国土交通省と同時配布
17年5月19日
 《照会先》
厚生労働省健康局生活衛生課
山田、加藤 (代表03-5253-1111)
(内線2433・2439)(直通3595-2301)
国土交通省総合政策局観光地域振興課
舟本、出澤 (代表03-5253-8111)
(内線27212・27213)(直通5253-8326)

産業活力再生特別措置法に基づく「事業再構築計画」の認定について

 厚生労働省及び国土交通省は、産業活力再生特別措置法に基づき、鬼怒川グランドホテル株式会社から提出された「事業再構築計画」を認定した。


1.認定制度の概要
 産業活力再生特別措置法は、我が国に存する経営資源の効率的な活用を通じて生産性の向上を実現するため、事業者が実施する事業再構築を円滑化するための措置等、及び新事業の開拓を支援するための措置を講じ、我が国産業の再生を速やかに実現することを目的としている。
 同法に基づき、事業者が事業計画(当該事例においては、「事業再構築計画」)を作成し、主務大臣(その事業を所管する大臣として厚生労働大臣及び国土交通大臣)の認定を受けた場合に、登録免許税の軽減などの税制の特例、商法の特例(手続の簡素化)等の利用が可能となる制度である。

2.認定企業の概要
(1)企業名等
鬼怒川グランドホテル株式会社
(栃木県塩谷郡藤原町大字大原1021番地 代表取締役社長:木村博信)
(2)事業計画の種類及び概要
 事業計画の種類:「事業再構築計画」
 事業計画の概要
 鬼怒川グランドホテルは、株式会社産業再生機構の支援のもと株式会社足利銀行等による債権放棄を受けるとともに有限会社とちぎフレンドリーキャピタル等による第三者割当増資を行うこととしている。また、経営基盤を強化する方策としては、特別和洋室の増改築及び個室食事処の新設等による設備投資、個人・小規模グループ客を対象とした新規商品の提供を行うこととしている。また、業務の効率化を図るとともに、対外営業の強化、徹底した社員教育により顧客満足度を高めることとしている。

鬼怒川グランドホテル株式会社の概要
 所在地栃木県塩谷郡藤原町大字大原1021番地
 代表者代表取締役社長 木村博信
 設立日昭和38年12月
 資本金2,000万円
 事業内容旅館の経営等



様式第三

認定事業再構築計画の内容の公表

1.認定した年月日 平成17年5月19日

2.認定事業者名 鬼怒川グランドホテル株式会社

3.認定事業再構築計画の目標
(1)事業再構築に係る事業の目標
 鬼怒川グランドホテル株式会社は、栃木県の鬼怒川温泉で団体客向けの「鬼怒川グランドホテル」を運営している。
 財務面においては、バブル経済の崩壊により法人団体旅行が減少する中、エージェント送客による団体客をメインにしていたため影響は大きく、売上は低迷することとなった。
 バブル経済期における過大な設備投資により生じた過剰債務は、金利負担により当初の約定どおりの返済が履行できなくなったことから、外部コンサルを導入し各種コストダウン戦略、年間予算管理体制作りの指導を受け、本格的な経営改善に着手した。さらに、株式会社足利銀行の指導により「経営改善計画書」を策定し、計画の初年度には計画を達成する業績を上げることができた。
 しかしながら、過剰債務が資金繰りを圧迫し、必要な設備投資も抑制せざるを得なかったことから、過剰債務問題が解消されない限り再生は不可能との判断に至った。
 今般、鬼怒川グランドホテル株式会社は、株式会社産業再生機構(以下「産業再生機構」という。)の支援のもとで金融債務について関係金融機関等から債権放棄を受けることにより過大な有利子負債を削減するとともに、産業再生機構及びとちぎフレンドリーキャピタルからの増資により財務体質を強化することとした。
 特別和洋室の増改築、個室食事処の新設等により個人・小規模グループ客の集客力向上を図ることとし、さらに業務の効率化、サービスレベルの向上に努め、顧客満足度を高めることで、経営基盤の強化を図る。

(2)生産性及び財務内容の健全性の向上を示す数値目標
(1) 生産性向上基準について
 本事業再生計画の実施により、3年経過後の決算期である平成20年5月期における有形固定資産回転率を351%向上させることを目標とする。

(2) 財務健全性向上基準について
 本事業再生計画の実施により、3年経過後の決算期である平成20年5月期における有利子負債はキャッシュフローの7.5倍とすることとしており、経常収入は経常支出を上回る(経常収支比率112.6%)ことを目標とする。

4.事業再構築の内容
(1)事業再構築に係る事業の内容
(1) 中核的事業
 温泉旅館業

(2) 選定理由
 鬼怒川グランドホテル株式会社は、鬼怒川地区において、客室数100室を有する同地区を代表する大型ホテルの一つである。したがって同旅館の再生は、地域活性化に及ぼす影響も大きい。また、同ホテルの提供する料理は宿泊客から高い評価を得ており、日本庭園、貸切露天風呂等、他ホテルとの差別化を図れるハードも有していることから、同地区にあっては高単価・高品質を維持している。
 今後は、特別和洋室の増設及び大幅リニューアルや個室食事処の増設に加え、個人客、特に女性雑誌を利用した広告宣伝活動により、女性客への積極的なプロモーション展開を図ることで、現在の団体客に偏った宿泊客構成を是正し、エージェント依存体質からの脱却を図ることとしており、従来どおり温泉旅館業を中核的事業として位置づけた。

(3) 事業再構築に係る事業の内容
 事業の構造変更
 鬼怒川グランドホテル株式会社は、株式会社足利銀行及び経営者等による債権放棄を受ける。出資については出資者責任の明確化のため、100%無償償却を行う。同時に産業再生機構及び有限会社とちぎフレンドリーキャピタル(以下、「TFC」という)による増資、転換社債の引受による金融支援を受ける。

 事業革新
 鬼怒川グランドホテル株式会社は、長年エージェントチャネルからの団体宿泊客に頼った営業を続けており、一般宿泊客への取組みが遅れていた。しかしながら近年の旅行のニーズは小規模グループや個人旅行、又、日帰り旅行等にシフトしており、これら一般旅行客のニーズに応えるため、個人客(特に女性客)を意識した高品質な特別和洋室を10室設置するとともに、既存の特別室5室も内装・室内設備を大幅にリニューアルし、各部屋に足湯を設置するとともに、女性雑誌を活用した積極的な広告宣伝活動により、一般旅行客の取込みを図る。
 以上の特別和洋室・足湯の設置効果として、平成20年5月期において、同室の売上高を全売上高の8.29%とすることを目標とする。

(2)事業再構築を行う場所の住所
栃木県塩谷郡藤原町大字大原1021番地
鬼怒川グランドホテル株式会社

(3)事業再構築を実施するための措置の内容
別表のとおり

(4)事業再構築の実施時期
事業再構築の開始時期及び終了時期
 開始時期:平成17年5月
 終了時期:平成20年5月

5.事業再構築に伴う労務に関する事項
(1)事業再構築の開始時期の従業員数(平成17年3月末時点) 65名
(2)事業再構築の終了時期の従業員数(平成20年5月末) 68名
(3)事業再構築に充てる予定の従業員数 68名
(4)(3)中、新規に採用される従業員数 3名
(5)事業再構築に伴い出向または解雇される従業員数 0名



別表

事業再構築の措置の内容
措置事項 実施する措置の内容及びその実施する時期 期待する支援措置
事業の構造の変更    
  資本の相当程度の増加による中核的事業の開始、拡大又は能率の向上
(1)減資前の資本金: 20百万円
(2)資本の減少: 20百万円(資本金の減少:20百万円)
(3) 増加前資本金:0円
(4)増加する資本金: 100百万円(資本準備金100百万円)
(5)増資の方法: 産業再生機構による第三者割当増資(80百万円)
TFCによる第三者割当増資(120百万円)
(6)増減資の時期: 平成17年6月21日
租税特別措置法第80条の2(認定事業再構築計画等に基づき行う登記の税率の軽減)
事業革新    
  第2条第2項第2号イ  近年の旅行のニーズは小規模グループや個人旅行客、又、日帰り旅行等にシフトしており、これら一般旅行客のニーズに応えるため、個人客(特に女性客)を意識した高品質な特別和洋室を10室設置するとともに、既存の特別室5室も内装・室内設備を大幅にリニューアルし、各部屋に足湯を設置するとともに、女性雑誌を活用した積極的な広告宣伝活動により、一般旅行客の取込みを図る。
 以上の特別和洋室・足湯の設置効果として、平成20年5月期において、同室の売上高を全売上高の8.29%とすることを目標とする。
 

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