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平成17年2月7日
連絡先
 医薬食品局安全対策課
  平山(内線 2747)
  後藤(内線 2751)
  鬼山(内線 2753)
  佐々木(内線 2751)

簡易血糖自己測定器・自己血糖検査用グルコースキット(補酵素としてPQQを利用しているGDH法)に関する安全対策について


1. 経緯
(1)  平成16年9月29日、マルトースを含有する輸液を投与中の患者に対して当該機器・キットを使用し、その測定結果を基にインスリンが投与され低血糖を起こした副作用が2例報告されたことから、マルトースを含有する輸液等を投与中の患者には使用しない旨の使用上の注意の改訂を指示した。
(2)  平成16年10月、当該改訂に関連する記事を医薬品医療用具等安全性情報No.206に掲載し注意喚起を図る。
(3)  使用上の注意の改訂後、新たに3例の低血糖に関する副作用が報告された。

2.  本事案の問題点及び安全対策
 平成16年9月29日、製造業者に対して、使用上の注意の改訂を指示したものの、医療現場における医療関係者には、適正使用情報の周知徹底が図られなかったことが問題と考えられる。
 今回は、医療現場における様々な医療関係者に対する適正使用の周知徹底と使用する機器へのシール貼付による患者個々への注意喚起など適正使用情報の十分な提供を目的とした、別添の通知を都道府県あてに発出したので、情報提供する。
 また、同様な通知を各病院団体及び医療関係者が所属する学会等にも通知した。(通知先は下記参照)
 なお、製造業者等には、使用上の注意の改訂と適正使用情報の速やかな提供を指示している。

[通知先]
日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神病院協会、全国自治体病院協議会、日本医師会、日本臨床検査医会、日本臨床検査医学会、日本透析医学会、日本救急医学会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本病院薬剤師会、、日本看護協会、日本糖尿病学会、日本糖尿病協会、日本糖尿病教育・看護学会、日本糖尿病療養指導士認定機構、日本臨床衛生検査技師会、日本衛生検査所協会



写
医政総発第0207001号
薬食安発第0207005号
平成17年2月7日

各都道府県衛生主管部(局)長 殿


厚生労働省医政局総務課長


厚生労働省医薬食品局安全対策課長


簡易血糖自己測定器及び自己血糖検査用グルコースキット(グルコース脱水素酵素法
のうち補酵素にピロロキノリンキノンを使用するもの)の安全対策について


 「グルコース脱水素酵素(GDH)法を用いた血糖測定器」及び「血糖検査用グルコースキット」の安全対策については、平成16年9月29日付事務連絡により、警告の項に「マルトースを含む輸液等を投与中の患者、イコデキストリンを含む透析液を投与中の患者、ガラクトース負荷試験を実施中の患者及びキシロース吸収試験を実施中の患者については、実際の血糖値より高い値を示すため、使用しない」旨を追記し、「使用上の注意」の改訂を行い注意喚起を図ってきたところです。
 しかしながら、その後もマルトースを含む輸液を投与中の患者に当該機器及びキットを使用し、その測定値に基づきインスリンを投与した結果、当該患者に低血糖が発現したという症例が報告されました。当該事例は、医療機関における不適正使用によると思われることから、別添1及び別添2のとおり、日本医療機器関係団体協議会会長及び日本製薬団体連合会安全性委員会委員長あて通知したのでお知らせするとともに、下記の安全対策について、貴管下の医療施設に対して周知徹底方よろしくお願い致します。
 なお、当該安全対策については、当該機器及びキットの適切な使用方法を医療関係者及び患者自身が理解する必要があることから、医療関係者に対する適正使用情報の周知徹底並びに当該機器及びキットを使用する患者に対する十分な教育等についても御協力いただきますよう、重ねてお願い致します。


1. 当該機器の使用方法の周知徹底について
当該機器及びキットは、原則として患者自身が自宅等で血糖を測定する場合に使用するものであること。
2. 当該機器へのシール等の貼付又は配布について
当該機器を使用する患者自身に注意を喚起するため、関連企業が作成した「注意喚起シール」を当該機器に貼付又は患者に対して配布し貼付するよう指導すること。
3. 糖尿病教室等での患者教育について
当該機器及びキットは、マルトースを含む輸液等を投与中に使用した場合、実際の血糖値より高い値を示すことを、解りやすい資料(テキスト)を用いて患者に対して指導すること。



(別添1)
薬食安発第0207003号
平成17年2月7日

 日本医療機器関係団体協議会会長 殿


厚生労働省医薬食品局安全対策課長


簡易血糖自己測定器(グルコース脱水素酵素法のうち補酵素に
ピロロキノリンキノンを使用するもの)の安全対策について


 グルコース脱水素酵素(GDH)法を用いた簡易血糖自己測定器の安全対策について、平成16年9月29日付事務連絡により、警告の項に「マルトースを含む輸液等を投与中の患者、イコデキストリンを含む透析液を投与中の患者、ガラクトース負荷試験を実施中の患者及びキシロース吸収試験を実施中の患者については、実際の血糖値より高い値を示すため、使用しない」旨を追記する「使用上の注意」の改訂を行い注意喚起を図ったてきたところです。
 しかしながら、その後もマルトースを含む輸液を投与中の患者に本機器を使用し、その測定値に基づきインスリンを投与した結果、当該患者に低血糖が発現したという症例が複数報告されました。当該事例は、医療機関における不適正使用によると思われることから、更なる安全対策が必要と考えますので、速やかに下記の措置を講じるよう製造業者、輸入販売業者、外国製造承認取得者又は国内管理人(以下、「製造業者等」とする。)に対し周知徹底方お願い申し上げます。



1.  グルコース脱水素酵素法のうち補酵素にピロロキノリンキノンを使用した簡易血糖自己測定器を扱う製造業者等は、自社が製造又は輸入している本機器の添付文書について自主点検を行い、以下の事項について追記等の改訂を速やかに行い、併せて本機器を使用する医療機関に対し注意喚起を行うこと。

警告の項を
  「実際の血糖値より高い値を示すため、以下の患者には使用しないこと。
  輸液等を投与中の患者(マルトースを含む輸液を投与中の患者で実際の血糖値より高い値を示すため)
イコデキストリンを含む透析液を投与中の患者
ガラクトース負荷試験を実施中の患者
キシロース吸収試験を実施中の患者」
と改め、
医療機関において、輸液を投与中の患者に本機器を使用し、その測定値に基づきインスリンを投与した結果、患者に低血糖症状が生じた事例が報告されていることから、本機器は、原則として患者自身が自宅等で血糖を測定する場合に使用すること。」
を追記する。

2.  適正使用情報の提供等について

1)  医療関係者に対して、早急に適正使用情報の周知徹底を図ること。

2)  医療関係者が、当該機器を使用する患者に適正使用情報を理解させるために必要な資材を作成し、提供すること。


以上



(別添2)
薬食安発第0207001号
平成17年2月7日

日本製薬団体連合会
 安全性委員会委員長 殿


厚生労働省医薬食品局安全対策課長


自己血糖検査用グルコースキット(グルコース脱水素酵素法のうち補酵素に
ピロロキノリンキノンを使用するもの)の安全対策について


 「血糖検査用グルコースキット」の安全対策について、平成16年9月29日付事務連絡により、警告の項に「マルトースを含む輸液等を投与中の患者、イコデキストリンを含む透析液を投与中の患者、ガラクトース負荷試験を実施中の患者及びキシロース吸収試験を実施中の患者については、実際の血糖値より高い値を示すため、使用しない」旨を追記する「使用上の注意」の改訂を行い注意喚起を図ってきたところです。
 しかしながら、その後もマルトースを含む輸液を投与中の患者に当該血糖測定器を使用し、その測定値に基づきインスリンを投与した結果、当該患者に低血糖が発現したという症例が複数報告されました。当該事例は、医療機関における不適正使用によると思われることから、更なる安全対策が必要と考えますので、速やかに下記の措置を講じるよう関係業者に対し周知徹底方お願い申し上げます。
 また、平成16年4月1日薬食安発第0401001号安全対策課長通知(以下「安全対策課長通知」という。)に規定する別紙様式を用いた「使用上の注意」等変更届を貴委員会において取りまとめの上、平成17年3月14日までに独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全部医薬品安全課を窓口として、同部長あてご報告をお願いします。

1. 使用上の注意の改訂
[警告]の項を
  「実際の血糖値より高い値を示すため、以下の患者には使用しないこと。
  輸液等を投与中の患者(マルトースを含む輸液を投与中の患者で実際の血糖値より高い値を示すため)
イコデキストリンを含む透析液を投与中の患者
ガラクトース負荷試験を実施中の患者
キシロース吸収試験を実施中の患者」」
と改め、
医療機関において、輸液を投与中の患者に本キットを使用し、その測定値に基づきインスリンを投与した結果、患者に低血糖症状が生じた事例が報告されていることから、本キットは、原則として患者自身が自宅等で血糖を測定する場合に使用すること。」
を追記する。

2. 適正使用情報の提供等について
(1)  医療関係者に対して、早急に適正使用情報の周知徹底を図ること。
(2)  医療関係者が、当該キットを使用する患者に適正使用情報を理解させるために必要な資材を作成し、提供すること。


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