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厚生労働省発表
平成17年3月10日
担当 労使関係担当参事官室 第5係
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平成16年民間主要企業年末一時金妥結状況について


 平成16年民間主要企業の年末一時金妥結状況の概要は以下のとおりである。
 この集計の対象は、原則として、資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある企業のうち、妥結額等を把握できた351社である。


1. 妥結額は 811,082円、対前年比では 3.87%増となった。

 (1) 本年の妥結額は 811,082円となった。また、前年との比較が可能な企業(351社中246社)の対前年比は 3.87%増となり、2年連続で前年比プラスとなった。
 なお、妥結額 811,082円は、昨年の妥結額 771,540円(同一企業以外の企業も含む)と比較すると、39,542円の増となっている。(第1表第2表

 (2) 集計対象企業 351社中、資本金20億円以上の企業は 344社であり、妥結額は811,741円となった。また、前年との比較が可能な企業(344社中244社)の対前年比は 3.9%増となっている。

 (3) 要求状況については、月数要求などにより、要求額が不明な企業が多いが、要求額の把握できた 183社でみると平均要求額は 892,483円であった。

 (4) 電気機器製造業などの業種で多く導入されている「業績連動方式」(あらかじめ決められた数式に、経常利益等の業績を算入して自動的に一時金を決定する方式)を採用している企業は 78社であり、その平均妥結額は 748,779円であった。

 (5) 妥結時期についてみると、9月末以前に全体の 89.5%の企業が妥結している。(第3表

 (6) 妥結額の企業間のばらつきを四分位分散係数によりみると、本年は 0.12となり、昨年(0.19)より 0.07ポイント縮小した。

注: 四分位分散係数は、以下の式により計算した。
 また、四分位分散係数は、妥結額の企業間のばらつきが大きいほど、その値は大きくなり、ばらつきが小さいほど値は小さくなる。

   四分位分散係数= 第3四分位数―第1四分位数
─────────────
2×中位数


2. 年間臨給制を採用する企業の割合は、昨年より増加し、78.1%となった。

   夏冬の一時金について年1回一括して労使交渉する年間臨給制を採用している企業の割合は、 78.1%(274社)となり、昨年(75.5%、182社)を2.6ポイント上回った。
 これを実施形態別にみると、春闘時又は夏季闘争時に夏季一時金と年末一時金をあわせて決定する方式である夏冬型が、259社(94.5%)と大半を占めている。なお、各期型で妥結した企業は、53社(15.1%)である(第4表


第1表 平成16年民間主要企業年末一時金妥結状況(加重平均)


産業 集計
企業数
平均年齢 妥結額 対前年比 (参考)平成15年
妥結額 対前年
   
建設 19 40.5 602,260 0.65 588,551 ▲25.96
食料品・たばこ 25 38.5 886,053 ▲0.95 923,398 0.68
繊維 11 38.3 712,125 6.23 590,810 2.16
紙 ・ パ ル プ 6 40.1 734,782 4.04 696,641 ▲0.12
化学 49 39.9 853,494 2.90 771,221 5.76
石油 2 1,079,812 0.10
ゴム製品 10 41.7 717,974 ▲1.50 750,234 7.16
窯業 6 38.0 731,798 1.50
鉄鋼 13 42.6 735,631 25.49 595,514 12.78
10 非鉄金属 7 38.7 751,554 1.75 637,716 ▲2.34
11 機械 21 39.2 776,731 2.98 739,454 5.48
12 電気機器 39 39.0 753,650 4.76 679,916 5.56
13 造船 6 39.9 742,458 0.06 746,122 ▲1.45
14 自動車 44 38.9 926,362 0.46 958,555 5.86
15 その他製造 9 36.6 781,962 5.16
16 電力・ガス 16 37.5 845,767 5.70
17 情報通信 14 37.2 882,100 1.13
18 運輸 25 41.7 828,739 ▲0.52
19 卸・小売 26 37.5 698,754 13.28 727,642 5.63
20 サービス 3 416,908 ▲5.70
平均 351 39.3 811,082 3.87 771,540 1.97

(注)1. 本年の集計対象企業は、原則として、資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある企業のうち、妥結額等を把握できた351社である。なお、数値は、各企業の組合員数による加重平均である。
2. 本年の産業分類は、平成15年の産業分類を次のように変更している。
平成15年 平成16年
「セメント」 「窯業」に含める
「車両」 「自動車」に含める
「陸運」 「運輸」に含める
「放送・通信」 「情報通信」に含める
「新聞・印刷」 「新聞」→「情報通信」に含める
「印刷」→「その他製造」に含める
「電力」 「電力・ガス」に一本化
「ガス」
「金融」 回答企業がなかったため、分類から除く
3. 妥結額が非公表などの理由により、集計に必要な妥結内容を把握できなかった企業については、集計対象から除外している。
4. 対前年比は、集計対象企業のうち前年と比較できる企業(351社中246社)についての対前年比を算出したものであり、本年の妥結額と平成15年の妥結額を単純比較した値ではない。
5. 集計企業数が1〜3社の産業は、全産業の平均には算入しているが、産業別の集計結果は公表しない。対前年比についても、前年の状況を把握できた集計企業が1〜3社の場合は数値を公表しない。
6. 妥結額は、原則として平均方式を用いたが、一部に個別ポイント方式での妥結額を含んでいる。
7. 平成15年の集計結果は、参考として、本年調査と共通する産業分類についてのみ表示している。


第2表 夏季・年末一時金妥結状況の推移


夏季一時金 年末一時金
主要企業 中小企業 主要企業 中小企業
要求額 妥結額 対前年比 妥結額 対前年比 要求額 妥結額 対前年比 妥結額 対前年比
昭和
45 168,349 138,892 22.2 86,769 25.2 190,008 160,202 19.2 106,373 20.8
46 207,761 157,864 13.7 99,100 14.2 208,422 168,511 5.2 114,489 7.6
47 225,940 166,938 5.7 108,348 9.3 238,196 196,388 16.5 135,141 18.0
48 275,305 206,857 23.9 141,824 30.9 321,799 279,569 42.4 195,916 45.0
49 395,303 302,721 47.0 202,814 43.0 453,913 352,470 27.4 241,899 23.5
50 434,806 325,029 7.4 202,890 0.04 429,671 334,698 -5.0 236,119 -2.4
51 423,668 332,389 3.0 217,560 7.2 449,587 366,318 10.5 260,961 10.5
52 442,243 363,937 10.3 237,300 9.1 457,104 389,455 6.5 276,383 5.9
53 449,307 381,757 2.2 246,285 3.8 485,686 422,882 5.5 290,962 5.3
54 478,610 420,706 11.5 270,104 9.7 534,120 465,793 10.3 324,246 11.4
55 498,580 447,985 10.3 297,369 10.1 537,309 482,672 8.7 346,848 7.0
56 543,121 480,752 7.6 315,694 6.2 561,962 515,705 7.2 364,184 5.0
57 563,289 504,711 5.2 326,872 3.5 585,545 533,109 3.2 370,354 1.7
58 594,366 512,314 1.7 328,683 0.6 594,111 547,257 2.7 378,022 2.1
59 595,506 535,123 4.5 342,638 4.2 623,675 575,577 5.2 395,461 4.6
60 630,123 565,657 6.0 357,858 4.4 644,636 600,594 4.4 407,543 3.1
61 620,123 557,980 2.1 361,098 0.9 642,507 609,853 1.5 406,577 -0.2
62 639,406 571,944 1.8 364,392 0.9 665,098 619,374 2.5 420,461 3.4
63 655,685 598,222 5.7 388,214 6.5 733,644 664,029 6.7 447,443 6.4
平成                    
691,701 645,864 8.1 417,106 7.4 777,275 720,540 8.5 477,568 6.7
2 744,461 697,946 8.0 447,340 7.2 779,661 765,542 6.8 511,900 7.2
3 750,522 736,444 5.5 470,712 5.2 795,687 794,011 3.6 532,095 3.9
4 781,251 759,721 2.7 479,132 2.1 846,686 796,447 0.2 533,128 0.3
5 799,143 751,793 -0.9 475,841 -1.2 817,570 786,656 -0.3 527,719 -1.7
6 785,904 749,982 -1.1 468,231 -2.1 778,783 796,035 0.1 523,303 -0.4
7 791,293 750,221 0.4 472,457 0.7 807,310 798,848 1.9 521,283 0.0
8 786,850 773,481 3.3 477,311 1.1 845,027 819,667 2.8 530,733 1.1
9 809,737 798,340 2.9 487,202 1.9 853,476 848,575 2.8 532,260 0.3
10 802,987 810,685 1.11 475,242 -3.8 805,457 833,801 -1.83 502,476 -6.5
11 831,231 768,230 -5.65 448,554 -7.4 863,548 801,235 -4.40 482,105 -5.5
12 825,417 758,804 -0.54 444,370 -1.6 787,827 799,232 0.76 480,300 -0.8
13 825,271 783,113 2.86 440,715 -1.7 860,026 812,934 1.76 458,396 -6.1
14 785,472 749,803 -4.30 408,987 -8.7 822,335 755,551 -5.88 433,751 -5.7
15 879,669 781,930 3.00 401,690 -2.1 771,296 771,540 1.97 434,592 -1.1
16 881,773 810,052 3.53 420,343 3.2 892,483 811,082 3.87

(注)1. 平成15年までの主要企業の集計対象は、原則として、東証又は大証1部上場企業のうち、資本金20億円以上かつ従業員数1,000人以上の労働組合がある企業である。(昭和54年以前は単純平均、昭和55年以降は加重平均。)
 平成16年の集計対象は、原則として、資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合がある企業である。(加重平均)
2. 中小企業の集計対象は、企業規模300人未満の労働組合がある企業約5,000社である。(単純平均)
3. 要求額は、月数要求・ポイント要求など要求額が不明な企業を除き、要求額が把握できた企業の平均額である。
4. 対前年比は、集計対象企業のうち前年と比較できる同一企業についての対前年比を算出したものであり、本年の妥結額と、前年の妥結額を単純比較した値ではない。


第3表 妥結時期別企業数


妥結時期 平成16年 平成15年
妥結企業数 妥結率 累計数 累計率 妥結企業数 妥結率 累計数 累計率
9月末まで 257 89.5 257 89.5 162 77.5 162 77.5
10月 0 0.0 257 89.5 1 0.5 163 78.0
11月 30 10.5 287 100.0 41 19.6 204 97.6
12月 0 0.0 287 100.0 2 1.0 206 98.6
1月以降 0 0.0 287 100.0 3 1.4 209 100.0
合計 287 100.0 287 100.0 209 100.0 209 100.0

(注1) 「9月末まで」の企業数は、2年以上の一時金をあわせて決定している企業等を含め平成16年9月末までに妥結した企業数である。
(注2) 業績連動方式を採用している企業や妥結時期が不明な企業は除いてある。


第4表 年間臨給実施状況の推移


集計対象
企業数
B 年間臨給
実施企業数
 
計(B/A) C夏冬型 C/B D冬夏型 D/B Eその他 E/B
昭和 社  %
49 275 89 (32.4) 35 39.3 52 58.4 2 2.2
50 271 101 (37.3) 49 48.5 47 46.5 5 5.0
51 273 125 (45.8) 71 56.8 51 40.8 3 2.4
52 279 132 (47.3) 81 61.4 49 37.1 2 1.5
53 281 134 (47.7) 81 60.4 50 37.3 3 2.2
54 283 146 (51.6) 87 59.6 54 37.0 5 3.4
55 287 158 (55.1) 93 58.9 58 36.7 7 4.4
56 287 160 (55.8) 97 60.6 56 35.0 7 4.4
57 288 166 (57.6) 104 62.7 58 34.9 4 2.4
58 288 165 (57.3) 104 63.0 58 35.2 3 1.8
59 287 169 (58.9) 105 62.1 58 34.3 6 3.6
60 288 182 (63.2) 112 61.5 61 33.5 9 4.9
61 287 170 (59.2) 102 60.0 61 35.9 7 4.1
62 285 174 (61.1) 111 63.8 56 32.2 7 4.0
63 296 189 (63.9) 122 64.6 60 31.7 7 3.7
平成                 
296 195 (65.9) 127 65.1 63 32.3 5 2.6
2 300 203 (67.7) 138 68.0 62 30.5 3 1.5
3 297 203 (68.4) 137 67.5 63 31.0 3 1.5
4 302 207 (68.5) 145 70.0 60 29.0 2 1.0
5 298 213 (71.5) 153 71.8 58 27.2 2 0.9
6 291 213 (73.2) 153 71.8 58 27.2 2 0.9
7 291 219 (75.3) 160 73.1 56 25.6 3 1.4
8 289 213 (73.7) 164 77.0 49 23.0 0
9 284 213 (75.0) 164 77.0 48 22.5 1 0.5
10 288 191 (66.3) 184 96.3 7 3.7 0
11 280 219 (78.2) 211 96.3 4 1.8 4 1.8
12 284 209 (73.6) 204 97.6 2 1.0 3 1.4
13 280 208 (74.3) 205 98.6 1 0.5 2 1.0
14 264 195 (73.9) 189 96.9 3 1.5 3 1.5
15 241 182 (75.5) 177 97.3 3 1.6 2 1.1
16 351 274 (78.1) 259 94.5 8 2.9 7 2.6

(注1) 「C夏冬型」は、春闘時又は夏季闘争時に夏季一時金及び年末一時金をあわせて決定する方式。
(注2) 「D冬夏型」は、秋季闘争時に年末一時金及び翌年の夏季一時金をあわせて決定する方式。
(注3) 「Eその他」は、夏冬型及び冬夏型の企業以外で、2年以上の一時金をあわせて決定している企業である。
(注4) 夏期一時金を春闘時又は夏季闘争時に、年末一時金を秋季闘争時にそれぞれ決定する「各期型」を採用している企業の割合は、53社(15.1%)である。


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