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平成17年1月20日

(照会先)
 医薬食品局安全対策課
  森口(内線2755)
  田宮(内線2753)
 TEL 5253-1111(代表)


ゲフィチニブ検討会における検討の結果について



 本日、開催された標記会議における検討結果について、別紙のとおり、お知らせします。



ゲフィチニブISEL試験の初回解析結果に関する意見

平成17年1月20日
ゲフィチニブ検討会

1.  現在までに得られている解析結果においては、
(1) 全症例を対象とした場合、本剤投与群とプラセボ投与群との比較で腫瘍縮小効果(奏効率)では統計学的に有意な差が認められたが、主要評価項目である生存期間について統計学的に有意な差は認められなかったこと
(2) 東洋人を対象としたサブグループ解析及び非喫煙者を対象としたサブグループ解析において、本剤の投与が生存期間の延長に寄与することが示唆されたこと
が示されているが、現時点では、解析結果の頑健性が確認できていないこと、副作用発現状況を含めた安全性、上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子の変異、その他の評価項目に関する解析が終了していない等、本試験結果の日本における本剤の臨床的有用性に対する影響を判断するためには、現在実施中の各評価項目の詳細な解析結果を待つ必要がある。

2.  しかしながら、
(1) サブグループ解析の結果から、日本人は含まれていないものの東洋人においては本剤の投与が生存期間の延長に寄与することが示唆されること
(2) 非小細胞肺癌におけるEGFR遺伝子の変異が腫瘍の本剤に対する反応性に関わっているとの報告や当該遺伝子の変異の割合が米国に比し日本で高いとの報告があること
を考慮すると、現時点で本剤の使用を制限する等の措置を講じる必要性に乏しく、引き続き、少なくとも投与開始後4週間は入院またはそれに準ずる管理の下で、間質性肺炎等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うなど、添付文書に記載されている安全対策を継続しつつ、肺癌化学療法に十分な経験をもつ医師による使用を徹底するなど、本剤の適正使用を進めることが適当である。

3.  昨年12月から企業が行っているISEL試験の初回解析結果に関する医療機関等への情報提供については、今後も定期的に実施するとともに、本剤の使用に際しては、患者に対して、東洋人かつ喫煙者のサブグループ解析において本剤による生存期間の延長が認められなかったこと等本試験結果の内容について十分に説明し、同意を得た上で投与することが重要である。

4.  本剤の日本人患者における生存期間に対する有効性を評価するためには、現在実施中のドセタキセルを対照とした非盲検無作為化群間比較試験の結果が必要であり、企業は早急な試験の完了に向けて努力するべきである。

5.  企業は、EGFR遺伝子の変異と本剤の治療成績及び副作用の発現との関連についての研究を早急に進めるとともに、得られた成果については積極的に公表し、医薬関係者及び患者に対して情報提供するべきである。


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