3. |
認定事業再構築計画の目標
(1) |
事業再構築に係る事業の目標
有限会社釜屋旅館は栃木県の日光国立公園内、奥日光湯元温泉で代々湯守を勤め、「湯守釜屋旅館」を運営している。
一方、財務面では、学生団体客の減少、一般客の集客の伸び悩み、また、近年の団体旅行からグループ・個人旅行へのニーズの変化にサービスレベルがついていけず、加えて施設の老朽化もあり、売上が思うように伸びず業績低迷が続いた。
その結果、過剰債務による金利負担により当初の約定どおりの返済が履行できなくなり、取引銀行である株式会社足利銀行の指導により経営改善計画を策定したが、計画を達成できず、最終損益段階での赤字脱却には至らなかった。
今般、有限会社釜屋旅館は株式会社産業再生機構の支援の下で、関係金融機関等から債権放棄を受けた。これにより過大な有利子負債を削減し、財務体質を強化する一方、増資により露天風呂の増設、客室内装の改修を実施することで、経営基盤を強化することとした。
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(2) |
生産性及び財務内容の健全性の向上を示す数値目標
(1) |
生産性向上基準について
本事業再生計画の実施により、3年経過後の決算期である平成20年3月期における有形固定資産回転率を329%向上させることを目標とする。
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(2) |
財務健全性向上基準について
本事業再生計画の実施により、3年経過後の決算期である平成20年3月期における有利子負債はキャッシュフローの8.03倍とすることとしており、経常収入は経常支出を上回る(経常収支比率115.2%)ことを目標とする。 |
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4. |
事業再構築の内容
(1) |
事業再構築に係る事業の内容
(1) |
中核的事業
温泉旅館の運営
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(2) |
選定理由
有限会社釜屋旅館は、日光湯元において江戸時代以来の歴史を有する同地域における一番の収容力を誇る老舗旅館である。同旅館の再生は、地域活性化に及ぼす影響も大きい。今般、新設する特色ある大型露天風呂を活かした「日帰り入浴」・「温泉療養プログラム」等の新商品プランを開発することで、宿泊客のみならず日帰り客も多数取り込むことが可能となる。
今後は、効率的なオペレーションとサービスレベルの向上により、小学生の修学旅行等の学生団体と一般宿泊客の集客の両立を図っていく方針であり、従来どおり温泉旅館業を中核的事業として位置づけることとした。
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(3) |
事業再構築に係る事業の内容
イ |
事業構造変更
有限会社釜屋旅館は、平成17年2月28日に株式会社産業再生機構、株式会社足利銀行、経営者による債権放棄を受け、出資については出資者責任の明確化のため、100%減資、無償消却を行う。同時に株式会社産業再生機構及び有限会社とちぎフレンドリーキャピタル(以下、「TFC」という。)による増資により金融支援を受ける。
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ロ |
事業革新
有限会社釜屋旅館は、長年学生団体客に頼った営業を続けており、一般宿泊客集客の為の取組みがほとんど行われてこなかった。しかしながら近年の旅行のニーズは小規模グループや個人旅行、又、日帰り旅行等にシフトしており、これら一般旅行客のニーズに応えるため、大型露天風呂を新設し、「日帰り入浴」や「温泉療養プログラム」等の新商品プランを開発することで、一般旅行客の取込みを図る。
新商品プラン開発効果により、一般宿泊客の増加はもちろん日光湯元地区を訪れる日帰り旅行客及び他旅館宿泊客の当館利用を見込む。
以上により日帰り入浴客、温泉療養プラン及び湯治客等の新商品プランによる売上高を平成20年3月において、全売上高の6.46%とすることを目標とした。 |
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(2) |
事業再構築を行う場所の住所
栃木県日光市湯元2548番地
有限会社釜屋旅館
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(3) |
事業再構築を実施するための措置の内容
別表のとおり
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(4) |
事業再構築の実施時期
事業再構築の開始時期及び終了時期
開始時期 |
: |
平成17年3月 |
終了時期 |
: |
平成20年2月 |
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5. |
事業再構築に伴う労務に関する事項
(1) |
事業再構築の開始時期の従業員数(平成17年2月末時点) |
37名 |
(2) |
事業再構築の終了時期の従業員数(平成20年3月末) |
37名 |
(3) |
事業再構築に充てる予定の従業員数 |
37名 |
(4) |
(3)中、新規に採用される従業員数 |
0名 |
(5) |
事業再構築に伴い出向または解雇される従業員数 |
0名 |
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