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平成16年11月12日
厚生労働省


昭和薬品化工株式会社及びカロナール株式会社の産業活力
再生特別措置法に基づく事業再構築計画の認定について


1. 認定計画の概要
 昭和薬品化工(株)及びカロナール(株)(認定申請時は、(株)ジャフコ・エスアイジーNO.5。以下同じ。)から平成16年10月27日付けで提出された「事業再構築計画」について、産業活力再生特別措置法第3条第6項の規定に基づき審査した結果、同法第2条第2項第1号に規定する事業の構造の変更及び同条第2項第2号に規定する事業革新を行う者として、同法で定める認定要件を満たすと認められたため、本日付けで事業再構築計画の認定を行った。

 本事業再構築計画は、ベンチャーキャピタルである「(株)ジャフコ」が無限責任組合員として運営するファンド「ジャフコ・バイアウト2号投資事業有限責任組合」並びに「JAFCO Buyout No.2 Limited Partnership (Cayman) L.P.」が100%所有するカロナール(株)による昭和薬品化工(株)株式のTOB(株式公開買付け)の後、産業活力再生特別措置法の特例を用いて株式交換を行うことで、カロナール(株)は昭和薬品化工(株)を100%子会社化する。これにより昭和薬品化工(株)は、(株)ジャフコが持つ約2,700社に上る投資先ベンチャー企業とのパイプを強固にするとともに、新製品開発等における意思決定の迅速化、競争力強化を図るものである。

 今回の計画により昭和薬品化工(株)及びカロナール(株)は、(1)登録免許税の軽減、(2)金銭による株式交換及び(3)簡易株式交換 を受けることができる。


2. 事業再構築の実施時期
 開始時期 平成16年11月 〜 終了時期 平成19年10月


3. 申請者の概要
 名称 昭和薬品化工株式会社
 資本金 568百万円
 代表者 野村 泉
 住所 東京都中央区京橋二丁目17番11号

 名称 カロナール株式会社
 資本金 10百万円
 代表者 白石 智哉
 住所 東京都中央区京橋二丁目17番11号
 


平成16年11月1日、商号及び住所変更
変更前: 株式会社ジャフコ・エスアイジーNO.5
東京都千代田区丸の内一丁目8番2号





本件に関する問い合わせ先
 厚生労働省医政局経済課 担当:猪股、山本
 電話:03−5253−1111(内線2530、2531)



【参考】 産業活力再生特別措置法の概要
   企業(事業者)が、産業活力再生特別措置法に基づき事業計画(事業再構築計画、他3計画)を作成し、その事業計画が一定の基準を満たし、当該事業計画に係る事業を所管する大臣の認定を受けると、税制上の特例、商法上の手続の簡素化、財政・金融上の優遇を受けることができる。

 (1) 事業計画の種類
事業再構築計画
既存企業が中核事業への「選択と集中」を通じ、企業全体の生産性の向上を図る計画(自力再生)
共同事業再編計画 過剰供給事業において、複数事業者が共同で事業集約、縮小・廃止を通じ事業の効率性向上を図る計画
経営資源再活用計画 既存企業において有効に活用されていない経営資源を活用して、当該事業分野の効率性向上を図る計画
事業革新設備導入計画 思い切った設備投資の促進により、国内に生産性が高く、競争力のある産業を確保するための計画

 (2) 支援措置
(ア) 税制上の特例
登録免許税の軽減
会社設立の場合、通常増加資本金額の0.7%→0.15%等
事業革新設備の特別償却  

特別償却率




事業再構築計画 …30%
共同事業再編計画 …40%
経営資源再活用計画 …30%
事業革新設備導入計画 …24%
共同現物出資時の譲渡益課税の繰延
    等

(イ) 商法上の特例
検査役調査の免除 現物出資、事後設立及び財産引受を行う場合、その出資財産等に対する検査役又は弁護士等第三者の行う調査は不要(取締役による調査で足りる)。
簡易組織再編の特例
営業譲渡、合併、分割、株式交換等の組織再編に必要な株主総会の特別決議は不要(取締役会決議のみで可)。
 ・条件1… 相手方の規模が1/5以下
 ・条件2… 2/3以上の議決権を保有している子会社がグループ内で行う組織再編成
合併対価の柔軟
金銭を対価とした合併、吸収分割、株式交換
減資関連手続の簡素化
資本等の減少と同時に減少額を上回る増資を行う場合に必要な株主総会特別決議は不要(取締役会決議のみで可)。また債権者保護手続のうち、個別催告も不要
資本の減少と同時に株式併合を行う場合で株主に影響が無い場合、株主総会特別決議は不要(取締役会決議のみで可)。
    等

(ウ) 政策金融措置
日本政策金融銀行による支援措置(低利融資制度等)
産業基盤整備基金による支援措置(事業革新設備を導入する際の債務保証等)
中小公庫、国民公庫、商工中金による低利融資
    等



様式第三

認定事業再構築計画の内容の公表

1. 認定した年月日   平成16年11月12日

2. 認定事業者名   昭和薬品化工株式会社
カロナール株式会社(認定申請時は、株式会社ジャフコ・エスアイジーNO.5。平成16年11月1日商号変更。以下同じ。)

3. 認定事業再構築計画の目標
 (1) 事業再構築に係る事業の目標
 昭和薬品化工(株)は歯科用薬品・後発医薬品の製造販売を行っており、ここ数年は自社開発製品の寄与や後発医薬品促進策等の追い風もあり、売上も増加基調であった。しかしながら昨今市場の成長期待もあって同社事業領域への新規参入も増加している。斯様な環境下、同社の優位性を維持発展させるためには、自社開発に加え、他社、特に歯科・医療周辺分野のベンチャー企業との提携による新製品パイプライン増強、開発効率化も視野に入れていく必要性があると認識している。
 これを実現するために、今般株式会社ジャフコが無限責任組合員として運営するファンド「ジャフコ・バイアウト2号投資事業有限責任組合」並びに「JAFCO Buyout No.2 Limited Partnership (Cayman) L.P.(以下総称して「JBO2」という。)」が100%所有するカロナール(株)(社長:白石 智哉)による昭和薬品化工(株)株式の公開買付けの後、現金を対価とする株式交換を行って100%子会社化する。これにより、(株)ジャフコが持つ約2,700社に上る投資先ベンチャー企業とのパイプを強固にするとともに、新製品開発等における意思決定の迅速化を図る。またカロナール(株)は、昭和薬品化工(株)完全子会社化の後にも、将来的な買収戦略による企業グループとしての価値向上を企図していることから、合併は行わずに昭和薬品化工(株)の持株会社として機能することとなる。
 (株)ジャフコは高齢化社会における歯周病患者の増加傾向及び昭和薬品化工(株)の歯科領域における成長ポテンシャルに着目し、昭和薬品化工(株)が将来的に「歯科領域、特に歯周病領域におけるリーディングカンパニー」となることを主眼として、カロナール(株)による昭和薬品化工(株)完全子会社化後、積極的に支援を行っていく方針である。

<戦略面>
(1) 投資先・接触先等とのアライアンスによる技術導入
 JBO2運営母体である(株)ジャフコは、2700社に上る国内外投資先のほかにも、年間5000社超のベンチャー企業にアプローチを行っており(2004/3期実績:ファーストコンタクト5,426社に対し投資実行88社)、広範なベンチャー企業とのネットワークを有している。
 現状完全子会社化後に想定しているアライアンス先としては、歯槽骨再生、歯肉再生、人工歯根、歯科材料、インプラント施術機器等との共同ビジネス構築支援を行うことによる昭和薬品化工(株)への積極的な技術及び将来への開発シーズ導入を行う。
 また医科向け後発医薬品に関しては、医師向け媒体やマーケティングコンサルタントの紹介等を通じた成長支援を行う。

(2) 追加買収等における資金支援
 昭和薬品化工(株)の事業領域拡大及び事業領域におけるシェア拡大のため、同業他社及び中核的事業に相乗効果のある会社・技術の買収を積極的に検討する。

<体制面>
(1) コーポレートガバナンス、インセンティブプラン導入
 (株)ジャフコは、カロナール(株)による昭和薬品化工(株)完全子会社化の後、持株会社となるカロナール(株)に対して複数名の非常勤取締役を派遣し、コーポレートガバナンスの導入を行うとともに上記戦略実行支援を行う。また事業再構築計画完遂のため、役員・従業員に対し適切なインセンティブプラン構築を行う。

 (2) 生産性の向上を示す数値目標
 生産性の向上としては、平成19年度には平成15年度に比べて、従業員一人当たり付加価値額を連結で11.5%(昭和薬品化工(株)単体で37.4%)向上させることを目標とする。

4. 認定事業再構築計画の内容
 (1) 事業再構築に係る事業の内容
(1) 中核的事業
歯科用薬品・後発医薬品・医療用具等の製造、販売

(2) 選定理由
 昭和薬品化工(株)は、創業期以来の取引経緯に基づき歯科医及び歯科卸、特に下流に近い二次卸と広範なネットワークを有している。また1996年に歯科用局所麻酔剤である「オーラ注」、2000年に歯周炎抗生物質治療薬である「ペリオフィール」等を上市し、歯科医師のニーズを捉えた製品として増収基調を継続していること、また今後高齢化社会に向けて歯周病関連市場の拡大を予想し、当該分野への資源の集中を企図していることから、歯科用薬品・材料等の製造販売は中核的事業と位置付けられる。
 また、後発医薬品に関してもアセトアミノフェン製剤を主力製品として展開しており、今後鎮痛剤としての用途拡大を目指すことから当該事業も中核的事業に含まれる。

(3) 事業再構築に係る事業の内容
 (株)ジャフコが無限責任組合員として運営するファンドであるJBO2の100%所有しているカロナール(株)が昭和薬品化工(株)株式の公開買付けした後、現金を対価とする株式交換を行って100%子会社化する。

(事業の構造の変更:公開買付け等による株式取得、連結子会社化)
 ・ 昭和薬品化工(株)の株式公開買付
 公開買付け期間: 平成16年11月15日〜平成16年12月6日(予定)
 公開買付け価格: 一株あたり2,439円

 ・ 増資
 公開買付け資金を調達するため、カロナール(株)はJBO2に対する90億円の第三者割当増資を行う。
 増資額: 9,000百万円(うち4,500百万円を資本金へ組み入れ)
 増資前の資本金: 10百万円
 増資後の資本金: 4,510百万円
 増資の方法: JBO2に対する第三者割当増資
 増資予定日: 平成16年12月9日(予定)

 ・ 金銭による株式交換
 公開買付終了後、昭和薬品化工(株)株式保有株主へ同社株式に対して金銭を交付する株式交換を行い、昭和薬品化工(株)をカロナール(株)の完全子会社とする。
 実施時期: 平成16年12月(予定)

(事業革新)
 昭和薬品化工(株)は、平成17年度より、義歯床用弾性裏装剤「生体用シリコーン」を製造・販売するとともに、歯科技工所に対し当該生体用シリコーンを利用した義歯である「SJデンチャー」の技工技術のライセンス供給を行う。当該新製品は、従来シリコーンを義歯として利用する場合の「剥がれ易い」「厚みがとれない」等の難点をシリコーンとレジンを特殊技術で接合させることによって克服した製品であり、一般的な患者のみならず、難症例の患者にも、落ちない、痛くない、剥がれなく快適に噛める義歯を提供できるようになる。
 また、後発医薬品分野ではアセトアミノフェン製剤のカロナールに関して、今回鎮痛用途への拡大を企図し、2004年10月に世界での使用実態とハーモナイズすべく用量拡大の一部変更申請を行っており、承認がおり次第、副作用の少ない、安価で適正な「鎮痛剤」として、女性の痛み、高齢者の疼痛管理、癌疼病等の内科全般への販売・促進活動を開始する。
 これらに基づき、平成19年度の新製品の売上高を全売上高の5.2%とすることを目標とする。

 (2) 事業再構築を行う場所の住所
東京都中央区京橋二丁目17番11号
昭和薬品化工株式会社本社

神奈川県川崎市高津区下野毛三丁目13番1号
昭和薬品化工株式会社多摩川工場

神奈川県厚木市長谷字柳町260番地60
昭和薬品化工株式会社厚木プラント

愛知県瀬戸市坂上町411
昭和薬品化工株式会社瀬戸工場

東京都中央区京橋二丁目17番11号
カロナール株式会社

 (3) 関係事業者
株式会社ジャフコ(JBO2運営母体として昭和薬品化工(株)価値向上に直接的に関与するため)

 (4) 事業再構築を実施するための措置の内容
別表のとおり

 (5) 事業再構築の開始時期及び終了時期
開始時期: 平成16年11月
終了時期: 平成19年10月

 (6) 事業再構築に伴う労務に関する事項
(1) 事業再構築の開始時期の従業員数(平成16年10月時点)
昭和薬品化工(株)  214名
カロナール(株)  0名

(2) 事業再構築の終了時期の従業員数(平成19年10月末)
昭和薬品化工(株)  219名
カロナール(株)  5名

(3) 事業再構築に充てる予定の従業員数
224名

(4) (3)中、新規に採用される従業員数
10名

(5) 事業再構築に伴い出向または解雇される従業員数
出向予定人員数  なし
転籍予定人員数  5名
解雇予定人員数  なし



別表

事業再構築の措置の内容
措置事項 実施する措置の内容及びその実施する時期 期待する支援措置
事業の構造の変更    
  資本の相当程度の増加による中核的事業の開始、拡大または能率の向上 公開買付資金を調達するために、カロナール株式会社はジャフコ・バイアウト2号投資事業有限責任組合並びにJAFCO Buyout No.2 Limited Partnership (Cayman) L.P.に対する第三者割当増資を行う。
(1) 増加前の資本金:10百万円
(2) 増加する資本金:4,500百万円(資本準備金4,500百万円)
(3) 増資の方法:ジャフコ・バイアウト2号投資事業有限責任組合並びにJAFCO Buyout No.2 Limited Partnership (Cayman) L.P.に対する第三者割当増資
(4) 増資の時期:平成16年12月9日(予定)
租税特別措置法第80条の2(認定事業再構築計画等に基づき行う登記の税率の軽減)
株式交換による中核的事業の開始、拡大または能率の向上 カロナール株式会社を完全親会社とし、昭和薬品化工株式会社を完全子会社とする株式の交換

【完全親会社となる会社】
会社名: カロナール株式会社
住所: 東京都中央区京橋二丁目17番11号
代表者氏名: 白石 智哉
資本金: 10百万円

【完全子会社となる会社】
会社名: 昭和薬品化工株式会社
住所: 東京都中央区京橋二丁目17番11号
代表者氏名: 野村 泉
資本金: 568百万円

実施時期: 平成16年12月(予定)

なお、株式交換に際しては、昭和薬品化工株式会社株式保有株主への現金を交付することとし、一株あたりの交付金の額については第三者機関により算定
法第12条の4
(簡易株式交換に関する特例)

法第12条の9
(合併等に際してする特定金銭等の交付に関する特例)
事業革新    
  第2条第2項第2号イ  平成17年度より、義歯床用弾性裏装剤「生体用シリコーン」を製造・販売するとともに、歯科技工所に対し当該生体用シリコーン利用義歯である「SJデンチャー」の技工技術のライセンス供給を開始する。当該新製品は、従来シリコーンを義歯として利用する場合の「剥がれ易い」「厚みがとれない」等の難点をシリコーンとレジンを特殊技術で接合させることによって克服した製品であり、一般的な患者のみならず、難症例の患者にも、落ちない、痛くない、剥がれなく快適に噛める義歯を提供できるようになる。

 後発医薬品分野では、アセトアミノフェン製剤のカロナールに関して、今回鎮痛用途への拡大を企図し、2004年10月に世界での使用実態とハーモナイズすべく用法・用量拡大の一部変更申請を行っており、承認がおり次第、副作用の少ない、安価で適正な「鎮痛剤」として、女性の痛み、高齢者の疼痛管理、癌疼病等の内科全般への販売促進活動を行う。
これらにより、平成19年度の新製品の売上高を全売上高の5.2%とすることを目標とする。
 


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