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医薬品・医療用具等安全性情報
Pharmaceuticals and Medical Devices
Safety Information No.210

目   次
  1. レフルノミドによる間質性肺炎について
  2. 重要な副作用等に関する情報
    1. 塩酸エピルビシン
    2. 乾燥スルホ化人免疫グロブリン,pH4処理酸性人免疫グロブリン,ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン,乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン
    3. テリスロマイシン
    4. プレドニゾロン(経口剤)
    5. ミゾリビン
  3. 使用上の注意の改訂について(その163)
    メフェナム酸他(11件)
この医薬品・医療用具等安全性情報は,厚生労働省において収集された副作用情報をもとに,医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために,医療関係者に対して情報提供されるものです。
平成17年(2005年)2月
厚生労働省医薬食品局

【情報の概要】
No.医薬品等対策情報の概要
1 レフルノミドによる間質性肺炎について 使  レフルノミドは,平成15年4月に承認された抗リウマチ薬である。発売開始後,死亡例を含む間質性肺炎の副作用が報告されたことから,平成16年1月30日,使用上の注意の改訂指示を行い,間質性肺炎等に対する注意喚起を行ったが,その後も間質性肺炎の報告が継続して報告され,平成16年11月末日までに58症例の間質性肺炎に関する副作用報告が集積されたことから,独立行政法人医薬品医療機器総合機構の専門委員における呼吸器及び関節リウマチの専門家により症例の評価・検討を行ったので,その結果について報告する。
2 塩酸エピルビシン他(4件) 使
 前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.209)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について,改訂内容,参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
3 メフェナム酸他(11件)    使用上の注意の改訂について(その163)
緊:緊急安全性情報の配布 使:使用上の注意の改訂 症:症例の紹介

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1.レフルノミドによる間質性肺炎について

成分名
販売名(会社名)
成分名 販売名
レフルノミド アラバ錠10mg,同20mg,同100mg(アベンティスファーマ)
薬効分類等 他に分類されない代謝性医薬品
効能効果 関節リウマチ

(1)はじめに

 レフルノミドは,平成15年4月に承認された抗リウマチ薬である。我が国における治験情報及び海外における使用状況から,承認条件として次の事項が付けられている。
(1)市販後の一定期間については,投与症例について全例を登録して,本剤の安全性と有効性を調査するとともに,集積された結果については,定期的に報告すること。
(2)大規模な市販後調査を実施し,本剤の安全性について十分に検討するとともに,長期投与時の安全性,肝障害,感染症,骨髄抑制等の発現については,より重点的に検討すること。
同年9月の発売開始後,死亡例を含む間質性肺炎の副作用が報告されたことから,平成16年1月30日,使用上の注意の改訂指示を行い,間質性肺炎等に対する注意喚起を行った。主な改訂は次のとおり。

1)[警告]

2)[慎重投与]

3)[重要な基本的注意]

(2)市販後調査の状況

 本剤は,承認条件に基づいて調査予定症例数3000例を目標に,全症例を登録する市販後調査(全例調査)が実施されていた。死亡例を含む間質性肺炎が報告されたことから,平成16年1月30日に使用上の注意の改訂を指示し,間質性肺炎に対する注意喚起が行われた。それに伴い全例調査の実施計画書が一部変更され,重点調査項目として間質性肺炎等が追加され,また,調査予定症例数も2400例追加され5400例とされた。平成17年1月現在も全例調査が継続されている。

(3)レフルノミドの間質性肺炎について

1)特徴

 レフルノミドの間質性肺炎については,画像上,両側肺に陰影が上肺野から全肺野,肺野中央に優位に分布し,関節リウマチに伴う間質性肺炎で見られる下肺野,背側,肺野辺縁に目立つ分布とは異なる。また,小葉単位の分布が見られることもある。
 早期・軽症例ではスリガラス陰影(ground-glass opacity)があり,進行すると浸潤影(consolidation)となる。胸水を伴うこともある。
 軽快すれば元に復し,線維化を残さない。

2)副作用報告件数(投与開始日で集計)

期 間 副作用報告件数 投与開始患者数
平成15年8月〜平成16年1月 49症例 約3650症例
平成16年2月〜平成16年11月 9症例 約1400症例
注)*:臨床試用医薬品提供開始月,**:全例調査における登録症例数

(4)専門家による症例評価

 画像(X線,CTなど)の入手できた症例については画像及び副作用報告書から,それ以外の症例については副作用報告書の記載内容から間質性肺炎の診断及びレフルノミドとの因果関係について評価を行った。
 間質性肺炎として報告された58症例について,間質性肺炎と診断される症例は42症例(画像あり27/40,画像なし15/18)であり,レフルノミドとの因果関係が否定できない間質性肺炎の症例(以下,間質性肺炎事例)は41症例(画像あり26症例,画像なし15症例)であった。
 間質性肺炎事例41症例のうち,間質性肺炎等の既往のある患者は23症例(56%)である。
 また,間質性肺炎事例41症例のうち,クエストランにより薬物除去を行った症例は30症例であり,そのうち死亡症例は10症例(死亡率33.3%)であった。一方,薬物除去を行わなかった症例11症例のうち死亡症例は6症例(死亡率55%)であった。
 なお,喫煙歴のある患者は10症例(うち5症例死亡)であった。

(5)専門家の評価を踏まえた間質性肺炎発症後の対応について

 間質性肺炎の初発症状である咳,呼吸困難,発熱等が現れた場合には,速やかにX線検査(可能であればCT),酸素飽和度,血液ガス検査等を行うこと。
 また,間質性肺炎とする副作用報告の中には,実際に画像から診断するとカリニ肺炎が強く疑われる症例も含まれており,レフルノミドによる間質性肺炎と治療方法も異なることから,鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)を行うこと。
 更に,本剤は血中からの消失半減期が長く,投与を中止して数日たって間質性肺炎が発症する症例も報告されており,症状が現れた場合には投与を中止するだけでなく可能な限りクエストラン等を投与し薬物除去を行うこと。

(6)最後に

 現在,アベンティスファーマ社が間質性肺炎等の肺障害の既往や合併のない患者での間質性肺炎の発現状況を調査するために,全例調査を実施している。本調査により,本剤の投与による間質性肺炎発症に影響を与える要因を検討するとしているので,薬事法第77条の3第2項の規定に基づき企業が実施する適正使用情報の収集への御協力をお願いする。
 また,本剤による間質性肺炎等の副作用を入手した際には,薬事法第77条の4の2第2項の規定に基づく副作用報告等をお願いする。

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2.重要な副作用等に関する情報

 前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.209)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について,改訂内容,参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。

【1】 塩酸エピルビシン

販売名(会社名) ファルモルビシンRTU注射液,ファルモルビシン注(ファイザー)
薬効分類等 抗腫瘍性抗生物質製剤
効能効果 下記疾患の自覚的並びに他覚的症状の緩解
急性白血病,悪性リンパ腫,乳癌,卵巣癌,胃癌,肝癌,尿路上皮癌(膀胱癌,腎盂・尿管腫瘍)

使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
骨髄抑制:汎血球減少,白血球減少,好中球減少,血小板減少,貧血,出血傾向があらわれることがある。なお,高度な骨髄抑制により致命的な感染症(敗血症)や消化管出血があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
肝・胆道障害:肝動脈内投与において,肝内胆汁性嚢胞,胆管炎,胆管壊死,肝壊死等の肝・胆道障害があらわれることがあるので,造影剤等により薬剤の分布領域をよく確認し,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
胃潰瘍,十二指腸潰瘍:肝動脈内投与において,胃潰瘍,十二指腸潰瘍があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
70代
肝内胆管癌
(なし)
72mg
3日間
敗血症
投与約5ヵ月前 腹痛にて前医を受診した。精査にて肝内胆管癌,リンパ節転移と診断した。
投与約4ヵ月前 総合内科(肝・胆・膵)を受診した。
投与約3ヵ月前 入院した。
化学療法(本剤,シスプラチン,フルオロウラシル,以下CEF療法)1コース目を開始した。グレード3の好中球減少が発現した。
投与約2ヵ月前 CEF療法2コース目を開始した。グレード3の好中球減少が発現した。
投与開始日 CEF療法3コース目を開始した。
中止8日後 39℃の発熱が発現した。
中止9日後 悪寒と戦慄を伴う40℃の発熱が発現した。明らかな感染源は不明であったが,敗血症を考え,抗生物質(セフミノクスナトリウム)の投与を開始した。
中止10日後 39℃の発熱が持続した。播種性血管内凝固症候群と診断し,メシル酸ガベキサートを投与開始した。抗生物質をイミペネム・シラスタチンナトリウム配合剤に変更し,乾燥スルホ化人免疫グロブリンを3日間使用した。フィルグラスチム(遺伝子組換え)を開始した。人血小板濃厚液を輸血した。
中止14日後 意識障害が出現した。その後,腎不全が進行した。
中止18日後 腎不全が進行し死亡した。
企業報告
臨床検査値
  
投与
開始日
中止
8日後
中止
9日後
中止
10日後
中止
11日後
中止
14日後
中止
16日後
白血球数(/mm3
15100
5500
1800
2000
1200
18200
29100
好中球(%)
87.0
80.0
83.3
85.0
75.0
77.0
62.0
赤血球数(×104/mm3
237
176
248
258
227
ヘモグロビン(g/dL)
8.2
5.8
8.1
8.4
7.3
血小板数(×104/mm3
21.1
6.5
4.0
2.1
4.5
3.1
2.1
BUN(mg/dL)
28
39
50
69
111
クレアチニン(mg/dL)
0.9
1.0
1.2
2.7
3.6
CRP(mg/dL)
2.4
2.3
8.5
25.2
13.4
併用薬:シスプラチン,フルオロウラシル,硫酸モルヒネ,ファモチジン,メトクロプラミド,健胃消化剤

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
70代
膀胱癌
(なし)
50mg
1日間
消化管出血
投与1日前 メトトレキサートを投与した。
投与開始日 本剤,硫酸ビンクリスチン,シスプラチンを投与した。
中止2日後 全身疼痛感が出現した。
中止6日後 尿量減少,イレウス様症状が出現した。
中止7日後 全身状態改善のため輸液と酢酸テトラコサクチド亜鉛(5日間)を投与し,症状は回復に向かったが,発熱と水様性の下痢が出現した。
中止10日後 左耳下腺の腫脹が出現した。
中止11日後 新鮮凍結人血漿を2日間輸血した。
中止13日後 急性耳下腺炎に対しセファゾリンナトリウム水和物を7日間投与し,腫脹は消退し解熱傾向がみられた。
中止14日後 下血し,再び発熱が出現した。イレウスが軽快した。
中止16日後 腎機能障害が回復した。
中止17日後 貧血に対し人赤血球濃厚液を2日間輸血した。
中止19日後 夜間に比較的多量の下血があり,これと前後して軽い意識障害を認めた。
中止20日後 多量の消化管出血のためショック症状となった。新鮮凍結人血漿,人赤血球濃厚液,人全血液,人血小板濃厚液の輸血により状態改善をはかるも止血しなかった。
中止23日後 死亡した。
企業報告
臨床検査値
  
投与1日前
中止6日後
中止7日後
中止16日後
中止18日後
中止20日後
白血球数(/mm3
6700
2600
700
9500
12200
20100
好中球(%)
59.0
46.9
9.2
72.1
好酸球(%)
3.7
1.6
4.6
0.4
好塩基球(%)
0.6
0.4
6.2
0.4
リンパ球(%)
30.4
44.1
72.3
21.5
単球(%)
6.3
7.0
7.7
5.6
赤血球数(×104/mm3
347
355
318
274
305
161
ヘモグロビン(g/dL)
11.0
11.3
10.3
8.6
9.8
4.9
血小板数(×104/mm3
22.6
5.8
4.0
5.1
9.9
8.0
併用薬:メトトレキサート,硫酸ビンクリスチン,シスプラチン

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
3
70代
肝細胞癌
(なし)
20mg
1日間
肝内胆汁性嚢疱
投与約6年前 C型肝硬変にて外来通院していた。
投与約1年前 肝左葉外側区域に2cmの腫瘍病変を認め,肝細胞癌(HCC)と診断した。
投与約10ヵ月前 左肝動脈よりヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル-TAEを施行した。TAEの効果が不十分であったため,TAE後経皮的エタノール注入療法(PEIT)を4回実施した。
投与約1ヵ月前 外側区域HCCの局所再発を認め入院した。
投与開始日 血管造影上外側区域の腫瘍膿染像は明らかではなかったが,左肝動脈より本剤20mg,ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル4mLを動注し,次いでゼラチンを用いてTAEを行った。
中止9日後 再び熱発が続き抗生物質でも改善しなかった。
中止27日後 CTにて肝左葉外側区域から左横隔膜下にかけて長径10cmの嚢胞性病変の出現を認めた。TAE後のBilomaを疑い同日エコーガイド下にて嚢胞を穿刺したところ,初めに黄色の胆汁が,続いて灰白色の混濁した膿汁が採取された。膿瘍化したBilomaと考え経皮的ドレナージを行った。
留置したドレナージから再度造影したところ,嚢胞腔と胆管左外側枝と交通が認められBilomaと診断した。塩酸セフォゾプラン2gの全身投与を継続し,ドレナージチューブから硫酸ゲンタマイシン40mgの2回注入を行い,炎症反応の消失,Bilomaの縮小を認めたが胆汁の流出が続いた。
中止約3ヵ月後 フィブリン接着剤6mLの注入を行い胆汁の流出の消失を確認した。
ドレナージチューブを抜去した。
中止約4ヵ月後 退院した。
企業報告
併用薬:ゼラチン,ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
4
70代
原発性肝細胞癌
(肝硬変,食道静脈瘤)
50mg
不明
十二指腸潰瘍
投与4年前 HCV陽性の肝細胞癌(Child分類:A)に対してTAE治療を6回施行した。
投与5日前 十二指腸下行脚の内視鏡像では,特に病変は認めなかった。
不   明 TAE施行前に潰瘍発生予防目的にてH2受容体拮抗剤を投与した。
胆管動脈叢より7回目のTAEを施行した(本剤50mg,ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル3mL)。
TAE後より黒色便が出現した
投与7日後 内視鏡では,十二指腸下行脚に,約半周性の易出血性の巨大な潰瘍発生を認めた。
投与1ヵ月後 内視鏡像では,潰瘍はH2ステージとなっていた。
投与2ヵ月後 同部位の内視鏡像では,潰瘍は瘢痕化していた。
企業報告
併用薬:ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル

【2】 乾燥スルホ化人免疫グロブリン,pH4処理酸性人免疫グロブリン,ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン,乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン

販売名(会社名) 献血ベニロン-I,ベニロン(化学及血清療法研究所)
ポリグロビンN(バイエル薬品)
献血ヴェノグロブリン-IHヨシトミ,ヴェノグロブリン-IH(ベネシス)
献血グロベニン-I-ニチヤク(日本製薬)
薬効分類等 血液製剤類
効能効果 ○低又は無ガンマグロブリン血症
○重症感染症における抗生物質との併用
○特発性血小板減少性紫斑病(他剤が無効で著明な出血傾向があり,外科的処置又は出産等一時的止血管理を必要とする場合)
○川崎病の急性期(重症であり,冠動脈障害の発生の危険がある場合)
○ギラン・バレー症候群(急性増悪期で歩行困難な重症例)(献血ベニロン-Iのみ)
○慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の筋力低下の改善(献血グロベニン-I-ニチヤクのみ)

使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
血栓塞栓症:大量投与例で,血液粘度の上昇等により,脳梗塞,心筋梗塞,肺塞栓症,深部静脈血栓症等の血栓塞栓症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,中枢神経症状(めまい,意識障害,四肢麻痺等),胸痛,突然の呼吸困難,息切れ,下肢の疼痛・浮腫等の症状が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。なお,血栓塞栓症の危険性の高い患者においては,適宜減量し,できるだけゆっくりと投与することが望ましい。
心不全:主として川崎病への大量投与例で,循環血漿(血液)量過多により心不全を発症又は悪化させることがあるので,観察を十分に行い,呼吸困難,心雑音,心機能低下,浮腫,尿量減少等が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。なお,心機能の低下している患者においては,適宜減量し,できるだけゆっくりと投与することが望ましい。
〈参   考〉 企業報告

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
20代
ギラン・バレー症候群
(なし)
24g
5日間
下肢深部静脈血栓症
投与開始日 ギラン・バレー症候群のため,本剤を5日間投与。
終了3日後 両下肢の疼痛が発現し,エコーで両側膝窩付近に血栓を認め,弾性ストッキング,ヘパリンカルシウム,ヘパリンナトリウム,ワルファリンカリウムの治療を行った。
終了8日後 2回目の本剤の投与開始。トランスアミナーゼ上昇を認めたが,経過観察で改善した。
終了12日後 本剤の2回目の投与終了。
終了28日後 発熱,尿混濁,下腹部不快感が発現し,尿道バルーン抜去。塩酸セフォチアム,レボフロキサシンで速やかに治癒。
終了55日後 肢深部静脈血栓症は回復。
企業報告
併用薬:コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム,塩酸セフォチアム

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
10歳未満
川崎病
(なし)
13.5g
2日間
心不全
投与開始日 本剤投与。
投与2日目
(投与終了日)
本剤投与。
本剤投与終了後,浮腫,乏尿(100mL/日未満),肝腫大(右季肋下3横指触知)が出現。
レントゲンで心拡大を認めた。収縮期心雑音聴取。心エコーでMR中等度,TR中等度。
心室収縮不良(FS20%)を認めた。
利尿剤,強心剤内服。ACE阻害剤の内服も行った。
終了6日後 心不全は軽快。
企業報告
併用薬:フルルビプロフェン

【3】 テリスロマイシン

販売名(会社名) ケテック錠300mg(アベンティスファーマ)
薬効分類等 主としてグラム陽性菌,マイコプラズマに作用するもの
効能効果 <適応菌種>
本剤に感性のブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス,インフルエンザ菌,レジオネラ属,ぺプトストレプトコッカス属,プレボテラ属,肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ),肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
<適応症>
咽頭・喉頭炎,扁桃炎,急性気管支炎,肺炎,慢性呼吸器病変の二次感染,副鼻腔炎,歯周組織炎,歯冠周囲炎,顎炎

使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[重要な基本
的注意]
意識消失,視調節障害,霧視等があらわれることがあるので,自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。投与にあたっては,これらの副作用が発現する場合があることを患者等に十分に説明し,これらがあらわれた場合には,直ちに投与を中止し,医師の診察を受けるよう指導すること。
〈参   考〉 企業報告

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
50代
咽喉頭炎
(なし)
600mg
2日間
意識消失
投与4日前 咳,痰,咽頭痛にて初診。咽頭炎と診断し,セフテラムピボキシル,鎮咳・抗ヒスタミン・解熱配合剤を投与する。
投与開始日 4日間服薬するも,咳,痰は改善せずとの訴えあり。セフテラムピボキシル,鎮咳・抗ヒスタミン・解熱配合剤を中止し,本剤に切り替える。当日600mg服用。その時は何ともなかった。
投与2日目
(投与中止日)
本剤服用後(おそらく朝食後に本剤を服用),昼頃(服用後約4〜5時間後),車を運転し,川の堤の道を運転中記憶がなくなり,川のカーブで車ごと川に落ちて始めて気がついた。川が小さく水も少なかったので,大事故にもならず,溺水という事態にもならず,頸椎損傷や打撲等の後遺症らしきものもなかった。その後,服薬中止。
意識消失は「突発性で前駆症状はなかった」とのことである。
心電図,脳CT検査未実施。
7年前に脳CT検査を行っているが,特に異常なし。
昨年9月の健康診断では,尿路感染に起因する蛋白尿以外は特に異常なし。
企業報告
併用薬:セフテラムピボキシル,鎮咳・抗ヒスタミン・解熱配合剤

【4】 プレドニゾロン(経口剤)

販売名(会社名) 「純生」プレドニゾロン錠(純生薬品工業)
プレドニゾロン散「タケダ」1%,同錠「タケダ」5mg(武田薬品工業)
プレドニゾロン散1%「マルイシ」(丸石製薬)
プレドニゾロン錠1mg(旭化成),同錠5mg(旭化成)(旭化成ファーマ)
プレドニゾロン錠5「イセイ」(イセイ)
プレドニゾロン錠「三恵」(三恵薬品)
プレドニゾロン錠「三研」(三和化学研究所)
プレドニゾロン錠「タケシマ」(竹島製薬)
プレドニゾロン錠「トーワ」(東和薬品)
プレドニゾロン錠「ミタ」(東洋ファルマー)
プレドニゾロン錠「ヨウシン」(陽進堂)
プレドニゾロン錠1「ホエイ」,同錠5「ホエイ」(メルク・ホエイ)
プレドニン錠5mg(武州製薬)
プレドハン錠2.5mg,プレドニゾロン錠5mg「NP」(ニプロファーマ)
プレロン錠,同錠1mg,同錠2.5mg,同錠5mg(大洋薬品工業)
薬効分類等 副腎ホルモン剤
効能効果 ○慢性副腎皮質機能不全(原発性,続発性,下垂体性,医原性),急性副腎皮質機能不全(副腎クリーゼ),副腎性器症候群,亜急性甲状腺炎,甲状腺中毒症〔甲状腺(中毒性)クリーゼ〕,甲状腺疾患に伴う悪性眼球突出症,ACTH単独欠損症
○慢性関節リウマチ,若年性関節リウマチ(スチル病を含む),リウマチ熱(リウマチ性心炎を含む),リウマチ性多発筋痛
○エリテマトーデス(全身性及び慢性円板状),全身性血管炎(大動脈炎症候群,結節性動脈周囲炎,多発性動脈炎,ヴェゲナ肉芽腫症を含む),多発性筋炎(皮膚筋炎),強皮症
○ネフローゼ及びネフローゼ症候群
○うっ血性心不全
○気管支喘息,喘息性気管支炎(小児喘息性気管支炎を含む),薬剤その他の化学物質によるアレルギー・中毒(薬疹,中毒疹を含む),血清病
○重症感染症(化学療法と併用する)
○溶血性貧血(免疫性又は免疫性機序の疑われるもの),白血病(急性白血病,慢性骨髄性白血病の急性転化,慢性リンパ性白血病)(皮膚白血病を含む),顆粒球減少症(本態性,続発性),紫斑病(血小板減少性及び血小板非減少性),再生不良性貧血,凝固因子の障害による出血性素因
○限局性腸炎,潰瘍性大腸炎
○重症消耗性疾患の全身状態の改善(癌末期,スプルーを含む)
○劇症肝炎(臨床的に重症とみなされるものを含む),胆汁うっ滞型急性肝炎,慢性肝炎(活動型,急性再燃型,胆汁うっ滞型)(但し,一般的治療に反応せず肝機能の著しい異常が持続する難治性のものに限る),肝硬変(活動型,難治性腹水を伴うもの,胆汁うっ滞を伴うもの)
○サルコイドーシス(但し,両側肺門リンパ節腫脹のみの場合を除く),びまん性間質性肺炎(肺線維症)(放射線肺臓炎を含む)
○肺結核(粟粒結核,重症結核に限る)(抗結核剤と併用する),結核性髄膜炎(抗結核剤と併用する),結核性胸膜炎(抗結核剤と併用する),結核性腹膜炎(抗結核剤と併用する),結核性心のう炎(抗結核剤と併用する)
○脳脊髄炎(脳炎,脊髄炎を含む)(但し,一次性脳炎の場合は頭蓋内圧亢進症状がみられ,かつ他剤で効果が不十分なときに短期間用いること),末梢神経炎(ギランバレー症候群を含む),筋強直症,重症筋無力症,多発性硬化症(視束脊髄炎を含む),小舞踏病,顔面神経麻痺,脊髄蜘網膜炎
○悪性リンパ腫(リンパ肉腫症,細網肉腫症,ホジキン病,皮膚細網症,菌状息肉症)及び類似疾患(近縁疾患),好酸性肉芽腫,乳癌の再発転移
○特発性低血糖症
○原因不明の発熱
○副腎摘除,臓器・組織移植,侵襲後肺水腫,副腎皮質機能不全患者に対する外科的侵襲
○蛇毒・昆虫毒(重症の虫さされを含む)
○強直性脊椎炎(リウマチ性脊椎炎)
○卵管整形術後の癒着防止,副腎皮質機能障害による排卵障害
○前立腺癌(他の療法が無効な場合),陰茎硬結
湿疹・皮膚炎群(急性湿疹,亜急性湿疹,慢性湿疹,接触皮膚炎,貨幣状湿疹,自家感作性皮膚炎,アトピー皮膚炎,乳・幼・小児湿疹,ビダール苔癬,その他の神経皮膚炎,脂漏性皮膚炎,進行性指掌角皮症,その他の手指の皮膚炎,陰部あるいは肛門湿疹,耳介及び外耳道の湿疹・皮膚炎,鼻前庭及び鼻翼周辺の湿疹・皮膚炎など)(但し,重症例以外は極力投与しないこと),痒疹群(小児ストロフルス,蕁麻疹様苔癬,固定蕁麻疹を含む)(但し,重症例に限る。また,固定蕁麻疹は局注が望ましい),蕁麻疹(慢性例を除く)(重症例に限る),乾癬及び類症〔尋常性乾癬(重症例),関節症性乾癬,乾癬性紅皮症,膿疱性乾癬,稽留性肢端皮膚炎,疱疹状膿痂疹,ライター症候群〕,掌蹠膿疱症(重症例に限る),毛孔性紅色粃糠疹(重症例に限る),扁平苔癬(重症例に限る),成年性浮腫性硬化症,紅斑症(多形滲出性紅斑,結節性紅斑)(但し,多形滲出性紅斑の場合は重症例に限る),アナフィラクトイド紫斑(単純型,シェーンライン型,ヘノッホ型)(重症例に限る), ウェーバークリスチャン病,粘膜皮膚眼症候群〔開口部びらん性外皮症,スチブンス・ジ ョンソン病,皮膚口内炎,フックス症候群,ベーチェット病(眼症状のない場合),リップシュッツ急性陰門潰瘍〕,レイノー病,円形脱毛症(悪性型に限る),天疱瘡群(尋常性天疱瘡,落葉状天疱瘡,Senear-Usher症候群,増殖性天疱瘡),デューリング疱疹状皮膚炎(類天疱瘡,妊娠性疱疹を含む),先天性表皮水疱症,帯状疱疹(重症例に限る),紅皮症(ヘブラ紅色粃糠疹を含む),顔面播種状粟粒性狼瘡(重症例に限る),アレルギー性血管炎及びその類症(急性痘瘡様苔癬状粃糠疹を含む),潰瘍性慢性膿皮症,新生児スクレレーマ
○内眼・視神経・眼窩・眼筋の炎症性疾患の対症療法(ブドウ膜炎,網脈絡膜炎,網膜血管炎,視神経炎,眼窩炎性偽腫瘍,眼窩漏斗尖端部症候群,眼筋麻痺),外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法で点眼が不適当又は不十分な場合(眼瞼炎,結膜炎,角膜炎,強膜炎,虹彩毛様体炎),眼科領域の術後炎症
○急性・慢性中耳炎,滲出性中耳炎・耳管狭窄症,メニエル病及びメニエル症候群,急性感音性難聴,血管運動(神経)性鼻炎,アレルギー性鼻炎,花粉症(枯草熱),副鼻腔炎・鼻茸,進行性壊疽性鼻炎,喉頭炎・喉頭浮腫,食道の炎症(腐蝕性食道炎,直達鏡使用後)及び食道拡張術後,耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法,難治性口内炎及び舌炎(局所療法で治癒しないもの)
○嗅覚障害,急性・慢性(反復性)唾液腺炎
※印:外用剤を用いても効果が不十分な場合あるいは十分な効果を期待し得ないと推定される場合にのみ用いること。

使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
腱断裂:アキレス腱等の腱断裂があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には減量するなど適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
50代
皮膚筋炎
(肺線維症,慢性副鼻腔炎)
10〜40mg
約11年間
腱断裂
既往歴 不明
投与開始日 皮膚筋炎に対し,本剤10〜40mg投与開始。
投与9年目 左母指に少し力を入れてから,左母指伸展障害(長母指伸筋腱断裂)が発現したが放置。
投与約11年目
(発 現 日)
特に誘因なく,左小指伸展障害が出現し,小指伸筋腱断裂と診断。
発現20日目 入院の上,左母指及び小指の腱移行術施行。
病理検査では腱組織に脆弱化を認めた(健常部でも)。
発現50日目 退院。
発現70日目 外来にて軽快と判断した。
本剤の投与は継続。
担当医の見解:今回の症例は,長期ステロイド製剤使用例で,軽微な外力で発症しており,関節変形等他の要因が認められなかった。病理診断でも,腱の健常部に線維芽細胞数の減少や,線維の蛇行がみられ,脆弱化が示唆された。以上により,ステロイド製剤の長期使用による手指伸筋腱断裂が強く疑われた。
企業報告
併用薬:不明

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
60代
全身性エリテマトーデス 不明
約13年間
腱断裂
既往歴 胃潰瘍
投与開始日 全身性エリテマトーデスに対し,本剤投与開始。
投与約13年目
(発現15日前)
上気道炎に対し,サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・メチレンジサリチル酸プロメタジン配合剤3g及びクラリスロマイシン400mg投与開始(3日間)。
発現12日前 レボフロキサシン300mg投与開始(7日間)。
発現8日前 両下腿後面のだるさが出現。
発 現 日 後足を踏みはずしたところ両下腿後面の疼痛が増悪。
両側アキレス腱断裂発現。
発現3日目 当科初診,同日入院。
発現7日目 Lindholm法に従って腱縫合術施行。
病理組織所見では腱周囲や腱内の最小動脈の内膜増成による血管腔の狭窄が認められた。
発現114日目 退院。
本剤の投与は継続。
担当医の見解:本症の発生機序を考えるに,全身性エリテマトーデスによる腱及び腱周囲の血管炎,ステロイド投与による腱修復の阻害,レボフロキサシンによる腱炎と三つの事象が重なり,アキレス腱の脆弱性が促進され軽微な外力で断裂に至ったと推測される。
企業報告
併用薬:レボフロキサシン,クラリスロマイシン,サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・メチレンジサリチル酸プロメタジン配合剤

【5】 ミゾリビン

販売名(会社名) ブレディニン錠25,同錠50(旭化成ファーマ)
薬効分類等 他に分類されない代謝性医薬品
効能効果
1.腎移植における拒否反応の抑制
2.原発性糸球体疾患を原因とするネフローゼ症候群(副腎皮質ホルモン剤のみでは治療困難な場合に限る。また,頻回再発型のネフローゼ症候群を除く。)
3.ループス腎炎(持続性蛋白尿,ネフローゼ症候群または腎機能低下が認められ,副腎皮質ホルモン剤のみでは治療困難な場合に限る。)
4.慢性関節リウマチ(過去の治療において,非ステロイド性抗炎症剤さらに他の抗リウマチ薬の少なくとも1剤により十分な効果の得られない場合に限る。)

使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
消化管潰瘍,消化管出血,消化管穿孔:消化管潰瘍,消化管出血,消化管穿孔があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重篤な皮膚障害:皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)等の重篤な皮膚障害があらわれることがあるので,観察を十分に行い,発熱,紅斑,そう痒感,眼充血,口内炎等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
膵 炎:膵炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高血糖,糖尿病:高血糖,糖尿病及び糖尿病の悪化があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
30代
腎移植後,慢性腎不全
(なし)
125〜300mg
40日間
小腸穿孔
投与開始日 本剤およびシクロスポリン,プレドニゾロンによる免疫抑制療法開始。
投与3日目 生体腎移植術施行。術後の経過は良好。
投与39日目 尿量減少,発熱,腹痛が発現。
緊急開腹術を行い,回腸部の穿孔と診断。
小腸瘻,人工肛門造設。
回復。
投与40日目
(投与中止日)
本剤投与中止。
他の免疫抑制剤は減量して継続。全身状態は徐々に改善。
企業報告
併用薬:シクロスポリン,プレドニゾロン,酢酸プレドニゾロン,コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム,カルベニシリンナトリウム

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
40代
ネフローゼ症候群,慢性腎不全,IgA腎症
(高血圧,糖尿病,狭心症)
150mg
48日間
皮膚粘膜眼症候群
投与開始日 本剤150mgの投与開始。
投与40日目 全身に発疹が発現。発熱,咽頭痛,咳痰あり。
風疹を疑い投薬加療。
投与41日目 口腔内,頭皮にも発疹を認める。
投与48日目
(投与中止日)
発疹の増悪,口腔内炎症所見著明にて,入院。
本剤投与中止。
中止3日後 皮膚科にて,皮膚粘膜眼症候群と診断。
ステロイドパルス療法開始。
中止9日後 呼吸状態不良。血中酸素濃度が酸素大量投与にて改善しないため,気管内挿管後,人工呼吸管理開始。
中止11日後 気管支鏡施行し,気管支粘膜にまで炎症・腫脹著明のため換気不十分と判明。
中止12日後 死亡。
(死因:呼吸不全,剖検:無)
企業報告
臨床検査値
  
投与128日前
投与44日目
投与48日目
(投与中止日)
中止2日後
中止3日後
中止8日後
白血球数(/mm3
13060
23140
17780
5590
赤血球数(×104/mm3
422
389
401
314
血小板数(×104/mm3
352
360
218
44
BUN(mg/dL)
46.5
72.7
84.3
101.0
血清クレアチニン(mg/dL)
3.2
5.9
6.8
5.3
AST(GOT)(IU/L)
8
66
61
33
ALT(GPT)(IU/L)
11
180
164
27
Na(mEq/L)
140
136
139
144
K(mEq/L)
4.4
5.6
5.4
5.2
併用薬:ロキソプロフェンナトリウム,セラペプターゼ,球形吸着炭,ベシル酸アムロジピン,プレドニゾロン,塩酸ラニチジン,柴苓湯,塩酸ジラゼプ,ジピリダモール

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
3
30代
SLE,ループス腎炎
(抗リン脂質抗体症候群)
200mg
95日間
 ↓
100mg
108日間
Stevens-Johnson症候群
投与開始日 本剤200mgの投与開始。
投与96日目 本剤100mgに減量。アロプリノール,スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤の投与開始。
投与148日目 イトラコナゾールの投与開始。
投与165日目 イソニアジドの投与開始。
投与201日目 38℃台熱発。感冒症状にて,トシル酸スルタミシリン処方。
投与202日目 顔面に皮疹出現。次第に体幹部に拡がる。
投与203日目
(投与中止日)
Stevens-Johnson症候群,麻疹疑いにて,緊急入院。
全身紅斑,口腔内潰瘍,結膜炎あり。全身の浮腫も強くなってくる。
内服全面中止し,点滴静脈注射へ変更。
中止2日後 低酸素あり,酸素投与。
中止4日後 皮膚科より皮膚生検の結果,病理上は中毒性表皮壊死(TEN)を認めた。
中止5日後 薬剤性またはウイルス性の可能性強いと判断し,メチルプレドニゾロン,γ-グロブリン製剤投与開始。
中止7日後 中心静脈栄養管理とする。
中止12日後 白血球数1100/mm3未満,ヘモグロビン13.1g/dL,血小板数3.74×104/mm3未満と血球減少あり。
Pre DICにてヘパリン製剤投与。
中止13日後 白血球数3000/mm3,ヘモグロビン8.0g/dL,血小板数6.24×104/mm3と回復。
皮疹自体は,改善傾向。
中止25日後 本剤DLST陽性,他の薬剤DLSTすべて陰性。
中止38日後 皮膚症状もほぼ軽快。
企業報告
臨床検査値
  
投与
179日目
投与
201日目
投与203日目
(投与中止日)
中止
8日後
中止
10日後
中止
12日後
中止
13日後
中止
45日後
体温(℃)
38℃台
37.6
36.4
37.4
36.8
ヘモグロビン(g/dL)
10.5
10.6
6.6
10.1
13.1
8.0
11.0
白血球数(/mm3
3000
2500
2500
1300
1100>
3000
3500
血小板数(×104/mm3
12.0
11.7
8.4
5.1
3.74>
6.24
12.8
併用薬:アロプリノール,スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤,イトラコナゾール,トシル酸スルタミシリン,イソニアジド,ランソプラゾール,バルサルタン,アスピリン,フロセミド,プレドニゾロン,葉酸,テプレノン,塩化カリウム

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
4
60代
関節リウマチ
(急性膵炎)
100mg
不明
急性膵炎(血清膵酵素上昇)
投与開始日 他院にて本剤100mgの投与開始。
中止18日前 下痢が発現。後日改善。
中止4日前 腹痛,嘔気が発現。
中止2日前 当院を初診。血清アミラーゼ317IU/L,リパーゼ194IU/L,CRP9.67mg/dLと高値を示し,急性膵炎と診断し,加療開始。入院。
中止1日前 CTにては膵炎の所見なし。胆石や胆管結石も認めず。もともと慢性膵炎があることを示唆する所見なし。
投与中止日 本剤投与中止。病状は約1週間でおさまっていったので,経口摂食開始。メシル酸カモスタット,総合消化酵素製剤投与。
中止7日後 エコーにて異常所見なし。
中止11日後 軽快。退院。
企業報告
臨床検査値
  
中止2日前
中止1日前
中止1日後
中止3日後
中止6日後
中止9日後
血清アミラーゼ(IU/L)
317
88
212
101
163
182
リパーゼ(IU/L)
194
94
257
144
170
CRP(mg/dL)
9.67
10.93
3.59
4.31
1.36
1.31
白血球数(/mm3
8100
5900
7000
7900
10300
8300
併用薬:プレドニゾロン,ジクロフェナクナトリウム,ファモチジン

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
5
60代
ネフローゼ症候群
(右大腿骨頭壊死)
150mg
26日間
高血糖
投与開始日 本剤150mgの投与開始。
投与26日目
(投与中止日)
高血糖が発現。入院。
高血糖に対して本剤中止とし,インスリン1日4回で対処し,血糖のコントロールをしている。
中止9日後 軽快。
企業報告
臨床検査値
  
投与開始日
投与15日目
投与26日目
(投与中止日)
中止1日後
中止3日後
中止10日後
中止17日後
血糖(mg/dL)
114
250
625
274
124
95
138
併用薬:プレドニゾロン,リセドロン酸ナトリウム水和物,塩酸ジラゼプ,アスピリン,レバミピド,シンバスタチン,塩酸タムスロシン

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3.使用上の注意の改訂について(その163)

 前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.209)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「2 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について,改訂内容,主な該当販売名,参考文献等をお知らせいたします。

〈解熱鎮痛消炎剤〉
メフェナム酸
[販 売 名] ポンタール散,同細粒,同カプセル125mg,同カプセル250mg,同錠250mg,同シロップ(三共)他
[副作用
(重大な副作用)]
溶血性貧血,無顆粒球症自己免疫性溶血性貧血,無顆粒球症,顆粒球減少があらわれることがあるので,血液検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。また,高齢者では長期投与した場合,自己免疫性溶血性貧血があらわれることがあるので,血液検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
急性腎不全,ネフローゼ症候群,間質性腎炎急性腎不全,ネフローゼ症候群,間質性腎炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,乏尿,血尿,尿蛋白,BUN上昇,血中クレアチニン上昇,高カリウム血症,低アルブミン血症等の検査所見があらわれた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
劇症肝炎,肝機能障害,黄疸:劇症肝炎,AST(GOT),ALT(GPT),Al-P,γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

〈高脂血症用剤〉
コレスチラミン
[販 売 名] クエストラン(アベンティスファーマ)
[副作用
(重大な副作用)]
腸閉塞:腸閉塞があらわれることがあるので,観察を十分に行い,高度の便秘,持続する腹痛,嘔吐等の異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

〈気管支拡張剤〉
テオフィリン(徐放性経口剤),(小児の用法・用量を有する製剤)
[販 売 名] スロービット顆粒,同100(日本ヘキサル),テオドールG20%,同錠50mg,同錠100mg,同シロップ2%,同ドライシロップ20%(三菱ウェルファーマ),テオロング顆粒50%,同錠50mg,同錠100mg(エーザイ)他
[用法・用量に関連
する使用上の注意]
本剤投与中は,臨床症状等の観察や血中濃度のモニタリングを行うなど慎重に投与すること。特に,乳幼児,発熱している小児,てんかん及び痙攣の既往歴のある小児等に投与する場合には,通常よりも低用量(ガイドライン参照)からの投与開始を考慮すること。
〈参   考〉 日本小児アレルギー学会:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン 2002

〈副腎ホルモン剤〉
ベタメタゾン,リン酸ベタメタゾンナトリウム(喘息の効能を有しない注射剤,注腸剤)),酢酸ベタメタゾン・リン酸ベタメタゾンナトリウム
[販 売 名] リンデロン散,同錠(武州製薬),同シロップ,同坐剤0.5mg,同坐剤1.0mg,同注20mg,同注100mg,同懸濁注(塩野義製薬)他
[副作用
(重大な副作用)]
消化潰瘍,消化管穿孔:消化管潰瘍,消化管穿孔があらわれるとの報告があるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

〈副腎ホルモン剤〉
リン酸ベタメタゾンナトリウム(喘息の効能を有する注射剤)
[販 売 名] リンデロン注(塩野義製薬)他
[重要な基本
的注意]
本剤の投与により,気管支喘息患者の喘息発作を増悪させることがあるので,薬物,食物,添加物等に過敏な喘息患者には特に注意が必要である。
[副作用
(重大な副作用)]
喘息発作の増悪:気管支喘息患者の喘息発作を増悪させることがあるので十分注意すること。
消化管潰瘍,消化管穿孔:消化管潰瘍,消化管穿孔があらわれるとの報告があるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。
膵炎
〈参   考〉 企業報告

〈主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの〉
塩酸セフカペンピボキシル
[販 売 名] フロモックス小児用細粒100mg,同錠75mg,同錠100mg(塩野義製薬)
[副作用
(重大な副作用)]
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群),紅皮症(剥脱性皮膚炎)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群),紅皮症(剥脱性皮膚炎)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
間質性肺炎,好酸球性肺炎間質性肺炎,好酸球性肺炎があらわれることがあるので,発熱,咳嗽,呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止し,速やかに胸部X線検査,血液検査等を実施し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

〈その他の化学療法剤〉
塩酸テルビナフィン(経口剤)
[販 売 名] ラミシール錠125mg(日本チバガイギー)
[副作用
(重大な副作用)]
ショック,アナフィラキシー様症状:ショック,アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,呼吸困難,全身潮紅,血管浮腫,蕁麻疹等の症状が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

〈血液製剤類〉
乾燥pH4処理人免疫グロブリン
[販 売 名] サングロポール(ZLBベーリング)
[副作用
(重大な副作用)]
血栓塞栓症:大量投与例で,血液粘度の上昇等により,脳梗塞,心筋梗塞,肺塞栓症,深部静脈血栓症等の血栓塞栓症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,中枢神経症状(めまい,意識障害,四肢麻痺等),胸痛,突然の呼吸困難,息切れ,下肢の疼痛・浮腫等の症状が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。なお,血栓塞栓症の危険性の高い患者においては,適宜減量し,できるだけゆっくりと投与することが望ましい。
〈参   考〉 企業報告

〈その他の生物学的製剤〉
抗ヒト胸腺細胞ウマ免疫グロブリン
[販 売 名] リンフォグロブリン注射液100mg(アベンティスファーマ)
[副作用
(重大な副作用)]
間質性肺炎,肺水腫間質性肺炎,肺水腫があらわれることがあるので,観察を十分に行い,発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線検査異常等が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

10 〈機能検査用試薬〉
グルカゴン(遺伝子組換え),グルカゴン
[販 売 名] 注射用グルカゴンG・ノボ(ノボノルディスクファーマ)他
[重要な基本
的注意]
消化管のX線及び内視鏡検査の前処置に本剤を使用した場合,投与直後だけでなく,検査終了後にも血圧低下があらわれることがある。このため,検査終了後も観察を十分に行い,症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

11 一般用医薬品
安中散・芍薬甘草湯(甘草として1日最大配合量が1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤)
[販 売 名] 大正胃腸薬K(大正製薬)他
[相談すること] 次の場合は,直ちに服用を中止し,この文書を持って医師又は薬剤師に相談すること
 まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けること。
  肝機能障害:全身のだるさ,黄疸(皮ふや白目が黄色くなる)等があらわれる。
〈参   考〉 企業報告

12 一般用医薬品
安中散・芍薬甘草湯(甘草として1日最大配合量が1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有しない製剤)
[販 売 名] 大正漢方胃腸薬(大正製薬)他
[相談すること] 次の場合は,直ちに服用を中止し,この文書を持って医師又は薬剤師に相談すること
 まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けること。
  肝機能障害:全身のだるさ,黄疸(皮ふや白目が黄色くなる)等があらわれる。
〈参   考〉 企業報告

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お知らせ
この医薬品・医療用具等安全性情報は,厚生労働省において収集された副作用情報をもとに,医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために,医療関係者に対して情報提供されるものです。
医薬品・医療用具等安全性情報は,医薬品医療機器情報提供ホームページ (http://www.info.pmda.go.jp/又は厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)からも入手可能です。
また,NTTのファクシミリ通信網サービス「Fネット」を通じ,最近1年間の「医薬品・医療用具等安全性情報」がお手元のファクシミリから随時入手できます(利用者負担)。
「Fネット」への加入等についての問い合わせ先:0120−161−011
医薬関係者等の皆様へ
医薬品安全性報告書及び医療機器安全性報告書の報告様式については、 (http://www.info.pmda.go.jp/info/houkoku.html) から入手可能です。


照 会 先
厚生労働省医薬食品局安全対策課
03-5253-1111(内線)2756,2753


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