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平成17年1月7日
健康局結核感染症課
課長:牛尾
担当:前田(2373)

インドネシア・スマトラ島沖大規模地震及びインド洋津波被害に
関連して被災地に入られる方への感染症情報



1.出国に際しての注意
 被害地域への渡航を予定されている被災者のご親族、マスコミ関係者、NPO・NGOや政府関連の災害救援隊、ボランティアの方々へ、今後、現地に滞在するに当たり予想される問題点について、お知らせいたします。

【水や食料から感染する感染症】
 広範囲で清潔な飲料水が不足しているため、安全ではない水の飲用、食物の摂取、不十分な衛生状態、熱帯性気候に関連して、コレラ腸チフス細菌性赤痢A型肝炎E型肝炎などの感染症の流行が予測されます。

(対策)
 ペットボトルなど安全で適切な飲料水の確保、塩素化消毒剤、簡易浄水キット、消毒用アルコール等に加え、できる限り、下痢症等に関する医薬品などを持参してください。
 A型肝炎に対しては、ワクチンの接種が勧められます。
 ワクチン接種のできる検疫所、医療機関については、下記の検疫所まで、問合せてください。
 インドへの滞在には、ポリオ、保健医療関係の業務を行う場合は、針刺し事故等によるB型肝炎の感染防止に、特に注意してください。

【動物由来感染症】
 不十分な衛生状態が長く続くことにより、ネズミなどのげっ歯類の排泄物により感染するレプトスピラ症や、寄生しているノミにより感染するペストも問題となる可能性があります。
 また、蚊の繁殖が増加してくれば、蚊の吸血により感染するマラリアデング熱日本脳炎などの流行も懸念されます。

(対策)
 防虫スプレーの持参、長袖長ズボンの着用と、できる限り、必要な医薬品などを持参してください。

【その他の感染症】
 被災地では損壊物が多く生じており、現地の活動中に負傷した場合、破傷風にかかる可能性があります。

(対策)
 破傷風に対しては、ワクチンの接種が勧められます。

 今後、被災地への渡航を予定されている方で、渡航に関する健康上の相談がある方は、下記の検疫所まで、ご連絡ください。


2.帰国に際しての注意
 現在、帰国者に対し、質問票の提出をお願いし、検疫所において健康調査を実施しています。(別添の通知を参照してください)

 検疫所では、無料で健康相談、診療を行っておりますので、体調に少しでも変調を来したと思われるときは、あなた自身の健康管理のために、検疫所の診察室に必ずご相談ください。

 また、検疫所ホームページ(https://www.forth.go.jp/)も参照してください。




名称 郵便番号 所在地 電話番号
FAX番号
小樽検疫所 047-0007 小樽市港町5番3号(小樽港湾合同庁舎1階) TEL 0134-22-5234
FAX 0134-25-6069
仙台検疫所リンク 985-0011 塩釜市貞山通3丁目4番1号(塩釜港湾合同庁舎) TEL 022-367-8100
FAX 022-362-3293
成田空港検疫所リンク 282-0004 成田市古込字古込1番地1(第2旅客ターミナルビル) TEL 0476-34-2301
FAX 0476-34-2304
東京検疫所リンク 135-0064 江東区青海2丁目56番地(東京港湾合同庁舎8階) TEL 03-3599-1511
FAX 03-5530-2151
横浜検疫所リンク 231-0002 横浜市中区海岸通1丁目1番地(横浜第2港湾合同庁舎) TEL 045-201-8527
FAX 045-201-3302
新潟検疫所リンク 950-0072 新潟市竜が島1丁目5番4号(新潟港湾合同庁舎2階) TEL 025-241-2323
FAX 025-241-7404
名古屋検疫所リンク 455-0045 名古屋市港区築地町11番地の1 TEL 052-661-2670
FAX 052-661-4136
大阪検疫所リンク 552-0021 大阪市港区築港4丁目10番3号(大阪港湾合同庁舎5階) TEL 06-6571-3521
FAX 06-6575-1803
関西空港検疫所リンク 549-0011 大阪府泉南郡田尻町泉州空港中1番地(CIQ合同庁舎) TEL 0724-55-9012
FAX 0724-55-1281
神戸検疫所 652-0866 神戸市兵庫区遠矢浜町1番1号 TEL 078-672-9651
FAX 078-672-9660
広島検疫所 734-0011 広島市南区宇品海岸3丁目10番17号(広島港湾合同庁舎3階) TEL 082-251-2927
FAX 082-254-4984
福岡検疫所リンク 812-0031 福岡市博多区沖浜町1の22(福岡港湾合同庁舎) TEL 092-291-4092
FAX 092-291-4096
那覇検疫所リンク 900-0001 那覇市港町2丁目11番1号(那覇港湾合同庁舎2階) TEL 098-868-8037
FAX 098-861-4372



食安検発第0107001号
平成17年 1月 7日


各検疫所長殿


検疫所業務管理室長


スマトラ沖地震で被災した国々から来航する船舶・航空機における検疫対応等について


 昨年末にインドネシアのスマトラ島沖で発生した大規模地震及びそれに伴って発生した津波により、インドネシア、タイ、インド、スリランカ、モルジブなどの国々に重大な被害がもたらされている。
 WHOは、地震発生直後から水の汚染や衛生状態の悪化による感染症の発生を警告している。最新の報告では、被災各国では下痢が蔓延、インドネシアやタイではマラリア、デング熱も広がりつつあるとしている。
 上記のような状況から、今後、被災国から帰国される救助関係者及び旅行者等については、下記のとおり一層の注意を払い検疫を実施されるよう要請する。



1.  被災国のうち、現在質問票による検疫を実施していないマレーシア、スリランカ、モルジブ、セーシェル諸島についても当分の間、帰国者等に対する検疫は、各空港検疫所においては、機内で配布・記入された質問票を回収し対応すること。
2.  船舶の検疫については、従来通り無線検疫にて対応すること。ただし、被災国を発寄港し来航する旅客船については、臨船(着岸)検疫とし、乗客に質問票の記入を求め対応すること。その他の船舶については、事前通報等から乗組員等の健康状態(下痢、腹痛、発熱等の有無)について情報を得るとともに、異常が認められた場合には、臨船(着岸)検疫を実施し、適切に対処すること。
3.  被災国における感染症の流行・蔓延は、今後拡大されることが予想されることから、被災国からの帰国された方に対する一層の注意喚起を行うこと。併せて、被災国へ渡航される方からの健康相談については、的確な情報提供等の対応を図ること。


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