール,イソニアジド,リン酸ピリドキサールの内服を開始。
その後,皮疹や好酸球増多症等の副作用が何度か発現したため,抗結核薬を頻回に変更した。硫酸ストレプトマイシンの投与も行ったが,副作用のため中止。リファンピシン以外は継続困難であった。
投与28日前 リファンピシンの単独投与開始。
投与開始日 リファンピシンに加え,本剤の投与開始。
投与15日目 外来受診時の臨床検査においては,肝機能異常認めず。
投与43日目
(投与中止日)
外来受診時,AST(GOT)965IU/L,ALT(GPT)891IU/Lと肝酵素上昇を認め,薬剤性肝障害と診断。呼吸器科に入院となった。診断前後より全身倦怠感,食思不振を訴えていた。本剤,リファンピシンの投与中止。
中止11日後 傾眠,腹部膨満感,黄疸が出現したため,腹部CT,採血施行。B型,C型肝炎ウイルス陰性(EBV,CMVは未検索)。臨床症状を考慮し,劇症肝炎と診断した。
中止19日後 全身管理,対症療法としては循環(輸液,利尿),呼吸(酸素投与),血糖コントロール(インスリン投与),アミノ酸製剤投与を行った。またDICを併発したため新鮮凍結人血漿,乾燥濃縮人アンチトロンビンIII,ウリナスタチンを投与。脳浮腫に対しては浸透圧利尿剤投与を行っていたが,昏睡が進行し,死亡。
企業報告
臨床検査値
  
投与
28日前
投与
15日目
投与43日目
(投与中止日)
中止
11日後
中止
12日後
中止
15日後
中止
17日後
総ビリルビン(mg/dL)
12.2
13.1
17.5
AST(GOT)(IU/L)
16
16
965
210
142
114
144
ALT(GPT)(IU/L)
9
6
891
206
144
92
100
Al-P(IU/L)
332
276
301
γ-GTP(IU/L)
46
LDH(IU/L)
308
187
522
307
263
321
プロトロンビン時間(%)
32.9
46.9
56.7
39.2
NH3(μg/dL)
147
198
152
併用薬:リファンピシン

【2】 エトドラク

販売名(会社名) アコミコール錠200mg(ダイト)
エトドラク錠200mg「タツミ」(辰巳化学)
エトドラク錠200「KN」(小林化工)
エトペン錠200(東和薬品)
オステラック錠100,同錠200(ワイス)
オスペイン錠200(日本医薬品工業)
ニコナス錠200mg(大原薬品工業)
ハイスラック錠200mg(大洋薬品工業)
ハイペン錠100mg,同錠200mg(日本新薬)
パイペラック錠200mg(大正薬品工業)
ライペック錠200(沢井製薬)
薬効分類等 解熱鎮痛消炎剤
効能効果 ○下記の疾患並びに症状の消炎・鎮痛
 慢性関節リウマチ,変形性関節症,腰痛症,肩関節周囲炎,頸腕症候群,腱鞘炎
○手術後並びに外傷後の消炎・鎮痛

使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には本剤の投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
販売開始後(約11年間)の関連副作用報告数
(「因果関係が否定できるもの」以外のもので,「因果関係が不明なもの」も含む。)
・中毒性表皮壊死症:3例(うち死亡1例)
関係企業が推計したおおよその年間使用者数:約750万人(平成16年度)

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
80代
腰痛及び右大腿部痛の緩和目的
(なし)
400mg
139日間
中毒性表皮壊死症
開始336日前 重度の右大腿骨骨折術後状態及び腰痛症発病。
投与開始日 本剤およびメコバラミン投与開始。
投与133日目 この頃から顔面や体幹に大豆大〜鶏卵大の紅斑が発現。
その後紅斑は増数,拡大。軽度のそう痒感あり。
投与139日目
(投与中止日)
長男が患者の背中一面がびらんとなっているのに気付く。
全薬剤投与中止。
中止1日後 近くのA院内科受診後,B院(報告医)に紹介され入院。
受診時には全身に暗赤色のうずら卵大〜手掌大の紅斑が見られ,背部,両大腿,両上肢に広範囲にびらんが認められた。口腔内(頬粘膜,舌)にもびらんが見られた。
口唇には血痂が付着していた。紅斑部のNikolsky現象陽性。眼科的には眼瞼粘膜炎の所見のみ。
入院後は下記加療により,敗血症等の合併症を発症することなく,色素沈着を一部残して上皮化治癒した。
中止19日後 回復。退院。
中止44日後 外来再診時には皮疹の再燃なし。
中止102日後 患者が独断でアセトアミノフェン・エテンザミド・カフェイン配合剤1包を再内服(1回)したところ,同じ皮疹が出現(再現)。
中止107日後 口唇のびらん,体幹四肢の紅斑,皮疹出現後,吉草酸ベタメタゾン・硫酸ゲンタマイシン配合剤を外用したところ,約7日で皮疹は消退。
中止119日後 B院を再受診。採血検査(血算,肝・腎機能),検尿に異常なし。本剤1錠(200mg)の1/100重量/日を1回再投与。再投与後,体幹の皮疹治癒後瘢痕部の紅斑の再燃および体幹・四肢に紅斑が新生。皮疹出現後,吉草酸ベタメタゾン・硫酸ゲンタマイシン配合剤を外用したところ,1日で皮疹は消退。採血検査等施行せず。
中止131日後 本剤1錠(200mg)の1/100重量/日を1回再投与。再投与後,体幹の皮疹治癒後瘢痕部の紅斑の再燃および体幹・四肢に紅斑が新生。皮疹出現後,吉草酸ベタメタゾン・硫酸ゲンタマイシン配合剤を外用したところ,1日で皮疹は消退。採血検査等施行せず。
[治療薬剤]
コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム(div)500mg:中止1日後〜中止2日後
レボフロキサシン(po)300mg:中止2日後〜中止15日後
塩酸アゼラスチン(po)2mg:中止3日後〜継続中
ファモチジン(po)40mg:中止2日後〜継続中
入院時から退院時までびらん部に硫酸ゲンタマイシン塗布,硫酸フラジオマイシン貼付,紅斑部に吉草酸ベタメタゾン・硫酸ゲンタマイシン配合剤を塗布する処置を1日1回施行。
因果関係確認検査
DLST(中止44日後)
   cpm S. I.(%)
コントロール 184
本剤 241 130
メコバラミン 264 143
アセトアミノフェン・エテンザミド・カフェイン配合剤 260 141
企業報告
臨床検査値
  
中止1日後
中止9日後
中止15日後
中止30日後
白血球数(/mm3
5200
6000
4500
4900
赤血球数(×104/mm3
395
331
312
321
ヘモグロビン(g/dL)
11.7
9.7
9.3
9.4
血小板数(×104/mm3
21.7
23.2
21.4
19.5
CRP(mg/dL)
12.42
4.93
2.43
0.82
総蛋白(g/dL)
6.9
5.4
7.0
LDH(IU/L)
188
140
152
AST(GOT)(IU/L)
26
13
16
ALT(GPT)(IU/L)
25
10
7
γ-GTP(IU/L)
23
18
18
Al-P(IU/L)
215
188
277
BUN(mg/dL)
43
16
14
クレアチニン(mg/dL)
1.0
0.7
0.7
併用薬:アセトアミノフェン・エテンザミド・カフェイン配合剤,メコバラミン

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
70代
鎮痛
(なし)
400mg
25日間
中毒性表皮壊死
投与開始日 頸部痛,四肢筋力低下にてA院受診し,骨粗鬆症,変形性腰椎症の診断にて,本剤,マレイン酸イルソグラジン,アレンドロン酸ナトリウム水和物,メナテトレノン,ケトプロフェンを処方される。
投与6日目 B院(報告医)整形外科初診。頸椎症性脊髄症の診断で安静を中心とした保存療法を施行し,リハビリテーションも行い,症状は徐々に改善し,歩行自立していた。
投与22日目 背部を中心とした体幹に皮疹出現。軽快しないため,皮膚科受診。
投与25日目
(投与中止日)
本剤,マレイン酸イルソグラジン等の内服薬中止。
中止5日後 熱発,顔面のびらん出現。TEN型薬疹と考え,プレドニゾロン開始。炎症反応上昇。皮膚びらん部からの感染による敗血症と考え,メロペネム三水和物点滴にて使用。
皮膚症状は徐々に軽快。
中止9日後 びらんは全身に拡大。口腔内びらんも著明であり,経口摂取減少。浸出液による低蛋白血症,電解質異常,脱水症状出現。
中止12日後 低蛋白血症,電解質異常,脱水症状補正目的でIVHカテーテル挿入。
中止20日後 不整脈出現。高カリウム血症,ポリスチレンスルホン酸カルシウム等の使用にて回復。
中止27日後 突然の徐脈,心拍数30台。P波消失。ST-T低下。硫酸アトロピン点滴にて心拍数回復するも,P波,ST-Tは不変。
中止29日後 正午前,モニター上,突然ショートランVTとなり,挿管,呼吸器装着し,蘇生試みるも反応せず。47分後,死亡確認。
死亡疾患:中毒性表皮壊死
DLST
投与25日目(投与中止日)検査
   S. I.
本剤 119%(陰性)
塩酸チクロピジン 112%(陰性)
中止20日後検査(ステロイド内服中)
   S. I.
マレイン酸イルソグラジン 188%(陽性)
フロセミド 135%(陰性)
ベシル酸アムロジピン 132%(陰性)
塩酸イミダプリル 166%(陰性)
アレンドロン酸ナトリウム水和物 98%(陰性)
メナテトレノン 124%(陰性)
酒石酸メトプロロール 165%(陰性)
ジクロフェナクナトリウム 110%(陰性)
S.I. 180%以下:陰性,181%以上:陽性
企業報告
臨床検査値
  
投与
6日目
投与25日目
(投与中止日)
中止
2日後
中止
6日後
中止
9日後
中止
14日後
中止
20日後
中止
21日後
中止
23日後
白血球数(/mm3
11800
5200
2200
1200
3900
9600
20900
16200
11300
CRP(mg/dL)
11.60
3.08
6.52
9.37
2.39
3.87
4.22
4.43
11.47
好中球(%)
82
80
65
30
60
87
89
74
90
好塩基球(%)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
好酸球(%)
0
0
14
2
0
0
0
0
0
リンパ球(%)
15
17
19
59
36
9
9
24
7
単球(%)
3
3
2
9
4
4
2
2
4
併用薬:マレイン酸イルソグラジン,塩酸チクロピジン,フロセミド,ベシル酸アムロジピン,塩酸イミダプリル,アレンドロン酸ナトリウム水和物,メナテトレノン,ケトプロフェン,酒石酸メトプロロール,ジクロフェナクナトリウム,メロペネム三水和物

【3】 塩酸ゲムシタビン

販売名(会社名) ジェムザール注射用200mg,同注射用1g(日本イーライリリー)
薬効分類等 代謝拮抗剤
効能効果 非小細胞肺癌,膵癌

使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
心筋梗塞:心筋梗塞がみられることがある。
皮膚障害:重篤な皮膚障害(紅斑,水疱,落屑等)があらわれることがある。
〈参   考〉 企業報告
販売開始後(約5年半)の関連副作用報告数
(「因果関係が否定できるもの」以外のもので,「因果関係が不明なもの」も含む。)
・心筋梗塞:4例(うち死亡0例)
・皮膚障害:10例(うち死亡1例)
関係企業が推計したおおよその年間使用者数:約4万6千人(平成16年)

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
50代
非小細胞肺癌
(なし)
1600mg
1回
急性心筋梗塞
非小細胞肺癌の患者。心筋梗塞,高血圧,糖尿病の既往なし。
喫煙10本/日,総コレステロール正常。
投与約2年前 非小細胞肺癌発症。
投与1年11ヵ月前 カルボプラチン,パクリタキセル投与。
投与1年9ヵ月前 放射線療法施行(9日間)。
投与1年3ヵ月前 カルボプラチン,ドセタキセル水和物投与。
投与8ヵ月前 カルボプラチン,ドセタキセル水和物投与。
投与開始日 本剤1600mg,カルボプラチン投与。
投与8日目 労作時前胸部痛あったが放置。
投与10日目 自宅にて就眠中,深夜より前胸部痛出現。午前中に来院。前胸部痛は持続し,昼頃心電図にてIII,V1-5:QSパターン,III,aVF,V1-5:ST上昇。CK(CPK)2172IU/L,AST(GOT)175IU/L,ALT(GPT)45IU/L,LDH551IU/Lにて前壁心筋梗塞と診断。夕方より緊急心臓カテーテル検査(CAG)施行。前下行枝に完全閉塞を認め,これに対して経皮的冠動脈形成術(PCI)施行。
投与32日目 再度CAG施行し,同狭窄部位にステント留置。
投与34日目 退院。
企業報告
併用薬:カルボプラチン(被疑薬),パクリタキセル(被疑薬),ドセタキセル水和物(被疑薬),リン酸デキサメタゾンナトリウム,メトクロプラミド,塩酸グラニセトロン

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
50代
膵癌
(閉塞性黄疸,胃炎)
1400mg
1回
紅斑
投与6週間前 膵癌と診断。
投与開始日 本剤1400mgを投与。
投与5日目 右背部から右腋窩のそう痒感出現。
両背部から両上肢に発疹出現。ヒドロコルチゾン・クロタミトン配合剤を塗布。
投与6日目 皮膚科受診し,体幹左右対称に浮腫性播種性紅斑を認め,本剤による薬疹の可能性が高いと診断された。塩酸オロパタジン,フランカルボン酸モメタゾン軟膏投与(7日間)。
投与7日目 皮疹少し悪化したため,ベタメタゾン内服(3日間)。
投与11日目 皮疹は色素沈着を残しながら消退傾向となった。
投与13日目 ヘパリン類似物質を処方し,軽快。
企業報告
併用薬:ロキソプロフェンナトリウム(被疑薬),スルバクタムナトリウム・セフォペラゾンナトリウム配合剤,テプレノン,ファモチジン,センノシド,塩酸ラモセトロン

【4】 オメプラゾール,オメプラゾールナトリウム

販売名(会社名) オメプラゾール
 オブランゼ錠10,同錠20(大洋薬品工業)
 オメプトロール錠20mg(大正薬品工業)
 オメプラゾール錠20mg「アメル」(共和薬品工業)
 オメプラゾール錠20mg「メルク」(メルク・ホエイ)
 オメプラゾール錠20「SW」(メディサ新薬)
 オメプラゾール錠「トーワ」10mg,同錠「トーワ」20mg(東和薬品)
 オメプラゾン錠10mg,同錠20mg(三菱ウェルファーマ)
 オメラップ錠10,同錠20(日本医薬品工業)
 オメプラール錠10,同錠20(アストラゼネカ)
オメプラゾールナトリウム
 オメプラール注用20(アストラゼネカ)
薬効分類等 消化性潰瘍用剤
効能効果 オメプラゾール
 胃潰瘍,十二指腸潰瘍,吻合部潰瘍,逆流性食道炎,Zollinger-Ellison症候群,胃潰瘍又は十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助
オメプラゾールナトリウム
 1.経口投与不可能な下記の疾患
   出血を伴う胃潰瘍,十二指腸潰瘍,急性ストレス潰瘍及び急性胃粘膜病変
 2.経口投与不可能なZollinger-Ellison症候群

使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
無顆粒球症,汎血球減少症,溶血性貧血,血小板減少無顆粒球症,汎血球減少症,溶血性貧血,血小板減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
間質性腎炎,急性腎不全間質性腎炎,急性腎不全があらわれることがあるので,腎機能検査(BUN,クレアチニン等)に注意し,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
1998年10月以降の関連副作用報告数
(「因果関係が否定できるもの」以外のもので,「因果関係が不明なもの」も含む。)
・血小板減少:24例(うち死亡2例)
販売開始後(約14年間)の関連副作用報告数
(「因果関係が否定できるもの」以外のもので,「因果関係が不明なもの」も含む。)
・急性腎不全:11例(うち死亡1例)
関係企業が推計したおおよその年間使用者数:約130万人(平成16年)

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
80代
慢性胃炎
(内臓下垂症,骨粗鬆症,上気道炎)
10mg
77日間
血小板減少
投与開始日 慢性胃炎のため,本剤10mg朝投与開始。
アルファカルシドール,L-アスパラギン酸カルシウム,オクトチアミン・B2・B6・B12配合剤も投与開始。
投与15日目 上気道炎症状で抗生物質(レボフロキサシン,セフトリアキソンナトリウム)を投与。
投与17日目 抗生物質により上気道炎症状は改善。
投与29日目 食事摂取少なく,食欲低下のため,胃透視で慢性胃炎あり。本剤継続。
投与43日目 上気道炎症状で抗生物質(レボフロキサシン)を使用。
投与68日目 排便時に血が混入。
投与71日目 直腸鏡で内痔核(+)でブロメライン・酢酸トコフェロール配合剤を使用。口腔粘膜下に血腫多数。
投与77日目
(投与中止日)
口腔粘膜下に血腫増悪と口唇部も出血あり。血液検査で血小板減少判明し入院。本剤の投与中止。
中止17日後 血小板数が10万台に戻り,状態も良好。
中止22日後 回復。
企業報告
臨床検査値
  
投与92日前
投与3日目
投与77日目(投与中止日)
白血球数(/mm3
4000
4600
4600
赤血球数(×104/mm3
370
385
370
ヘモグロビン(g/dL)
12.2
12.4
11.8
ヘマトクリット(%)
37.5
37.9
35.5
血小板数(×104/mm3
18.6
19.5
0.7
併用薬:アルファカルシドール,L-アスパラギン酸カルシウム,オクトチアミン・B2・B6・B12配合剤,レボフロキサシン,セフトリアキソンナトリウム,六君子湯,小青竜湯,葛根湯,レバミピド,アスコルビン酸・パントテン酸カルシウム

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
70代
逆流性食道炎
(びらん性胃炎)
20mg
19日間
急性腎不全
投与開始日 逆流性食道炎の診断の下,近医より本剤20mg処方。
その後,吐気,全身倦怠感等も出現し,再度近医受診。
投与15日目 テプレノン,ドンペリドン追加投与。その後も全身倦怠感継続し,尿量の減少も自覚。顔面の浮腫等も出現。
投与19日目
(投与中止日)
近医より他院へ紹介。他院での採血で,高度の腎障害とアシドーシス,及び血小板減少,白血球減少を示していた。当院紹介受診。その時点で嘔気,全身倦怠感等の尿毒症症状あり。内服薬すべて中止。
中止2日後 血液透析を開始。
中止5日後 白血球減少症は回復。
中止6日後 血小板減少症は回復。
中止12日後 BUN47.7mg/dL,血清クレアチニン4.2mg/dL(血液透析前)。
中止13日後 血液透析を重ねるごとに,全身倦怠感や嘔気等の尿毒症症状は消失。
中止17日後 血清クレアチニン3mg/dL台となり,血液透析3回/週から2回/週へ。自尿少しずつ出てきた(500mL/日程度)。
中止24日後 血清クレアチニン1.7mg/dLとなり,血液透析離脱。この頃より自尿1000mL/日位へ(点滴1日1000mL開始)。
中止31日後 血清クレアチニン1.3mg/dL。点滴も終了し,尿毒症症状の出現なく,自尿約1000mL/日で安定してきた。急性腎機能低下は回復。
中止35日後 退院。
企業報告
臨床検査値
  
投与19日目
(投与中止日)
中止
1日後
中止
5日後
中止
9日後
中止
12日後
中止
14日後
中止
24日後
中止
31日後
BUN(mg/dL)
117.8
128.0
57.6
45.2
47.7
40.4
24.0
14.3
血清クレアチニン(mg/dL)
9.9
10.0
7.9
5.3
4.2
3.4
1.7
1.3
併用薬:テプレノン,ドンペリドン

目次へ


2.使用上の注意の改訂について(その167)

 前号(医薬品・医療機器等安全性情報 No.214)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「1 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について,改訂内容,主な該当販売名,参考文献等をお知らせいたします。

1 〈解熱鎮痛消炎剤〉
チアプロフェン酸
[販 売 名] スルガム錠,同200mg錠(アベンティスファーマ)他
[副作用
(重大な副作用)]
ショック,アナフィラキシー様症状ショック,アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,胸内苦悶,冷汗,血圧低下,頻脈,呼吸困難,喘鳴,血管浮腫,蕁麻疹,そう痒等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

2 〈解熱鎮痛消炎剤〉
ロキソプロフェンナトリウム
[販 売 名] ロキソニン細粒,同錠(三共)他
[副作用
(重大な副作用)]
うっ血性心不全:うっ血性心不全があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

3 〈精神神経用剤〉
塩酸パロキセチン水和物
[販 売 名] パキシル錠10mg,同錠20mg(グラクソ・スミスクライン)
[重要な基本
的注意]
投与中止(特に突然の中止)又は減量により,めまい,知覚障害(錯感覚,電気ショック様感覚等),睡眠障害(悪夢を含む),不安,焦燥,興奮,嘔気,振戦,錯乱,発汗,頭痛,下痢等があらわれることがある。症状の多くは投与中止後数日以内にあらわれ,軽症から中等症であり,2週間程で軽快するが,患者によっては重症であったり,また,回復までに2,3ヶ月以上かかる場合もある。これまでに得られた情報からはこれらの症状は薬物依存によるものではないと考えられている。
  本剤の減量又は投与中止に際しては,以下の点に注意すること。
1)突然の投与中止避けること。投与を中止する際は,患者の状態を見ながら数週間又は数ヶ月かけて徐々に減量すること。
2)減量又は投与中止後に耐えられない症状が発現した場合には,減量又は中止前の用量にて投与を再開し,より緩やかに減量することを検討すること。
3)患者の判断で本剤の服用を中止することのないよう十分な服薬指導をすること。また,飲み忘れにより上記のめまい,知覚障害等の症状が発現することがあるため,患者に必ず指示されたとおりに服用するよう指導すること。
[副作用
(重大な副作用)]
錯乱,幻覚,せん妄,痙攣:錯乱,幻覚,せん妄,痙攣があらわれることがある。異常が認められた場合には,減量又は投与を中止する等適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

4 〈耳鼻科用剤〉
プロピオン酸フルチカゾン(点鼻液)
[販 売 名] フルナーゼ点鼻液,小児用同点鼻液25(グラクソ・スミスクライン)
[原則禁忌] 「結核性疾患,呼吸器感染症の患者」
「高血圧の患者」
「糖尿病の患者」を削除
[慎重投与] 鼻咽喉感染症の患者
〈参   考〉 企業報告

5 〈血圧降下剤〉
アラセプリル,塩酸イミダプリル,マレイン酸エナラプリル,カプトプリル,塩酸キナプリル,塩酸テモカプリル,塩酸デラプリル,トランドラプリル,塩酸ベナゼプリル,ペリンドプリルエルブミン,リシノプリル
[販 売 名] セタプリル錠12.5mg,同錠25mg,同錠50mg(大日本製薬),タナトリル錠2.5,同錠5,同錠10(田辺製薬),レニベース錠2.5,同錠5(萬有製薬),カプトリル細粒,同錠12.5mg,同錠25mg,同-R(三共),コナン錠5mg,同錠10mg,同錠20mg(三菱ウェルファーマ),エースコール錠1mg,同錠2mg,同錠4mg(三共),アデカット7.5mg錠,同15mg錠,同30mg錠(武田薬品工業),オドリック錠0.5mg,同錠1mg(アベンティスファーマ),プレラン0.5mg錠,同1mg錠(中外製薬),チバセン錠2.5mg,同錠5mg(ノバルティスファーマ),コバシル錠2mg,同錠4mg(第一製薬),ゼストリル錠5,同錠10,同錠20(アストラゼネカ),ロンゲス錠5mg,同錠10mg,同錠20mg(塩野義製薬)他
[禁 忌]
デキストラン硫酸固定化セルロース,トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者
[相互作用
(併用禁忌)]
デキストラン硫酸固定化セルロース,トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行
[副作用
(その他の副作用)]
低血糖
〈参   考〉 企業報告

6 〈血圧降下剤〉
シラザプリル
[販 売 名] インヒベース錠0.25,同錠0.5,同錠1(中外製薬)他
[禁 忌]
デキストラン硫酸固定化セルロース,トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者
[相互作用
(併用禁忌)]
デキストラン硫酸固定化セルロース,トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行
[副作用
(重大な副作用)]
膵炎:膵炎があらわれることがあるので,異常が認められた場合には,投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。
[副作用
(その他の副作用)]
その他:低血糖,総コレステロール,尿酸,血清カリウムの上昇,倦怠感,疲労,胸痛,口内異物感,味覚異常,ほてり,肩こり,浮腫,発赤
〈参   考〉 企業報告

7 〈気管支拡張剤〉
キシナホ酸サルメテロール
[販 売 名] セレベント25ロタディスク,同50ロタディクス,同50ディスカス(グラクソ・スミスクライン)
[副作用
(重大な副作用)]
ショック,アナフィラキシー様症状:ショック,アナフィラキシー様症状(呼吸困難,気管支攣縮,浮腫,血管浮腫等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には本剤の投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

8 〈その他の呼吸器官用薬〉
プロピオン酸フルチカゾン(吸入剤)
[販 売 名] フルタイド50エアー,同100エアー,同50ディスカス,同100ディスカス,同200ディスカス,同50ロタディスク,同100ロタディスク,同200ロタディスク(グラクソ・スミスクライン)
[原則禁忌]
結核性疾患の患者
「高血圧の患者」を削除
[慎重投与] 感染症(急性呼吸器感染症を除く)の患者
〈参   考〉 企業報告

9 〈止しゃ剤,整腸剤〉
ラックビー,ラックビー微粒
[販 売 名] ラックビー,同微粒(日研化学)
[禁 忌] 「本剤に過敏症の既往歴のある患者」
「牛乳に対してアレルギーのある患者」を削除
[副作用
(重大な副作用)]
「アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので,観察を十分に行い,症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。」を削除
〈参   考〉 企業報告

10 〈甲状腺,副甲状腺ホルモン剤〉
チアマゾール
[販 売 名] メルカゾール錠(中外製薬),メルカゾール注(小林製薬工業)
[副作用
(重大な副作用)]
横紋筋融解症:筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。また,横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
〈参   考〉 企業報告

11 〈卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤,混合ホルモン剤〉
エストラジオール製剤(更年期障害の効能を有する製剤),エストリオール製剤(更年期障害の効能を有する製剤),男性ホルモン・卵胞ホルモン混合製剤
[販 売 名] エストラダームM(キッセイ薬品工業),エストラーナ(久光製薬),エストルモンデポー(富士製薬工業),オバホルモン水懸注0.2,同水懸注1,同デポー5mg(帝国臓器製薬),フェミエスト2.17mg,同4.33mg(ヤクルト本社),プロギノン・デポー10mg(富士製薬工業),ペラニン・デポー(5mg),同・デポー10mg(持田製薬),エストリオール錠1mg(富士製薬工業),エストリオール錠1mg「科薬」(科薬),エストリール錠100γ,同錠0.5mg,同錠1mg,同・デポー10mg(持田製薬),ホーリン錠1mg,同デポー(帝国臓器製薬),メリストラーク錠1mg(東和薬品),エスジン・デポー,プリモジアン・デポー(富士製薬工業),ボセルモン結晶浮遊液5.0mg,同デポー50mg(帝国臓器製薬)他
[禁 忌]
エストロゲン依存性腫瘍(例えば乳癌,子宮内膜癌)及びその疑いのある患者
重篤な肝障害のある患者
診断の確定していない異常性器出血のある患者
乳癌の既往歴のある患者
[その他の注意]
ホルモン補充療法(HRT)と乳癌の危険性:
(1)米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果,結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では,乳癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.24)との報告がある。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果,結合型エストロゲン単独投与群では,乳癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意差はない(ハザード比:0.77)との報告がある。
(2)英国における疫学調査の結果,卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を併用服用している女性では,乳癌になる危険性が対照群と比較して有意に高くなり(2.00倍),この危険性は,併用期間が長期になるに従って高くなる(1年未満:1.45倍,1〜4年:1.74倍,5〜9年:2.17倍,10年以上:2.31倍)との報告がある。
 HRTと冠動脈性心疾患の危険性:米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果,結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では,冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群と比較して高い傾向にあり,特に服用開始1年後では有意に高くなる(ハザード比:1.81)との報告がある。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果,結合型エストロゲン単独投与群では,冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群と比較して有意差はない(ハザード比:0.91)との報告がある。
 HRTと脳卒中の危険性:米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果,結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では,脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.31)との報告がある。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果,結合型エストロゲン単独投与群では,脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.39)との報告がある。
 HRTと痴呆の危険性:米国における65歳以上の閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果,結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では,アルツハイマーを含む痴呆の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:2.05)との報告がある。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果,結合型エストロゲン単独投与群では,アルツハイマーを含む痴呆の危険性がプラセボ投与群と比較して有意ではないが,高い傾向がみられた(ハザード比:1.49)との報告がある。
 卵胞ホルモン剤を長期間使用した閉経期以降の女性では,卵巣癌になる危険性が対照群の女性と比較して高くなるとの疫学調査の結果が報告されている。また,米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果,結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群において,卵巣癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意ではないが,高い傾向がみられた(ハザード比:1.58)との報告がある。
〈参   考〉 企業報告

12 〈卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤〉
結合型エストロゲン
[販 売 名] プレマリン錠0.625mg(ワイス)
[禁 忌]
エストロゲン依存性腫瘍(例えば乳癌,子宮内膜癌)及びその疑いのある患者
重篤な肝障害のある患者
診断の確定していない異常性器出血のある患者
乳癌の既往歴のある患者
[その他の注意]
ホルモン補充療法(HRT)と乳癌の危険性:
(1)米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果,本剤と黄体ホルモンの配合剤投与群では,乳癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.24)との報告がある。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果,本剤単独投与群では,乳癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意差はない(ハザード比:0.77)との報告がある。
(2)英国における疫学調査の結果,卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を併用服用している女性では,乳癌になる危険性が対照群と比較して有意に高くなり(2.00倍),この危険性は,併用期間が長期になるに従って高くなる(1年未満:1.45倍,1〜4年:1.74倍,5〜9年:2.17倍,10年以上:2.31倍)との報告がある。
 HRTと冠動脈性心疾患の危険性:米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果,本剤と黄体ホルモンの配合剤投与群では,冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群と比較して高い傾向にあり,特に服用開始1年後では有意に高くなる(ハザード比:1.81)との報告がある。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果,本剤単独投与群では,冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群と比較して有意差はない(ハザード比:0.91)との報告がある。
 HRTと脳卒中の危険性:米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果,本剤と黄体ホルモンの配合剤投与群では,脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.31)との報告がある。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果,本剤単独投与群では,脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.39)との報告がある。
 HRTと痴呆の危険性:米国における65歳以上の閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果,本剤と黄体ホルモンの配合剤投与群では,アルツハイマーを含む痴呆の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:2.05)との報告がある。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果,本剤単独投与群では,アルツハイマーを含む痴呆の危険性がプラセボ投与群と比較して有意ではないが,高い傾向がみられた(ハザード比:1.49)との報告がある。
 卵胞ホルモン剤を長期間使用した閉経期以降の女性では,卵巣癌になる危険性が対照群の女性と比較して高くなるとの疫学調査の結果が報告されている。また,米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果,本剤と黄体ホルモンの配合剤投与群において,卵巣癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意ではないが,高い傾向がみられた(ハザード比:1.58)との報告がある。
〈参   考〉 企業報告

13 〈他に分類されない代謝性医薬品〉
メシル酸カモスタット
[販 売 名] フオイパン錠(小野薬品工業)他
[禁 忌]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
[副作用
(重大な副作用)]
ショック,アナフィラキシー様症状:ショック,アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,血圧低下,呼吸困難,そう痒感等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP,Al-Pの著しい上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

14 〈他に分類されない代謝性医薬品〉
メトトレキサート(慢性関節リウマチの効能を有する製剤)
[販 売 名] リウマトレックスカプセル2mg(ワイス)他
[重要な基本
的注意]
悪性リンパ腫,リンパ増殖性疾患,急性白血病,骨髄異形成症候群(MDS)等があらわれることがあるので,患者の状態を十分に観察し,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
免疫機能が抑制された患者への生ワクチン接種により,ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので,本剤投与中に生ワクチンを接種しないこと。
〈参   考〉 企業報告

15 〈代謝拮抗剤〉
カペシタビン
[販 売 名] ゼローダ錠300(中外製薬)
[副作用
(重大な副作用)]
間質性肺炎:間質性肺炎(初期症状:咳嗽,息切れ,呼吸困難,発熱等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,胸部X線等の検査を行い,副腎皮質ホルモン剤を投与するなど適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

16 〈抗腫瘍性植物成分製剤〉
ドセタキセル水和物
[販 売 名] タキソテール注(アベンティスファーマ)
[副作用
(重大な副作用)]
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群),多形紅斑:皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群),多形紅斑等の水疱性・滲出性皮疹があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

17 〈その他の腫瘍用薬〉
シスプラチン(肝動注用)
[販 売 名] 動注用アイエーコール100mg(日本化薬),動注用コナブリ100mg(ブリストル製薬)
[副作用
(重大な副作用)]
血小板減少:本剤投与1〜4日後に急激な血小板減少があらわれることがあるので,本剤投与後は頻回に血液検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

18 〈サルファ剤〉
サラゾスルファピリジン
[販 売 名] アザルフィジンEN錠250mg,同EN錠,サラゾピリン錠,同坐剤(ファイザー)他
[副作用
(重大な副作用)]
過敏症症候群,伝染性単核球症様症状:過敏症症候群,伝染性単核球症様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,次のような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
初期症状として発疹,発熱,感冒様症状がみられ,さらにリンパ節腫脹,肝機能障害,肝腫,白血球増加,好酸球増多,異型リンパ球出現等を伴う重篤な過敏症状が遅発性にあらわれることがある。
なお,これらの症状は,薬剤を中止しても再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
〈参   考〉 企業報告

目次へ


3.市販直後調査の対象品目一覧

(平成17年7月1日現在)
一般名
販売名
製造販売業者名 市販直後調査開始年月日
ホスアンプレナビルカルシウム水和物
レクシヴァ錠700
グラクソ・スミスクライン(株) 平成17年1月7日
プロピオン酸ベクロメタゾン
キュバール50エアゾール,同100エアゾール*1
大日本製薬(株) 平成17年1月19日
ゾレドロン酸水和物
ゾメタ注射液4mg
日本チバガイギー(株) 平成17年1月21日
塩酸プラルモレリン
注射用GHRP科研100
科研製薬(株) 平成17年2月25日
硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸
ジオン注無痛化剤付,同注生食液付
三菱ウェルファーマ(株) 平成17年3月15日
塩酸エピナスチン
アレジオンドライシロップ1%
日本ベーリンガーインゲルハイム(株) 平成17年3月23日
エタネルセプト(遺伝子組換え)
エンブレル皮下注用25mg
ワイス(株) 平成17年3月30日
オキサリプラチン
エルプラット注射用100mg
(株)ヤクルト本社 平成17年4月6日
タクロリムス水和物
プログラフ0.5mg,同1mg*2
アステラス製薬(株) 平成17年4月11日
エムトリシタビン
エムトリバカプセル200mg
日本たばこ産業(株) 平成17年4月19日
エムトリシタビン・フマル酸テノホビルジソプロキシル配合剤
ツルバダ錠
日本たばこ産業(株) 平成17年4月19日
ロスバスタチンカルシウム
クレストール錠2.5mg,同錠5mg
アストラゼネカ(株) 平成17年4月27日
ボセンタン水和物
トラクリア錠62.5mg
アクテリオン ファーマシューティカルズ ジャパン(株) 平成17年6月10日
タミバロテン
アムノレイク錠2mg
東光薬品工業(株) 平成17年6月13日
トシリズマブ(遺伝子組換え)
アクテムラ点滴静注用200
中外製薬(株) 平成17年6月13日
アデノシン
アデノスキャン注60mg
第一サントリーファーマ(株) 平成17年6月21日
ボリコナゾール
ブイフェンド錠50mg,同錠200mg,同200mg静注用
ファイザー(株) 平成17年6月27日
注)効能追加等における対象
*1: 小児用量追加された「小児には,通常1回50μgを1日2回口腔内に噴霧吸入する。なお,年齢,症状により適宜増減するが,1日の最大投与量は,成人では800μg,小児では200μgを限度とする。(下線部追加)」
*2: 効能追加された「関節リウマチ(既存治療で効果不十分な場合に限る)」

目次へ


お知らせ
医薬品・医療機器等安全性情報は,医薬品医療機器情報提供ホームページ(http://www.info.pmda.go.jp/)又は厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)からも入手可能です。
また,NTTのファクシミリ通信網サービス「Fネット」を通じ,最近1年間の「医薬品・医療機器等安全性情報」がお手元のファクシミリから随時入手できます(利用者負担)。
「Fネット」への加入等についての問い合わせ先:0120−161−011
医薬関係者等の皆様へ
医薬品安全性報告書及び医療機器安全性報告書の報告様式については、 (http://www.info.pmda.go.jp/info/houkoku.html) から入手可能です。


照 会 先
厚生労働省医薬食品局安全対策課
03-5253-1111(内線)2753


トップへ
報道発表資料   トピックス   厚生労働省ホームページ